ちょっと長ぁい(約7000文字弱)。
逆に次話が短くなっちゃうかもしれない……?
すまーん!工場地帯レースはカァーット!!
ごめんな、ゴモラの個性で今までより機動性高められるビジョンが(あるにはあるけどこの時点でという意味で)浮かばなかったんや。
……峰田実ってやばいよね。クラスの男子の前で堂々と覗こうとするぅ?普通。キャラだから、漫画だから良いけど(良くない)……現実なら退学級かもしれないよね。
五毛楽は近づくに近づけず、彼らの側にタオルだけを置いて再び退散。三、四歩離れた場所で少女の指食みを眺める。そうして観察してみれば、上鳴電気も大分と困惑しているようで、目がぐるぐると回っているのが見てとれた。
上鳴電気の伸ばされた指を咥える少女に視線を向ければ、全身がダボダボの白い服に包まれているのが見てわかる。その服には彼女の尻尾と同じような模様?焦げ跡?が付いている。目深に被ったパーカーと、濡れたボサボサの長い前髪がその顔を隠している。
フード付きのパーカーは市販品にしてはフードが大きく、更に内から押し広げるように何かが突っ張っているのか、非常に大きなシルエットで膨らんでいる。人の頭が二つ三つは入りそうだ。
ちゅぽん。
「ぷぁっ」
少女は上鳴の指から口を離し、満足げに自分のお腹を撫でている。歳の頃はいくつ程か考えるも、ぶかぶかの服に顔も見えないとなっては判別がつかない。
「か、上鳴……大丈夫?」
「お……お、おう」
「どうする?この子」
「どうする──つったってなあ」
二人して少女を見やるが、何もわかっていなさそうな風に首を傾げている。
「警察に任せるとか?」
「まずは話を聞いてみようか」
「それもそうだな。
──ええと、お父さんかお母さんの連絡先はわかるかな?」
「…………お父さんもお母さんもいない」
「「……………………」」
二人ともがあちゃ〜と頭を抱えた。子どもに聞いちゃいけないことを聞いたような気がする。
「その……なんで湖の中にいたのかな?」
「……逃げてた」
「ええと、俺から?」
「ほんと何したんだお前?」
「いや、だから──」
「ちがうの」
「……そっか。ヒーローや警察のとこには行きたくない?」
こくり。
と彼女は静かに頷き、己が身を掻き抱いた。乾き始めた服からしとりと雫が垂れ、地面を濡らす。
「上鳴、……俺らだけで収まる事態じゃなかったらまずい。ちょっと、先生に連絡してくるよ」
「……おう」
「──────携帯が圏外?都市の中だぞ」
なにが原因か探る。バッテリーやスマホに不調は見られない。振ってみても何も起こらない。……そこで、彼は少女が上鳴電気の指を吸っていたことを思い出した。もしかして、少女の個性は電気系?つまり、通信を妨害しているのは──
「電波を止めたの?もしかして」
彼女はうつむいたままプルプルと震えている。咎めるようなことをせず、しゃがんで目線を合わせるようにして聞けば、やがて少女は小さく頷いた。
「うん、そっか。ごめんね、でも──絶対俺たちは君を傷つけるようなことはしない。信じられないかもしれない。危ないって思ったら逃げても良いから……あ、いや、逃げて欲しくはないけど……ともかく、少しだけ信じてくれないかな?」
「……………………………………」
たっぷり一分ほどの時間を経て、彼女は再び頷いた。すると、途端にスマホの電波が回復する。本当に彼女の個性によって生まれた通信障害であったようだ。
「……もしもし、ヒーロー科生徒1-Aの五毛楽です。インターン先の土地で少し相談したい事態が発生しまして……ええ、少し事情がありますので……はい。ありがとうございます」
『──……変わったぞ、俺だ。イレイザーだ。どうした五毛、今日は体験最終日だったはずだろう』
「ええと、体験は終わったあとなんですが、直後に上鳴と近場のカフェで合流しまして。そこで、……迷子?孤児?を保護したんですが」
『事情があるって言ったのはそいつのことか。で、警察じゃなく俺たちに連絡した理由はなんだ?』
「保護者がおらず、何故かヒーローと警察を信用できない状況だそうで……湖の中に居たんですが、お腹を空かせて上がってきたところを保護しました」
