私の親友達は仲が悪い   作:Katarina T

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後輩たちの今

私たちの登場や突然の奇襲によって、未だヘルメット団の子達は現状が呑み込めていないのか、呆気にとられたように固まっている。

 

見たところ、ヒトミちゃんとセリカちゃん二人には怪我もないみたいだね。

 

ふう~~どうやら間に合った見たいだね!良かった~~。

 

 

 

「セリカちゃん!!」

 

アヤネちゃんがセリカちゃんの方に駆け寄って行く。

 

よっぽど心配だったのか、その目には若干涙が浮かんでいた。

 

だって二人しかいない1年生だし、二人ともとっても仲良しだもんね。

 

そりゃ心配に決まってるよ。

 

「アヤネちゃん!?みんな!どうしてここに!?」

 

「それはヨルハ先輩が、なんだか嫌な予感がするって……。」

 

「ヨルハ先輩が……。」

 

セリカちゃんが驚いたように私の方に視線を向けてくる。

 

「うん……。帰る時のヒトミちゃんの様子が気になっちゃって。みんなには悪いと思ったけど、連絡して戻って来たんだ。」

 

あの時はヒトミちゃんはセリカちゃんの事で何かに気づいて、話を聞くんだろうなって思ってたから、二人っきりにした方が良いと思って帰ったんだけど。

 

あの後、アビドスに帰る途中、何だか街の様子に違和感があったんだ。

 

なんか、こう……ピリピリしてるっていうか、いつもより静けさがあったていうか。

 

とにかく何時ものアビドスと違ってるって感じて……そしたら、急に二人の事が気になって来ちゃって、迷ったけどみんなに連絡して迎えに切ったってわけ!

 

「うそでしょ……私、全然気づかなっかんだけど……。」

 

私の説明を聞いたセリカちゃんが信じられないものを見る目で見てくる。

 

「別に私も確証があったわけじゃないんだけど……セリカちゃん達のことが心配でね。」

 

「さっすが、ヨルちゃん。そういう野生的な感の良さ。頼りになる~~。おかげで助かっちゃった。」

 

「えっ!?ヒトミ先輩、ヨルハ先輩たちが来ること知ってたんじゃなかったの!!?」

 

「いんや全然。だってずっとセリカちゃんとしゃっべってたし、連絡なんかしてなかったでしょ。」

 

「そう、いえば……じゃあなんで、あんなに余裕そうだったのよ!?」

 

「そんなん決まってるじゃん。……来るだろうなぁって思ってたからだよ。」

 

ねっ!って言いながらヒトミちゃんは私の肩に手を乗せた。

 

全くも~…。ヒトミちゃんは、相変わらずなんだから。

 

「危なそうなら、そう言ってくれれば良いのに!心配になっちゃうじゃん!!」

 

「ヨルハの言うとおりですね。こう言う大事なことは共有しておいて貰いたいです。第一、ヨルハが気づかなかったら、どうするつもりだったんですか。」

 

「そん時は、適当に騒ぎを起こせば、ホシノが駆けつけるでしょ。よく夜に街を徘徊してるのは知ってたし。」

 

「徘徊って……パトロールって言ってほしいですね……。はあ、セリカちゃん大丈夫だった。このシスコンに変なことふき込まれていない?」

 

「ちょっ、気にするとこそこっ?!普通こういう時って、怪我の心配とかしない!」

 

「ヒトミが大事な後輩に怪我なんてさせるわけでないでしょ。」

 

「そうだよね!私もヒトミちゃんが傍に居ると思って安心だったし!ああでも、急な電話は皆に悪いから、やっぱり前もって言ってほしいかも。」

 

「はいはい。次から気を付けるよーー。」

 

あ、これはあんまり分かってないな……。

後で、もう一回言っておかないとね!

 

 

 

私の大切な親友と後輩を傷つけたコイツらを、片付けた後で………ね。

 

 

 

□□□

 

 

「それで……あんたらが言ってた、こわ~~い、こわ~~い、ピンク色の化け物が来ちゃたわけだけどさ、どうすんの?」

 

ヒトミ先輩の言葉にヘルメット団の連中が後ずさる。

どうやらあいつら、本当にホシノ先輩のことが怖いらしい。

 

さっきまで、私とヒトミ先輩に好き勝手言っていたときの威勢の良さは、完全に失っており、ヘルメットで顔が隠れていても分かるくらい動揺している。

 

……前から気になってたんだけど、ホシノ先輩って他の学区の生徒から、一体どんな扱いされているのよ。

 

私は場違いだと思いながらも、そんなどうでも良いことを考えてしまう。

 

