怪獣殿下のヒーローアカデミア   作:ぶ千切れた尻尾

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ウルトラシリーズからタイトル持ってくるの楽しいけどこの先ネタが無くなった時が怖いよね。

こ、高評価が五つ以上集まっちまった!!急に評価の速度が上昇しすぎだろうが!!くっ、仕方ねえこの話は投稿してやろう……だがしかし、この評価が来る速度……読者の勢いが続くわけないんだよなあ!?!!勝ったな、ガハハ!


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良い子の諸君!作者はなんか一気に好評価が入ってすごい舞い上がっているぞ!
なのでとりあえず作者は感情に任せ、みんながこの小説に評価をくれている間は毎日投稿を続けることにしたようだ!
控えめに言っても発言に責任感のないアホウだな!二日か三日に一話くらいのペースで書き進めているらしいので、そんなに長続きしないと思うぞ

以上、作者に変わりまして四次元殺法コンビからのご報告でございました。ありがとうございました。


2025.2.10 追記
原作をなぞるだけの部分を削除し、五話・六話を統合。それに伴い、全ての話数を一話ずつ減らしました。


05 ゴモラ(怪獣)クラスメイト( 超獣 )クラスメイト(宇宙人)

 

翌朝も二人揃って登校。そして、今日から通常の日程として授業が始まるのだ。

 

彼は英語などの通常科目もヒーローが担当することに驚いたが、内容が至極普通であることにも静かに驚いた。まぁハイレベルではあるのだが、雄英がトップレベルなのはあくまでヒーローになるための過程であって、勉強面のトップレベルではない、ということだ。もちろん!ハイレベルでは!あるのだが!

 

 

『んじゃ次の英文のうち、間違っているのは?──おらエヴィバディヘンズアップ盛り上がれーッ!!!』

 

(((普通だ)))

(くそつまんね)

(声でっか)

(関係詞の場所が違うから……4番!)

 

 

 

 

 

 

昼──

 

「ゴモラぁ飯行こ」

「うん、行こか」

 

学生食堂にランチラッシュが勤めているらしい。本当にすごいことだ、学食レベルの安価で一流の料理を味わうことができるのだから。種類や量も学食のソレではない。手間のかかる料理もそれなりに存在する。

 

「耳郎さんは何食べる? 俺は……そうだな、チキン南蛮定食食べようかなって思ってる。日替わり定食ってちょっと気にならない?」

「確かにね。うーん、ウチはどうしよっかなー……じゃ、ウチも同じの食べるよ。美味しそうだし」

 

定食・丼物・麺類なんでもござれ。ざる蕎麦とカツ丼が隣に存在し得る学食はここだけかもしれない。両者とも器や調理工程などそれなりに手間のかかる料理なのである。

 

「うわぁ…すごい美味しい…。学食のレベルじゃないね」

「え、なんか揚げたてみたいなんだけど……?そんなわけないよね。まさかね」

 

サクサクザクザクで甘い味付けの衣に酸味の効いたタルタルソースが非常に美味しく、無論温かったし電子レンジでチンした冷凍食品のように湿気ってもいなかった。

謎である。

 

「いよいよ次はヒーローの授業だね」

「うー……ちょっと緊張するけど、モグ。楽しみ」

「だよね。むーん、どんな授業なんだろ?」

「また除籍とか言われないといいけど」

 

そして昼休憩の時間が終わり、遂に午後の授業がはじまる──そう、ヒーロー基礎学‼︎

 

「わーたーしーがー‼︎

 普通にドアから来た‼︎ HAHAHAHA!」

「オールマイトだ……!すげえや、本当に先生やってるんだな……‼︎」

銀時代(シルバーエイジ)のコスチュームだ…!画風違いすぎて鳥肌が……」

 

金に輝く髪を二本V字に逆立たせ、彫りの深い笑みを湛えた筋肉モリモリマッチョマンの巨漢がドアをくぐる。この世界に生きる者ならば誰だって知らぬものはいない、生ける伝説オールマイトの登壇であった。