『なるほどな。水棲系の個性か?ヒーローと警察が信用できないとなると──』
「ええ。……先生に連絡するのも個性で妨害されたんですが、傷つけないことを約束してやっと連絡させてくれました」
『……そうだな、お前らは勝手に動くんじゃないぞ。俺たちが迎えに行く。俺たちヒーローには子どもを保護できる許可の様なものもある……二時間ほどその街で待ってろ』
「はい、ありがとうございます。それでは──」
連絡を終えたのは良いが、少女が上鳴から離れなくなってしまった。ベンチ型の椅子が対面した形で机を挟むテラス席に座り直したものの、「ヒーローは信用できない」からヒーローとしての姿を目撃している彼に近づこうとしないのか。彼は苦笑した。
怯えた様子や敵意を放つ様子はないが、なにかを伺うかのような雰囲気はひしひしと感じる。一方寄り付かれた上鳴電気はちょっと嬉しいやら困惑やらで感情がくるくると忙しそうだ。
「で、でさー……先生はなんて?」
「俺たちが迎えに行くから、二時間ほど待てってさ」
「おけ、了解」
「俺も……何か食べようかな」
彼は苦笑とため息を一つのこし、店内へ歩いていった。軽く喉を潤すためにドリンクが欲しかったらしい。
「──あ。そういえば名前なんつうの?」
「そっか。聞いてないね」
「……わたし?」
「そうそう、聞いてなかったなと思ってよ」
「────エル。多分エル」
「そっか。エル、よろしくな」
その後五毛楽が自分用のコーヒーと少女改めエル用のジュースを手に戻ってきて、お腹はあまり膨らまないが普通の食べ物も食べられはするということが判明したり、一人だけ名前を聞きそびれた彼が「エルって誰?」と困惑しかけたりしていると、二時間十五分後に待ち人は来た。
「お待たせしました」
「13号先生が来てくれたんですね」
「ちょうど手が空いているのが僕だったので、来ちゃいました。軽く事情も先輩から聞いています」
ヒーロースーツではなく私服らしい13号が
「ずいぶん上鳴くんに懐いているみたいですね。一緒に座ってもらってかまいませんよ」
席は沢山あるのだ。どこに座ろうと関係ないが、どこに座ろうと自由なのは確かである。ひっつき虫のように上鳴電気をつかんで離さないエルは、当然のように上鳴電気の隣に座り込んだ。
五毛楽はドライバーの13号の近くに座る。
「五毛くん達の体験先がわりと近めの場所で良かったです。大阪や青森、福岡まで離れてしまうと車で迎えに行くなんて出来なかったでしょうからね」
「本当に助かりました。事情を聞いたりするのはお願いしてもらっても良いですか?協力はしますが……」
「もちろん。子ども達を安心させるのもヒーローのお仕事ですから、任せてください。見たところ中学生ほどのお年頃でしょうか……?まあ、なんにせよ雄英に到着してからですね。疲れていたら、寝てしまっても大丈夫ですよ」
「はい。いえ、大丈夫です。……あの子は別ですが」
「ふふ、そうですね。おねむのようです」
いつのまにかエルは上鳴の膝を枕に眠りについていた。このエルという少女に何があるのか、まだわからないが──自分に出来ることは、全てやる。
雄英に到着し、ぐっすりと熟睡に入ってしまったエルをおぶった上鳴電気・五毛楽・13号の三名が車を出て歩く。
「エルちゃん……だったかな?とりあえず、先輩が用意してくれた部屋にその子を一緒に連れてきてほしい」
「俺はどうしますか?」
五毛楽は問うた。エルを運んでいるわけでもないし、上鳴電気ほどにエルとの関係が良好であるとも思えない。
「五毛くんも一応来てもらっていいかな?彼女が起きた時、見た顔は多い方が良いんじゃないかなあと思うんだ」
「……なるほど、わかりました」
案内された部屋まで向かうと、物置を掃除したのだろうか。端の方にはまだ段ボールや荷物が積まれていたが、保健室にあるようなベッドといくつかの業務用チェア。
もしかするとこの部屋は元々物置の予定ではなかったのかもしれない。物置に似つかわしくない大きな窓もあるし、しっかりとした作りの扉は開きも軽快だ。
上鳴がエルをそっとベッドに寝かせたが、そのタイミングでエルは目を開けた。
