怪獣殿下のヒーローアカデミア   作:ぶ千切れた尻尾

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日常回?に合うサブタイトルがない。
やっと絡めさせられたぜへへっ!
やっぱり原作キャラと絡まなきゃみんなも楽しくないよなあ!ブーストかけるぜおらああ!!(テスト期間中なう)

フェチの話にはなるけどさ、チョーカーって色気すごない?えっちすぎん?首にあれ巻く人、似合ってる人すごいよね。めっちゃ可愛いしかっこいい。男はイケメンにしか似合わない。

オリジナル回終わりなので初投稿です。



30 モール(オイル)SOS

 

 

 

「やー、よくあの80と戦いにったねゴモラ」

「まあ、結局は逃げたんだけどね……ってぅわあ」

 

──翌日、朝。

 

「皆……土産話っひぐ……楽しみに……うう、してるっ……から!」

 

期末試験から一夜明け、昨日の試験について耳郎響香と語らいながら教室の扉を引いた五毛楽は、四人の鎮痛な面持ちをしているクラスメイトにたじろいだ。

 

──その四名の内訳としては、試験の合格条件に達することができなかった砂藤力道・切島鋭児郎・芦戸三奈・上鳴電気というところである。芦戸三奈に至っては目尻に涙を浮かべていた。

 

上鳴電気の側ではエルが予鈴が鳴って教室を離れなければいけないことと、学校の教室に近づいていくにつれとてつもなく沈んでいった上鳴電気の元気のなさを心配する気持ちとに板挟みになっておろおろしている。普段はあまり感情を表に出さない彼女としては非常に珍しい光景だ。

 

実は昨日夜、上鳴電気は少女エルにたくさん慰めてもらっていたのだが、合格者に慰められるやるせなさと年下の少女に慰められる情けなさのダブルパンチで、彼の心情的にはプラスマイナス0と言ったところ。

 

なんだ、この悲惨な状況は──と口走りそうになった五毛楽であったが、軽く口を抑えつつもすぐに納得した。

 

試験直後は『自分が試験を達成できなかった』という現実を直視できず……自信満々であった上鳴電気・芦戸三奈両名には更に心痛が祟ったことだろう──認識する時間を挟んでしまったが故に、自身らの置かれてしまった立場というものに直面してしまったのだろう、と。

 

「ひょ、表情が絶望と悟りに染まってる……」

「まっまだわかんないよ!どんでん返しがあるかもしれないよ……!」

「緑谷、それ口にしたらなくなるパターンだ……」

 

試験で赤点取ったら──

 林間合宿行けずに補修地獄!

 そして俺らは実技クリアならず!

 これでまだわからんのなら

 貴様らの偏差値は猿以下だ!!

 

瀬呂範太が少々希望的観測の混じった緑谷出久の慰めをやんわりと諌める。両者共に彼らを追い詰める発言であることは気づいているだろうか。上鳴電気はあまりの精神の発狂に射した指の先が緑谷出久の顔にめり込んでいる。

 

「落ち着けよ長え……わかんねえのは俺もさ、峰田のおかげでクリアはしたけど寝てただけだ。とにかく採点基準が明かされてない以上は──……」

同情するならなんかもう色々くれ!!

 

隣で耳をそば立てる──いや、堂々と耳に手を当てて瀬呂の言葉に自信と満悦の感情を湛えながら静かなるドヤ顔を晒している。

 

カァン!

 

甲高い音を立てる程の勢いでドアが開き、いつも通りの黒くダボった格好の相澤消太が現れた。

 

予鈴が鳴ったら席につけ──それに、もう本鈴も近い。エルはもう戻れ」

「ぁ……は、はい」

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「おはよう。今回の期末テストだが──……」

 

シーン……

 

痛いほどの静寂が教室を包んでいる。とはいえ合格者の面持ちは穏やかであったし、近くに迫る林間合宿に思いを馳せ、笑みを浮かべる者もいたが──先程の四名はより一層悲痛な顔になっていた。

 

皆が遠くで楽しむ中、学校に留まって補修を受ける辛さは同情して余りある。

 

「残念ながら赤点が出た。したがって

 林間合宿は全員行きます

 

「「「「どんでん返しだあ!」」」」

 

「……ええっ?!」

「よかった!一緒に行けるね!」

 

しかしその状況は一瞬で覆された。よく見れば相澤消太の口元も笑みに歪んでいる……前々から、学校に置いていく旨の発言はハッパを掛けるためのものだったことが伺える──かもしれない。