 

にわかに教室は色めきたち、今から始まる授業への彼らの期待や気合いが否応なしに噴き上がる。

 

「ヒーロー基礎学!ヒーローの素地をつくる為、様々な訓練を行う科目だ!!単位数も最も多いぞ」

 

拳を引き、まるで今この瞬間渾身の一撃を繰り出さんとばかりに力をこめたオールマイトが突き出したるは──『BATTLE(バトル)』と書かれたカードである。

 

「早速だが今日はコレ!戦闘訓練!!」

「戦闘……」

「訓練……!」

「そしてそいつに伴って……こちら!」

 

まっさらな壁に線が差し、数字の刻印されたアタッシュケースの並ぶ棚がせり出す。丁寧に収められたそれらはクラスの人数分存在し、“戦闘訓練”という言葉を相まって、興奮の一助たる様相を成す。

 

「入学前に送ってもらった『個性届』と『要望』に沿ってあつらえた…戦闘服(コスチューム)‼︎」

「「「おおお‼︎」」」

「コスチューム……‼︎」

「着替えたら、順次グラウンド-βに集まるんだ!」

「「「はーい‼︎」」」

 

 

 

 

 

 

“被服控除”──入学前に「個性届」「身体情報」を提出すると、学校専属のサポート会社がコスチュームを用意してくれる素敵なシステムだ。

 

「要望」を添付すれば、便利かつ最新鋭のコスチュームが手に入る、が……実用経験もなく、実際に使用してみないことには自身やコスチュームの課題など解ろうはずもないので、後に更に改造することが殆どである。

 

「始めようか有精卵ども!戦闘訓練のお時間だ!!」

「耳郎さん、すごい似合ってるよ。そのチョーカーもおしゃれだね」

「ゴモラは……鎧武者?日本鎧じゃん。赤いのかっこいいよ」

「人間状態で覆えてない、胸とお腹と上腕、太ももあたりだけ覆う感じでお願いしたんだ」

「そっか、靴も履かんし手足はもともと硬いもんね」

「そゆこと」

 

彼のコスチュームには日本鎧に本来あるべき袴や脚絆などがなく、全て装甲で構成されており、残りの部分は素肌かインナースーツの状態である。籠手や脛当てもなく、体を覆う部位をわかりやすく挙げるなら──『Tシャツ・短パンの部分』が覆われている状態だ。

 

日本鎧をモチーフにした三日月印の現代風機械仕掛け日本鎧。もちろんその下にはインナーを着ているが、鎧・インナー共に特殊な細工が施されており、その機能はこの先で使用される時、お披露目となる。額当てや兜は使用していないが、額の角や側頭部の二本角は兜をイメージさせるに足るし、機能的にもそれを覆うわけにはいかないのである。

 

「みんなちゃんと格好いいな〜。良いね良いね」

「オメーも似合ってんぜ!」

「おっ、切島くん。君もバッチバチに“THE・漢!”って感じで似合ってるよ」

「サンキュー!」

 

「良いじゃないか、皆。カッコイイぜ‼︎」

「先生!ここは入試の演習場ですが、また市街地演習を行うのでしょうか⁉︎」

(あ、アレやっぱ飯田か。フルアーマーもやっぱりカッコいいな。俺じゃちょっと難しいだろうけど)

 

よしんば彼が全身着込んでいたとしたら、飯田天哉のようなスマートなアーマーにはならずにアイアンモンガーのような膨れ上がったサイズになっていた可能性もある。

 

「いいや!もう二歩先に踏み込む!屋内での()()()()訓練さ‼︎…(ヴィラン)退治は主に屋外で見られるが、統計で言えば屋内の方が凶悪敵出現率は高いんだ。

監禁・軟禁・裏商売…このヒーロー飽和社会ゲフン!真に賢しい敵は屋内(やみ)にひそむ‼︎ 君らにはこれから「敵組」と「ヒーロー組」に分かれて2対2の屋内戦を行ってもらう‼︎

 

