公立?万歳突撃に決まっておるだろうが!!
飛行訓練があったその日の夕食時。
私とロンがキドニーパイを切り分けていると、少々興奮気味なハリーが小走りで私の横に座った。
「ハリー! あの、その……どうだった?」
ロンは遠慮がちにハリーにあの後のことを尋ねる。
今日の飛行訓練でハリーは規則違反を犯し、授業の途中でマクゴナガルに連れて行かれたのだ。
直前にフーチが、言うことを聞かなかったら退学にすると脅していたので、ロンはハリーが退学になるのではないかと心配しているようだった。
「罰則はなかったよ」
ハリーがそう言うと、ロンは大きく息をつく。
まあ当然だ。この程度で退学ならあの赤毛双子の先輩はとっくの昔に死刑になっているだろう。
「運が良かったね。マクゴナガルはスネイプと違って自分の寮だからって贔屓はしないから」
「そうでもないかも」
ハリーは周囲に自分たちしかいないことを確かめると、小さな声で言った。
「実は、グリフィンドールのシーカーに選ばれた」
「シーカーだって!?」
キドニーパイを口に運ぼうとしていたロンはフォークを取り落としそうになりながら驚く。
シーカー?ハリーは斥候にでも選ばれたのだろうか。
「まさか。一年生は寮の代表チームには入れない規則なのに……」
「マクゴナガルがダンブルドアに頼んで規則を曲げたんだ。よっぽどグリフィンドールを勝たせたいみたい」
良くわからないが、どうやらハリーは何かのスポーツの寮代表選手に選ばれたようだった。
魔法界でスポーツといえば決まっている。
クィディッチだ。
「マクゴナガル先生も贔屓するのね」
私は教員用の机でスープを飲んでいるマクゴナガルをチラリと見る。
ああ見えてかなり自分の寮を大切にしているのだろう。
「一年生が代表選手に選ばれるなんて、何年振りなんだろう。聞いたことないよ」
「キャプテンのウッドは百年ぶりだって言ってた」
ハリーはそう言うとキドニーパイを掻きこみ始める。
対照的にロンは驚きすぎてパイをフォークで刺したまま固まっていた。
「来週から練習が始まるんだって。でも、誰にも言わないでくれよ。ウッドは秘密にしておきたいんだって」
キャプテンのウッドからしたら、ハリーは秘密兵器なのだろう。
「すごいな」
いきなり私たちの後ろからロンの双子の兄であるフレッドとジョージが顔を出す。
「ウッドから話を聞いたよ。僕たちも選手なんだ」
「二人ともビーターだ。今年の優勝杯は頂きだぜ」
フレッドとジョージは口々にそう言う。
「チャーリーが居なくなってから一度も優勝できてない。でも今年は大丈夫そうだ。あのマクゴナガル推薦、ウッドが小躍りしてたぜ」
フレッド、ジョージは同時にハリーの両肩を叩くと小走りで大広間を出ていった。
「汽車の中でも話したけど、次男のチャーリーはキャプテンだったんだ」
ロンは二人の話に補足を入れてくれる。
「今はルーマニアでドラゴンの研究をしてるよ」
「で、優秀なキャプテンが抜けてチームはボロボロってわけね」
「そうみたい」
ロンはそう言って肩を竦める。
チームを任されたウッドからしたらたまったもんじゃないだろう。
なんにしてもそこまでクィディッチというのは人を熱狂させるのだろうか。
ルールも知らないが、少し興味が湧いてきた。
「さて、私はもう談話室に上がるわね。二人が話をしている間に私のお腹はキドニーパイでパンパンよ」
「うん、おやすみサクヤ」
私は最後にかぼちゃジュースを呷ると、二人に手を振って大広間を後にした。
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不意に頭の中で声が響く。
『咲夜、学校は楽しい?』
女性の高い声だ。
『必ず誰か一人でも、信頼できる仲間をつくりなさい。
その
