最近、昔私が読んでた色んな作品の失踪してた作者さん達が帰ってきてとっても嬉しい。でも新しく失踪しちゃった作者さん達もいらっしゃるからとっても悲しい。
さあ!気を取り直して原作第九巻に突入だぁあ!!ゴモラ強化なるか!
本編どぞー。
「上鳴、青山。お前らの個性は『許容上限のある発動型』だ……わかるな?」
「は、ハイ!」
「ウィ☆」
「つまりはだ……ひたすらに発動を続けることを繰り返し──上限の底上げを図る。上鳴、お前は周り巻き込むと危ないからあそこ登ってやれ。青山は端向いてやれ」
上鳴電気と青山優雅は二人して顔を青ざめさせた。それはつまり……どれだけ腹を下しても/アホになってショートになろうとも自身の個性を発動させ続けろ、ということ……
彼らは自分の個性発動がある一定のラインを越えた時の辛さを身に染みて知っている。腹痛、お腹を下した時の苦痛は耐え難いものであるし、ショートしてしまえばアホになるだけではすまない──というか、アホになることで個性を使いすぎた反動を乗り越えている節さえある。*1
「え……?ま、マジすか」
「考えただけでツラい☆」
「マジだ。ほれ、さっさと行くぞ」
そうして上鳴が連れて行かれた土でできたピクシーボブお手製の高台には、ガソリンを入れて使う様な大型の発電機が置いてあった。ガソリンの量は満タン。いつでも使えますよという様相である。
「まさか……ッ!」
「お前は使いすぎるとアホになるだけじゃなくて、電気が足りなくなるからな……というわけで電気を供給しながら発動させ続けるんだな」
「うわぁキッツ!!」
泣き言を言っている間とて、無情にも目の前で準備は進められていく。ドルルンドルルンと紐を引いてエンジンがかかり、特殊な電極から電気が迸る。掴め、と目線で促されて恐る恐る握り込めばそれはかなりの電圧があった。
「これ……はっ」
「早よお前も発動しろ」
「ハイ!」
彼の身体からもバヂバヂと音を立てて雷が溢れ始めたのを見て相澤消太は頷いた。
「じゃあ俺は行く。が、一、二時間後また顔を出す。しっかりやれよ」
「ウッス!」
「五毛、お前の強化方法について。最初は異形型・複合型個性のところに放り込もうと思ってたんだがな……その前に、ラグドールの個性で
「深め……?それは、
「向こう側から持ちかけてきたんだが、その話の内容に一理あるとおもったからだ。詳しいことは彼女らの前で話そう」
「……はい」
五毛は地獄絵図に乗り込もうとしているクラスメイトを尻目に、ラグドールの元へと相澤消太の後ろに連れ立って歩いた。
自身の記憶で、深めに診てもらう理由について考える。彼女の個性は“サーチ”……見たものについて、弱点や詳細な情報について知るという個性。それは当然、対“個性”に於いても発動する。
とくると、『人造個性』関連か?エルと似通ったこの個性……しかしこの相澤消太がこの敵の動きを警戒する中の林間合宿で、ヒーローとは言えそう易々と他人に話すのであろうか。
それとも『ゴモラサウルス』という生物についてか?当たり前だが本物のゴモラは絶滅済み。古代の恐竜であるからして、その本来の能力は未知数と言っても良い。その本来の強みというものを識る為か──
「おい、呆けるな」
「……はっ!す、すみません先生!」
「ったく。まあ良い、ちゃんと聞けよ。あちらさんが言うには、体育祭の時のお前の暴走についてらしい」
「──ん?」
「そう!あちきら、テレビ越しとは言え中継は見ていたからね」
「流石にチケットの抽選はなかなか当たらないからねー」
ラグドール、マンダレイにそう言われるも、彼にはその“暴走中”とやらの記憶はない。確かに耳郎響香にも言われたな、あの後見たVTRは──……と、彼は振り返った。
「はっ」
そうだ。彼はその映像のあまりの現実感の無さに記憶を消しかけていた。相手選手、心操人使の個性“洗脳”を掛けられた彼は、一瞬の沈黙の後──