 

「筆記の方はゼロ……実技で切島・上鳴・芦戸・砂藤、あと瀬呂が赤点だ」

「!?」

 

「行っていいんスか俺らあ!!」

「確かにクリアしたら合格とは言ってなかったもんな……クリアできずの人よりハズいぞこれ

 

なんと条件自体はクリアしていた瀬呂も赤点を取ってしまっていたようである。まあ、さもありなん。彼は殆ど寝ていたのみで、ミッドナイトから峰田を逃したこと以外の戦略的貢献は無い。皆無と言っても良いのだ。

 

あやしみつつも内心は受かっているだろうと安堵していた瀬呂は少しの羞恥に頭を抱えて呻いている。

 

「今回の試験、我々敵側は生徒に勝ち筋を残しつつ、どう課題と向き合うかを見るように動いた*1、裁量は個々人によるがな。でなければ課題云々の前に詰むやつばかり……まあ、多かっただろう」

80さん、本気じゃなかったのか……ショック

「本気で叩き潰すと仰っていたのは……」

「追い込む為さ。そもそも林間合宿は諸君らの強化の為の合宿……赤点取った奴こそここで力をつけてもらわなきゃならん。合理的虚偽ってやつさ」

「ゴーリテキキョギィイー!!」

 

ともかく林間合宿は全員の参加が決定。皆は赤点者を中心に湧き上がり、大喜び。『合理的虚偽』という便利で理不尽な言葉に首を傾げて納得のいかない者もいたが、全員で行けることの喜びには勝てない。

 

「……ただ、全部嘘って訳じゃない。赤点は赤点だ、お前らは別途に補修の時間を設けてある」

「「「「「────!!」」」」」

 

「ぶっちゃけ学校に残っての補修よりキツいからな?じゃあ合宿のしおりを配るから後ろに回してけ」

 

相澤消太の諌める言葉に再び顔を暗くした彼らではあったが、恐らく当日になればウキウキとその日その日を楽しめる者たちである。無事に行けるだけマシというものであろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まぁ、何はともあれ全員で行けるようになって良かったね」

「うんうん、誰かを置いていくのは絶対寂しいし」

 

尾白猿夫の言葉に五毛楽は相槌を打ち、周りのクラスメイトも数人が同意するように頷いた。

 

「一週間の強化合宿か!」

「結構な大荷物になるね」

「暗視ゴーグむグフォッ

「ナイスゴモラ……俺水着とか持ってねーや。色々買わねえとなあ」

 

不適切な思考を見せた峰田実を詰問しつつも周囲は和気藹々とした雰囲気になる。強化合宿と銘打ってはいても、なんたかんだ友人との学校イベントは楽しいものだ。

 

しおりを読み込む者も、足りないものを確認するものも、憂いた表情の者は一人としていない。

 

「あ、じゃあさ!明日休みだしテスト明けだし…………ってことでA組みんなで買い物行こうよ!」

「おお良い!何気にそういうの初じゃね?」

「俺も行きたい!……えと、耳郎さんも行かない?」

「ん、いーじゃん」

「おい爆豪、お前も来い!」

「行ってたまるかかったりィ」

「轟くんは──」

「休日は見舞いだ」

 

葉隠透の提案にその場の皆が湧き上がった。爆豪と用事があって行けない数名を除いたクラスメイトの多くが賛成の声を上げる。場所や時間、集合の要件を決め──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ってな感じでやってきました!

 県内最多店舗数を誇るナウでヤング*2な最先端!木椰区ショッピングモール!

 腕が6本のあなたにも!ふくらはぎ激ゴツのあなたにも!」

「ムム」

「きっと見つかるオンリーワン!」

 

普段目にすることのない耳郎響香のおしゃれ着に、合流当初は存分にあわわわと照れて彼女に弄られていた五毛楽であったが、他のメンツと会う時にはさすがに落ち着いていた。それでも未だ少し顔が赤く火照っており、それだけ彼には彼女が美しく魅力的に映っているのである。

 

皆の楽しげな雰囲気も相まって、そのボーダー柄で萌え袖の上着*3にその細い首に巻き付いたチョーカー、アンバランスで大胆、かっこよさを押し上げている大きなベルトに──網タイツ。それらが酷く魅力的、あるいは蠱惑的に彼の情を煽る。

 

