私の親友達は仲が悪い   作:Katarina T

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後輩たちの成長

「シロコちゃん、威勢がいいね!それじゃあ……遠慮なく、いっくよーー!!」

 

そう言って、私は勢いよく地面を蹴った。

 

「っ!?」

 

最初に反応したのはシロコちゃんだった。

 

「ん!来た!」

 

シロコちゃんはすぐさま銃を構え、こちらに向けて発砲する。

 

パンッ!パンッ!パンッ!

 

「おっと!」

 

飛んでくる弾丸を、身体をわずかに傾けることで次々と回避する。

 

もちろん、ただ避けるだけじゃない。

 

私はそのままシロコちゃんとの距離を一気に詰めていく。

 

「んっ!」

 

しかし、シロコちゃんも黙ってはいなかった。

 

私が接近してくることを予測していたのか、後ろに跳び退きながら、さらに数発の弾丸を撃ち込んでくる。

 

「おおっ!いい反応!」

 

「まだまだ!」

 

シロコちゃんは着地すると同時に、再びこちらへ銃口を向ける。

 

うんうん!

 

以前よりもずっと動きに無駄がなくなっている。

 

それに、私の動きに合わせて距離を調整しているあたり、ちゃんと周りを見ながら戦えているみたいだね!

 

……でも。

 

「それなら、こっちはどうかな?」

 

私はシロコちゃんの射線から外れるように横へ跳び、そのまま近くにあった遮蔽物の陰へと身を隠した。

 

「ん。隠れた……!」

 

「シロコ先輩!右です!」

 

アヤネちゃんの声が響く。

 

「っ!」

 

シロコちゃんはすぐさま右方向へ銃口を向ける。

 

けれど───。

 

「残念!こっちだよ!」

 

「んっ!?」

 

反対側から飛び出した私の姿に、シロコちゃんが目を見開いた。

 

パンッ!

 

銃声が一つ響く。

 

けれど、その弾丸は私には当たらない。

 

私はシロコちゃんの銃口が向くよりも早く、その懐へと入り込んでいた。

 

「はい、タッチ♪」

 

ぽんっ、とシロコちゃんの肩に手を置く。

 

「……ん」

 

「まずは一回、私の勝ちだね!」

 

「むぅ……」

 

シロコちゃんが少しだけ頬を膨らませた。

 

あらら、悔しそう。

 

でも、今のは悪くなかったよ!

 

「シロコちゃん、今の判断はよかったよ!ちゃんとアヤネちゃんの声を聞いて、すぐに反応できてたし!」

 

「……ん。でも、ヨルハ先輩には届かなかった」

 

「ふふっ♪ それはこれからのお楽しみだね!」

 

「……絶対に当てる」

 

おおっ、燃えてる燃えてる!

 

これは私も頑張らないとね!

 

「セリカちゃん!次はどうする?」

 

「えっ!?ちょ、ちょっと待ちなさいよ!まだ心の準備が……!」

 

「ええ~?さっきまであんなにやる気だったのに?」

 

「う、うるさいわね!!やるわよ!!」

 

セリカちゃんは慌てて銃を構えると、私との距離を測るように慎重に照準を合わせた。

 

「今度は私が相手よ!覚悟しなさい!」

 

「うん!いつでもどうぞ!」

 

パンッ!パンッ!

 

セリカちゃんの射撃が始まる。

 

シロコちゃんのような積極的な攻め方とは違い、こちらの動きをよく見ながら確実に当てようとしてくる戦い方だ。

 

なるほど……。

 

これも以前とはずいぶん変わったね。

 

昔だったら、もっと勢い任せに撃っていた印象があったけど、今は違う。

 

弾数も意識しているし、私の逃げ道を塞ぐように射線を組み立てている。

 

「へえ~!セリカちゃん、すごく上手になったね!」

 

「戦ってる最中に褒めないでよ!!調子狂うでしょ!!」

 

「あははっ!ごめんごめん!」

 

そんなことを言いながらも、セリカちゃんの射撃は止まらない。

 

むしろ、私が回避する方向を予測して、次々と弾丸を送り込んでくる。

 

「……あっ!」

 

気が付けば、私の逃げ道がかなり狭くなっていた。

 

おおっ、これはなかなか……!

 

「えへへ♪」

 

「っ!?」

 

セリカちゃんが少しだけ得意げな表情を浮かべる。

 

うんうん!

 

その調子、その調子!

