ジオン公国次元転移記(改定版) 作:masakoba(正博)
ガミラス冥王星前線基地では、ジオン公国機動船団と違う別の報告が舞い込んで来た。
地球に新たに艦らしき反応を、索敵機が感知したと言うものだった。
ジオンとの戦いで少なくない艦艇を失ったシュルツ司令は焦っていた。
「これ以上失敗は出来ん。ゲール司令の機嫌を損ねると処刑だぞ。その艦らしき反応に巨大ミサイルを撃ち込め!」
「はっ! 目標に向かって巨大ミサイル発射!」
ガミラス冥王星前線基地からヤマトに向かって、巨大ミサイルが打ち上げられた。
ギレンの執務室では
「ギレン兄。そろそろヤマトの発進だよ。巨大ミサイルが見られるよ」
「さて、ジオン公国始まって以来、初の外宇宙だな」
「ハマーン姉どうしたの?」
「ユーリ達には分かるまい。木星ですら暗く寂しい所だった。それすら遥かに越える等、私は怖いのかもしれん」
「そうかもね、俺達って基本月の裏側までだったから。でも大丈夫だよ、マクロスFでは太陽系を越えたじゃない。しかも今度は1人じゃない、ジオン全員が一緒に行くから寂しくないよ」
「そうだな、皆で行く。寂しくないか」
宇宙戦艦ヤマトはショックカノンの一斉射撃で巨大ミサイルを撃破、その爆炎の中から宇宙へと旅立って行った。
往復37万6千光年と言う途方も無い距離を地球滅亡までに帰って来なくてはいけない。
しかも本当にあるのかも分からないコスモリバースシステムそしてイスカンダル星。
謎の敵ガミラスの恐怖と戦いながら、旅立って行った。
「さて我々も行こうか片道16万8千光年、そして居ると思われる『神の転移・転生者』を倒しに」
「居るのですか『神の転移・転生者』が」
「ギレン兄と俺との推論だけどね。ガミラスの使っているビームがおかしいと言うだけの」
「ビームがおかしいと言うのは?」
「ガミラスの使うビームも陽電子なのに、陽電子リフレクターをすり抜けて来るんだ。これは普通じゃない何か仕掛けがされているかも、又は俺達の知らない道のテクノロジーかも。だから調べに行く未知のテクノロジーなら解析してジオンに役立てる、『神の転移・転生者』なら探し出して倒す」
「敵は強ければ強い程良い。ジオンが最終戦争で『神の転移・転生者』に勝つ為に。何せガミラスは銀河系同士で戦争出来る程の巨大な帝国だからな。ジオン強くなる為の贄となって貰おう」
ヤマトは順調に航海を続けていた。
ワープテスト、木星の浮遊大陸基地を波動砲で撃破。
ヤマトはガミラス冥王星前線基地に近づきつつあった。
ジオン公国機動船団はフォールド航法で、ヤマトより先に進んでいた。
「兄上。ヤマトより先にガミラス冥王星前線基地を叩きましょう」
「キシリア。お前趣味で言って無いか?」
「いえ全く無いと言えば噓になりますが、ガミラス基地攻撃の演習の意味もあります」
「キシリア姉に1票。ガミラスの情報もっと欲しい」
「うむ。ガミラスの情報収集と基地攻撃演習の意味で出撃を許可する」
基地攻撃はキシリア、ハマーン、サスロの3軍団に決まった。
ユーリは攻撃終了後に情報収集、ドズル、ガルマは宇宙で逃げ出す敵を撃破する役目。
「ジオン公国機動船団、デ・フォールドします」
「各部隊出撃!」
ガミラス冥王星前線基地では突然現れた、ジオン公国機動船団に迎撃準備が行われていた。
「何処から現れたのでしょう。空間レーダーには突然現れたと言う事ですが?」
「馬鹿な未開の星にゲシュタム航法等出来る筈が無い。レーダーの点検を後でさせておけ、故障だ。故障」
「迎撃機は全機発進完了。反射衛生砲を使いますか?」
「馬鹿な! 迎撃機で充分だ」
キシリア、ハマーン、サスロは基地攻撃の為、ミノフスキー粒子を散布しながらガミラス冥王星前線基地に近づいていた。
「あのオーロラの中に敵基地がある。だが忘れていた、ミノフスキー粒子の存在を」
「確かに以前は使って当たり前の物だったが、新技術が次々出て来て来るから忘れていたよ」
「何だ。年寄り臭い会話だな。だが確かにユーリが言わねば、そのまま突撃していたな」