“個性”の差による多様な形態を数でカバーするだけじゃないんだよね。ティーンからシニアまで幅広い世代にフィットするデザインが集まっているからこの集客力があるんであって更に──幼児(おさなご)が怖がるぞよせ」」

 

「お!アレ雄英生じゃん!?一年!?体育祭ウェーーイ!!」

 

「うおおまだ覚えてる人いるんだあ……!」

 

この場の誰も彼もがわくわくと浮足立っている。友達、あるいはクラスメイト、あるいは気になる人と共にお買い物。ああ、何と心躍るイベントであろうか。それも先の合宿に繋がるとあっては殊更である。

 

「ゴモラー。とりあえずウチ、大きめのキャリーバッグ買わなきゃだから一緒に行こ」

「いいね〜。俺の持ってるのも小さなお古だし、買い替えようかなあ」

「俺アウトドア系の靴ねえから買いてえんだけど」

「あー私も私もー!」

 

「ピッキング用品と小型ドリルってどこ売ってんだ?」

 

「目的バラけてっし、時間決めて自由行動すっか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「──さっきはど緊張しててしっかり言えなかったけど。え、えっと!めっちゃ似合ってる!」

「……ん。ありがと、嬉しい」

 

彼は一世一代の度胸を発揮して、耳郎響香の服装を思ったままに誉めた。が、彼女にはさらりと涼しげに流されてしまい、経験値の差を見せつけられた──

 

かに思えたが、少し斜めのそっぽを向く耳郎響香は耳の端と頬を少し赤らめていた。感じいるものがないわけではないようだと彼は一安心。

 

「キャリーバッグは……ええと、2階のF棟に鞄屋さんがあるのと3階のB棟に生活雑貨専門店(ロフト)があるね」

「んじゃ、一旦近いし鞄屋行こ。良いのがあるといいケド」

「どれくらいのを考えてるの?」

「んー……合宿期間が結構長いでしょ?やっぱり大きくないとダメだよね。まあ、見てから決めるけど」

「どんなのがあるか、ちょっとワクワクする」

 

彼らは連れ立って歩く。インターネットでの買い物は楽で安いから便利だが、こうやって人と共に歩いて買い物に興じるのもやはり楽しい。実物を見て買えるというメリットもあるし、どちらが良いとは一概には言えないものだ。だがこの日に限っては、彼はこのショッピングモールに来て良かったと断言できるだろう。

 

エスカレーター、通路、広間……なまじ人混みが多い為に、狭い場所では距離も近づく。もちろん下心のある接触ではないが、純情な青少年としては少しドキリともするだろう。

 

……──そこ、普段一緒に登下校してるだろとか言わない。非日常感はスパイスなのだ。普段のスキンシップでは味わえない何かがあるのだ。多分。何より一緒にモールを歩くなんて、デートみたいではないか。

 

クラスメイトも一緒だが、今は二人で歩いているが故に。

 

「ついた……わ、カラフルだねえ」

「種類多っ。入ろ入ろ」

 

ショーケースに並ぶ商品だけでも圧巻だったが、店舗の中に入ってみれば先程のそれを凌駕する品物たちの数。大きなものから小さなもの、正統派から変わり種までよりどりみどりだ。

 

「キャリーバッグ、スーツケースエリアは──……向こうみたいだよ!行ってみよう」

「値段もそこまで高くない。良いじゃん」

 

綺麗に並べられたそれらは特段珍しいものでもないがしかし、新しいピカピカの商品たちは彼らを誘惑して止まない。

 

 

 

 

 

耳郎響香が徐に手繰り寄せたキャリーバッグは、大きいソフトケースのブラウン……というよりは赤褐色のもの。

 

「(流石に直球すぎるか)」

 

色味が完全に一致している。ここに名前を書く為、などと嘯いて赤のリボンでもくくりつければそのまま彼の色だ。流石にそこまで行くと恥ずかしい。

 

何より茶色のバッグというのはどこかJKには似合わない(おじさんっぽい)ように思われ、彼に似合わないと思われるのも嫌なのでそっと元の位置に戻してことなきを得た。

 

 

 

 

 

「うーん。こっちも捨てがたい」

 

一方で五毛楽は男子の(さが)か、実用性を見ながらバッグを選んでいた。具体的には林間合宿だから自然に近い場所で活動する可能性が高い……ので頑丈なハードケースのバッグを買うか。それとも安く、取り回しの効くソフトケースのバッグを買うか、など。

