怪獣殿下のヒーローアカデミア   作:ぶ千切れた尻尾

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新編の開始を宣言しろ磯野ォ!!
はっ、はい!新編開始ィィイ!
やっと物語がぁ動くでぇ……。
筆がのるってもんじゃねーぞ!

オリキャラ注意報!!オリキャラ注意報!!
※オリジナルヒーロー複数!
※ヒーロービルボードチャート変動!
※五毛・乕間の職場体験先はオリジナル!

本編どうぞォオ!!


職場体験編
21 ヒーロー(ウルトラマン)先生


 

 

 

 

1年A組ヒーロー科所属の五毛楽(ごもうらく)。彼はあくる朝の雨の中の登校中、傘の中。気になっている女の子に肘でうりうりとつつかれながら少し照れていた。

 

「随分人気者だったじゃんねえ?」

「ふふ、耳郎さんやめ、あちょっ」

 

彼の脇腹は絶妙に弱い。それはともかく、なぜ彼が照れているのかというと(彼女につつかれているのもあるが)登校中にいろんな人に声をかけられたからである。それも好意的な声を。

 

こどもの「あ!テレビのしっぽのひと〜!」に始まり、お兄さんお姉さん方の「かっこよかったぜ!」や「惜しかったよねぇ」という激励の次に、大人の方々の「準優勝の子か!頑張れよ応援してるぞ!」という声援。

 

みんな笑顔で彼のことを見ており、隣に居た彼女もまた応援をもらっていた。……雄英体育祭がどれだけ大きなイベントであるかがわかろうというものだ。

 

だから雨に濡れそうな尻尾を傘*1に収めるために体に巻きつけながら、彼は照れていたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

「超声かけられたよ来る途中〜!!」

「私もジロジロ見られて何か恥ずかしかった!」

「俺も!」

「僕も大怪我マンって声かけられたよ……」

「ドンマイ」

 

このクラスの者たち──特に本戦出場者は誰も彼もが一躍時の人である。それはもう体験したことのない「珍事」に、騒ぎ立てる要因ともなろう。「ヒーローは人気者」。そういった面に於いて、憧れのヒーローに近づけた実感も湧こうというものだ。

 

「たった一日で一気に注目の的になっちまったよー」

「やっぱ雄英すげえな……」

 

キーィン コーォン カーァン……

 

「おはよう」

 

イレイザーヘッドが入室した途端、彼らは姿勢を正し鎮まりかえった。よく訓練されていると言っていい。立ち話をしていた者もたった今教室に入ってきた者も皆身動き一つ取らない。

 

「おはようございます!」

「相澤先生包帯取れたのね、良かったわ」

「婆さんの処置が大ゲサなんだよ。んなもんより今日の一限目、“ヒーロー情報学”……ちょっと特別だぞ」

 

「(ヒーロー関連の法律やら……

  只でさえ苦手なのに……)」

「(特別!?小テストか!?

  やめてくれよ〜……)」

 

「『コードネーム』ヒーロー名の考案だ」

 

「「「胸ふくらむヤツきたああああ!!」」」

 

皆が騒ぎ立てた──その瞬間イレイザーヘッドの髪が逆立ち目が光り全員が黙った。やはり彼らはみなそういう訓練を積んでいるのかもしれない。

 

「……というのも先日話した『プロからのドラフト指名』に関係してくる。指名が本格化するのは経験を積み、即戦力として判断される2・3年から……つまり今回来た“指名”は将来性に対する“興味”に近い。──卒業までにその興味が削がれたら一方的にキャンセル、なんてことはよくある」

「──大人は勝手だ!」

「頂いた指名がそんまま自分へのハードルになるんですね!」

「そ。で、その指名の集計結果がこうだ」

 

 

【A組指名件数】

五毛──2248

爆豪──1049

常闇──534

緑谷──221

轟───198

芦戸──172

切島──116

飯田──105

瀬呂──103

尾白──77

芦戸──30

麗日──25

耳郎──19

八百万─18

上鳴──11

 

 

「例年通り、結構バラけた。が──これらの総数の七〜八割近い量の票をB組の乕間が持ってっちまってるらしい。あいつに注目が集まったとも言えるな」

「クソが!」

「やったぁ、ウチも来てる」

「だ──白黒ついた!」

「見る目ないよねプロ☆」

「緑谷3位なのに転落してんじゃん」

「ボロボロになりまくるから怖かったんだなやっぱ」

 