 

だけど……。

 

「じゃあ、ちょっとだけ本気を出しちゃおうかな♪」

 

私は身体を低くして、セリカちゃんの射撃の隙間を縫うように走り抜けた。

 

「えっ!?うそっ!?」

 

気が付いた時には、もう目の前。

 

「はい、セリカちゃんもタッチ♪」

 

「なっ……!?い、いつの間に!?」

 

「えへへ♪」

 

「うう~~っ!!絶対に次は当ててやるんだから!!」

 

「うん!楽しみにしてるね!」

 

ふふっ。

 

セリカちゃんも、ちゃんと成長してる。

 

昔みたいに焦って無茶をすることもなくなったし、自分の得意な戦い方を理解している。

 

それに、負けたことを悔しがれるくらい、余裕も出てきた。

 

本当に、みんな頑張ってきたんだね。

 

……なんだか、ちょっと嬉しくなっちゃうな。

 

「それじゃあ、次はアヤネちゃんかな?」

 

「は、はい!よろしくお願いします!」

 

アヤネちゃんは少し緊張した様子で銃を構えた。

 

その後ろでは、ノノミちゃんがにこにことこちらを見守っている。

 

「うふふ♪ ヨルハ先輩、頑張ってくださいね☆」

 

「ありがとう、ノノミちゃん!でも、次はノノミちゃんの番だからね?」

 

「あらあら♪ もちろんですよ!」

 

……あれ?

 

なんだろう。

 

さっきからノノミちゃん、ずいぶん余裕そうだね?

 

「ヨルハ先輩!いきます!」

 

「うん!おいで!」

 

アヤネちゃんの射撃は、他の二人とは少し違っていた。

 

無闇に撃つことはせず、こちらの動きや周囲の状況を確認しながら、的確に弾丸を撃ち込んでくる。

 

しかも、私が避けた先には、いつの間にか次の射線が用意されている。

 

「おおっ!?アヤネちゃん、すごいね!」

 

「ありがとうございます!でも、まだまだです!」

 

その言葉とともに、アヤネちゃんは後方へと下がった。

 

そして、私との距離が開いた瞬間。

 

「シロコ先輩!セリカちゃん!今です!」

 

「ん!了解!」

 

「分かってるわよ!」

 

えっ?

 

その瞬間、左右から二人の銃声が響いた。

 

「わわっ!?」

 

咄嗟に身体をひねって回避する。

 

なるほど!

 

アヤネちゃんが私の動きを誘導して、シロコちゃんとセリカちゃんに射線を合わせさせたんだ!

 

三人で連携しているんだね!

 

「えへへ……どうですか?」

 

アヤネちゃんが少しだけ嬉しそうに笑った。

 

「すっごくいいよ!!」

 

思わず声が大きくなる。

 

「えっ?」

 

「今の連携、すっごくよかった!アヤネちゃんが二人の動きを見ながら指示を出して、シロコちゃんとセリカちゃんもそれに合わせて動いてたよね!」

 

「は、はい!ありがとうございます!」

 

「ん。まだ終わってない」

 

「そうよ!まだまだこれからなんだから!」

 

あらら。

 

二人とも、すっかりその気だね。

 

これはちょっと、私も気合いを入れ直さないと!

 

……とはいえ。

 

「ふふっ♪」

 

なんだか、嬉しくなっちゃうな。

 

みんながここまで成長してくれたこともそうだけど、こうしてお互いのことを信頼して、一緒に戦っている姿を見ると……。

 

本当に、頼もしくなったなって思う。

 

「よーし!それじゃあ、次は私も少しだけ頑張っちゃおうかな!」

 

「ん!望むところ!」

 

「絶対に当ててやるんだから!」

 

「私も、精一杯サポートします!」

 

三人が一斉に銃を構える。

 

そして、その後ろから。

 

「うふふ♪ それでは、私もそろそろ参加させてもらいましょうか☆」

 

ノノミちゃんが、にこやかに一歩前へ出てきた。

 

「あれ?ノノミちゃんも?」

 

「はい♪ もちろんですよ!」

 

「……あれ?」

 

なんだろう。

 

急に、目の前の空気が変わったような……。

 

「ヨルハ先輩」

 

ノノミちゃんが、いつもの柔らかい笑顔を浮かべたまま言った。

 

「私たち、ずっとこの日を楽しみにしていたんですよ?」

 

「えっ?」

 

「だって、ヨルハ先輩とこうして訓練するの、本当に久しぶりですから♪」

 

「そ、そうだね?」

 

「だから今日は……」

 

ノノミちゃんが銃を構える。

 

その表情はいつも通り穏やかで、にこにこと笑っている。

 

けれど、その銃口だけは真っ直ぐに私を捉えていた。

 

「遠慮なんてしませんからね☆」

 

「…………」

 

……あれ?

