ううむ、キリが悪くなるから短いけど投稿だあ(4700文字強)!こんなサブタイトルしといて演習本番に届かないっていうね。うん、なにしてんの?
皆さまは学校のテスト、得意でしたか?それとも毎度苦しんでいましたか?私は毎度のテストでノー勉強派なので、inヤオモモハウスのテスト勉強会がわからんすぎて割愛しました。申し訳ない。
それでは本編どうぞ!
時は流れ
六月最終週━━━━━……
期末テストまで残すところ一週間を切っていた。
「全く勉強してねーー!!
体育祭やら職場体験やらで全く勉強してねぇーー!!」
あああああああああ……と頭を抱えて嘆く上鳴電気と、その彼の隣で最早達観した笑顔であっはっはっはと笑う芦戸三奈。
とはいえ職場体験が終わってからかなりの時間が空いているのだが、職場体験終わりに『拾った』エルという少女が自宅にいる上鳴電気にとっては職場体験気分が未だ長引いているのかもしれない。そんな彼は21名のクラスメイト中、学力は最下位である。
「確かに……」
「中間はま──入学したてで範囲狭いし特に苦労なかったんだけどなー……」
「行事が重なったのもあるけど、やっぱ期末は中間と違って……」
「演習試験もあるのが辛えとこだよな」
そう宣ったのは峰田実。彼はドスケベチビというキャラに似合わず、クラス内の学力順位を10位に保っている。
……なんだそうは言っても半分じゃないかと侮るなかれ、忘れてはいけない。彼らは倍率300倍を乗り越えてきた超絶エリート集団なのである。その中での10位……当然トップ層の点数は高く、いかにクラスの真ん中の順位だとは言えその水準は恐ろしく高い。
「あんたは同族だと思ってた!」
「お前みたいな奴はバカで初めて愛嬌出るんだろが……!どこに需要あんだよ……!!」
「“世界”かな」
「アシドさん上鳴くん!が……頑張ろうよ!やっぱ全員で林間合宿行きたいもん!ね!」*1
「うむ!」*2
「普通に授業受けてりゃ赤点は出ねえだろ」*3
「言葉には気をつけろ!!」
前者二名は問題ない。問題は最後の言葉、轟焦凍の悪意なき鋭利な一言。良くも悪くも彼は思ったことをそのまま口に出す。イケメンだから許されている節はあるが、それにしたって今の言葉は上鳴電気を突き刺した。*4
「お二人とも、座学なら私……お力添え出来るかもしれません」*5
「「ヤオモモーー!!!」」
「演習のほうはからっきしでしょうけど……」
「わりィ俺も!八百万古文わかる?」
「え」
「おれも」
「え」
八百万百は喜んだ。口元を抑え、プルプルと震えて喜んだ。それはそれは可愛らしい様子であったという。
「良いデストモ!!」
「ねえゴモラ、教えてほしいとこがあるんだけど……二次関数の応用。いいかな?」
「いいよ〜。難しいよねぇ」*6
「助かる。ウチだけじゃやっぱわかんなくて」
「この人徳の差よ」
「俺もあるわてめェ教え殺したろか」
「おお!頼む!」
「耳郎さん五毛さんもご一緒に勉強いたしませんこと?!張り切って準備させていただきますわ!」
「ええと、俺は耳郎さんが良ければ大丈夫だよ」
「……ウチも良いよ。そういや、ヤオモモの家にお邪魔するのは体育祭以来だね」
「おお!成績一位二位が教えてくれんの心強すぎだろ!」
「おおおッ、俺はやるぜぇーっ!」
そうして週末の休日、彼らは八百万家の講堂にて一堂に会す。各々ラフな恰好で、その日は休憩を挟みつつただひたすらに勉強した。普段飲むことのないような香り高い紅茶を嗜み、難所に頭を抱える上鳴を根気強く励ましながら──
あくる日の放課後──
食堂の一角で食事をしていたメンツから、ある一報が寄せられた。なんと、過去問ではないが過去の演習内容は受験の時のロボ相手の戦闘だというリーク情報が入ったのである。
「んだよロボならラクチンだぜ!!」
「おまえらは対人だと個性の調整大変そうだからな……」
「ああ!ロボならぶっぱで楽勝だ!!」
「あとは勉強教えてもらって」
「これで林間合宿バッチリだ!!」
傍目から見ても彼らは浮かれていた。無論ロボとて戦闘が不得手な者にとっては脅威以外の何物でもないのだが、文字通りイナズマとアシッドを操る彼らにとっては雑魚同然。
