次話から隔週投稿なんだからねッ!!
2025.2.9 追記
人間サイズの際の主人公の動きはウルトラマン作品中の怪獣くらいの速度に見える感じのイメージで、
怪獣状態の主人公の動きは映画フルCG怪獣くらいの見え方──というイメージでよろしくお願いいたします。
誰もがその姿を見上げていた。
三日月型の大きな大きな双角と鼻先に聳える一本角。
胴体前面を覆う松笠状の刺々しい鱗。
万物を斬り裂かんとする、鋭い極大の爪。
太く、長大で、その重量の想像もつかぬ尻尾。
──その場に居る誰の追随も許さぬほどに燦然として輝くような生命力にあふれた肉体。
恐竜……いや、怪獣がそこにはいた。
「な…ん…」
誰も動くことができずにいた。それは0pロボも同じことである。
……否、一人動く者がいた。光を手繰る力を持つ彼であった。
「すごい──…でも、何で動かないんだ?動けない理由が、……そうか!足元の受験生達が危ないんだね!」
彼は即座に原因を察した。動かなくてはいけない……そのまま近くにいた女子受験生に叫びかけ、協力を持ちかける。
「ねえ、名前はわからないけど君!あそこの彼ら彼女らを避難させるのを手伝って!」
「…ん!(わかった!)」
ん?返事があったのかこれは?と困惑しつつも動き出した女子受験生を横目で見つつ、二人いた逃げ遅れのうちの一人を抱え、飛び去る。
「君、大丈夫かい?向こうまで運ぶよ!」
「あ、ありがとう……」
放心状態といった様子だろうか。無理もない、巨大なロボが襲い掛かってきたかと思えば次の瞬間には更に大きな生命体が頭上に現れたのだ。
「じゃあね!受験、頑張ってくれ!」
安全圏まで送り届け、自分は元の場所にもどる。もう一人いた逃げ遅れはえっちらおっちらと運び出されており、ちょうど、「巨大化した彼」が動き出すところであった。
「GISHAAAAAA!!!」
ヤクザキックだ。なるほど、全長差などを考えれば良い手だ。事実、彼の足はロボの胴体を打ち抜いた。
ドゴォオオォン!!
後方のビルに吹っ飛び、ガレキを撒き散らすロボ。
あんなに感じた圧倒的脅威が……なんともあっけない。ん?いや、微妙に駆動してい──
「GIJAAAAAA!!!」
すわ竜巻かと思わんばかりの突風を纏ってその巨体が回転した。あれは──…周りのビルを削ったうえで振り抜かれた太い尻尾の鞭は、今度こそ巨大ロボの身体を打ち据えたようだ。まさに上下で断裂しそうな勢いで破損したロボ。
「……なんて、すごいんだ。君は」
圧倒的。まさにその言葉がこれ以上ない程に当てはまろう。自分がかのロボを鎮圧あるいは破壊せんとするならば、こんなにあっけなくはいくまい。ちまちま攻撃し、他者を逃すために気をひくので精一杯。しかし彼は──いや、今はそんなことを考えている暇はない。
周りの誰も彼もが呆気に取られ、動けないでいるようだ。……さもあらん。あんなものを見せつけられては、消沈するか、高揚するか、どちらにせよ、試験どころではないだろう。
『 終 了 〜 !!!! 』
彼は体を縮ませたあと、ビルの瓦礫のなかに隠れて出てこなくなっていた。なぜか──巨大化の際、服を破いているからである。故に現在マッパ!そう!真っ裸!OH NO!!
さしもの彼もフル◯ンで受験生及び教職員の前に出て行く度胸はなかった。どうしたものかと身を縮こませ、思案と苦悩に頭を捩りながら隠れていた。
「おーい、恐竜の君〜、どこいったの〜」
(この声は…!)
