まあ"現代の国語"の時間だったので許してもらえるでしょう!!
「いや本当にどうしたら良いのよ。」
トロールは今も憎むべき石壁に復讐するので忙しそうである。
「あいつの隙をついて駆け抜けるとか?」
「じゃあ記念すべき一人目はロン、あなたにまかせたわ。」
「レディーファーストという訳にはいかないかい?サクヤ。」
どうやらロンは女子トイレの壁のシミになるのは嫌なようだ。
「ハリーと言いロンと言い、情けない男ね。」
「「うっ・・・」」
「な、なかなか遠慮ないわね、サクヤ。」
当然である。私はか弱い女の子なのだ。
"レディー"に選ばれなかったハーマイオニーとは格が違うのだ。
「それにしても二人、私を"レディー"扱いしなかったことについては後でしっかり尋問させてもらうからね。」
どうやら二人は恐ろしきハーマイオニー逃げることは叶わなかったようだ。
「・・・そろそろヤバそうじゃないか?」
「どうやらそうみたいだわ。」
トロールは一定以上壊れない壁にご不満らしく、標的を私たちに戻しそうになっていた。
「でも私たちはまだ攻撃呪文は習ってないわよ?」
「こういう時にマグルはどうするんだい?」
「マグルの世界にはトロールはいないんだよ、ロン。」
まあそうだ。私たちがコイツを殺そすなら最低限銃は必要だろう。もしくは爆薬か。
「ハーマイオニー、あなた爆破呪文使えるかしら?」
そう聞いた途端彼女は呆れた顔を私に向けた。
「あなたね、浮遊呪文を習いたての一年生が爆破呪文使えるわけないでしょうに。」
「それもそうね。」
「じゃあ物理に頼るしかなさそうだね。」
「物理って僕良く分かってないんだけど」
「あー・・・魔法使いの家に生まれた人はマグルの学校に行かない人も多いって聞いたよ。」
私とハリーは行きのコンパートメントでの会話を思い出した。
どうやら両親が魔法使いの場合、学校での教育ではなく家庭教育を選ぶことが主流のようだ。
保護者の片方がマグルの場合や、親がマグル生まれの場合は学校に通わせることもあるらしいが。
「じゃあロン、ものを手放せば下に落下するっていうことは理解できてるわよね?」
「君は僕を馬鹿にしてるのかい?」
「じゃああの残骸をトロールの頭に落として潰すのはどう?」
「「「・・・」」」
「サクヤって案外サイコパスよね。」
「でもそれ以外無いような気がするよ。」
三人にドン引かれたのは悲しきことだが、とりあえず賛同は得ることができたので良しとしよう。
「よし、作戦開始といこうか。」
「ロン、ハリー、ハーマイオニー、そこの大きな石の破、あれを浮遊呪文で引き上げられる?」
「やってみるけど……成功するかどうかは運次第だな。」
「僕も手伝うよ。」
「良い?ウィンガーディアム・レヴィオーサよ?レビオーサじゃないわ。」
三人は杖を取り出し、緊張しながら呪文を唱えた。
「ウィンガーディアム・レビオーサ!」
石はぐらりと揺れ、少しずつ宙に持ち上がっていく。ロンの額には汗がにじみ、ハリーの表情も険しい。ハーマイオニーに至っては両手が震えている。
「今よ! トロールの頭上に移動させて!」
私はトロールの前に出て叫んだ。
「こっちよ! こっち来なさいよ、このデカ物!」
トロールの視線が私に向く。怒りに満ちた目がギラリと光り、ゆっくりと重い足をこちらへと動かした。
「あと少し……」
石が頭上に来たその瞬間――
「今ッ!!」
石がすとんと落ちた。重力が全ての魔法を超えるように、正確に、音もなくトロールの頭に落下する。
「……やったの?」
辺りはしばらく静まり返った。煙が立ち上り、崩れ落ちた瓦礫の中、トロールはぴくりとも動かない。
「勝った……のよね?」
ロンが恐る恐る近づく。ハリーも続いた。
「動いてない。……サクヤ、君の作戦、当たったよ。」
「ほんとに……物理で解決したわね……」
ハーマイオニーはため息をつきながらも、どこか感心した様子だった。
「まあ、トロールに爆破呪文を使うよりは倫理的だったわよ。」
「でもさ、僕たち、これどう説明するんだ?」
そう、トロールを"浮遊呪文"と“物理”で仕留めたなんて、魔法学校の先生たちにどう話せばいいのか。
「それよりも先に先生の到着の遅さを責めるべきだと思うけどね。」
けれど今は何より、私たちが無事だったこと、そして――
「私たち、やったのよ!」
「やったの」をハーマイオニーに言わせたのは、ロンかハリーだとフラグになってしまうからです。