皆が好きなように騒ぐ。自らに投票されていないことに憤る者、得票上位者を見上げて嘆く者。単純に多くの票を得た者は喜ばしそうにしていたが。

 

「これを踏まえ……指名の有無関係なく、いわゆる職場体験ってのに行ってもらう。──おまえらは一足先に経験してしまったが*2、プロの活動を実際に体験してより実りある訓練をしようってこった」

「それでヒーロー名か!」

「俄然楽しみになってきたァ!」

「まァ仮ではあるが適当なもんは──……」

 

「付けたら地獄を見ちゃうよ!!」

カツ!

 

「この時の名前が!」

カツ!

 

「世に認知されそのまま──」

カツ!

 

「プロ名になってる人多いからね!!」

「ミッドナイト!!」

「そういうことだ。その辺のセンスをミッドナイトさんに査定してもらう。俺はそういうのできん……将来自分がどうなるのか。名を付けることでイメージが固まりそこに近づいてく──それが「名は体を表す」ってことだ。“オールマイト”とかな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(俺は……もう、一択だな)」

「五毛は決まったか?」

「うん。そういう常闇くんは?」

「フッ、当然」

 

彼の眼前では、クラスメイト達がワイワイガヤガヤと自らや周りの人間のヒーローネームについて談義している。やれあれがいいこれがいいと、みな非常に楽しげで見ていた彼も朗らかな気持ちになった。

 

──しかし、考案開始から十数分が経過した頃、事態は急変した。

 

「じゃ、そろそろ出来た人から発表してね!」

 

「「「!!!」」」

「(発表形式かよ!!?)」

「(え〜っこれはなかなか度胸が……!)」

 

その後、ネタに走りかける人が出たりヒーローに相応しくない名前が飛び出したりとハプニングはあったものの、概ね問題なく各々が名前を挙げ始めた。目指すヒーローへの憧憬を冠する名前、昔から温めてきた名前、自分の個性が反映された名前──

 

「俺は──ゴモラ。俺のヒーロー名はゴモラです」

 

【 怪獣ヒーロー ゴモラ 】

 

「(これしかないってずっと思ってた。俺の“個性”で、耳郎さんが俺に呼んでくれるあだ名──)

 ……まんまだけど、これしか考えられなくって。俺はこれがいいです」

「良いじゃない!シンプルで理由もあり、かつ覚えやすく呼びやすい!」

 

彼は無事に発表を終えて、ほっと息をついた。ふと顔を上げれば、ニヤニヤと笑う耳郎響香と目があった。考えていたこともあって少し面映ゆく、目を逸らして頬を掻いた。──顔がちょっとずつ熱くなっていることを感じていた彼は、逃げるように自席へと帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「職場体験は一週間。肝心の職場だが──指名のあった者は個別にリストを渡すから、その中から自分で選択しろ。指名の無かった者は予めこちらからオファーした全国の受け入れ可の事務所40件……この中から選んでもらうが、それぞれ活動環境や得意なジャンルは異なる。よく考えて選べよ」

 

配られた用紙を各々真剣に読み込む。自分の個性と方向性に合った、かつ自分の経験になりそうな事務所をしっかり選択するために。

 

「俺ァ都市部での対・凶悪犯罪!」

「私は水難に関わるところがいいわ。……あるかしら」

「今週末までに提出しろよ」

「あと二日しかねーの!?」

 

 

「ゴモラはどうすんだ?!」

「うーん……」

 

彼は“個性”を十全に活かすならば、開けた土地の多い活動域──それこそ自然災害対策か、道幅の大きな都会での対敵戦闘か。例としては極端であるが、それも彼の能力の対応力が高いという証。

 

「俺は、広い土地があれば文句なしかなー」

「あぁー……なるほど。手足とか大っきくなるしなー」

「全身大きくするなら場所も限定される、か」

「五毛くん、リスト見せてもらってもいい?」

 

そこに顔を出したのは緑谷出久。自他共に認めるヒーローオタクで、ヒーローの事についてわからぬことがあれば彼に聞けばよいというのが皆の共通認識である。厚めのリストを受け取った彼は、高速で目を動かしつつリストをパラパラと捲っていった。