私はその瞬間、ベッドの上で目を開く。
「夢、なのかしら。」
夢にしてはいやに現実味を帯びていた。
体感時間でしかわからないが、周囲の静けさからして既に消灯時間は過ぎているのだろう。
だが、私の横のベッドで寝ているはずのハーマイオニーの姿が見えなかった。
「おかしいわね。ハーマイオニーはいつも消灯時間十分前にはぐっすりなのに」
私は寝間着の上からローブを羽織ると、女子寮から談話室に降りる。
次の瞬間、バタンと肖像画が閉まる音が聞こえた。
「女子寮にも談話室にもいない……まさかこんな時間に談話室の外に?」
一週間近く同じ部屋で寝ているからわかるが、ハーマイオニーが何か特別な理由もなしに談話室の外に出るとは思えない。
「嫌な予感しかしないわね」
私は談話室にあるソファーに座り込み考える。
談話室の外に出てハーマイオニーを探しに行くべきだろうか。
それとも全てを見なかったことにしてベッドに戻るか。
「ちょっと、様子だけ見に行ってみますか」
私はソファーの上で時間を停止させる。
「さあ行きましょう」
そしてソファーから立ち上がり肖像画を押し開き、肖像画の穴から周囲を見回した。
「……ああ、そういうことね」
私は肖像画の外で言い争っているような格好で固まっているハリーとロン、ハーマイオニーを見つける。
大方ハリーとロンがこっそり談話室を抜け出すという話をハーマイオニーが聞いてしまい、二人を引き留めようとしているのだろう。
「あーくだらない。心配して損したわ」
私はため息をつくと、肖像画をパタリと閉じる。
そして先ほどと同じソファーに座り、時間停止を解除した。
「まあ、帰りを待っててあげるぐらいはしましょうかね」
私は一度女子寮に戻り、孤児院から持ってきた一冊の本を持って談話室に戻る。
『そして誰もいなくなった』、イギリスが誇る推理小説家の名作だ。
もう何度か読んでいるが、時間潰しに読み直すのもいいだろう。
私はソファーに腰かけると、近くにあるランプに明かりをつける。
「さあ、U.N.オーエンとは誰なんでしょうね」
まあ、私は既に知っているが。
私が推理小説を読んでいると、転がり込むようにハリー、ロン、ハーマイオニー、ネビルの四人が談話室に転がり込んでくる。
九月だというのに額にはびっしょりと汗を掻いており、その表情には明らかに焦りの色が見えた。
「あ、お帰り。ネビルも一緒だったのね」
ネビルは医務室で寝ていたはずだが、あの様子だとすっかり元気になったようだった。
まあ、今は昼に見た時より顔色は悪いが。
四人は私のことが見えていないかのように、押し黙っている。
やがて、ロンが絞り出すように言った。
「あんな化け物を学校の中に閉じ込めておくなんて……いったい何を考えてるんだ? 世界で一番運動不足の犬はあの犬に違いない」
犬、化け物、閉じ込めておく。
断片的な情報だが、あの四階にいるケルベロスのことだろう。
一体何があったかは分からないが、ハリー達は四階にいるケルベロスを見つけてしまったに違いない。
「一体どこに目をつけているのよ。あの犬が何の上に立ってたか見なかったの?」
ハーマイオニーはヒステリック気味に叫ぶ。
「床の上じゃない? 頭を三つ見るので精一杯で足元なんて見てないよ」
「床じゃないわ。仕掛け扉の上に立ってたの。何かを守っているに違いないわ」
私は入学初日に見たケルベロスのことを思い出すが、名前がフラッフィーであることしか思い出せない。
隠し扉の上なんかに立っていただろうか。
ハーマイオニーはそのあと言いたいことを好きなように捲し立てて女子寮に上がっていってしまった。
あの様子では私がソファーに座っていることすら見えていないかもしれない。
「凄いよな。まるで自分はなんにも悪くないみたいな言い草だぜ?」
ロンはハーマイオニーの態度に呆れ果てている。