「「「!!?」」」

「基礎訓練もなしに?」

「その基礎を知る為の実践さ!ただし今度はブッ壊せばオッケーなロボじゃないのがミソだ」

 

受験で破壊した巨大ロボ(0p仮想ヴィラン)。あれはあれで何も考えず破壊することができると言う点から、「“個性”の強さ」「身体能力」を測るのには適していても、「被害を想定した上での全力」を鍛えるのには少し適しているとは言いがたい。

 

「勝敗のシステムはどうなります?」

「ブッ飛ばしてもいいんスか」

「また相澤先生みたいな除籍とかあるんですか……?」

「分かれるとはどのような分かれ方をすればよろしいですか」

「このマントヤバくない?」

 

「んんん〜〜聖徳太子ィィ‼︎」

 

四方八方からの質問は新米教師であるオールマイトには少し荷が重かったのかもしれない。オールマイトは一つ一つ質問を噛み砕き、順番に答えていくために頭をまわした。

 

「いいかい!?状況設定は『敵』がアジトに『核兵器』を隠していて『ヒーロー』はそれを処理しようとしている!『ヒーロー』は制限時間内に『敵』を捕まえるか『核兵器』を回収する事。『敵』は制限時間まで『核兵器』を守るか『ヒーロー』を捕まえる事」

 

(((設定アメリカンだな‼︎)))

 

オールマイトは小さなカンペを読み、対戦フィールドの状況を伝える。あまり現実味があるとは言えないものの、“核兵器”ではなく別のものに置き換わっていたら、リアルな設定且つ──「学生、しかも未経験者ヒーローもどき」レベルには対処できない難事件という認識化していたであろう。たとえば、「人質」とか。お遊びのような設定のおかげで、本当はよろしくないが、少しフラットな精神で挑むことができていた。

 

「コンビ及び対戦相手はくじだ!」

「適当なのですか⁉︎」

「誰か余るくね?二人ペアなら」

「プロは他事務所のヒーローと急造チームアップする事が多いしそういうことじゃないかな……」

「そうか……!先を見据えた計らい……失礼致しました!」

 

「いいよ‼︎早くやろ‼︎──……あと、余った人については三人グループで挑むかソロで挑むか選んでもらうよ。『K』を引いた人がその枠だ!」

「俺に寄越せやァ……‼︎」

「運だから」

 

A〜J・Kのくじ。特にKのくじは皆当たりたいような当たりたくないような微妙な存在だった(一人を除いて)。

 

「あはぁ……当たっちゃったよ」

「んっで俺じゃねェェんだよ……‼︎」

「お前ほんとにいつも荒れてんね」

「荒れてねぇわ死ね……‼︎」

 

かくして『K』を引き当ててしまったのは、五毛楽その人である。強くなりたい意志はあるものの、彼自身閉所での戦闘はあまり得意ではない。むしろ、苦手とする分野であった。しかし彼は心を入れ替える。

 

「苦手を克服する良いチャンスだ……やってやる」

「五毛少年。ソロか、三人グループか……どちらを選ぶのかな?」

「もちろん、ソロで」

「OK!!」

 

「おー。主席がソロかぁ」

「ッヂィ゛!!」

「相手にすっとどんなんかな」

 

彼は戦略を練る。どう立ち回るか、どう対処するか、ヒーロー・敵どちらの立場の動きにおいても──

 

「続いて最初の対戦相手は、こいつらだ‼︎──Aコンビが『ヒーロー』‼︎ Dコンビが『敵』だ‼︎」

 

 

 

 

 

勝敗は決した。瓦礫の弾丸ともいうべき攻撃を囮に麗日が“核兵器”を確保したのである。爆豪の爆破と己が一撃でボロボロになった緑谷は保健室に搬送されていった。

 

そしてモニタールームに緑谷以外の者が集まって、第一戦目の振り返り──

 

「まあつっても…今戦のベストは飯田少年だけどな‼︎」

「なな!!?」

「勝ったお茶子ちゃんか緑谷ちゃんじゃないの?」

 