「起こしてしまったかな?ごめんね。ええと、僕はこの二人が通う学校の先生なんだ」
「学校……」
「そう。……ええと、君がヒーローや警察を信用できないっていう状況なのは聞いているよ。ただ、ちょっとだけ話を聞かせてもらえないかな?」
「ちが──……
……わか、った」
「ありがとうね。お話する時、上鳴くんや五毛くんはいた方がいいかな?」
「……大丈夫、いらな──いてほしくない」
「(!?ガビーン!!)」
「(何か聞かれたくない話が……?)」
「そっか、わかった。先輩が来るまでもう少し時間がかかるから、ゆっくりしててね」
13号はそう締めくくると自らも椅子に座り、上鳴電気と五毛楽の二人にも座ることを勧めた。13号は本業のレスキューヒーローという姿と、その容姿や口調で子どもや女の子たちからの人気も高い。故に子どもと喋るときは元々の性分に増して穏やかな口調を心がけている為、エルはいくらか冷静さと落ち着きを得ることができた。
「そういえば、お二人は初めての職業体験どうでしたか?ためになったでしょうか」
「ハイ!めっちゃヒーローのリアルを感じ取れて勉強になったっす!」
「俺も、先方にはとても良く見て頂いて……あらゆる面で成長を実感しています」
「職業体験と言えば──アレ!飯田と緑谷と轟の!ステインの事件場に巻き込まれたんだってよ!」
「ええっ?!」
ステインと言えば──連続ヒーロー殺害事件の犯人という、凶悪な事例を多数残す有名ヴィラン。
単純に多くのヒーローを打ち負かし、且つ殺害するだけの実力を持っているということと、「ヒーローを殺害」するという明確な目的を持つ厄介さ、その思想を世に振りまく扇動的凶悪さ。
どれを取っても有象無象のチンピラとは文字通り格が違うヴィランと言える。──そんなヴィランの事件にかの三人が巻き込まれたというのか。ステイン逮捕の報せはスマホに届いていても、細かいこと、つまりクラスメイトの関与はあずかり知らぬことだった。
「彼ら三人は重軽傷を負いましたが、命に別状はないそうです。緑谷くん・飯田くんは腕に後遺症が残ると聞きましたが……飯田くんは、足の個性だから被害は少ない、と」
「そうですか……」
「その場にエンデヴァーが駆けつけ、撃退・逮捕したらしいです。何にせよ、彼らが無事で良かった」
「ステインなあ。うーん……」
「俺も一応ヴィランと戦わせてもらったけど……ヒーローを殺す様な凶悪なヴィランは居なかったな」
「そんなんがポンポンいたら堪らんぜ」
「っ…………」
「──っと、
「いや……」
からら。
「わるいな、遅くなった」
「相澤先生。すみません、対応してもらって」
「気にするな、人助けがヒーローの本分なんだからな」
「では、五毛くんと上鳴くんは戻ってもらえますか?エルさんとお話をさせてもらいますから」
「はい、おつかれ様でした」
「エルをお願いします」
五毛楽はぺこりと頭を下げ、上鳴電気は少女に軽く手を振って扉をくぐる。エルという少女に一抹の心配を抱えながら、彼らは日常に帰る。
翌日。
「「アッハッハッハマジか!!
マジか爆豪!!」」
「笑うな!クセついちまって洗っても直んねえんだ……おい笑うなブッ殺すぞ」
朝登校した
「やってみろよ8:2坊や!!アッハハハハハハハ──」
BOMB!!
爆豪勝己の怒りと共に彼の個性の如く固まりきった髪が爆発し、元の髪型に戻ったために更に深く笑い転げるのを横目に、クラスメイト達は各々の体験を語り合っている。
「へえ〜敵退治までやったんだ!うらやましいなあ!」
「ウチは避難誘導とか後方支援で実際交戦はしなかったけどね」
「それでもすごいよー!」
「私もトレーニングとパトロールばっかりだったわ。一度隣国からの密航者を捕らえたくらい」
「それすごくない!!?」
「お茶子ちゃんはどうだったの?この一週間」
耳郎響香、芦戸三奈、蛙吸梅雨の三名は麗日お茶子の方へ目を向け──なんらかの格闘技の構えを取り、波紋を呼びたてそうな深い呼吸を放つ彼女を目撃した。
「コオオオオオ──
とても──、コオオオオオ──
有意義だったよ────」
「……目覚めたのねお茶子ちゃん」
「バトルヒーローのとこ行ったんだっけ」
ボッ!