「ユーリは1番ジオンの伝統を覚えているのかも知れんな」
「敵機襲来!」
「キシリア、ハマーン先に行け。ここは受け持つ」
「サスロ兄上! 行くぞ、ハマーン」
「分かった」
襲来して来たのは、メランカ50機とDDG110ゼドラーⅡ駆逐戦闘機100機の編隊だった。
「蚊トンボばかり。てめえら素早く潰せ!」
サスロ部隊は交戦に入った。
「キシリア、サスロは大丈夫か?」
「遊びにもならんな、あの程度。気を付けねばならんのは戦闘艦だけよ。それより突入するぞ!」
「分かった」
キシリアとハマーンの部隊は、ガミラス冥王星前線基地に突入を開始した。
基地内へ侵入を許したシュルツ達は焦った、基地を失えば極刑は免れないからだ。
「戦車を全て出せ! 念の為だ、戦闘艦をいつでも出せる様にしておけ」
シュルツの命令により基地内の各所から、サルバーS―Ⅵ型重戦車が出て来た。
「戦車が出て来たぞ。一応光子力バリアを張って様子を見る。・・・・陽電子リフレクターで跳ね返せる。後は砲台か・・・これもリフレクターで跳ね返せる。戦闘艦が現れるまで光子力バリアは解除。行け好きに暴れよ!」
キシリアの指示が飛び、全部隊は蹂躙を開始した。
戦車も砲台も無効化されて、潰されていった。
基地の危機を知らされた戦闘機部隊も戻って来たが、叩き落とされるだけだった。
「戦闘艦出撃せよ。基地に被害が及んでも構わん、敵を殲滅せよ!」
だが命令を出すのが遅すぎた、既に戦闘艦の発進口はハマーン部隊が待ち構えていた。
戦闘艦の発進口が開き始めたので、戦闘艦が出てくるのが分かった。
ケルカピア級高速巡洋艦が上昇を始めた時。
「フフフ、沈め。ファンネル!」
ハマーン部隊の攻撃を受けた戦闘艦が落ちていき、次に上昇を始めたデストリア級重巡洋艦に激突2隻の戦闘艦が落下し大爆発を起こした。
その為次々と誘爆していく戦闘艦部隊は壊滅状態になった。
この報告を聞いたシュルツは呆然となり、代わりにガンツが基地からの脱出を指示した。
ガイデロール級戦艦は第2格納庫にあり無事だった。
シュルツとガンツは戦艦の乗り、何故かヤレトラーだけがデストリア級重巡洋艦に乗り込んだ。
第2発進口は隠蔽されていた為、ジオン部隊が気づいた時には宇宙を目指し高く上昇していた。
だが突然ヤレトラーの艦だけが反転基地を目指した。
「ヤレトラー何をする、戻って来い!」
「司令お世話になりました。このまま戻っても極刑であれば、私は敵を道連れに自爆します。さらばです」
通信は向こうから切れた、シュルツは大事な作戦参謀を失った。
しかもヤレトラーの覚悟も実らなかった。
特攻してくる艦をジオン部隊が見逃さず、集中攻撃で空中で爆散した。
「ヤレトラー仇は必ず」
シュルツ達も閃光に消えて行った。
ドズルのビグ・ザムⅡが遠距離攻撃により、ガイデロール級戦艦を光に変えたのだ。
追従していた戦闘艦5隻も消滅した。
ユーリはラル隊の警備の下、反射衛星砲の解析に来ていた。
ペンダントで図面を出して、詳しく解析した。
ガイデロール級戦艦を拿捕した時に詳しく解析していた為に、ユーリはガミラス科学知識も解析出来る様になっていた。
「解析完了。ラルさん爆破準備お願い」
「ユーリ様。これも見て頂けますか」
「何見つけたの?・・・これってガミロイドだね、解析完了。これはお持ち帰りしようか」
ユーリ達は撤退し、反射衛星砲は爆破され冥王星の氷の海に沈んだ。
ジオン公国機動船団はミラージュコロイドを展開させ、冥王星を急いで離れた。
その後、ヤマトが決死の覚悟で、冥王星に乗り込んで来た。
ヤマトは艦載機を多数放ち偵察を行った、結果ガミラス冥王星前線基地を発見した。
ヤマトは基地へ急行した。
だがある筈の攻撃も無く、偵察機からの分析の結果破壊されていると判明した。
ヤマトは基地上空で待機、コスモシーガルをガミラス基地へ着陸させた。
分析班、真田、新見、アナライザーと古代を始めとした護衛班数名が降り立った。
ガミラス基地は完全に破壊されており、何ら資料となる物も無かった。
「ガミラス基地をこんなにするなんて何者でしょう。真田さん」
