『一回戦!!サポートアイテムでフル装備!!サポート科、発目明!!
「どんな戦いになるんだ……?」
「つーか何だアリャ……
緑谷もサポートアイテムフル装備じゃねえか!?」
屈託のない笑みを浮かべた発目明は、当たり前のようにその身をサポートアイテムで包んでいる。そして何故か──相対する緑谷出久もまた、険しく歪んだ顔で全身にサポートアイテムを散りばめていたのだ。
「彼の装備は事前に申請を受けております!彼と、対戦相手の彼女の申請で──『ここまで来た以上対等だと思うし対等に戦いたい』と、彼にアイテムを渡したのよ!!あぁ──青くっさ!!!OKだしたわよ!」
(外堀埋められて仕方なくぅ〜…!発目さん、そんなこと思う人じゃなかったよね……!?やっぱり何か裏がある!)
『いいんかい……』
『まァ双方合意の上なら許容範囲内……でいいのか……?』
(でも……!この装備、OFAを調整しやすい……5%をちゃんと使える!)
筋肉の動作を補助するサポートアイテム。個性に適応してその補助性能を変化させ、千差万別の出力を支えられる一品だ。検査などはしなくても使えるが、試合開始前に簡単に5%の出力を調べたことでよりサポート性能が上昇している。
『ウーン。まぁ、説明行くぜ!ルールは簡単!相手を場外に落とすか行動不能にする。あとは「まいった」とか言わせても勝ちのガチンコだ!!ケガ上等!!こちとら我らがリカバリーガールが待機してっから!!道徳倫理は一旦捨ておけ!!──だがまぁもちろん命に関わるよーなのはクソだぜ!!アウト!ヒーローは敵を
「発目さんが何を考えてるのか、わからないけど──僕はまいったとは言わないぞ!」
「いえいえ、そんな!何も仕掛けたりしていませんし、なにも害意や悪意はありませんとも!ええ!害意や悪意は!!」
「本当かなあ……」
「フフフフフフフフ……」かちり。
『START!』
(でも、これならいける……!効果は本物だっ)
緑谷出久は足に力を込め、瞬時にOFA使用の意識を高めた。服の内側で肌が桃色に光り、仄かに緑の電気のような何かが体の周りに迸る。足にこめても事故を起こさないという、安心感が確かにあった。
『素晴らしくなめらかなクラウチングスタートとダッシュではないですか緑谷くん!!』
『は?』
「え?マイク?」
『普段よりも体が軽く動かしやすくありませんか!?それもそのハズ!!そのインナースーツが着用者の筋肉の収縮をスムーズにフォローしているのです!』
行っていることはわかるし、実感もしているし、先程聞いた内容と合致するが──なぜ今それをマイクを通して話しているのか、話始めたのか。色々なわからないことが複数重なって緑谷出久の思考が固まる。
『そして私は「油圧式アタッチメントバー」で回避もラクラク!』
そしてそのまま突っ込んだ結果、押し出そうとして走ったその足を発目明のバックパックから伸びる棒状のサポートアイテムに引っ掛けられた。
緑谷出久は無様にずてん!とこけてしまった……かと思われたが、背部に取り付けられたアイテムが体の軸を正常に傾けることでなんとかことなきを得た。
「発目さん……どういうこと!?」
『緑谷くんあざやかな方向転換!!私の『オートバランサー』あってこその動きです!』
『何コレ……』
『売り込み根性たくましいな……』
発目明お手製アイテム解説付きの鬼ごっこはその後、10分間もの間たっぷりと繰り広げられた。
発目明はサポート会社への自己アピールを十全に。そして緑谷出久は、恥と戦いながらもOFAの「壊れない感覚」をその身に染み付かせていった。本人は認めたくはないかもしれないが、サポートアイテムのおかげである。
そして──……
「ふー……
全てあますことなく見て頂けました。もう思い残すことはありません!!」
発目明は自ら場外ラインを踏み越えたのであった。
「やっぱり騙してたんだああああ!!!」
「発目さん場外!緑谷くん二回戦進出!!」
「すみません。利用させてもらいました」
「はっきり言ったぁァ──!!?」
「ううむ……緑谷くんは優しいからな。それに、おそらくヒーローの話などで載せられたに違いあるまい……」
観客席にて、騎馬戦の時点で敗退している飯田はぼやいた。実際に緑谷出久が被害に遭っているのを見て、自分でも避けられなかったにちがいないと戦慄していたのである。
「あのアイテムの動き……俺でも捉えられる自信はないな。あけすけで手段を選ばない姿勢はアレだが、相当だ」
「………………」
「小大くん、次の君の試合だが、大丈夫かい?君の個性は大きさを変えようにも、その「もの」がないと──」
「んん*1」
選手入り口の中。第一試合が終わる少し前に、
「……うん、そうか。やっぱり野暮だね。頑張って!なにも出来ないのは歯痒いけれど、応援だけはずっとしているから」
「ん*2」
彼女は頬の端さえ持ち上げることはない。まだ入学して少しではあるが、誰も見たことがないので、かなり筋金入りの無表情なのかもしれない。だが、思いは彼に伝わった。
「あはは、最近やっと言いたいことがわかってきたかもしれないな。感謝など必要ないよ、私が応援したいからするんだ。小大くんは何も気にせず戦えばいい」
「んんー……*3」
「なあに。ここまできたら、勝ち負けなど対して変わらないのかもしれないよ?君が全力で頑張った、というのが一番大切なんだ」
「ん*4」
「──ははっ、緊張もほぐれてきたかな?とても良いことだ。くどいかもしれないけれど、応援はがんばらせてもらうよ。だから、
「ん!」
『お待たせしました!!続きましては〜、こいつらだ!
