TSして第四聖女になった私は魔人にNTRされるってマジィ!?   作:ピエロギ

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お風呂は大事と存じます

「わぁ~!…おっきい…!」

 

 脱衣場から覗いて広大な円形浴槽を確認。何だかとってもエッッな感想が口から漏れた。

 

「めちゃ広!しかも綺麗~。早く入ろ~」

 

 私の横で、目をキラキラさせているギャル系ハンター(娘)、タチアナの言葉に深く頷く。

 

 荘厳な石造り。床はなめらかな石畳で、湯船の周囲には彫刻が立ち並んでいた。

 

 こういうの、なんていうのだっけ?日本的なお風呂じゃなくて古代ローマ的な…テルマエ?

 

 そんなことを考えながら、脱衣籠に向かう。

 

 ふぅ。覚悟、キメるか。

 

 周囲から服が擦れる音、衣類が床に落ちる「とすっ」という音。

 

 それらに呼応して私の中にある倫理観が追及してくる。

 

 女児と一緒にお風呂など、犯罪ッ!!言い訳など通じないわッ!

 

 だが、もう一方の私がそれに反論する。

 

 異議ありッ!現在の状況は、当人が意図的に引き起こした状況ではありません!よって、これはイノセントです!

 

 頭の中で痛いくらい論争が巻き起こる。最終決定権を持つ私、裁判長の判断は…

 

「…セリーナ…セリーナ?……聞こえてない?セリーナ?」

 

 ごほん。ここにいるのは未成年。彼女らにいやらしい視線を送るのはペドフェリアがやること。即ち死刑。

 

 しかし、仏のような精神で自身を律すれば、即ち無罪。う~ん、これがガバガバ判決か。

 

 目の前の籠に衣類を詰め、下着を脱ぐ。

 

 ふぅ。ダイジョウブ。ワタシ、NOTペドフェリア。OK?

 

「むむ…これは…強行手段…必要」

 

(よし…後ろを振り向くぞ…!)

 

 にゅるッと、自分の胸部あたりに小さな手が回されてきた。

 

「ひゃぁ!」

 

「おおぉ…これは…成長率…大…」

 

 何が!?

 

 ビックリして、胸を手で隠しながら振り返る。そこには、私と同様に一糸まとわぬ少女、シーファが立っていた。

 

「ナ、ナ、ナニ。イキなり…?」

 

「驚かせてごめん…話しかけても…反応…なかったから」

 

 いや、それでもいきなり、もみもみするのは犯罪だよねェッ!

 

 しかし、すぐに追及することをやめた。

 

 相手の体に赤い線が何本もあったからだ。

 

 他の娘たちも同様に、首、太もも、腰といった所が赤く腫れていた。特に…あえて言及すると…ニップル。一番擦れてしまう場所。

 

「長く…走ったから…服が体に擦れて…赤くなる…セリーナも」

 

 どうして…気付かなかったのだろう。そうした箇所は痛いと言いずらい。まして、昨日今日に初めて会った人に話せない。

 

 気が回らなかった。自身の体に傷がつくのは女の子にとってかなりストレスフルであろうに。

 

「この…果実の皮を湯に入れて…治せば…綺麗になる」

 

 私の表情を見て察した優秀な少女は、手に何か乾燥させた皮。若干の柑橘特有の香りがする。

 

「少し沁みるけど…その分、効果はある」

 

「どうして分かるの?」

 

「私の実家…故郷では…薬師の家…だから植物のこと…詳しい」

 

 もしや、あのバックはハーブポーチ。治癒魔法を使用できるのも、もしや使用者が身近にいたのかな?

 

「まず、自分に使って試してみてからでいい?」

 

「…?」

 

「どれくらい沁みるのかとか…あんまり痛いようだと…ね」

 

「他の子達の為?…体…張り過ぎ。さっきの訓練も…別に私たちを助ける義理…なかったのに」

 

 どうして、見捨てられなかったのか。シーファの問いへの答えは単純明快。

 

 

 

 前世含めたら、ここにいる少女たちの年齢の数倍だ。

 

 その年齢の分、割を食うのは大人として当たり前。

 

「困っている子達がいたら、助けるのに理由はないよ」

 

「…高貴さ故の義務(noblesse oblige)…だから?」

 