 

もしかして、私。

 

今日はちょっと大変なことになっちゃうのかな?

 

「ん!ヨルハ先輩、隙あり!」

 

「わっ!?ちょ、ちょっと待って~~!!」

 

考え込んでいる間に、シロコちゃんが勢いよく飛び込んできた。

 

「おっと!」

 

咄嗟に横へ飛び退く。

 

けれど、そこにはすでにセリカちゃんの銃口が向けられていた。

 

「そこよ!!」

 

パンッ!パンッ!

 

「わわっ!?」

 

さらに、私が避けた先にはアヤネちゃんが待ち構えている。

 

「こちらです!」

 

「ええっ!?そっちにも!?」

 

そして───。

 

「うふふ♪ 逃がしませんよ☆」

 

ドララララッ!!

 

ノノミちゃんのミニガン連射が、私の逃げ道を塞ぐように飛んでくる。

 

「ちょ、ちょっと!?みんな、いつの間にこんなに連携できるようになったの!?」

 

思わず声を上げてしまった。

 

いや、本当に驚いた。

 

四人とも、以前とは比べ物にならないくらいお互いの動きを理解している。

 

シロコちゃんが前に出て私の注意を引き付け、セリカちゃんが射線を作り、アヤネちゃんが全体を見ながら指示を出す。

 

そして、ノノミちゃんがその隙を逃さず攻撃を加え逃げ場を無くす。

 

誰か一人が無理をすることもなく、全員が自分の役割を理解して動いている。

 

「ん!まだまだいく!」

 

「ちょっとシロコ先輩!先走らないでよ!」

 

「大丈夫です!シロコ先輩なら、今の位置からでも対応できます!」

 

「あらあら♪ それなら、私も援護しますね☆」

 

……うん。

 

本当に、凄い。

 

でも、だからこそ。

 

「ふふっ♪ それなら、私も少しだけ本気を出さなくちゃね!」

 

私は飛んでくる弾丸を避けながら、近くの遮蔽物を蹴って大きく跳躍した。

 

「っ!?上!?」

 

「えっ!?ちょっと、そこから来るの!?」

 

「ノノミちゃん!気を付けて!」

 

「はい♪」

 

四人の視線が一斉にこちらへ向く。

 

けれど、私の狙いは攻撃ではない。

 

着地と同時に地面を蹴り、今度はノノミちゃんとの距離を一気に詰める。

 

「えっ?」

 

「はいっ!」

 

ぽんっ!

 

ノノミちゃんの肩に軽く触れる。

 

「まずはノノミちゃん、タッチ♪」

 

「あらあら♪ 捕まっちゃいましたね☆」

 

ノノミちゃんは驚く様子もなく、楽しそうに笑っていた。

 

「でも、ヨルハ先輩」

 

「ん?」

 

「後ろですよ♪」

 

「えっ?」

 

その声を聞いた瞬間、私はすぐさま横へ飛び退いた。

 

次の瞬間、さっきまで私がいた場所を弾丸が通り過ぎる。

 

「おおっ!?」

 

シロコちゃんだ!

 

いつの間に回り込んでいたんだろう。

 

しかも、私がノノミちゃんに気を取られることまで予測していたみたい。

 

「ん。惜しかった」

 

「うふふ♪ シロコちゃん、いいタイミングでしたよ」

 

「ありがと、ノノミ」

 

「ちょっと!二人とも、まだ終わってないわよ!」

 

セリカちゃんがすかさず声を上げる。

 

「アヤネちゃん!次はどうする!?」

 

「はい!ヨルハ先輩の動きに合わせて、射線を組み直します!シロコ先輩は正面から、セリカちゃんは左側をお願いします!」

 

「了解!」

 

「分かったわ!」

 

「うふふ♪ 私も合わせますね☆」

 

……あはは。

 

これは、なかなか手強いね。

 

さっきまでとは違って、私の動きを見てから対応するんじゃなくて、次に私がどう動くのかを予測して動いている。

 

それに、アヤネちゃんの指示も的確だ。

 

みんな、本当に成長したんだなぁ……。

 

なんて、ちょっと感心している場合じゃないね!

 

「よーし!それじゃあ、今度は私から行くよ!!」

 

私は正面からシロコちゃんへ向かって走り出した。

 

「ん!来た!」

 

シロコちゃんもこちらへ銃口を向ける。

 

けれど、私はそのまま直進することなく、途中で急激に進行方向を変えた。

 

「っ!?」

 

「セリカちゃん、右!」

 

「分かってるわよ!」

 

すぐにセリカちゃんが対応する。

 

けれど、もう遅い。

 

私はセリカちゃんの射線を抜け、そのままアヤネちゃんの方へと向かう。

 

「えっ!?私ですか!?」

 

「アヤネちゃん、タッチ!」

 

ぽんっ!