「こ、こっち…!こっちきて!こそっと!」
「えぇ?」
自らの呼び寄せる声に反応して来てくれたのは、予想通りというべきか、光エネルギーの男。暗雲に差した文字通りの光にホッと息をつく。
「どうしたのさ、君。そんな奥に閉じこもって……崩れるよ、危ないよ。出ておいで」
「服が……ないんだよ……」
「え?」
「デカくなったときに!破れて服がなくなっちゃったんだよぉ」
「ははぁ…」
なんとも。と言いたげな光の彼は少し離れ、手に何かを持った状態で再度こちらに駆けてきた。
「デカい布もらってきたよ。更衣室まではこれで我慢しよう」
「くっ…!仕方ないか…」
彼はその白い布を…全身に巻くにはちょっと心許なかった(ふとした瞬間にまろびでそうだった)ので、腰から下に布をきつくきつく結び、ようやっとでてきた。
(うぅ…スースーするコレ…)
とはいえその茶色の脚も相まって、見れなくはない程度の格好には落ち着いていたので……まあ、奇異の目で見られることはなかった。
「おお!出て来たぞ!」
「うぉぉ!!モンスターマン!!」
「ありがとー!!かっこよかったー!」
「なんてやつだ、っぱすげよ雄英」
「どんな個性だよ…!?」
「なんでゼロポイントに挑んだんだ?」
「ばっか、助けてくれたんだよ」
「規格外な“個性”だね」
色々な反応がかけられていたが、全て耳に入らず、「リカバリーガール」というヒーローの治療もいらないと許可を得て、彼は急いで更衣室に向かったのであった。
「どうだった?実技試験」
「俺は……結構いけたと思うんだけど、最後に出て来た0pに結構時間費やしちゃって。それだけちょっと不安かな」
「へー、……ゴモラが苦戦することってあるんだ」
「あるよ、それくらい。……ペンを折らないこととか」
「あぁ〜…昔よくやってたね、ベキって」
彼と彼女は小学五年生からの付き合いであるが、その頃はまだまだ鉛筆をへし折っていた時期である。消しゴムはちぎれた。というか苦戦のベクトルが違う。
「数年前のことだけどね。……耳郎さんは?どうだった」
「──感触は、悪くない。合格圏内ではあると思う」
「おお……!良かった!」
「マジで、お互い受かってるといいね」
「うん。一緒に授業受けたいよ」
「〜ッ…うん」
彼、天然ジゴロ説生えて来たねこれ。ペッ。
──五毛楽、“ゴモラザウルス形態”。幼少期に一度発生してから、通算二度しか発動していない奥義。全長40m超の巨大な獣に変貌し、その膂力を振るうのだ。
服が裂けるのは忘れていた……とはいえ、今回のように相手の破壊活動なんかで元から場所がひらけている場合以外、市街地では使えない技だろう。改善の余地アリ、だ。
どうやって自身の武器として形作っていくか頭を悩ませながらも、前向きなその悩みは、帰路を歩く彼から合格できない不安が取り払っていく力があった。
一週間は、短いようで長い。切にそう思った彼は、届いた封筒を目の前に開けることを逡巡していた。
一週間、ずっと不安や焦れに襲われていたのだ。自分は合格できているのだろうか、他の合格者にはもう通知が届いているんじゃなかろうかと。あるいは不手際かなにかで自分の合格が取り消しとか…!?
それは彼にとってめずらしい、いやあるまじき思考である。彼はあまり自己の努力を疑うことはない。他を見上げることはあろうとも、自己を見下げることは実力をも貶める行為であると過去に気づいたから。
しかし「受験」という大きな大きな人生の起点において、そのメンタルもボコボコのメッタメタ。常時不安に駆られて、授業や訓練も今ひとつ身が入らない。それは他者から見ても顕著で、耳郎響香にも心配されるほど。
──勉強を全くせずにテストに挑む者より、入念に丹念に勉学を修めていた者の方が結果に心配を抱くという。彼がこれまでひたむきに努力してきたからこその不安とも言えた。
「ああ、ダメだ、封筒を握ってからもう10分だぞ」
踏ん切りがつかない。受かっていなかったら、落とされていたら──何度も何度も思考がループし、その度に開け口から手を離す。
ピロン。
スマホがシンプルな音を立てて細かに震える。ちらりと見ると、それは耳郎響香からの簡素なメッセージ。
『受かった。雄英』
「──!」
彼女は無事受かったんだな。安心と羨望…
「そうだよ、いつも君に励まされる。俺は──」
ビリリ……意を決し、慎重に封筒を破った。中から出て来たのは使い捨てのホログラム装置。
「これは……?机に置けばいいのか」
コト、ウヴン。灯る光、浮かび上がる画面。
『んっん〜〜!私が投影された!!!』
「オールマイト……まさか?」
はて、これは雄英からの手紙ではなかっただろうか。オールマイトが雄英に属しているなどということは耳にしたことがない。
『さあ、君もわかっているだろう。このメッセージは君の合格発表の件についてさ』
「……」
生唾をのみこみ、先の言葉を待つ。五秒にも満たぬその時間は、今の彼にとって永遠にも等しい。
『私、オールマイトはこれから雄英に勤めることになったんだ。宜しくね!早速だが…君の筆記試験は素晴らしい結果だった‼︎ その上で──そう、実技試験だ』
“筆記試験は”素晴らしいという言葉。焦らすようなその言に、安堵のような焦燥のような感情が身体中を駆け回り、脳を支配する。
『ヴィランポイント55p取得…合格だってさ‼︎』
あまりにもあっけなく告げられた言葉、
『そして、それだけじゃあないんだな。これが』
「!?」
オールマイトの後ろでVTRが流れ出す。その光景は──
「ゼロポイントヴィラン…か?」
彼が巨大化し、その0pを蹴り飛ばすシーン。
『先の入試!!! 実は見ていたのはヴィランポイントのみにあらず!!! 君は得点を得ることよりも、その場に留まり皆を守ることを優先した。
そ! れ! に! ──すぐさま戦うのではなく、足元の少年少女が移動するまで待っていた!
これも良い判断だと思うぜ。もちろんまだまだ粗はあるが──こんなのがある。
救助活動P‼︎そしてこれは審査制‼︎ なんと五毛楽に追加で35p──』
「……!」
『計、90p。君、主席だってよ。マジでおめでとう!本当に素晴らしいことだ!!