 

「わ、すごいトップヒーローからの指名もあるやでもうーん五毛くんの要望とは逸れるしなあにしてもすごいやピックアップだけはしておこうかそれなら彼はいるのかないるじゃんぴったりだねでも僕が決めるわけにもいかないからこれもピックアップに留めようまだまだリストは終わらないぞうひょーブツブツブツ……」

 

「怖えよ」

 

〜数分後〜

 

「うん。パッと見だけど、20位以内のヒーローと要望に合うようなヒーローをピックアップしたよ。うろ覚えだけどね……はいこれ」

「すげえ」

 

彼から手渡された紙には、先程の暴力的なまでに膨大な量の文字とは打って変わって、10件弱のヒーローの名前が挙げられていた。その中にはやはり一度は耳にするようなヒーローの名もあって、五毛楽は再度「雄英体育祭準優勝」の肩書きの強さを実感した。

 

「トップ10居るじゃん?!八位のクラスト、十位のリューキュウ!ヤバっ!」

「んで、こっちが『要望通り』のヒーローね……【怪力ヒーロー ミクラス】?」

 

スマホを使い、軽く調べてみると──大きな四本の曲がりくねったツノを生やし、インカ族の民族衣装を思わせるコスチュームを着たヒーローの写真が現れた。個性は“バイソン”や“バッファロー”と噂され、敵退治から救助まで幅広く活動するヒーロー……ヒーローチャートも五十位圏内でかなり高い。

 

「湖の近くの結構大きな都市を活動域にしてるヒーローなんだってさ」

「G○ogleマップで見てみたけど、道路だったりもかなり広くない?」

「(……だいぶ、いい感じじゃないか?)」

 

彼は今、二択で揺れていた。自身と同じような変身を行うことができるリューキュウ事務所か──自らの提示した条件に完璧に合致するミクラス事務所か。

 

どちらに赴いても動けはするだろう。その場合、将来自分が活躍したい場はどちらが近いのか、自分の将来をより広げられるのはどちらか──

 

「決めた。俺、ミクラス事務所に行く」

 

自然的な環境の体験と都市部での体験の両方が期待できる事務所──リューキュウ事務所のメリットも捨てがたいが、リューキュウの変身は巨大化するとは言ってもそのサイズはゴモラ状態の半分にも満たない。狭い場所での活動方法などはあまり参考にならないか、もしくはなりにくいかもしれないと判断した。

 

「おっ!ゴモラそっち方面行く?俺多分近くの事務所だぜ!」

「ほんとう?じゃあ、パトロールとかで会うかもしれないね」

「いやあ、楽しみだなぁ!」

 

どうやら上鳴電気と彼は同じ方面の地域で活動することになるらしい。少しの親近感を覚えながら、もうすぐ始まる本格的な活動に思いを馳せた。

 

 

 

 

 

放課後、帰宅中──

 

「あ、優勝者の乕間じゃん。朝どうだった?」

「そういう君たちも本戦出場者じゃないか、耳郎さんに五毛くん」

「ん」

「ははは、そうだね。この場の全員出場者だ」

「まあ、人はすごく集まってきたよ。思わず空を飛んで逃げちゃおうかなぁと思った」

 

彼らはよく一緒に帰宅する。そして、この日に出る話題といえばそう、一つしかない。

 

「乕間はどんなヒーローのところに行くんだ?ちょっと聞かせてよ」

「ヒーロービルボードチャート五位の『80(エイティ)』のところに行くんだ」

「ん*3

「良いじゃん。光線ヒーローでしょ?確か」

「そうそう。私も技を参考にさせてもらったりしてるんだよね」

「んー*4?」

「ウチはねー……」

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

職場体験開始日──当日。

 

「コスチューム持ったな。本来なら公共の場じゃ着用厳禁の身だ、落としたりするなよ」

 

駅構内。イレイザーヘッドの引率のもとここにやってきた彼らは、思い思いの荷物とヒーロースーツの入ったアタッシュケースを手にしてイレイザーヘッドの言葉に頷いた。

 

「はーい!!」

「伸ばすな『はい』だ芦戸。くれぐれも失礼のないように!じゃあ行け」

 

「楽しみだなあ!」

「おまえ九州か、逆だな」

 

 

 

 

