私の親友達は仲が悪い   作:Katarina T

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ヘルメット団、殲滅!

「ん!一気に蹴散らす!」

 

最初に飛び出したのは、何気にセリカと同じくらいやる気を漲らせているシロコだ。

シロコは、飛び出した勢いのままヘルメット団に接近していく。

 

「ち、近寄られてせるなーーー!!」

 

当然、ヘルメット団も近づけさせまいとシロコに向かって、反撃してくる。

 

「ん。甘い…。」

 

しかし、シロコの見事な身のこなしによって、ヘルメット団の銃弾は、全て躱されてしまい、全く妨害になっていない。

 

「ヨルハ先輩との訓練見比べたら……ずっと楽。」

 

シロコは十分ヘルメット団との距離を詰めると、容赦なく愛銃の『WHITE FANG 465』の引き金を引いた。

 

「ぐはっ……。」

 

シロコの放った銃弾は、一人のヘルメット団員に見事命中し、意識を刈り取る。

 

「……ん。ドンドン、いく。」

 

シロコは気絶した生徒を一瞥すると、直ぐに次の獲物に向かって駆け出して行く。

 

 

 

「うふふ♪シロコちゃん、とっても張り切ってますね~!それじゃあ私も張り切って頑張りますよーー!♪」

 

(ドガガガガガガ!!!)

 

ノノミの持つミニガン『リトルマシンガンⅤ』から、大量の弾幕が放たれる。

ノノミの弾幕は、ミニガンの性質上大雑把な攻撃になってしまうため、命中力はそこまで高くない。

しかし、大量に放たれた弾幕により巻き上がった砂煙がヘルメット団の視界を完全に奪った。

 

「ちっ!砂煙のせいで、何も見えない!」

「くっそー!!奴らはどこだ!!──そこかっ!!」

「いっで!!誰だ!!あたしのこと撃ったバカは!!」

「あいでっ!!ちょっと!今誰か私の足踏んだ!?」

「ちょっ、押すな!!押すな!!」

 

「おい!落ち着けお前らっ!!」

 

ヘルメット団は完全に統率を無くしており、連携を取ることが出来なくなっている。

 

そこに追い打ちをかけるように、連中の真ん中から爆発音が鳴り響いた。

 

(ドカー―――――――――ン!!)

 

「「ぎゃーーーーー!!??」」

 

「な、どっから!!??」

 

爆発があった場所の近くにいた数名のヘルメット団が、爆発の衝撃で地面に倒れる。

 

リーダーの生徒は爆発が手榴弾のような爆弾によるものだと考えて、投げ込まれた地点を探るために周囲を見回すと、いつの間にか上空に一機のドローンが戦場を観察するように飛行していた。

 

「火力支援、成功しました。シロコ先輩、敵が混乱している今のうちに補給品を受け取って下さい!」

 

「ん。ナイスタイミング、アヤネ。」

 

そのドローンは、アヤネが操縦しているものであり、先の爆弾もそのドローンより投下された物であるようだ。

 

「舐めたことしやがってーー!!あんなもん撃ち落としてやんよ!!」

 

リーダーの生徒がドローン目掛けて銃を乱射する。

アヤネは巧みな操縦技術で、銃弾の雨の中、掠りもさせることなく、全て躱し切っていた。

 

「ちっ!鬱陶しいな!!こうなったらっ……!」

 

リーダーの生徒は、未だに諦めていない様子で、近くの団員に向かって怒鳴りつけるような大声で指示を飛ばす。

 

「おいっ!!後ろで控えさせてた戦車と榴弾砲を持ってこい!!あいつら全員吹き飛ばしてやる!!」

 

「で、でもリーダー!!こんな街の真ん中でそんなことしたら、流石にマズイって!?依頼主からも余りの騒ぎを起こすなって言われてるんだしさ、ここは一旦引いた方がいいって………。」

 

団員の一人がそのように言って来るが、リーダーの生徒はそんな言葉に耳を貸すことなく、苛立った様な雰囲気で更に怒鳴り散らしている。

 

「うるせえ!!ここまでコケにされて黙って引き下がれるか!!?いいから言う通りにしろ!!」

 

「は、はい!?分かりました!!」

 

そう言うと、残っていたヘルメット団員は、後方で準備してあった戦車に向かって走り出す。

 

元々セリカを逃がさないように、公園の周囲を囲むように人員を配置していたことや標的が本来一人だけであり使うことはないだろうと思っていたこと。

何より、ホシノ以外のアビドス生のことを舐めていたこともあり、戦車などを待機させている場所には、誰も居なかった。

そのせいでヘルメット団員は、今、走ってそこまで行かなければならないが、

 

………そんな隙を逃す気がない生徒が一人。

 

「ぐえっ………。」

「ぐはっ………。」

 

「なっ!?」

 

走り出そうとした生徒が、一人、また一人と倒れていく。

驚いて相手の方を見ると、

 

……………一人のスナイパーが、まるで狩りをする猛獣のように、獲物をしっかり見据えていた。

 