かろうじて心操に一撃加えたのみで沈静化させられたものの、完全に暴走していたら目も当てられなかった事態に発展してしまったことだろう。
「にゃ!あちきらの言いたいことは──」
「暴走してる時のパワーって上がってたんじゃないの?ってこと!」
「──確かに!?」
思い出してみれば、肩は異常に盛り上がっていたとは言え、腕の巨大化はそれなり止まりのサイズだった。そんな状態の腕を振るい、何十mも離れた外壁にまで心操人使をぶっ飛ばし、あまつさえそのコンクリートをひび割れさせて見せた。
巨大な怪獣基準とは言え、ゴモラの腕は他部位に比べても特別強力な筋肉があるというわけではない。むしろ尻尾や咬合力、足の筋肉に比べれば弱いまである。故に──MAXまで大きくなっていても、意識して行わなければそこまでぶっとばすのは難しいのだ。
「おおォ……!?」
「つまりにゃ──君がその暴走状態とやらをモノにできれば、大幅強化が見込めるんじゃないの?ってことにゃ!」
「おおお……!!」
「……水を差すようで悪いが、五毛。暴走は暴走だからな、俺たちや他の生徒に危害が及ぶ可能性は高い」
「おぉ……」
粛々と諌める様な相澤消太の台詞に、彼はガックシと肩を落としてしまった。話によるところ、体育祭で暴走した日は相澤消太の個性による制止も聞かなかったらしいし、ここには訓練をしている関係上人と人との距離も近いのだから、危ないのなら仕方がな──
「最後まで話は聞け。この話は出発してする前、事前に通されていてな…………
「?……10回ですか?」
「そうだ。
「──はい!」
「話はおわったかにゃ?なら、あちきのサーチで見ていくにゃんよ!」
「はい!よろしくお願いします!」
「抵抗するなよ五毛」
彼は目を閉じて、全てを受け入れるような構えをした。心持ちを安らかに、自然の空気を感じ、その意識を空に溶かすような──それは言い過ぎかもしれない。
結果────……
「んー、よくわからないにゃ!」
彼はずっこけかけた。
「まあとりあえず……あの暴走はいわゆる『リミッターを外す』っていうことをしてる状態らしいのにゃ。だから、ただの暴走じゃなくて強化に繋がるんじゃにゃいか?って考えは正解かもしれないにゃよ」
「はい。ありがとうございます」
「肝心のやり方はわからないの?」
「うーん……野生?」
「「?」」
「よくわからないですね。……でも、やってみます!」
「その意気だ。頑張れよ」
「っはい!」
○●○
「なんでわからなかったのかしら?ラグドールのサーチはいつもかなり正確なのに」
「……なんというか、違和感がすごかったにゃ……個性だけど、個性……??みたいな」
「……本当によくわからないわね」
○●○
移り変わって、B組。
彼らは一足遅く全員が揃い、ブラドキングによって今回の訓練の概要を伝えられる。
「“個性”を伸ばす……!?」
「A組はもうやってる、早く行くぞ。前期は……正直乕間以外の活躍はパッとしなかったのかもしれない。だが!後期は我々皆の番だ!乕間も含めてな。いいか?A組だけではなく、我々もだ!」
「(((先生……!!不甲斐ない生徒でごめん!)))」
彼らは人情派のブラドキングという教師によって心を熱くする。意気込み、背筋を伸ばし、奮起する──一部を除いて彼ら彼女らのやる気は充分だ。
「でも、突然個性を伸ばすと言っても……20、いや40名40通りの個性があるし……何をどう伸ばすのかわかんないんスけど……」
「具体性が欲しいな!」
彼らは纏まって歩きながらも純粋な疑問を口にした。尤もなことである、課題をこなす過程において目的をはっきりさせることは最重要項目だと言っても過言ではない。
いくらどんな訓練を積もうとも、見当違いの方向に鍛えようとすれば目的の力は身につけることができないのだ。
「筋繊維は酷使することにより壊れ……強く太くなる。個性も同じだ、使い続ければ強くなりでなければ衰える!