「そういうものでなくて、私がしたかったから。ただ、それだけだよ」

 

 私の言葉を聞くと、小さな青髪の少女は小さく頷いてくれた。

 

「っ……!」

 

 私が手にした布が傷口に触れた瞬間、治療を受けている少女は小さく息を飲む。

 

「ごめん…もう少しだけ我慢してね」

 

 すぐに治癒魔法を使用して、傷を塞ぐ。この果実のおかげできれいに治った。

 

「次、お願いできる?」

 

 入れ替わりで別の少女に、同じようにして治療を施す。

 

「ひゃ……!」

 

「んッ……!」

 

「ムッ……!」

 

 落ち着け…落ち着け…これは、医療行為、これは、医療行為。

 

「あの~…セリーナ。実は…いや、なんでもなぃ…わけじゃないんだけど…」

 

 手をもじもじして、私に懇願する少女、タチアナの意図を汲む。

 

――言わなくても大丈夫。胸部の痛みだよね――

 

「…う…うん…」

 

 耳に朱色を帯びた少女の体に触れる。その小さな膨らみの先は赤く腫れ、擦り傷ができていた。

 

 柔らかな、しかし確かな反発力のある乳房に触れる。

 

「ッ……!」

 

 治癒魔法を行使。触れた場所から正確に魔力を流し、傷痕を残こさせない。

 

「これで、痛くなくなったかな?」

 

「…うん!ありがとうって、どうしてそんなに顔が赤くなってるの?」

 

「へっ?」

 

 自身の顔に手を当てると、熱を感じる。ウワッ、さっきからも顔真っ赤だったことッ!?

 

「えぇ~、なんかかわいい」

 

 タチアナは私の体を抱きしめる。

 

「か、可愛いって……!?」

 

「だって、本当にかわいんだもの。そんなに真っ赤になって…!」

 

「わっ……!」

 

 濡れた髪からの甘い芳香が嗅覚を刺激する。加えて、暖かく、柔らかい感触が私の柔らかい部分に当たって…

 

「……ありがとうね。助けてくれて」

 

 そうして、抱擁は解かれた。ぼうっとした私の顔が自覚できるほど熱を持ち始めたのを見て、また彼女は笑顔を向けて

 

「その反応も、全部可愛い~」

 

 ウゴゴ…手のひらで踊らされてしもうた。年端も行かない女の子に……うぅ…何かがおかしくなりそう…….

 

 

 

「あ、ありがとうね。セリーナ…ちゃん」

 

「ううん。気にしないで」

 

 最後に待っていた少女の治療が終わった。

 

 ふ~。これで、やっとゆっくりお風呂に入れる。まず、もう一回体を綺麗にして……

 

(…レイナの姿を見なかったな…特に傷とかなかったのかな?)

 

 湯気が立ち上る浴室の中をキョロキョロと見回す。でも、特徴的な黒髪を見つけ出すことはできなかった。よっぽどの早風呂か、そもそも、ここにはいないのか。

 

 心配になって、脱衣所の方へ向かうと一人服を着たままのレイナがいた。

 

「大丈夫?何かあった?」

 

「…ッ!…ううん!何でも…ないよ」

 

 何とも歯切れの悪い。どうしたのだろうか?

 

 下を向いた彼女の顔を見れば、下唇を噛んでいて表情が暗く、震えている。

 

 しかし、次の瞬間には震える手がピタッと止まり、顔を上げた。

 

「…後ろを見ててくれる…かな?」

 

「いいよ~」

 

 相手の要求に応え、背を向ける。服を脱げる音が止むと、「…ゆっくり、こっちを見て…」と

 

 指示に従い、視線をゆっくりと戻すと…

 

体を布で隠した、素っ裸のレイナがいた。

 

 その体は………

 

「ごめん…見られたくなかったの。嫌な目で見られるのが怖くて…やっぱり、私、部屋に戻るね…」

 

「待ってッ!」

 

 私の体に巻いていたタオルで明らかに暴行によってできた”痣”を隠す。

 

 なぜ?どうして?そんなことは聞かない。今、重要なことではない。

 

「私に、協力させて」

 

 今、必要なのは、彼女の力になること。理解者がいるという安心。

 