きっとそれは、この場に駆けつけくた皆が私の傍にいるから、

 

……だけじゃない。

 

 

今、私たちの目の前。一番前で敵と向かい合って立っている、三人の後ろ姿に、どうしようもなく安心しているからだ。

 

先輩達は、自分の武器を構えて、今にもヘルメット団に突っ込んでいきそうだ。

 

ホシノ先輩は、いつもより目が鋭くてなんだか荒々しいし、

 

ヨルハ先輩も、いつもの優しい笑顔が今はなんだか怖いし、

 

ヒトミ先輩に関しては、さっきまで我慢していたからか、完全にヤル顔をしている。

 

きっと、このまま三人に任せてしまえば、一瞬でけりが付くだろう。

 

囲まれていようと、人数が多かろうと、武装に幾ら差があろうと。

 

そんなもの無視して、三人だけで圧倒できる事は、さっきの会話や今まで見てきた三人の連携から容易に想像つく。

 

 

そう……この前や今までと同じように……。

 

 

 

───っ!!

 

「先輩達っ待って!!」

 

「うわあっ!?セリカちゃん、どうしたの?」

 

突然の制止にヨルハ先輩が驚いた顔でわたしの方を見る。

 

いや、ヨルハ先輩だけじゃなく、隣にいたアヤネちゃんたち皆が私の方を向いている。

 

唯一ホシノ先輩だけは、横目でちらりと見るだけで、ヘルメット団の方に集中している。

 

 

ヒトミ先輩は……さっきまでの殺伐とした雰囲気がなくなって、少し笑っていた。

 

 

その顔に背中を押されるように、私はヨルハ先輩に視線合わせる。

 

「ヨルハ先輩……。ここは私たちに任せて貰えませんか?」

 

「え!?セ、セリカちゃん。いきなりどうしたの?」

 

「っ!?」

 

ヨルハ先輩が困惑したように私の方を見る。

ホシノ先輩も私の言葉が意外だったのか、私の方に振り返って来た。

 

そんな二人に目を向けながら私は続ける。

 

 

 

「分かってる。ここは先輩たちに任せた方がいいってことも、別に私たちだけじゃなくて、先輩たちと協力すればいいってことも。

でも………私は今の私たちを先輩達に知って欲しい!!守って貰うだけじゃない!!私たちの事を!!いつか成長した姿を見せられるように、今の私たちを見て欲しいの!!だからここは私たちにやらせて!!」

 

 

 

 

「……ん!セリカの言うとおり、私たちだけでやれる!」

 

「そうですね♪いい機会ですし、私たちの成長、先輩達にみてもらいましょう☆」

 

「はい!私も全力でサポートします!!」

 

私の言葉にシロコ先輩、ノノミ先輩、アヤネちゃんが同意するようにやる気を出してくれた。

もしかしら、皆も私と同じだったのかもしれない。

 

「えっと、どうしよう…大丈夫かなぁ…。」

 

「セリカちゃん。気持ちは分かるけど、何も今じゃなくても。」

 

「………。」

 

ヨルハ先輩とホシノ先輩は、まだ少し心配そうな表情を浮かべる。

全く、相変わらず心配症ね

でも、それだけ私の事を大切思ってくれているってことなのよね。

 

 

 

私たちだけじゃ心配なら……

 

「……先生。お願いがあるの。」

 

私は先生の方を向いた。

 

私は自分の都合で、勝手に嫌って、勝手に避け続けていた。

正直やな奴だって我ながら思うわ。

 

そんな私のために、わざわざこの場所に来てくれた私たちの助けになりたいって言ってくれた初めての大人。

 

ねえ、先生。勝手な奴だって思うかしら、それとも都合がいい奴かな。

そう思われてもしょうがないし、嫌いになっても当然だと思うわ。

 

……それでも。

 

もし……まだ、私の力になって貰えるのなら……お願い。

 

「……先生。……指揮をお願い。」

 

″うん!任せて!″

 

先生は少しの迷いもない真っ直ぐな顔で頷いた。

 

 

 

「よし!そうと決まれば、私たちはのんびり見物させて貰うとしようかな~~。ほら、行くよ二人とも!」

 

「ちょっと!ヒトミちゃん!?」

 

「こら!引っ張らないでくださいよ!!」

 

そう言って、ヒトミ先輩はヨルハ先輩とホシノ先輩を連れて後ろに下がっていく。

 

そのすれ違いざま、私だけに聞こえるくらいの声で一言呟いた。

 

「行ってこいセリカ。」

 

 

 

「──みんな!!行くわよ!!」

 




なんか、セリカちゃんが主人公みたいになってしまってるような……
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