だが、ハリーは違うことを考えているようだった。
「グリンゴッツは何かを隠すには世界で一番安全な場所だ……ホグワーツ以外では」
「なんの話?」
私は反射的にハリーに聞く。
ハリーは私から声を掛けられて、ようやく私の存在を認識したようだった。
「サクヤ!? なんで談話室に?」
「ハーマイオニーの姿が見えなかったから、談話室で待ってたのよ。……にしても酷い顔色ね。一体何があったの?」
ハリーは事の経緯を私に話してくれる。
私が一足早く談話室に戻ったあと、ハリー達はマルフォイに喧嘩を売られたらしい。
だが、それは消灯後に談話室の外を出歩かせるためのマルフォイの罠だったようで、ハリー達は管理人のフィルチに散々追いかけられたらしかった。
その道中でハリー達は四階右側の廊下に入り込んでしまい、そこでケルベロスを見つけてしまったのだという。
そこから先はまっすぐ談話室へと逃げてきたようだ。
「なるほど。でもなんでハーマイオニーとネビルも一緒なのよ。お節介なハーマイオニーでも、流石に決闘についていくほどの冒険家ではないと思うけど」
「入口の太った婦人が外出中だったんだよ。それで締め出されちゃって」
なるほど、内側からは開けられるが外側からは合言葉を言わないと開けられない。
合言葉を言う相手がいないのでは開けようがないというわけだ。
「それで締め出されたハーマイオニーが一緒についてきちゃって」
「ネビルは……合言葉を忘れたのね」
きっと消灯より随分前から肖像画の前で誰かが肖像画を開けるのを待っていたに違いない。
「ネビル、もう寝たほうがいいわ。ちゃんと汗を掻いた服は着替えるのよ?」
ネビルは静かに頷くと、鼻をすすりながら男子寮の螺旋階段を登っていく。
談話室に私とハリー、ロンの三人だけになったので、私は本題に入ることにした。
「で、ハリー。さっき言ってたことだけど……もしそのケルベロスの足元に何かが隠されているのだとしたら──」
私はハリーが言いかけていたことを聞く。
「ハグリッドは間一髪で何かをグリンゴッツからホグワーツに移した。きっとあの犬が守ってるに違いないよ」
確かにハリーの言う通り、タイミング的にはそうとしか思えない。
「でも、小さいものだったんだろう? そこまでして守ろうとするなんて、一体何が……」
ロンも一緒になって頭を捻るが、如何せん情報が少なすぎる。
流石に包みの中身を推測することはできないだろう。
「まあ、今日は色々ありすぎたし、もう寝ましょう? その犬が守っているものは明日以降ゆっくり調べればいいわ」
「調べに行こうとは思えないけど、中身が何かは気になるな」
ロンは大きくあくびをしながら答える。
談話室の時計を見ると既に日付が変わっていた。
少々夜更かしが過ぎるだろう。
「うん、じゃあまた明日、サクヤ」
「おやすみ」
ハリーとロンは足を引きずるようにして男子寮に上がっていく。
私も談話室のランプを消すと、女子寮に戻った。
自室の扉を開けると、ハーマイオニーが下着姿で汗をタオルで拭いている。
部屋に入った私の姿に気が付くと、体を隠すようにタオルを引き寄せた。
「サクヤ、起きてたのね」
「さっきまでずっと談話室にいたじゃない。ほんとに見えてなかったの?」
ハーマイオニーはいそいそと寝間着に着替え始める。
「も、勿論見えてたわ。でも、なんで談話室に?」
「目が覚めたら貴方の姿が見えなかったから」
私はローブを脱ぐと、ベッドに潜り込んだ。
「ハリーから話を聞いたわ。大冒険だったみたいじゃない」
「大冒険? 冗談じゃないわ。一歩間違えばみんな揃って死んでいたかもしれないのよ。最悪退学もあり得たわ」
ハーマイオニーは声を抑えながらも強い口調で私に言う。
だが、すぐに理不尽な怒りを私にぶつけていることに気が付いたのか、シュンと表情を暗くした。