ルールとしておおまかな勝敗は決められているが、本来そこを目指すものではなく、ヒーローやヴィランの活動としての精度の話……

 

「何故だろうなあ〜〜?わかる人!!?」

「ハイ、オールマイト先生。それは飯田さんが一番状況設定に順応していたから──爆豪さんの行動は戦闘を見た限り、私怨丸出しの独断。そして先程先生も仰っていた通り屋内での大規模攻撃は愚策…緑谷さんも同様の理由ですね」

 

八百万百という生徒の優れた観察眼、それに伴うだけの力を持つ語彙力。誰が聞いても分かりやすく、そして問題点がはっきり伝わる。爆豪勝己は意気消沈している。

 

「麗日さんは中盤の気の緩み、そして最後の攻撃が乱暴すぎたこと。ハリボテを『核』として扱っていたら…あんな危険な攻撃出来ませんわ。相手への対策をこなし、且つ、“『核』の争奪”をきちんと想定していたからこそ…飯田さんは最後、対応に遅れた。ヒーローチームの勝ちは『訓練』だという甘えから生じた反則のようなものですわ」

「………‼︎(ジーン…)」

(………………思ってたより言われた‼︎)

「ま…まあ、飯田少年もまだ固すぎる節はあったりするわけだが…まあ…正解だよ、くう…!」

 

この説明、解説をやってのけた八百万百は今年の推薦入学者枠、その一。彼女の太い家庭で培われた英才教育、そしてその類稀なる万能さを誇る“個性”。彼女は非常に高クオリティな“ヒーロー科生徒”だと言えるだろう。

 

「常に下学上達!一意先進に励まねばトップヒーローになど──なれませんので!」

 

 

ビルが大規模に崩壊してしまったので、場所を移して第二戦。先程の第一戦の振り返りの時間、あれだけの注目を集めた推薦入学者である八百万百。同じく推薦入学者である轟焦凍の試合に皆の注目が集まるのも当然と言えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

全てが凍りついたビルの地下。

 

「仲間を巻き込まず、核兵器にもダメージを与えず……尚且つ、敵を弱体化!」

「最強じゃねェか‼︎」

 

地下のモニタールームにまでその冷気は届いている。冷気は本来下るものであるからだ。上裸コスチュームの切島や、薄いタイツ地のコスチュームの者は腕を摩り、息も白む温度に耐えていた。

 

「梅雨ちゃん、大丈夫?」

「…ええ……ありがとう…、お茶子ちゃん」

 

蛙吸は冷気が苦手だった。“蛙”という個性の都合上、冷たい空間は彼女の天敵であったのだ。轟焦凍の対戦相手が彼女でなくてよかったといったところであろう。命に関わる。

 

『ヒーローチームWIN‼︎』

「……!」

「悪かったな」

 

氷を模した装甲を纏う左手から発せられる熱。部屋に張る氷が水滴と化し、彼らの身体も動くようになる。

 

「熱……!」

「レベルが違いすぎた」

 

推薦入学者、その二──轟焦凍。彼の個性は、範囲も温度も威力も未だ未知数であった。

 

 

 

 

 

──────────────

 

──────────

 

──────

 

 

 

 

 

「あー、いよいよ最終試合!残った組……組?はそう!五毛少年、君だ!」

(いつくるかいつくるかって思ってたら最後って……緊張でろくに試合見れなかったよ)

 

彼を除く全組の対戦カードは終了した。組の数は奇数である為、残った“組”は五毛楽ソロの『K』のみだ。故に、未対戦の相手が存在しない。

 

一度戦っている故に少ないながらも経験があり、反省点や前回戦を踏まえた行動をすることができるという点で、相当のアドバンテージと言わざるを得ない。

 

「対戦済みの相手をもう一度くじ引き直すよ。おっと!誰が当たっても、恨みっこなしだぜ!」

「「「はいっ!」」」

 

オールマイトは箱に各くじボールを戻し、揺らして混ぜる。さっと手を入れ取り出したるは………

 