 

 

新幹線と鉄道を乗り継ぎ、景色を眺めること数十分……

 

「うぉーっ、到着した──」

「おーう五毛くん!よう来たなーっ!おーい!」

「えっ?!」

 

言うまでもなく、彼はまだ駅前に居る。ここから調べた住所に向けて歩こうとしていたところだ。ここらではかなり有名な事務所なので、たどり着きやすいかもしれない──と彼は考えていた。が、その考えは水泡と化した。なぜなら──

 

「歓迎するでな!おお、テレビで見るよりごっつい体やねーっ」

「駅までいらっしゃってくれたんですか?!こ、こちらから向かいますのに」

 

そう、ミクラス()がぶんぶんと大手を振って出迎えに来てくれていたからだ。事務所の主人がここに居るなら、地図も意味をなさない。でも悪いことではない。

 

「若い子が気にするもんとちゃうでえ?パトロールのついでに来たっちゅうだけやからのー!……まあ実は職場体験の受け入れは君が初めてでな!こっちもちょびっと気が(はや)ったっちゅう訳や!」

「ああ、なるほど。いやでもありがとうございます、嬉しいです」

「わっはっは!礼儀のできたええ子やのう!さっ、一緒に事務所んとこまで行こか!」

 

彼らは連れ立って歩いた。話せば話すほどヒーローミクラスは話しやすく、慕われるヒーローであることがわかった。人としてしっかりできているヒーローであると。彼のヒーロー像は明朗快活そのものであり、その姿を見るものを明るくさせる力を確かに持っていると感じるのだ。

 

「うちの事務所はどっちか言うたら少数精鋭寄り!サイドキック二人と、あと他は事務作業をやってくれとる人が数人おるくらいやなあ」

「ウインダムさんとアギラさんですね」

「よう知っとるなあ!そうやそうや。まあサイドキックちゅうかってよりは対等な立場やと思っとるけどな、たまたまワシが頭張っとるだけやからの!皆気の良いやつばっかやからぜーったい歓迎してくれんで!」

 

木兎(ミミズク)ヒーロー・ウインダムに、恐竜(モノクロニウス)ヒーロー・アギラ。彼らはあるヒーロー校の同期であるとされ、三人でヒーロー事務所を結成。その際にリーダーを他二人が推薦したと言う流れらしい。

 

無論、例外なく彼ら二人も優秀なヒーローであり、所属ヒーロー三人全員がヒーロービルボードチャート百位圏内という珍しいチームである。

 

「これが──!」

「そう!ワシらの、自慢の事務所やで!」

 

今から数日間始まるヒーローとしての活動。彼の高揚や意気は、さらにさらにと高まるばかりであった。

 

 

*1
特注のビッグサイズ

*2
USJ

*3
ヒーロー先生

*4
耳郎ちゃんはどこ行くの





次回!カプセル怪獣ズ現る!
ゴモラスタンバイ!

オリジナルヒーロー
(ミクラス・ウインダム・アギラ)。
誰がなんと言おうとオリジナルヒーロー。

乕間にはカラーリングの似た兄弟など
存在しない、居ないと言ったな……?
そ、そうだ作者!だから──
アレは嘘(じゃないよ)だ。
ウワァアァアア──

いや違うやん。80先生はウルトラ兄弟に入っとらんやん。後から正式に入りましたけど。な、堪忍してつかあさい。この作品に乕間くんと80さんの兄弟設定はありません。
ミクラスの訛りはめっちゃ適当!私の知ってる関西弁をそれっぽくぽいぽい〜って並べてます。それっぽくて違和感なかったらいいじゃろの精神。別にこのあんちゃんの活動域も関西とは限らないし。
80&乕間の話は後日やるかも……?
期待せずに待っててください。

80:元ネタ──
ウルトラマン80
最初の数話、学校教師&隊員&ウルトラマンの三足の草鞋で仕事をしていた時期があり、その頃に「80先生」「ウルトラマン先生」と言われる。がしかしある話から突然教師設定は消滅。光線技の種類が非常に豊富なウルトラマンで、矢継ぎ早に繰り出されるビームは彼の魅力である。

湖?ミクラス……?あれあれ?あれあれあれ?
勘のいい人はお気づきになられたでしょうか?

(デュ)わっ!
また次話にて!
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