騎馬戦一位グループメンバー!無口なマスクでも隠せないビューティムーヴ!砦の頂で守りを担った!ヒーロー科、B組小大唯!』
「ん*5」
『
優秀!!優秀なのに拭いきれぬその地味さは何だ!同じくヒーロー科、A組瀬呂範太!!』
「ひでえ」
片一方は何も語らず、逆に片一方は緊張が口や態度に現れるタイプであるようだ。互いに互いを見据えている。佇み、そして伸びをして開始を待つ彼らはまごうことなく騎馬戦を勝ち抜いてきた事実があるのだ。
『START!』
「まァ────……
女子に手ぇー出すのは気がひけるんだけど……」
THIP!
瀬呂範太は小大唯に肘から伸びるテープを巻きつけ、急襲に出るようだ。器用にも伸ばしたテープは厳重に巻き付けられ、両の腕から生まれたそれはそれぞれ上半身と下半身を封じている。
「つって負ける気もね────!!!」
そのままテープを弾き絞り、グン!と横に引っ張って場外を狙う瀬呂範太。小大唯は地面を滑るかの様な勢いで吹っ飛んでいく。
『場外狙いの
「んっ!*6」
しかし捕らえられた彼女の個性は『サイズ』。触れた無生物の大きさを変えることができるのだ。嵌められたテープの輪っかを大きくし、拘束から逃れる。引っ張るテープも緩んだのか横への力も無くなった……が、惰性に負けてゴロゴロと転がった。
「やべぇ心が痛え負ける……」
「んん……!*7」
テープは横からの力に少し弱いようで、斬るように手のひらの
場外ギリギリで踏みとどまった小大唯。しかしこれで彼女は二つの柔らかいリングという道具を手に入れた。彼女の個性はモノがないと始まらない。彼女はこれからだ。
「んっ!*8」
ばっ!と輪っかがまるで輪投げのように一つ瀬呂範太へと降りかかる。端は彼女が握っていて、そのサイズは明らかに大きくなっている。そして、それは現在進行形だ。
「げ、まずいか?」
頭上に影の差した瀬呂範太は大きく飛び退くが、ボルトさえ人よりも大きくすることができる彼女の前で、なおも大きくなり続ける輪っかの外には出られなかった。これ以上後ずされば場外も危うい。
「んん!*9」
「うわっ!」
急にとてつもない速度でサイズが小さくなってゆく。先述の通り、端は小大唯が握って踏ん張っている為に必然彼らは引き寄せられる。しかし飛び退いたばかりで体勢の甘い瀬呂範太は少し引かれ気味であった。
そしてその距離がひっつく瞬間──
「ん!*10」
「ぐおっ……!?締まッ……!」
その胸に掌を突きつけた小大唯は、瀬呂範太の体操服を全力で締め上げた。元がピッタリの体操服は、ぎちぎちと音を鳴らしている。
「血ぃ止まるっ──
けど!今だけなら我慢できねーわけじゃねえ……!」
瀬呂範太は、対戦相手の彼女のことを騎馬戦のVTRでしか知っておらず、氷片を大きくしていたことはわかっていて、警戒はしていたが──小さくすることもできる可能性を頭から無意識に消し去っていたのだ。
テープの輪っかが閉まりきる前に屈んで抜け出し、そのまま再度テープを放って瀬呂範太本人が駆け抜ける。視界から外れることで意識を背け、そして横や後ろから彼女ではなく、テープを引っ張っていく。
「引っ張れりゃよし、引っ張れなくても奪えりゃよし!」
「んん……!*11」
ついに小大唯はテープの輪っかを手放した。これで彼女は道具を失い、再び何もできない状態に後戻りか、と思われた。
「ん!」
ぷつり。彼女は自身の髪の毛を一本抜き取った。そしてそれを大きくすれば──即席の鞭の完成である。今度は奪われても問題ない。髪の毛だから、そうそう尽きることがないのだ。
「あー、体から切り離しゃそれもいけんのね……」
「んっ!」
ぶん!と振られたそれをすっと避けた瀬呂範太。鞭のよう、とはいえど小大唯が鞭の扱いになれているわけではない。まだまだ届きそうにないが、それでも風切り音を立てて目の前を通った先端には冷たいものを覚えた。
「──でも、あんたの個性は見切ったぜ」
「ん?」
「生身で触れなきゃサイズは変えづらいんだろ!?おおりゃっ!!」
THIP!!