「『K』五毛少年が『(ヴィラン)』‼︎『G』コンビが『ヒーロー』だ‼︎」

 

それは、奇しくも共に歩んできた友人(ライバル)のコンビ。つ、と流れる目を合わせ──

 

「ゴモラ、負けないから」

「──受けて立つよ!」

 

 

 

 

 

 

 

彼は少し迷っていた。彼は元々ヴィランチームになったのなら、地下室に面していない地面を掘ってその中に“核”を隠す算段であった。ゴモラザウルスは地底を掘って生息する生物であったから。

 

しかし探索が得意な人物──例えば障子目蔵など──の一人、耳郎響香が相手になってしまったので、地下の音に違和感を持ってしまわれればすぐに見つかってしまう。この手は使えなくなった。

 

なので、()()()()()ことにした。

 

 

 

 

 

 

「なあ、五毛と仲良さそうだったよな。五毛ってやっぱ強い?」

「うん。強いよ、ゴモラ主席だし」

「あーそっか!アイツ主席か!やっべぇ」

(ビルの中で巨大化はしないと思いたいけど…それでも脅威は脅威、あのパワーはウチじゃ抑えられない)

 

彼女は五毛楽の巨大化を目にしたことがない。それでも彼のパワーは言わずもがなであるし、最近は身体のサイズをそのままにパワーだけを上げる技も習得しているということも知っていた。

 

彼は彼女に「まだ完全でない」といった旨の発言をしていたのだが、増強系個性でない彼女らにとって──大概の増強系にとってもそうであるが──彼のパワーは肉体的な脅威は計り知れないものであるのだ。

 

「上鳴、ウチじゃゴモラと格闘はできない。“核”の場所を探るのも、置物だから音がわからないけど……ゴモラの位置はわかるから、前衛頼んだ」

「おっけ!俺の電気なら格闘に持ち込ませねーで牽制できるからな」

「二回目の試合も、勝つよ」

「っしゃ。任せろ、抑えてやんよ」

「油断すんなバカ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱ一階は地下室が近くて音が拾いにくいー……でも、上階から大きな音はしないから、歩いたりせずにどっか留まってるっぽい?」

「ふーん?まぁ、大体“核”なんて上の方っしょ!さ、行こうぜ」

「待っ──上鳴!地下っ……下から来っ!地面の中だ!」

「へぁっ──!?」

 

ボゴォ‼︎

 

階段の手前、間取りを広く取られたその床…踏み入れた上鳴の両足に、褐色な異形の腕が纏わりついていた。

 

 

 

 

 

「地下から手ェ〜ッ⁉︎ 」

「ホラーじゃねぇか、ヤバっ」

「ううむ、五毛少年!分断させるつもりかな?」

 

崩れ、安定した足場を失いふらついた上鳴電気の様子はモニタールームでも鮮明に映っていた。上鳴電気は何が起こっているのか未だわかっていないようで、足元の孔から顔を覗かせた五毛楽が今まさに引き摺り込まんとしている。

 

『のわァァ〜〜⁉︎』

「あ、連れてかれたよ」

「穴ん中入っていっちまった」

「窒息しない?大丈夫?」

「でも、上鳴くんの個性だと──」

 

 

 

 

 

 

BzzZzZZzzzZZ!!!

 

「ぐっ!」

 

引き摺り込んだ穴の中、上鳴電気は遠慮などなく放電をカマした。己が足を掴んでいる五毛楽の腕が緩み、振り解く。……だがしかし、彼には素早く地上に戻る手段などない。

 

「いってえ、頭とか顔とか打ちまくり…!(電撃も地面に吸われちまう、でも通じてないわけじゃねえ…!)このまま放電しまくって、オメー捕まえて勝っちゃうぜ!」

 

BZZ ZZZ ZzzZ ZZZZZZ!!