「電気……その、油断しない方が、良い……と思う」
「ん〜?エル、心配してくれてんのか〜!」
「あ、いや、その……」
「人でもロボでもぶっとばすのは同じだろ。何がラクチンだアホが」
しかし、その空気に水を差す様な鋭い言葉が降りかかった。その言葉の主は爆豪勝己、いつにもまして苛立ち、強い表情と口調が表面に出ている。
「アホとは何だアホとは!!」
「うるせえな調整なんか勝手に出来るもんだろアホが!なあ!?デク!」
「!」
「やめろその言葉は俺にも効く」
五毛楽は密かにとばっちりを食らっている。彼は人間大のサイズの時は調整もそれなりに巧いが、巨大化するとそうはいかない。少し歩けばビルを削り、大地を割り、破壊を撒き散らす。仕方のないこととは言えど、本人も気にしているのだ。
「個性の使い方……ちょっとわかってきたか知らねえけどよ、てめェはつくづく俺の神経逆撫でするな」
「あれか……!前のデクくん爆豪くんみたいな動きなってた」
「あー……確かに!」
「体育祭みてえな半端で不甲斐ねえ結果は要らねえ…………!次の期末なら個人成績で否が応にも優劣つく……!
完膚なきまでに差ァつけて──
てめェぶち殺してやる!
五毛、轟ィ……!!てめェらもなァ!!」
ガン!!
扉が歪んでしまいそうな程の勢いで開けた爆豪は、苛々とした様子のままにずかずかと帰って行った。
「ええ……俺ぇ?」
「……久しぶりにガチなバクゴーだ」
「焦燥……?あるいは憎悪……」
そして──翌週。筆記試験を乗り越え、演習試験当日がやってきた。赤点回避に確かな手応えを感じている面々、しっかりと紙面の密度を高めた面々……しかし、演習試験は分け隔てなく降りかかる。
「相澤先生来た──……来た、けど……?」
「なんか、先生達多いな……?」
「ね、多いよね」
十名は居る……なぜかはわからない。ロボ相手の戦闘試験ならば、これだけの人員は必要ないはず……冷静な者達の中で不穏な予感が高まってゆく。
「それじゃあ演習試験を始めていく。この試験でももちろん赤点はある……林間合宿行きたきゃみっともねえヘマはするなよ。
諸君なら事前に情報仕入れて何するか薄々わかってるとは思うが……」
「入試みてぇなロボ無双だろ!!」
「花火!カレー!
ひょこ!
「残念!!諸事情あって今回から内容を変更しちゃうのさ!」
イレイザーヘッドの首元に巻かれた捕縛布から飛び出したのは、雄英のマスコット的存在の校長先生だった。そして……聞き捨てならないことを言わなかったか?と一部の生徒が慄く。今──試験内容を変更する、と?
その言葉に案の定約二名ほどが笑顔のまま固まり、沈痛な雰囲気を醸し出しはじめる。
「校長先生!」
「変更って……」
「それはね──」
校長先生の話を聞くところによれば、ロボとの戦闘訓練は正味のところあまり実戦的ではなく、様々な要因で活性化しつつあるヴィランを鑑みれば──これからの社会は現状以上に対敵戦闘の激化は必至。
故にこれからは「対人」戦闘・活動を見据えたより実戦に近い教えを重視する──とのことである。ロボ相手一辺倒ではどうしても慣れや癖の発生は避けられないし、前提としてロボは「壊せる」設計にされている。
「というわけで……諸君らにはこれから、
「先……生方と……!?」
「尚、ペアの組と対戦する教師は既に決定済み。動きの傾向や成績・親密度……諸々を踏まえて独断で組ませてもらった」
「あれ?でも一人余るくね?」
「それも踏まえて組んだ、が……その“余り”の相手としてゲストを呼んでる。それぞれ早く終わったなら……参考になる様、よく見ておくといい」
「……?」
そこで上鳴電気は少し納得した。先生陣が乗ってきたバスから、エルが降りてきたのである。もしや、その余りの人はエルと組むかもしくはエルの絡んだ特殊ルールで試験を行うのか──
「それぞれステージを用意してある、十一組一斉スタートだ。試験の概要については各々の対戦相手から説明される……移動は学内バスだ、時間がもったいないから速やかに乗れ」
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少し前、対戦相手の組み分けの会議にて──