すなわちやるべき事は一つ!」
ザッ!彼らは目的の場所に到着し、教師であるブラドキング以外の皆が一様に絶句し、目を剥いた。
「限界突破!!」
そこにはまさに言葉にし難い光景が広がっていた。壮絶な顔で熱湯に腕を浸からせる爆豪勝己、頭から血を流しながらも頭のそれを捥ぐのをやめない峰田実、甘味をひたすら口にしながら青ざめた顔でダンベルを上下させ続ける砂藤力道、がむしゃらに硬化させまくった切島鋭児郎をその尾で殴り続ける尾白猿夫──
「な、なんだこの地獄絵図……!!」
「もはやかわいがりですな」
「許容上限のある発動型は上限の底上げ!異形型・その他複合型は個性に由来する器官、部位の更なる鍛錬!通常であれば肉体の成長に合わせて行うが……」
いてえええええ──
クソがああああ──
ぎゃあああああ──
「まァ時間がないんでな。B組も早くしろ」
悲鳴や怒号をバックに歩いてきたのはA組担任の相澤消太。彼は特に後ろを気にした様子もなく、それはまさに正しくこの状況が通常の状態、正しい状態であるということを意味している。
「しかし、私たち全員だと40人。そんな人数の個性を六名という人数で管理できるのでしょうか……?いくらプロヒーローだとは言え」
「乕間。言いたいこともわかるが、
「そうなのあちきら
「煌めく眼でロックオン!!」
「猫の手手助けやってくる!!」
「どこからともなくやってくる……」
「キュートにキャットにスティンガー!!」
「「「「ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツ!!」」」」*2
決め台詞を披露したのはそう、プッシーキャッツの面々。約一名毛色の違う人物がいる気がしないでもないが、その疑問を誰も口に出せずにその語りは続く。
「あちきの個性『サーチ』!この目で見た人の情報100人まで丸わかり!弱点も長所も!(ラグドール)」
「私の『土流』で各々の鍛錬に見合う場を形成!(ピクシーボブ)」
「そして私の『テレパス』で一度に複数の人間へアドバイス(マンダレイ)」
「そこを我が殴る蹴るの暴行よ……!(虎)」
「(((色々ダメだろ)))」
やっぱり一名毛色が白と黒くらい違う人がいる。容姿端麗、愁眉淡麗な三人の美女と並ぶゴリゴリマッチョな肩幅の大きい巨漢(元女性)はどう見てもミスマッチングなのだ。
「単純な増強型の者、我の元へ来い!
もう始まっているぞ」
「ひーーー!!」
「(((
「さァ今だ撃ってこい」
「はっ──5%デトロイトスマッシュ!!」
SMASH!!
「よォォォしまだまだキレキレじゃないか!!筋繊維が千切れてない証拠だよ!!」
ドゴォ!!
「イエッサ!!」
「声が小さい!!」
「イエッサァ!!!」
「(((ノリ怖え!)))」
「(私は何を見せられているんだろう)」
「プルスウルトラだろォ!?しろよ!ウルトラ!」
壮絶な強面で鋭い鉤爪のついた手袋の人差し指をピンと上に突き立てる虎。
「(((この人だけ性別もジャンルも違うんだよなあ)))」
彼らはドン引いたが、その彼らの内の幾人かはヒーロー虎の元へぶち込まれることをわかっている者はまだ少ない。
「──雄英も忙しいからな。ヒーロー科一年だけに人員を割く事は難しい……この四名の実績と広域カバーが可能な個性は、短期で全体の底上げをするのに最も合理的だ」
○●○
「ウ゛ェェ゛エェエエ゛イ!!」
上鳴電気は喉を引き裂かんばかりに叫んでいた。というか数十分前から彼は『アホ状態』である。
「ウ゛ェ゛ェ゛ェェ゛エエ゛イ!!!」
それでも彼は訓練をやめようとしない。と言うかそれを忘れている節がある。だが、訓練の目的としては素晴らしい成果をあげているのかもしれない。
「ウ゛ェ゛ェ゛エェ゛エエ゛エ゛エ゛────」
「……やってるな」
「うん……電気、頑張ってる」
そこに現れたのは、相澤消太とエルであった。エルはエルで個別の訓練を行なっていたのであるが、上鳴電気が訓練を始めてから一、二時間が経過した際に相澤消太に連れられてここまで来た。
「上鳴!一旦止まれ!」
「エエ゛エェエェ゛エ゛エエエ゛イ!!!!」
「……聞こえてないな。エル、俺があいつを止めたら近づけるくらいにこの電気を吸ってくれないか」