放たれた麗日お茶子の拳はトルネードスクリューを纏い、空気を裂く音が鳴り、残像を残す。それを見た峰田実が何かを呟きながら異様な狂気を孕んだ顔をしていた。
「Mt.レディのとこで何見た……俺は割とチヤホヤされて楽しかったけどなー。ま、変化っつーか一番大変だったのは──お前ら三人だな!」
「そうそうヒーロー殺し!」
そう言って注目が集まったのは緑谷出久・轟焦凍・飯田天哉の三名。彼らは悪い意味で有名なかのステインに遭遇したことがクラス中……いや、ヒーロー科に広まっている。
「……心配しましたわ」
「命あって何よりだぜマジでさ」
「エンデヴァーが救けてくれたんだってな!さすがNo.2だぜ!」
「……そうだな、
「うん」
彼らには含むところがあったが──それは表に出ることのない事実だ。
「俺ニュースとか見たけどさ。ヒーロー殺し、敵連合ともつながってたんだろ?もしあんな恐ろしいやつがUSJ来てたらと思うとゾっとするよ」
「でもさあ。確かに怖えけどさ、尾白動画見た?アレ見ると一本気っつーか執念っつーか、かっこ──」
「上鳴……!」
五毛楽は引き攣った顔で上鳴電気を諌める。彼は三人が事件に巻き込まれていたことを聞いた後、ヒーロー殺しステインの直近の事件を調べ──体育祭の当日、飯田天哉の兄が重篤な被害を受けていることを知った。
「え?あっ……飯……ワリ!」
「いや……いいさ。確かに奴は信念の男ではあった──クールだと感じる人がいるのも、わかる。ただ奴は信念の果てに“粛清”という手段を選んだ!どんな考えを持とうともそこだけは間違いなんだ。俺の様な者をもうこれ以上出さぬ為にも!!改めてヒーローへの道わ俺は歩む!!!」
「飯田くん……!」
「さァそろそろ始業だ席につきたまえ!!」
「五月蝿い……」
「なんか……すいませんでした」
ヒーロー基礎学授業後──
「久々の授業、汗かいちゃった」
「俺ぇ……機動力課題だわ」
「情報収集で補うのも手だな」
「それだと後手にまわんだよなぁ……お前とか瀬呂が羨ましいぜ」
工場地帯を飛び回り、特定の地点まで急ぐレース形式の授業。移動は得手不得手がはっきりと顕になり、そして個々人が職場体験で学んだこととして──特に数人がその頭角を大きく表していた。
「おい緑谷!!やべェ事が発覚した!!こっちゃこい!!」
「ん?」
アナァ!
その更衣室の壁には──なんとポスターで隠されていたらしき覗き穴が有ったのだ!
「見ろよこの穴ショーシャンク!!恐らく諸先輩方が頑張ったんだろう!!
──隣はそうさ!わかるだろう!?
女子更衣室!!」
「峰田くんやめたまえ!!ノゾキは立派なハンザイ行為だ!」
「オイラのリトルミネタはもう立派なバンザイ行為なんだよォォ!!八百万のヤオヨロッパイ!!芦戸の腰つき!!葉隠の浮かぶ下着!!麗日のうららかボディに蛙吸の意外おっぱァアア──」
「峰田お前コラ゛ァァアァア゛!!」
「ぶべらふタコスッ?!?!」
怒り心頭の五毛楽が峰田実に強烈なビンタ!!バチコォン!!しかし──
ドス!!
覗き込んだ峰田実をぶっ飛ばした五毛楽の腕は穴を翳す形で覆っていた為に──峰田実の目を刺そうとしたプラグがぐっさり突き刺さってしまったのだ!!
「うわああ!!!」
「耳郎さんのイヤホンジャック……!正確さと不意打ちのコンボが強み!制裁を加えた五毛くんが巻き添えに……!!うわぁ」
「何て卑劣……!!すぐに塞いでしまいましょう!!」
「ありがと、響香ちゃん。けど……あはは」
「多分これ、ゴモラの腕かなんかに刺さっちゃったな……(つか、ウチだけ何も言われてなかったな……)」
骨の芯に爆音があああぁぁ──
大丈夫か五毛ォォォ──
「しまった」
彼女は気まずげにスポっとプラグを抜き、急いで着替えを再開した。
「ごめんねゴモラ……マジごめん」
「良いって良いって。寧ろ、すぐ止められなくてごめんね」
「アイツほんとヤバいよね……??どうなってんだよ」
「俺はちょっと怖いよもう」
プラグのささった部分をさすってくれている耳郎響香を横目に、彼は峰田実の底なしの性欲に恐れを成した。
「あっ。相澤先生、お疲れです」
「五毛に──耳郎か。お疲れ……五毛。この後話がある。談話室に来てもらえるか」
「──はい」
「掛けてくれ……」
「……はい」
「察しているかもしれないが、お前が救助したエルという少女から聞いた話についてだ」
「…………」
「お前にも関連する
「っ……はい」
「──な……っ、なんですって……!?」
次回!エルの秘密発覚!?
そして、彼女の知られざる過去とは──!
ゴモラスタンバイ!
耳郎ちゃんカワイイカワイイね。
雄英に!帰ってきた!ならば!
イチャつかせるしかあるまいのォ(にちゃあ
真面目な話私女の子キャラは割りかし貧乳キャラが性癖。
ボーイッシュ寄り・ジト目風三白眼・貧乳ウチっ娘とかアテクシの性癖にぶっささりまくりマクリスティすぎんでしょッ!?!?
あと10人お気に入り登録で500人突破ああ!
この談話室には上鳴は同席しておりません。
ではまた次話で! ナッ!!