「させるわけないじゃない!」

 

セリカはスコープから見えるヘルメット団員にしっかり照準を合わせ、発砲する。

 

「ふべっ………。」

 

それによりまた一人。ヘルメット団員の意識を刈り取っていく。

その銃身にぶれはなく、素晴らしい軌道を描きながら確実にターゲットを仕留める姿は、見事なスナイパーの姿と言え、彼女の事を讃えるであろう。

 

しかし、セリカ本人は違った。

 

(やっぱり……今の私じゃかなわないな……。)

 

セリカは知っている。

 

自分の先輩なら、もう既に敵を全滅させているであろうことを

自分が、一人敵を倒す時間で、先輩は数人以上の敵を倒すことができることを

自分の先輩が如何に完成されたスナイパーであることを、

きっとさっきの囲まれていた状況でも一人で全員倒すことが出来たであろう事を

 

 

今の自分とのどうしようもない差を………セリカは知っている。

 

「それでも!!」

 

セリカがまた一人、敵を仕留める。

セリカだけでない、シロコ、ノノミ、アヤネ。そして全員の指揮をしている先生。

全員が敵を倒すため………仲間のために戦っていた。

 

(私は一人で戦ってるんじゃない!皆が一緒に戦ってくれてる!私のワガママに付き合ってくれてる!!なら、私がしなきゃいけないことは!!私がしたいことは!!!)

 

今はまだ、未熟な黒猫。

しかし迷いながらも今も進み、確実に成長を続いている黒猫は、いずれ立派に成長するであろう。

 

……………仲間たちと共に。

 

「だから、今の私の全力を見せてあげるわよ!!」

 

 

□□□

 

 

「うわーー……。みんな、すっごい………。」

 

目の前で繰り広げられている戦闘を眺めながら、つい言葉がこぼれた。

 

いや、私の後輩。強すぎ……。

 

ついこの前まで、まだまだ負けないと思ってたけど………あれ、もしかして私やばいかな………。

ていうかセリカちゃん!なんかあったのかってくらい、強くなってるんでけど!?

さっきからバッタ、バッタ、とヘルメット団の子たち打ち抜いてるんですけど!?

 

 

私が後輩達の成長に目を奪われていると、横にいたホシノちゃんが、ヒトミちゃんに向かって話しかけた。

 

「なんとなくですけど……セリカちゃんの戦い方がヒトミに似ているような気がします。貴方、何か吹き込みました。」

 

「いんや、あたしは別になにも………。」

 

「ええ、本当かな~~?私もホシノちゃんと同意見なんだけど。セリカちゃんすっごく強くなってるし!」

 

「そんな疑いの籠った目でみられても、本当になんもないって…………。まあ、しいて言うならほんの少し話を聞いたくらいかな………。」

 

「………貴方、人の話を真面目に聞くことが出来たんですね。」

 

「ホシノって私のこと何だと思ってるの?」

 

「年中発情中の姉狂いのバカシスコン。」

 

「よしそのケンカ買ってやろうじゃんか!突撃しか脳の無い猪ピンク脳が!」

 

「ちょっと二人共!一応まだ戦闘中だよ!!」

 

私は二人の間に入ってケンカが起きるのを止める。

 

もうせっかく後輩達が頑張ってくれてるってのに二人して!

 

「そうは言っても………、私達出る幕なさそうですよ………これは。」

 

「まあ、そうだわね。」

 

見れば、もう立っているヘルメット団の人数はあと数人になっている。

恐らくあと数分で決着がつくであろう。

 

「うーーん、確かに。ちょっと心配してたけど、全然大丈夫みたいだね。」

 

「ヨルちゃんは心配し過ぎなんだよ。あの子らあたし達が守る必要なんてこれっぽちもないんだからさ。」

 

「ヒトミは少し言い過ぎだと思いますけど………確かにそうかもしれませんね。」

 

「ふぇーー……。なんだか嬉しいような……寂しいよな複雑な気持ちだよ~~。」

 

「それが成長するというものじゃよ。ヨルハ爺さんや。」

 

「誰がおじいちゃんだよ!?私は女なんだから、そこはおばあちゃんでしょ!?」

 

「いや、ツッコムとこそこですか……。」

 

私たちがそんな馬鹿なやり取りをしていると、戦闘音が次第に聞こえなくなって来た。

 

あ、どうやら終わったみたいだね。

みんなは………うん!怪我も無さそうだね!帰ったらいっぱい褒めてあげなきゃ!!

 

私がそんな風に思っている横で、ヒトミちゃんがおもむろに立ち上がった。

 

 

 

 

「クソが!いい気になるなよアビドスめ!!次来た時は目に物を──ぎゃん!?」

 

 

 

「まあ………、あたしらも後輩達に置いてかれないように気を付けよっか……。」

 

最後の一人。隙を見て逃げようとしていたリーダーの生徒を打ち抜きながら、ヒトミちゃんは笑いながらそう言った。

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