「……わかった。ちょっと大きくなって良い?」
「吸い終わったら戻れよ」
「うん」
ギン!個性“抹消”が発動し、上鳴電気が自発的に雷を纏うことはできなくなった。その隙に──
「KIIIIiiii」
いつもの半分くらいの大きさまで大きくなったエレキング状態のエルが、ちゅるちゅると麺をすするかのように周囲に迸る電気を食べてしまった。
「──けふ。美味しかった……
けど、やっぱり電気の電気*3の方が雑味がなくて美味しい」
「……俺に雷の味について語られてもわからん」
彼女には日常的に食している彼の電気の方がお好みであったようだ。お気に召さなかった訳ではないようだが、彼女曰くガソリンで造られた電気はまずまずの味、なんだとか。
ソーラー発電で造られた電気、風力発電で造られた電気、手回し発電で造られた電気と色々試してきたエルは、それでも上鳴電気が放つ電気が一番美味しいと宣ってみせる。
「上鳴が倒れたな。見ていた限りぶっ通しでやっていた様だし休憩も兼ねてアイツが回復するまで待つ。それまでエルも此処で休憩だ」
「……わかった!」
「──……ったく」
言うなりエルは横たわる上鳴電気に駆け寄って行った。急に走り出したエルに相澤消太は少し驚いたが、特に何も声をかけることなく後に続いて歩き出した。
「ウェ……ウェ〜イ……?」
「お疲れ……電気。ちょっと、休憩」
「ウェ〜イィ……」
十数分後──
ダウンしていた上鳴電気はエルの膝から頭を上げた。
「回復したか?」
「ウぇっす。ちょっとウェイってるけど、概ね回復したっす」
「……えと、大丈夫?電気」
「ウェイ」
「……まあ良い」
彼が行なっていたのは自身の電気を纏える量──電圧や許容量、一度に扱える量諸々──を謂わば拡張しようという訓練である。であるならば、こと雷に関しては超大火力を扱えるエルが此処にいるのであるから、利用しない手はない。
「最終的にはエル並の雷を纏えることを目指せ。最初から出来るとは言わんがな」
「ということは、つまり──?」
「ここからは発電機の電気ではなく、エルの雷を使って先程と同じことをやる」
「……ひぃ」
「頑張って……電気」
…………一般に使われる発電機の電圧はは強くとも200v(ボルト)が精々である。この個性が発達した世界に於いても、それは然程変わらない。強いて言えば250vのモノがあれば珍しいな、程度であるのだ。
しかし、此処で問題に挙がるのはエレキングの扱う雷の電圧だ。その威力はなんと自然界に顕る雷と同じ……約1億v。そしてそう、何が起こるのかと言うと──
「ヴ エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛!!
イ゛イ゛イ゛イ゛イ゛イ゛イ゛!?」
「……一発で、うぇいってなっちゃった!」
これは、この
「GISHAAAAAAAAA!!」
「ゴモラが暴れ始めそうだァァーッ!!」
「身体が赤いィィーッ!!」
「投薬ゥゥーーッ!!」
「……(˘ω˘)スヤァ」
「「「ホッ」」」
どこもかしこも前途は多難なのであった。
余談ですが、EXエレキングは身体を雷エネルギーそのものに変化させることができたそうですね。上鳴との相性抜群か?
易々と超強化させるわけには行きませんね!ちょっと長くなりそうだったので、カレーは次回に回すよお!訓練回は短くするかガッツリやるかとは言うけれども、どう訓練するのかは書くべきかなあ……
作者は新しいバイトを始めるべく、面接を受けることにしました。受かれば良いなあ。バカヤロウお前俺は受かるぞお前。
これは今思いついた設定なんだけど──
五毛くんは過去に耳郎ちゃんから音楽、つまり楽器やろうよと誘われた際じゃあ試しにとギターを手に取りました!ですがその自慢の爪の所為でうまく弾くことができませんでした。耳郎ちゃんをガッカリさせたくない五毛くんはなんとか爪があっても弾ける楽器を模索し金管楽器のトランペットにたどり着き、習得できたのでした。めでたしめでたし。
みたいなエピソードがあるんだ。今考えたけど。五毛くんは絶対頑張ったさ、偉い偉い。
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