 

自身の荷物を想定し、脳内でテトリスのようにバッグに積み込む。着替えに洗面用品、洗濯ネット、充電器類にその他必需品。

 

「………………」

 

彼の手元には二つの候補があり、どちらを選ぶか迷いに迷い──ちらりと耳郎響香の方を盗み見れば、パステルカラーの可愛らしいバッグをいじくり回している彼女。

 

 

彼女の短い黒髪を、彼は好ましいと思っている。無意識に視線を戻せば自然と定まり……

 

 

「……こっちに、しようかな」

 

選ばれたのは紺色かもしくは紫がかった黒い色(耳郎響香色)のキャリーバッグ。

 

別に彼は理由があってそれを選んだつもりはない。なんとなく、ただなんとなくだ。先程まで悩んでいたのが不自然なくらいスッと選ばれたバッグを手にする。

 

 

 

「決まった〜?」

「うぅん……まだ。ねえ、どっちが良いと思う?ウチ決めかねててさぁ」

「うわぁどっちも可愛いね。これは迷う……ええと、俺はその薄紫のが好きかなあ」

「……だよね!よっし決まり」

 

どうやら正解であったようだ。彼はホッと胸を撫で下ろした。二人並んでレジに向かう。

 

 

 

 

 

「◯,◯◯◯円になりまあす」

「これで」

「丁度、お受け取りしましたあ」

 

 

 

 

 

 

「ね、ゴモラ──……」

「……なあに?」

 

耳郎響香はくるりと振り向いてゴモラに微笑みかけた。そしてなんとなく彼は背中にシビビと来るものを感じ取った。いつになく彼女の声が緊張と熱を持っているような感覚がしたのだ。

 

「ウチ、さ」

「うん」

 

彼女の声がもどかしくて、彼女の声が心地よい。焦らされるような、くすぐられるような心地だ。今から何を言われるのかという緊張──

 

「水着、買いたいんだけど……一緒に──」

「──ッ!」

……だが、無粋な通知がピロン!ピロン!と彼女の言葉の邪魔をした。口をつぐんでしまった彼女がスマホを取り出し、覗き込み──

 

 

 

「……っ!ゴ、ゴモラ!緑谷が死柄木と遭遇したって……!!」

「ええっ?!」

「麗日からの通報!警察にも連絡したって」

 

 

 

 

 

「緑谷くん!」

「緑谷!?大丈夫かよ!?」

 

──麗日お茶子の通報により、ショッピングモールは一時的に閉鎖された。

 

当然買い物どころの騒ぎではない上に、区内のヒーロー・警察が緊急捜査にあたるも結局死柄木は見つからず……警察が厳重注意を強く呼びかけていた。

 

緑谷出久は警察へ連れられ、事情聴取を受けるそうだと彼らは聞いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月曜日、朝のホームルームにて──

 

「…………とまあそんなことがあって、敵の動きを警戒し──例年使わせて頂いてる合宿先を急遽キャンセル。行き先は当日まで明かさない運びとなった」

「「「えーー!!」」」

「もう親に言っちゃってるよ」

「故にですわね……話が誰にどう伝わっているのか学校が把握出来ませんもの」

「合宿自体をキャンセルしねえの英断すぎんだろ!」

 

クラス内は騒然としている。無理もない、今までに例のないことだ。戸惑いも激しいが、

依然合宿は行われることに不安を抱く者も少なくなかった。

 

 

 

 

 

そうして夏休み目前、一悶着──なんてこともなく。あまりに濃密であった一学期は幕を閉じる。

*1
一部例外あり

*2
連載当時は現役で使われていた言葉なのかもしれない。そこ、死語とか言わない

*3
彼/作者は服に詳しくない為に服の種類がわからない





読んでくれてありがとう!
オリジナルが続くと読者離れる。
オデ、学習シタ。

やっぱりウルトラマンって結構オタ界隈ではニッチな方なのかな。ヒロアカ好きは怪獣がわからんし、ウルトラ好きには描写が足りない……?
乞食してたから評価50はある。けど、お気に入り登録とそれ以降の評価はやっぱり低速感は否めないよねえ。

オラ頑張るぞ!
エタらないぞ!
駆け抜けるぞ!
……その為にも、登録評価感想よろしく!

ー追記ー
ヒロアカ最終巻おまけ、No.341 More(モア)……。
良すぎんか????
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