再度体にテープが巻きつく。が、今度は拘束するような形ではなく、斜め十字に服の上からテープが回っているのだ。*12
「んん……?!」
「こんだけ近けりゃ引っ張るのも簡単ってな!じゃあなぁ!!」
「──小大さん場外!瀬呂くん二回戦進出!!」
「ん…………*13」
「──惜しかったね、小大さん」
「ん」
「でも、頑張ってたね」
「…ん!*14」
彼は彼女の顔を見ない。今は見られたくないだろうから。滲んだ声は時に一人で収めたいものだ。
「ん*15」
「そうかい?よかった。あまり出さない大声を出すものだから、周りの子を驚かせてしまったんだよね」
「ん*16」
「──私も、頑張ってくるよ」
「ん*17」
「ははは」
『三回戦!!熱き闘志の熱血岩漢!ヒーロー科、切島鋭児郎!!
「心操……」
「切島………」
『そんじゃ早速始めよか!!
レディィィィイイ──
──START!!』
「俺は!あんたに救われた!!
だから俺も!!あんたに応えるために──全力で挑む!!」
「──応!!」
「ありがとう、切島──」
『──オイオイどうしたもっと盛り上げてくれよ!?会話は熱かったが切島!開始早々───殴りかかるポーズで完全停止!?』
「場外に向かって歩いてくれ、切島。
────────、
──────っ……
くそっ!
──っっ!本当に!ありがとうっ……!俺はァ!この試合、勝たせてもらうが……ッ、お前は!本当に!強い……すごいやつだ!!」
「…………」
『ピクリともしねえ……!!ああーッ!ジュージュンに歩いていきやがる!!心操の個性か!?──全っっっっっっ然目立ってなかったけど彼、ひょっとしてやべえ奴なのか!!!』
「……だからあの入試は合理的じゃねえって言ったんだ」
「ん?何?」
「二人の簡単なデータだ、見ろ。……個人戦になるからまとめてもらっていた。心操、あいつヒーロー科実技試験で落ちてる。普通科も受けてたのを見ると、想定済みだったんだろう……あいつの個性は相当に強力なものだが。あの入試内容じゃそりゃ、ポイント稼げねえよ」
「切島鋭児郎!俺を救ってくれた一人のヒーローとして!俺はお前を尊敬する!必ずヒーロー科に入るから……先に行っててくれ!」
心操 人使。個性…「洗脳」!彼の問いかけに答えた者は洗脳スイッチが入り、彼の言いなりになってしまう!本人にその気がなければ洗脳スイッチは入らない。
「──切島くん場外!!
心操くん、二回戦進出!!」
『二回戦進出!!心操人使──!!』
「──っは。あァ、やっぱ負けちまってたか……」
「……悪かった、切島」
「いぃや、さっき言ったし、言われたんだろ?お前が上手だっただけだってさ」
「……」
「それに、ボンヤリしてても聞こえてたぜ!お前の熱い思い!
──俺はヒーロー科で!お前を待ってる!俺のぶんまで……頑張れ心操!!」
「っっ応!!」
『イヤハ!!たしかに地味な戦いだったが──そこには心を震わせられる何かがあった!!両者の健闘を称えて、クラップユアハンズ!!』
「かっこよかったぜ心操ーッ!」
「正直ビビったよ!」
「俺ら普通科の星だな!」
「ヒーロー科の奴に勝っちまってんじゃねーよ!!」
「頑張って、勝ち上がってくれぇぇー!!」
「──……」
──────────
────
「この個性、対敵に関しちゃかなり有用だぜ。ほしいな……!」
「雄英もバカだな───あれ普通科か」
「まァ受験人数ハンパないから仕方ない部分はあるけどな」
「戦闘経験の差はなァ──。どうしても出ちまうもんなあ……もったいねえ」
「だが、これで勝ち上がったんだからヒーロー科になる可能性だって高え」
「期待、大だなぁ〜!」
────
──────────
「聞こえるか、心操──おまえ、すげェぞ」
「ッッッ……!おう……っ!」
ストックない
ー追記ー
体調不良治りましたー。
アンケートしていただいておりますか?
あまりにも一項目が突出している(まあわかってた)ので、やはり小説のネタとして活用させていただこうかなーなんて。乞うご期待!
皆さんの好きなヒロインはだぁれ?※本文に影響するかは未定
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好きな子が居ない。やりなおし