──さあ、来いよ五毛少年!ここが君のヒーローアカデミアだ!』
凄まじい勢いで脳に集まる血流。沸騰するような、火山のように噴火してしまいそうな興奮。と同時に、納得してもいた。逃げさせるためだけに0pなど配置するのか、そんな疑問も今解決された。“レスキューポイント”とやらを生み出しやすくするための装置であったのだ。
震える手でスマホのチャットを開き──
「合格…したよ、耳郎さん」
(ああ…クッソ嬉しいね!)
「実技総合……成績出ましたよ」
「うーん、面白い配点になったな」
「一位はともかく、三位と八位の子だよ!どちらかのポイントがゼロだ」
「うーん、対照的にも程があるな。三位の子は──標的を補足して近寄ってくる「1p」「2p」を、最後まで鈍らずに迎撃し続けてたよな。その派手な“個性”でおびき寄せながら…相当なタフネスだ。そしてその賜物だな」
「そして敵P0で八位、ね。
「俺、思わずYEAH! って言っちゃったからな──」
「とはいえ自身の個性発動の衝撃で甚大な負傷…動けなくなるほどの。まるで個性が発現したての幼児だね」
「妙な奴だ。あそこ以外は常に典型的な不合格者であった」
「細けえことはいんだよ!俺はあいつ気に入ったよ!! 」
「というか、皆さん触れてませんが…その、一位の子」
「アレはなー…」
「巨大化個性、しかも変身前にも恩恵アリなタイプ」
「なんつう強個性だ。ツノに、腕、足…極め付けにあの尻尾だよ、尻尾が一番強い武器かな」
「Mt.レディって子が最近デビューしてたよな。サイズはどれくらいなんだ?」
「20m前後──まあ、あの0pと同じくらいですかね」
「その巨大化サイズも規格外、ってか」
「4〜50はありましたね」
「ったく、たいしたもんだよ。とはいえすぐに暴れずに牽制に抑えて…ってところは賞賛に値する」
「自身の巨体が起こす影響をわかってやがる」
「うーん、サイズの調整は出来ねえのかな。 …というかアレはMAXサイズか?」
「抑えてあれの可能性か?は。笑えないな」
(ったく…わいわいと)
学校にて…
「ええーっ!!二人とも受かったんん!?」
「え、マジ?雄英やんね」
「やば…この学校が超進学校になっちゃう!」
「んなこたぁねえ」
「えぇ、羨ましい〜」
「バカいえ…努力ありきだろ」
「よっ!天才ゴモラ!」
彼らはクラスメイトに囲まれていた、まあ仕方のないことではあるだろう。なんてったって300倍率の突破者が二名も同じ学校の同じクラスから出たのである。やばいやばい。下手なニュースより衝撃的だし注目を浴びる。
「はっはっはっは!どーだ見たかー、我雄英生ぞ」
「なんだこいつう」
「俺の精神にダメージが…!ニニニニニニン!」
「タピオカパン☆」
「どういうリアクション?」
彼は浮かれた。浮かれてもいいのだ。タバコやら酒やらをやらかさなければ。調子に乗ることはなかったが、それでもやはり嬉しく、周りに持ち上げられれば実感も湧いてくるというものだ。
「ゴモラ。改めて、これからもよろしく」
「っーよろしく!」
彼らの高校生活が始まりを迎えようとしている。
もしよろしければ評価・お気に入り登録お願いしまっさ!
ここすきとかもくれたら喜ぶぞ(作者が)!!
さあみんな、作者に餌やりを〜!
評価をパクパクしたいんじゃあ〜
ー追記ー
感想をくれた人、ホントにありがとう!にまにましながら眺めてるぜー!いやあ、読んでくれる人がいるっていいね!評価もよろしく(貪欲)ゥゥ!!
本題、次の更新は月曜日やで。
U.A.FILE. –Unknown number−
CLASSNo.10
GOMO RAKU(
○個性 ゴモラサウルス
・「膝から先」「外太腿、膝から下」「尾てい骨」「側頭部、額」が人間大サイズのゴモラサウルスのものになっている!パワーに優れるぞ!!
怪獣、恐竜としての巨大化が可能だ!巨大化した際は身長45m、体重2.2万トン!
彼の代表的な必殺技は、岩盤を破砕して砂にして地中を掘り進む際に使用する角の振動作用を応用して角から放つ「超振動波」だ!!
五毛’s
五毛’sヘア……短く、垂れない程度に切っている。
五毛's全身……非常に引き締まった圧縮筋肉ボディ。
五毛's爪&角……カバーは日常必須アイテム。
五毛's手足……とっても衣服が着用しづらい。
五毛's尻尾……肉感クッション。
五毛's目つき……悪いし鋭め。ゴモラのそれ。
五毛's身長……175cm。轟と1cm差。
巨大化状態、通常ゴモラよりはちょっと大きいけど、マックスゴモラよりは小さいですねー。