「……ゴメン。サクヤは私を心配して談話室で待っててくれたのに」
「気にしないで。私たち友達でしょう? 何か困ったことがあったら頼ってもいいのよ?」
ハーマイオニーは恥ずかしそうにベッドに潜り込み頭まで毛布を被る。
「……ありがと」
そして小さな声でそう呟いた。
私はそれを聞いてハーマイオニーの方ににっこり微笑むと、静かに目を瞑る。
夜更かしのせいもあってか、私はそのまま自然と眠りに落ちていった。
朝食を取るために談話室に降りると、珍しくハリーとロンが私より早く談話室で談笑していた。
普段は私の方が起きるのが早いので、少し珍しく感じる。
「おはよう、サクヤ」
昨日あんなことがあったばかりだというのに、ハリーの顔はどこか清々しい。
どうやらハリーとロンの中では、昨日の騒動は既に素晴らしい冒険の思い出となったようだった。
私たちは大広間へと向かいながらあの犬が何を守っているのかを考察しあう。
とはいえ情報が少なすぎるので、考察するほど話すこともないが。
「何かの魔法具でしょうね」
大きさからして本ではないことは確かだ。
ハリーの話では、金庫の中にあったのは手のひらに収まるほどの小さな包みだったらしい。
「なんにしても物凄く大切か、物凄く危険な物だな」
「その両方かも」
ロンとハリーは口々に言う。
「私としては、その犬の化け物が気になるわね。頭が三つってことはケルベロスかしら」
ハグリッドが包みを回収したということは、あの犬の飼い主はハグリッドだろう。
ハグリッドに犬の詳細を聞くのもいいが、流石に立ち入り禁止の廊下に入りましたとは言えない。
「私は少し犬について図書室で調べてみるわね」
「僕たちも手伝うよ」
それから一週間ほど、授業の合間を縫って図書室に通う日々が続いた。
魔法生物に関する本や動物図鑑を中心に調べていくが、ケルベロスの記述はない。
探し始めて一週間、朝食の前に時間を止めて図書室に来ていた私は、ついにケルベロスのことが詳細に書かれている本を見つけた。
「あった。これね」
私は本に書かれている内容を羊皮紙に書き写していく。
本の題名とケルベロスの詳細を書き写し終わると、私は時間を止めたまま談話室へと戻った。
談話室のソファーに座り、時間停止を解除する。
その瞬間、ハリーとロンが男子寮から降りてきた。
「おはよう、サクヤ」
ロンは眠そうな目を擦りながら大きくあくびをする。
ハリーは目は覚めているようだったか、寝ぐせで髪がはねていた。
「ケルベロスの詳細が分かったわ」
私がそう言うと、ロンの意識が一気に覚醒する。
ハリーも目をぱちくりさせていた。
「本当かい?」
ハリーは疑わし気に私に聞く。
私は周囲を見回し、談話室に人が増えてきたことを確認すると、小さい声で言った。
「歩きながら話しましょう。一か所に留まっていると誰に聞かれるかわからないわ」
私はハリーとロンと大広間へ向かいながら先ほど調べたケルベロスの詳細を話し始める。
「魔法生物や動物図鑑に全く載ってないから、少し調べ方を変えてみたの。ギリシャ神話の本に書いてあったわ」
「ギリシャ神話って、あの星座の?」
「ええ、あの天文学で習うアレ。ケルベロスはギリシャ神話に出てくる怪物みたいなの」
私は羊皮紙を取り出して読み始める。
「『ケルベロスは冥界の入り口を守護する番犬である。主に三つの頭が特徴であり、三つの頭が順番に眠ることによって常に監視を続けている』何かを守るにはぴったりの生物ね」
「だから夜にも関わらず起きてたんだな」
ロンは感心したように頷いた。
「『オルペウスが死んだ恋人のエウリュディケを追いかけて冥界を訪れた時、ケルベロスはオルペウスが奏でるハープの音色で眠らされていることから、ケルベロスは音楽を聴くと眠ってしまう弱点を持つ。また、甘いものが好物で、お菓子を与えれば食べている間は前を通ることができる』意外に弱点が多いわね」