 

「あっ……!」

 

これで二人目。

 

「ん!まだ!」

 

直後、シロコちゃんがこちらへ飛び込んでくる。

 

「おっと!」

 

今度はシロコちゃんの攻撃を真正面から受け止めるのではなく、身体を半歩ずらして回避する。

 

そして、その勢いを利用してシロコちゃんの背後へ回り込む。

 

「はい、シロコちゃんもタッチ!」

 

「……ん。悔しい」

 

「ふふっ♪ 惜しかったね!」

 

「まだ終わってないわよ!!」

 

セリカちゃんの声とともに、再び銃声が響く。

 

「おっとっと!」

 

「今度こそ当てるんだから!」

 

セリカちゃんは焦ることなく、私との距離を保ちながら射撃を続けている。

 

うん。

 

本当に落ち着いて戦えるようになったね。

 

でも……。

 

「セリカちゃん、ちょっとだけごめんね!」

 

「えっ?」

 

私は飛んでくる弾丸を避けながら、一気に距離を詰めた。

 

「はいっ!タッチ!」

 

「ああ~~っ!!もう!!」

 

これで三人目。

 

残るはノノミちゃんだけ。

 

「うふふ♪ さすがですね、ヨルハ先輩」

 

「えへへ♪ ありがとう、ノノミちゃん!」

 

「でも、私もまだまだ頑張りますよ☆」

 

そう言うと、ノノミちゃんは少しだけ後ろへ下がり、銃を構え直した。

 

……あれ?

 

今までのノノミちゃんと、少し雰囲気が違うような。

 

「それでは、最後は私ですね♪」

 

「うん!よろしくね!」

 

ノノミちゃんの射撃が始まる。

 

ドララララッ!!

 

その弾道は正確で、無駄がない。

 

しかも、こちらが避ける方向を見越して撃っているのか、簡単には距離を詰めさせてくれない。

 

「おおっ……!」

 

思わず感心してしまう。

 

ノノミちゃんは普段こそおっとりしているけれど、戦闘になると本当に頼もしい。

 

それに、他のみんなと違って、無理に攻め込んでくることもない。

 

私の動きをじっくり見ながら、確実に隙を狙っている。

 

これは……ちょっと厄介かも。

 

「ヨルハ先輩、どうしましたか?」

 

「ううん!なんでもないよ!」

 

「うふふ♪ それなら、もう少し頑張らなくちゃいけませんね☆」

 

ノノミちゃんが笑顔のまま、さらに射撃を続ける。

 

……あはは。

 

これは、私も負けていられないね!

 

私は一度大きく後ろへ跳び、ノノミちゃんとの距離を取った。

 

「……ん?」

 

ノノミちゃんが少しだけ首を傾げる。

 

そして、私はそのまま大きく息を吸って───。

 

「ノノミちゃーん!!」

 

「は、はい!?」

 

思いっきり声を上げた。

 

その一瞬、ノノミちゃんの注意がこちらに向く。

 

私はその隙を逃さず、地面を蹴って一気に接近した。

 

「えっ!?きゃっ!」

 

ぽんっ!

 

「はい!これで全員タッチだね!」

 

「……あらあら♪」

 

ノノミちゃんは一瞬きょとんとした後、くすくすと笑い始めた。

 

「まさか、声で隙を作られるとは思いませんでした」

 

「えへへ♪ ちょっとずるかったかな?」

 

「いいえ♪ とっても勉強になりました」

 

こうして、四人全員にタッチすることができた。

 

……とはいえ。

 

「ふぅ……。みんな、すっごく強くなったね!」

 

私は思わず、素直な感想を口にした。

 

本当に、ここまで成長しているとは思わなかった。

 

もちろん、まだまだ改善できるところはある。

 

だけど、それ以上にみんなの動きには確かな成長が感じられた。

 

「ん。ヨルハ先輩も、相変わらず強かった」

 

「そうよ!全然攻撃が当たらないんだもの!」

 

「私も、途中からどう動けばいいのか分からなくなっちゃいました……」

 

「あらあら♪ でも、とっても楽しかったですね☆」

 

みんな口々に感想を言い合っている。

 

その様子を見ていると、なんだか自然と笑顔になってしまう。

 

「えへへ♪ ありがとう!」

 

私はみんなの方へ向き直った。

 