「組の采配についてですが……まず芦戸・上鳴の二人。良くも悪くも単純な行動傾向にありますので──校長の頭脳でそこを抉り出して頂きたい」
「オッケー」
「轟。一通り申し分ないが全体的に力押しのきらいがあります。そして八百万は万能ですが咄嗟の判断力や応用力に欠ける……よって俺が個性を消し、近接戦闘で弱みをつきます」
「意義なし!」
それぞれの生徒にあてがわれる教師は着々と決まって行った。そして残った最後に一人、少し悩ましい生徒が居る──それは五毛楽。生徒が二十一名のクラスである弊害。強力すぎる個性の弊害。三人一組でも良かったが、その場合教師一人では対応しきれない可能性が大きく浮上する上に、個々人の力もうまく見ることができない。
「五毛……こいつは、正直現時点では何も言えません。高い格闘能力・制圧能力もさることながら、その力に驕らず冷静に立ち回ることができる生徒です」
「あー、あいつに面と向かって勝てるヒーローって言われてもそんな思い浮かばねえな」
「巨大化が厄介だわ。Mt.レディ二人分だなんて信じられない」
「そこでですが、今回戦闘を得意とするヒーローに一人協力を取り付けてあります」
「おお、誰だ?」
「──
「……!80くんか」
光線ヒーロー、80。彼は世間に強いヒーローとして広く認知されている。人気度や事件解決数こそオールマイトなどには及ばないものの、戦闘能力だけで言えばオールマイトやエンデヴァーにも並ぶと噂されるヒーローだ。未成年に対する面倒見がとても良いことでも知られている。
だが一方でその素顔や出自は一貫して謎。ヒーロ活動時はメタルスーツに身を纏い、肌を全て隠す徹底ぶり。それに加え、どこのヒーロー科校に所属した経歴もなく、ある日のヒーロー認定試験の応募会場にふらっと現れそしてヒーロー免許を易々と取得した──らしい。
同じくTOP10のミルコと同じく事務所を持たないヒーローであり、その活動は全て一人によるもの。サイドキックの一人もおらず、故に職場体験として乕間雨を指名したことが知れ渡った際には驚かれた。
「だが、80では逆に荷が勝つんじゃないか?彼の戦闘能力は凄まじいものがあるし──それに、底が見えない」
「そうですね。そこで──……どちらかと言うと、五毛の試験合格は普通なら正直確実と言って良いレベル。話が飛ぶようですが、先日「エル」という少女についての事情は通達しましたよね」
「ああ。……まさか──」
「あの子を戦わせるってのか?!」
「ええ、その通りです」
「何を考えてるんだっ」
「……本人たっての希望なのです。『上鳴たちの役に立てるようになりたい』……と」
「だが……それにしたって……」
「彼女はもとは戦闘要員として製造された、といいます。彼女の実力を見極め、対策としての指標を練りつつ──彼女に未来の道標を示すきっかけにしたい」
「………………なる、ほど……」
教師陣は渋々と言った様子で飲み込んだ。まだ見ぬヴィランの対策として一理あるし、何より本人の希望とあっては──……と。
「決定でいいかな?」
「ええ」
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『やあ、初めましてかな』
一人で乗れと言われてバスに足を踏み入れた瞬間、機械を通した様な、合成音声じみた声がバス内に響いた。思わず段差を気にして足元に向けていた目を前に上げると──
「
「……よろしくね」
『僕が君の期末試験演習の相手だ。そして、彼女は君のチームとして活動すると聞いているよ』
「ビルボードチャート五位の80が相手……!っよろしく、お願いします!」
『ああ、よろしく』
この世界では結構謎の男、80。一体どんな人物なんでしょうか?
原典80の光線打つ前にする構えの時に腕を振ると鳴る「フォッ」って効果音が好きなんですが解る方はいらっしゃいませんか?
というか80の効果音軒並み好きなんだよね。
あ、この作品の80さんの見た目は──
「UAU」(ULTRA SUIT ANOTHER UNIVERSE)の『ULTRAMAN SUIT 80』でご想像ください!カッコいい!
ー追記ー11/19.
80の一人称を私→僕
それではまた次話にて! ヘヤァッ!