 

「うぅぐぅうぅ…っ!ガァァアァア!!」

 

五毛楽、彼の身体は今上手く動かすことができずにいた。筋肉は脳からの電気信号で動くモノ、気合いや根性でどうにかなるものではなかったのだ。

 

しかし──

 

超振(ぢょゔじん゛)(どお゛)(はぁ゛)‼︎」

 

地面を掘る時にも使用する技を苦し紛れに放った……それだけだったのかもしれない。しかし、現在の彼は電気によって制御がままならず、その上に上鳴電気は出力を上げすぎてアホが入り始めていたのだ。

 

結果──

 

「ゔヴぇいぃっ⁉︎」

「ギシャァァアァア!!」

 

逃げ場のない中、超振動波(必殺技)が余すことなく上鳴電気に叩きつけられた。

 

「ぅえぇ……ぃ…」

「ぶふぅ…フゥ……まず一人、確保ォ……!」

 

 

 

 

 

 

「な、何が起こってんだ?」

「全く分からなかったわ……」

「五毛少年は自分の有利フィールドに引き込んだんだ。優れた手際だね」

「穴ん中でバチバチって……あ、五毛出てきたぜ」

 

彼は穴を飛び出したあと、再度穴に手を突っ込む。何事かと彼を見続けていると、ぐったりしてテープの巻かれた上鳴電気が引きずり上げられてきた。

 

『上鳴少年、確保〜!そこでじっとしてなさい!』

「五毛くんも少し煤けているが、体力的にはどうなんだろうか」

「うーん…あ、耳郎さんはもう上に行ってるみたいだ」

 

彼は壁際に上鳴電気を安置すると、耳郎響香の後を追うため上階へ向かっていった。その足取りは軽やかとは言えなかったが、機動性より静穏性を重視しているようにも見えた。彼には彼女が今どこの階に居るのかわかっていない。

 

 

 

 

 

 

耳郎響香の個性相手では、静かに歩こうがその音を看破されてしまう。ので、ある程度まで静かに近づいて、最後に有無を言わせず接近する算段である。だが…

 

「……この音は…」

 

耳郎響香は走っていた。上鳴電気を地下に引き込んだのを彼女も目視しているので、その時点での五毛楽の位置はあらかた割れた。上鳴が五毛楽を相手取っているうちに、“核”を発見してしまうことを優先したのだ。

 

しかし走る時に発生する音は大きい。事実、良い方ではあるものの、超人レベルではない聴覚の彼にもバレてしまった。

 

「そう遠くない。行くぞ……」

 

 

 

 

「どこだ……!?あんなデカブツ(核兵器)、そうそう隠せる場所なんてないハズ──」

 

彼女の“核”探しは難航していた。地下のざわめき、五毛楽vs上鳴電気の戦闘音による音の探索の妨害。それを封じられてしまったら、彼女は足で探すしかない。

 

第一戦目の彼女の探索は、敵と“核”が互いに近かった為にうまくいった。しかし、“核”自体が音を発するものでない以上、近くに何があるでもなし、探索するのは困難を極めた。その時──プラグではなく、彼女の耳本体が、足音や布ずれなどの騒音を捉える。

 

「もう来た……!近い!まずい、まだ見つかってないってのに」

 

一方で、彼もこの階に耳郎響香が居ることを察知していた。

 

「ずっと階段の壁に残ってた、プラグを刺した痕がこの上の階にまだついていない。今、耳郎さんはこの階に……!」

 

彼と彼女の戦闘において──遭遇さえして仕舞えば、はっきり言って五毛楽()の勝利は確定する。無論耳郎響香(彼女)に格闘能力がないかというとそういうわけでもない。これはどちらが優れている、だとかいう話ではなく、得手不得手の話なのである。

 

「ギシャア‼︎」

 

彼は上階への階段を崩し、道を封じた。“核”への道筋を断つのと同時に、彼女の逃げ道を奪うためである。

 

そして──遭遇は唐突に発生した。

 