「でもね、今日の訓練で一番嬉しかったのは、みんながすごく成長していたことなんだよ!」

 

「えっ?」

 

「シロコちゃんは、相手の動きをよく見て攻められるようになったし、セリカちゃんは焦らずに自分の得意な戦い方を活かせるようになってた!」

 

「ちょ、ちょっと……」

 

「あはは♪ それにアヤネちゃん!みんなの動きを見ながら指示を出して、全体をまとめるのが本当に上手になったね!」

 

「そ、そんな……ありがとうございます!」

 

「ノノミちゃんも!周りの状況をよく見ながら、みんなを援護してくれていたし、最後まで落ち着いて戦えていたよ!」

 

「うふふ♪ ありがとうございます☆」

 

「本当に、みんなすっごく頑張ってきたんだね!」

 

私は一人一人の顔を見ながら、できるだけ自分の気持ちが伝わるように言葉を続けた。

 

「前に一緒に訓練した時と比べても、みんなの成長がはっきり分かったよ。自分のことだけじゃなくて、仲間のこともちゃんと考えながら戦えるようになっていて……」

 

そこで、少しだけ言葉を区切る。

 

「私は、そんなみんなの姿が本当にかっこいいと思った!」

 

「…………」

 

あれ?

 

なんだか、みんな急に静かになっちゃった。

 

「……ん。ヨルハ先輩にそう言われると、嬉しい」

 

シロコちゃんが、少しだけ目を伏せながら呟いた。

 

「べ、別に……そんな大したことじゃないわよ。私たちだって、毎日頑張ってるんだから……」

 

セリカちゃんはそっぽを向いているけれど、耳が少し赤くなっているような気がする。

 

「えへへ……。ヨルハ先輩に褒めてもらえると、やっぱり嬉しいですね」

 

アヤネちゃんも、照れくさそうに笑っていた。

 

「うふふ♪ ありがとうございます、ヨルハ先輩。私たち、これからも頑張りますね☆」

 

ノノミちゃんはいつも通りの笑顔だけど、どこか嬉しそうだった。

 

……よかった。

 

ちゃんと伝わったみたい。

 

「うん!これからもみんなのこと、いっぱい応援してるからね!」

 

「ん。ヨルハ先輩」

 

「ん?どうしたの、シロコちゃん?」

 

「また、訓練に付き合ってほしい」

 

「えっ?」

 

「私も!次は絶対に一発当ててみせるんだから!」

 

「わ、私もぜひお願いします!今日の訓練で、まだまだ自分に足りないところが分かったので!」

 

「あらあら♪ 私もまたご一緒したいです!」

 

「えへへ♪ もちろんだよ!」

 

みんなのお願いに、私は笑顔で頷いた。

 

「いつでも付き合うからね!今度はもっと強くなったみんなと戦えるのを楽しみにしてるよ!」

 

「ん!約束」

 

「うん!約束!」

 

そうして、久しぶりの戦闘訓練は無事に終了した。

 

……ちなみに。

 

「ところで、みんなはどうして今日、あんなにやる気満々だったの?」

 

ふと気になって尋ねてみる。

 

すると、四人は顔を見合わせて───。

 

「ん。ヨルハ先輩と戦いたかったから」

 

「えっ?」

 

「最近、ずっと忙しそうだったじゃないですか。だから、またこうして一緒に訓練できるのが嬉しくて♪」

 

「そ、それに……ヨルハ先輩の実力も、久しぶりに確かめてみたかったし……」

 

「ふふっ♪ 皆さん、ヨルハ先輩との訓練を楽しみにしていたんですよ」

 

「そ、そうだったんだ……!」

 

なんだか、胸の奥がぽかぽかしてきた。

 

そっか。

 

みんなも楽しみにしてくれていたんだね。

 

「えへへ♪ それなら、もっと早く言ってくれればよかったのに!」

 

「ん。言わなくても分かると思った」

 

「あははっ!それはちょっと難しいかな~」

 

みんなで笑い合う。

 

そして、私は改めて四人の顔を見渡した。

 

「それじゃあ、今日は訓練も終わったことだし、みんなでゆっくりしようか!」

 

「ん。賛成」

 

「そうね。今日はもう疲れたし……」

 

「ふふっ♪ それなら、お茶でも用意しましょうか?」

 

「わあ!いいね!私も手伝うよ!」

 

こうして、久しぶりの戦闘訓練は、賑やかな笑い声とともに幕を閉じた。

 

……みんな、本当に大きくなったなぁ。

 

そんなことを思いながら、私は後輩たちと一緒に、穏やかな時間を過ごすのだった。

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