「できる限り、治癒魔法で薄くしてみよう。それに、私の体の影に隠れていれば大丈夫だよ」

 

「うぅ…ごめん」

 

「謝らないで。大丈夫。大丈夫だから」

 

 そっと、彼女の古傷に触れながら癒しを施した。

 

「もし、誰かに見られたらどうしよう…」

 

「誰も気にしてないし、私の体で隠れているから安心して」

 

 治癒魔法で痣は薄くはできたけど、完全には治りきらなかった。完全に治すには少しずつ時間をかける必要がある。

 

 密着した状態で、洗い場に向かい、水を桶に汲む。

 

「…ちょっとぬるくなっちゃったかな。まってね」

 

 液体、水に火魔法を当てると炎の代わりに液温度が上昇させられる。いい感じの温度に調整するのは結構難しい。

 

「…これで適温かな。訓練でできた傷を治すね」

 

「…うん。ありがとう…ありがとう…」

 

 他の子たち同様にして、擦り傷を治していく。痣の方にももう一度、治癒魔法を。

 

「体の方は、お湯で洗って…髪は…私に手伝わさせてくれる?」

 

「えっ…」

 

「任せて。結構自信あるよ」

 

 メイド長であるネリーには色々なことを自分でできるように教わった。髪の洗い方とかも。

 

 もう一度温めたお湯でレイナの髪を湿らせる。持ってきた櫛で素洗いをし、髪にダメージを与えず、綺麗にする。

 

 次に、本洗いなんだけど…この浴場にシャンプーなんてものはない。いや、石鹸があるだけ恵まれているか。

 

 しかし、ボディ用で髪を洗うと皮脂を根こそぎ奪う。保湿するためにも、この石鹸で洗うだけではダメ。だから…

 

「Nara luma, ela quetëa!」

 

 水を操り、髪表面に膜を作り出す。髪の毛一本一本のキューティクルを守り、ゆっくり泡を流していく。

 

 全ての工程で10分程度だろうか。便利な現代アイテムもないので、時間が掛かる。

 

 その間に、レイナと会話をする。

 

「この洗い方はね、私に魔法とかを教えてくれた人と一緒に考えたの」

 

「…お母さん?」

 

「ううん。産みの母ではなくて、育ての母。厳しい所もあったけど、優しい人」

 

「…そう」

 

「魔法が未熟な時、最初にこれをやった時は髪がツンツンになって、酷い髪型に…いや、今は流石に失敗しないからねッ!」

 

「…ふふ。大丈夫。こんな風に洗ってらったことないけど、気持ちいいね」

 

「うんうん。喜んでもらえると嬉しい」

 

 泡をすべて流し終え、きれいさっぱりになった。

 

 その後、私たちは、多くの人がいる浴槽には向かわず、そのまま脱衣所へ戻った。

 

「ぷはっ!お風呂上りの水は美味しいね」

 

 こくこくと頷いているレイナと今、食堂にいる。夕食の時間だ。

 

 あんなに運動したから、ベリーハングリー。馬一頭でも食べられそう。

 

 そして、夕食はシチュー。後は、粗挽きパンにソーセージとキノコ、野菜の炒め物と季節の食材を使った美味しそうなもの。

 

 席に着いて、食事を楽しもうとした時、対面に見たことのある者達がいた。

 

「ここ。座らせてもらってもいいか?セリーナ」

 

 相手は、アレクシオス。そしてその両脇には、あの年の割に大柄なカイルとディアゴが。軽く手を振って、申し訳なさそうな顔をしているのが分かる。

 

「ご自由に」

 

 あれ?もしかして、怒ってる?そう言えば、教官と何かを懸けて戦っていたな…そしてそれは、私のせいで負けたことになったぽいし…

 

「ありがとう。感謝するよ。所で、セリーナ、一つ聞きたいことがある」

 

「何でございますでしょうか?アレクシィ……アレク。私が答えられる範囲でしたら、何なりと」

 

「…何か勘違いをしているかもしれないが、怒ってないぞ。随分と気を付けて話しているようだが」

 

 バ、バレてるッ!コイツ、心を読んでいるのか!?

 

「まぁ、いい。その質問の内容なんだが…」

 

 彼は腕を組み、こちらを見定めて言葉を選んだ。

 

「聖印が出た時、夢を見たか?」




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