「分からんが、これを見ろ。古代」
「これはひょっとして足跡ですか? でもこんな巨大な足跡っていったい」
「これは仮説だがロボットだと思っている。様々なロボット達が暴れたのではとね」
「そんな力を持つ者と戦いたく無いですね」
「サナダサン。ヤマトト・シンゴウヲダス・コンテナヲ・ミツケマシタ」
「行って見よう。古代」
真田と古代はアナライザーが示す地点に、2m四方のコンテナを見つけた。
そして驚く事が表面に書いてあった。
地球の文字で。
(ヤマトのみなさん長旅ご苦労様です。これは真田さんへ差し上げます。役に立ててね・ジオン)
「ヤマトはまだ分かる。だが私の名前を知っている存在がいる」
「ソレハチガイマス・ヤマトノ・ノリクミインヲ・ゼンイン・ハアクシテイマス」
「何故分かる! アナライザー」
「コチラニ・キテミテクダサイ」
真田と古代はアナライザーが呼ぶ側に回り再び驚愕した。
そこにはヤマト全クルーのリストがあった。
それも所属部署から身体的特徴まで、細かく書かれてあった。
「少なくとも相手は、こちらの事を良く知っている様だ。恐ろしい程」
「ジオンって書いてありましたよね。名前・組織・国・敵・味方」
「アナライザー! 爆発物の反応は。危険性は?」
「アリマセン・ゼンブ・カミノヨウデス」
「ヤマトに持ち帰ろう。アナライザー、コスモシーガルへ積み込んでくれ」
古代達はコスモシーガルでヤマトに帰還した、謎のコンテナと共に。
古代達は持ち帰ったコンテナを、艦長を始め主要メンバーに見せた。
全員が驚愕で言葉も出ない様だった。
まさか太陽系の端で自分の事を知っている存在がいるとは誰も思わないだろう。
「古代。それで冥王星のガミラス基地の様子は?」
「はい、艦長。完全に破壊されています」
「残るはこれか。真田君危険性は?」
「分析の結果では全くありません。紙が入っているだけの様です」
「・・・・開けてみよう。アナライザー開けてくれ」
「ハイ・・・・・ドウゾ」
それは紙の束ばかりであった。
「・・・・・! みんな触るんじゃない!!」
「危険なのかね?」
「艦長。済みません、驚かせてしまって。違うんです! これは宝の山なんです。だからバラバラにされたくないんです」
「これが宝の山?」
「これを見たまえ、新見君」
「うそ! 凄い。これも、これも、本当に宝の山だわ」
真田と新見は2人で子供の様にはしゃいで、他のメンバーは置き去りにされていた。
「真田君。わしらにも分かる様に説明してくれんか」
「済みません、艦長。これは全部あらゆる分野で研究されている事の解決方法なんです。しかもヤマトにとって利用価値の高い技術が山の様にあるんです。例えばワープの距離を10倍、通常航行の速度も10倍になるんです。つまりこの2束でヤマトの航海が飛躍的に短縮出来るんです。そんな物が詰まっているんです」
「真田さん! それではその改造をすれば」
「島。改造では無いんだ。今の設備を調整し直す事だけで良いんだ」
その時突然真田が銃を抜き、保安班リーダー伊藤に向けた。
「島! 伊藤の銃を取り上げてくれ」
「これはどういう事です。真田さん」
「伊藤。お前は芹沢宙将の犬だ! イズモ計画の為ヤマト内部で混乱を起こし、失敗させる為に送り込まれたな」
「そんな証拠も何も無いのに」
「お前のロッカーの2重底の中にある」
伊藤の顔が驚きに変わったが、すぐに笑い出した。
「くっははははは。参りました、その通りですよ。宇宙人に助けて貰う、正気ですか気味の悪い」
「古代! このリストに書かれているメンバーを全員確保してくれ。こいつらも同じだ。そして新見君、銃を渡してくれ」
「本当に凄い。私の事まで書いてあるなんて。はい、どうぞ真田さん」
こうしてヤマトのクーデター実行犯は全て未然に捕まり、地球でも芹沢宙将が反逆罪で捕まった。
「ハッピーエンドの邪魔者は消えたかな」
「ユーリ。お前何かしたの?」
「クーデターの事をバラしただけだよ。キシリア姉」
「それならいいわ。私も嫌いだもの、あの糸目の奴」