「……よ、ゴモラ。元気そうだね」

「んん…上鳴くんのビリビリは効いたけどね。────投降しぃよヒーロー、勝ち目はないぜ?渡り廊下での対面…まだ耳郎さんとの格闘で負けるつもりはない」

「ふーん、言ってくれんじゃん。でも、わかってんでしょ?ウチが……ヒーローが簡単に諦めるわけないじゃんね!」

 

「──そっか!」

 

両者、駆ける。彼はまっすぐに、彼女は斜めに。先制したのはリーチのある耳郎響香、プラグを伸ばして彼を刺そうと突き出すが、鋭く振るわれる拳と爪に容易く弾かれる。

 

弾かれたプラグをそのまま地面に挿し、揺らして体制を崩させようと企むが、彼は体幹もしっかりしているし、さっと跳んで対処していた。

 

「……ッ自慢の尻尾はここじゃ使えない!」

「どうかな?それに、俺は尻尾だけじゃないよ!──超振動波!!」

「うぁわっ!」

 

慌てて横にそれる耳郎響香。そのすぐ脇を光を歪めた超振動(光弾)が通り抜ける。彼女の後ろで壁が崩れる盛大な音がした。そして無理な避け方をして体勢の崩れた彼女を…彼は見逃さない。

 

「部分怪獣化──剛ッ!腕!」

 

以前行った体力テストの部分怪獣化は、膨れ上がった怪獣の体を圧縮し密度を高めることでサイズをそのままに出力を高める技であった。この部分怪獣化は圧縮を行なっていない。つまり、早いところが、腕を大きくしたのである。

 

巨大化せずにパワーを込められることを知っていた耳郎響香は、ビルの中ということも相まって頭から巨大化という要素がすっぽ抜けていた。狭い空間を壊さない程度の巨大化は、相手から逃げ道を無くすという点で有効打の一つなのかもしれない。

 

「──ッ!?」

「捕まえ──」

 

飛び退き、まさに着地寸前という様の彼女には避ける術など──ない。

 

「たぁっ!!」

 

GRAB!!

 

「うぐっ……!!」

「あー、動かないでね耳郎さん。じゃないと──うっかり握りつぶしちゃう、よ」

 

あっけなく、戦闘終了か。

 

「ひぇ」

 

彼は自分にできる最大限の茶目っ気を乗せて耳郎響香を脅した。実際、体力テストの際に計測器を握りつぶして破壊している為、不可能なわけではない。

 

「あ、でもこれじゃテープ巻けないや……ごめん、あと四分くらい耐えてね」

「……………」

 

腕を大きくしている関係上もう一方の手は届かないし、もう一方の手を大きくしても小回りが利かないし何より廊下に収まらない。

 

 

 

 

 

 

「おいおい、巨大化個性かよ」

「つよぉー…」

「なんといいますか、戦闘の立ち回りも慣れていますわね」

 

地下室の画面には、耳郎響香の体をしかと握り込んだ褐色の腕が映り込んでいる。その腕はまるで岩のようで、もし自分が握られたら…と思案するも、抜けだすことができるのはごく一部であろう。

 

『耳郎少女、聞こえるかい?彼の拘束は抜け出せそうかな。このまま一分以上抜け出せなかったら……五毛少年からの捕縛判定とするよ』

「?あ、テープ巻けないんやね」

「そういうことか」

()ってみてぇなァ」

「Mt.レディとかと良い勝負しそう」

「岩躯の巨人…」

「パワーでも負けちまいそうだ」

 

 

 

 

 

 

 

『五毛少年。あと一分耳郎少女を捕まえていられたら、君の勝利とするよ』

「っはい!」

 

耳郎響香にもアナウンスがあったことは伝わっている。ので、彼女が手のひらの中で暴れるのを抑える五毛楽。みじろぎ、プラグを差し、はみ出している頭や手、足を振りまわす。だが、そんなものではゴモラサウルスの握力は揺るがない。

 

「ん゛ん〜っくそォーッ!!」

(手のひらの中で耳郎さんがモゴモゴしてて変な気分になりそう……ぅわわ、柔らかっ)

 