私は羊皮紙を丸めると、懐に仕舞いこむ。
ケルベロスの話をしているうちに大広間へとたどり着いた。
「大事なものを守らせるには、弱点が多い……守りは一つじゃない?」
ハリーはぼそりとそんなことを呟く。
確かに守りがケルベロスだけだったら、グリンゴッツのほうが安全そうだった。
「確かにホグワーツには優秀な魔法使いが沢山いるし、他の教員たちも何かしら守るための措置を講じていてもおかしくはないわね」
「まあ、それを確かめるすべはないな。僕はまだ頭と胴体をくっつけていたい」
ロンはグリフィンドールの机に座ると、ベーコンを皿に盛りつけ始める。
私も負けじと皿にベーコンを山盛りにした。
「サクヤって、見かけによらずよく食べるよな。僕より随分ちっこいのに」
ロンは私の皿に盛られたベーコンの山を見て言う。
確かにロンの高身長から見たら私は小さく見えるだろう。
「ほら、育ち盛りだから。ハリーももっと食べたほうがいいわ。といっても、初めて会った時よりかはまともになってきてるけど」
初めてハリーに会った時はひょろひょろの少年に見えたが、ここ一週間ほどで多少は脂肪がついたように見える。
「そうかな? 自分じゃよくわからないけど」
「あとはもう少し筋肉をつけたほうがいいわね。ロンを見習いなさい」
とはいえロンも筋骨隆々というわけではない。
他の生徒と比べればそこそこ運動ができそうな程度だ。
十一歳の少年なので当たり前と言えば当たり前だが。
「クィディッチの練習が始まったら嫌でも筋肉が付くと思うよ。シーカーは特に箒の上で踏ん張らないといけないから」
そういえば、クィディッチのルールを私は全く知らない。
いい機会なので、ロンに教えてもらおう。
「ねえ、クィディッ──」
私がそう言いかけた瞬間、大広間に多数のフクロウが舞い込む。
いつもの何でもないフクロウ便だが、ひと際大きな包みを運んでいるフクロウの集団があった。
「こっちに来るぞ」
ロンは椅子から立ち上がると、フクロウが落とした大きな包みをキャッチする。
紙袋に包まれた細長いそれは、長さだけ見たら私の身長より長いかもしれない。
「これ、ハリー宛だよ」
ロンは包みに書かれた宛名を見ながら言う。
少し遅れて、一匹のフクロウがハリーの膝の上に手紙を落とした。
ハリーは急いで手紙の中身を確認し、私とロンに小さな声で言った。
「中身は箒だ。マクゴナガルが僕のために送ってくれたみたい」
「箒!? 何型の箒?」
ロンは興奮を抑えこんで囁く。
ハリーは手紙をもう一度確認し、箒の名前を読み上げた。
「ニンバス2000って書いてある。ロン、これって……」
箒の名前を聞いた瞬間、ロンは分かりやすく固まった。
「ハリー、ニンバス2000っていったらニンバスの最新型だよ。いま間違いなく世界で一番速い箒だ……ハリー、早く開けて見せてよ」
ロンは抱いていた箒の包みをハリーに渡す。
ハリーは箒を腕に抱くと、更に声を小さくした。
「包みをここで開けるなって書いてある。マクゴナガルもこのことを内緒にしておきたいみたいだ。談話室に帰ってからこっそり開けよう」
ロンは小さく何度も頷いた。
「私のことは気にしないで、男子寮の自分の部屋でこっそり開けたほうがいいわ」
私は小さい声でそう促す。
「ありがとサクヤ。これ持ったままじゃ授業に参加できないし、一旦談話室に置いてくるよ」
「僕もついていっていいかい?」
ハリーとロンは包みを抱えたまま足早に大広間から立ち去っていく。
一人残された私は皿に盛られたベーコンをお腹に詰め込む作業に戻った。
プロットは出来ました。あとはここにウィットと少々のスパイスを加えれば、原案は完成です。