だが、彼は彼で余裕がなかった。早く、早く一分過ぎろと念じる。無心になって、手のひらを開かぬように、なにも感じぬように──

 

『ヴィランチーム、W I N‼︎』

 

「──ごめん、耳郎さん……痛くなかった?」

「……別に。次はっ、ウチが勝つから!」

 

 

 

 

 

 

「よし、最後の講評タイムだ!まあ、今回の試合じゃ五毛少年がいい動きだったと思うぜ!!」

「五毛、強かったなあ」

「なんつーか力こそパワーだった」

「おい、俺はそんな脳筋じゃないよ」

 

「五毛少年が最初に上鳴少年を地面に引き摺り込んだあれ。今回のように周りに悪影響を及ぼさない状況での選択なら大いにアリだ!パワーローダー先生という同じようなことをされる方もいらっしゃるぞ!

 上鳴少年も少し警戒を怠っていたのは減点ポイントだが、次に活かせるよう頑張ろう。耳郎少女は──索敵向きのスタイルと五毛少年のパワーの相性が悪かったとも言えるね!とはいえ、慎重な動きは悪くないし、格闘時の行動も光るものがあった!今度はもっと得意を押しつけられるようにな!

 あと、五毛少年──強いていうなら、一部だけ巨大化した時の体のふらつきは直した方がいいぜ!先生からは以上だが…みんなからは何かないかな?」

 

五毛楽は己の順番が最後の試合であった為、先駆者たちの改善点をたくさん聞いていた。故に、“核”は“核”として扱うし、大規模な破壊も行わなかったし、ただ暴れたというよりは捕縛に力を注ぐことができたのだ。

 

ふらつきについては…考えてみれば、自分の体躯の倍以上はあろうかという肉と骨の塊を何事もなくさらっと扱えたとするならそっちの方がおかしいのだ。これはまだ彼が未熟なだけであって、なんらおかしいことではなかった。

 

「なさそうかな?では、これにて戦闘訓練──終了だ!!」

 




今日も読んでくれてありがとう!
よろしければぁ評価とぉお気に入り登録をばぁ…お願いしますぅ…まぁ強制とかじゃないんだけどね。

というか、最初からレッドカラー……?
ありがたいやら戸惑うやら。
次の目標はバーの白部分を失くすことだね!
どうやったら、何が基準で染まるんだ…??

お願いしますって話だよねって話だよねって話。
全然ね、無理してね、入れなくてもいいよね。

皆さんはいつのウルトラマンシリーズが好きかな?作者は平成後年生まれだけどセブンと帰マンばっかみてたぜ!!なんでやねん!!お陰でニュージェネの怪獣達のモンスター度が高すぎてちょっち困惑。いや、カッコいいけどね!スカルゴモラ最高ォ!!

p.s.現在USJ編後半執筆中。




〜突発的思い付きのキャラファイル〜
U.A.FILE. –Unknown number− その①
CLASSNo.10
GOMOU RAKU(五毛 楽(ごもう らく)

○個性 ゴモラサウルス

・ゴモラっぽいことなら大体できるぞ!普段は半獣人の様な姿の人間だが、40メートル越えの巨体に変身することもできる!鋭い爪や角は彼の日常を大変に阻害してはいるが、戦闘時には強力な武器と化すぞ!力強い獣の力は何者をも寄せ付けない比類なき力だ!地中を掘る際に使用する超振動はビームの様に放出することができる。

【挿絵表示】

五毛’s(はだ)……健康的な褐色。
五毛’sヘア……少し赤色の混ざった茶色。
五毛's全身……割とゴツイ。体格が良い。
五毛's角……緩い三日月型で、褐色と赤褐色の縞模様がある。
五毛's瞳……三白眼。
五毛's手足……怪獣のそれ。
五毛's尻尾……大きい。ゴツゴツだが滑らか。乗り物に乗りにくい。
五毛's好物……芥子菜(からしな)の漬物。

追記……三話目で同じキャラファイルやってんじゃんっていうね。記憶消えてるね。バカな作者だね。
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