コードギアス反逆のルルーシュ ロストカラーズ 補完編 作:アシッドレイン
ジャンル 昼ドラ
えーと、今回は残酷なシーンはありませんけど、ニーナ嫌いな人はスルーよろしくです。
この話は、データ破損、及び損失によって完全なものにはなっていません。
途中話数が飛ぶのはその為です。
ご了承ください。
私は、小さい頃から迫害を受けてきた。
根暗な眼鏡猿、陰険女…。
ありとあらゆる陰険な言葉と暴力が私に降りかかってきた。
そう、いつもいじめられる日々。
でも、私にはそれを払う力も勇気も何もなかった。
ただ泣き寝入りするだけ…。
だから、死んでしまおうかと思ったことも一度や二度ではない。
現に私の手首には、消えかかっているが傷跡がいくつか残っている。
そして、運がいいのか悪いのか判らないが、その度に私は死ねなかった。
もう、諦めと惨めな自分に自我を失いかけた時、そんな私にも手を差し伸べてくれた人がいた。
それがミレイちゃん。
彼女はいじめられていた私を庇い、私を守り、勇気づけてくれた。
生きている事のすばらしさを教えてくれた。
そして、こんな愚図でどうしょうもない私を親友と呼んでくれた。
すごくうれしかった。
こんな私にも親友が出来たんだという喜びは、最高の幸せのハズだった。
でも…いつからだろうか。
そんな大切なはずの親友が暇しく感じ始めたのは…。
もしかしたら、それはずっと前から私の心の奥底で燻り続けていたのかもしれない。
そしてよりそのイライラが大きく燃え盛ったのは、恋をするようになってからではないだろうか。
でも、私は後悔していない。
だってライさんは、ミレイちゃんより大切な私の王子様なのだから…。
ぐらりと世界が逆転しかける。
あ…危ないかも…。
そんな事が頭に浮かぶものの、身体はとっさに反応しない。
私、運動神経ないからなぁとか思ってしまう。
その間にも身体は傾き、階段の上から転がり落ちそうになっている。
普段ならそのまま転げ落ち、怪我の1つや2つは負ったかもしれない。
でも、今日は違っていた。
その瞬間、私はぐいっと反対方向に引き寄せられたのだから。
「あっ…」
短い悲鳴が口から漏れた。
そして、引っ張られた勢いのまま、助けてくれた相手の方に倒れそうになる。
でも、助けてくれた相手は、そんな私をやさしく受け止めてくれた。
私はただ訳がわからず、落ちなくて済んだ安堵と恐怖に駆られた反動で引き寄せられた相手に無意識のうちに抱きついていた。
「大丈夫だった?」
そう聞きながら私を上から覗き込むように見ているのは、やさしい瞳と銀髪を持つ男の子。
ミレイちゃんが拾ってきた少年で、男の子の中で唯一の警戒なく話せる人。
ライさん…。
その表情には安堵の色が伺えた。
相手がライさんとわかり、あれほど高速回転をしていた思考が一気に止まって私は真っ赤になって言葉を発する事も出来ない。
いくら警戒なく話せるとはいえ、いきなりでは心の準備が…。
それを離れて欲しいと勘違いしたのだろう。
彼は私から後ろに下がろうとした。
それはやさしくいたわる様な動作だった。
普段の私なら、それに合わせて慌てて離れていただろう。
だけど、このときの私は反対にぎゅっと抱きついた。
男の子に抱きつくなんて今までの私では考えられないことだ。
でも、今の私はこの瞬間を終わりにしたくなかった。
少しでも長く彼の胸の中にいたかった。
だから、無言で彼の胸の中に顔を埋めて気がつかない振りをする。
そんな私の予想外の行動に最初は驚いたようだったが、彼は優しい笑顔に戻るとゆっくりとやさしく私を抱きしめ返してくれた。
心のドキドキが止まらないくせに…ああ、なんて落ち着くんだろう。
こんなに落ち着くのは、小さいころに虐められていたところをミレイちゃんに助けてもらって、抱きしめられて以来かもしれない。
やっぱり…ライさんは私の王子様なのかな…。
いや…そうであって欲しい…。
こんなに安らぎをくれる男の子は彼だけだもの。
私には…彼が必要…なのかな。
心の奥底で願いは…少しずつ…そして確実に欲望へと変わっていく。
本人が気付かないままに…。
そして、幸福の時間はあっという間に過ぎていき、予鈴の音が私を現実へと引き戻す。
「ご、ごめんなさい…。それと…あ、ありがとう」
慌てて彼から離れるとうつむいてたどたどしく御礼を言う。
どんな顔をして彼を見たらいいのかわからないのでそういう行動をするしかなかった。
きっと、変な娘だと思われたかもしれない。
でも、恥ずかしい…。
それに彼の顔を見れない…。
どんな顔をして彼を見たらいいのだろう…。
わかんない…わかんないよ。
だけど、私の混乱を察したのかそんな私の態度にも彼はやさしく慰めてくれる。
「ああ、気にしないで。今度は気をつけてね」
そう言うとやさしく私の頭を撫でてくれる。
私は、一瞬ドキリとしたもののそのまま赤面してうっとりと彼の行為を受け入れた。
自然とまるでそうなる事が当たり前のように…。
そういえば、ミレイちゃんも私を落ち着かせる時によく撫でてくれたっけ…。
ふと、親友である彼女の笑顔が浮かぶ。
でも同じ様に撫でられているのに感じるものがまるで違う。
ミレイちゃんのは、安心を…。
彼のは、幸せを感じる…。
なぜなんだろう。
私はその疑問の答えがわからないでいた。
でも…それでもいいかな。
だって…すごく幸せだもの。
そして、私は願う。
このまま時が止まればいいのに…と。
だけど、それは無理な願い。
彼の撫でる手の動きが止まる。
「あ…そういや授業行かないとね。じゃあ、またね」
彼はにこりと微笑んで立ち去っていった。
だけど、私はその場に立ち尽くし、授業の開始のチャイムが過ぎても余韻に浸っていた。
あぶないっ…。
僕は夢中で手を伸ばしてニーナの手をつかむと引き寄せた。
多分力が入りすぎていたのだろう。
呆気ないほどニーナの身体の倒れる方向はこちら側に変わったが、勢いが強すぎて僕の胸の中に飛び込む形となっていた。
彼女の身体が倒れこんでくるのを出来るだけやさしく受け止める。
「大丈夫だった?」
受け止めた後、そう声をかけたものの、ニーナは真っ赤になって慌てふためいているだけだ。
あ…不味いかも…。
初日の騒動が頭をよぎる。
だから慌てて彼女から離れようとした…が、出来なかった。
なぜなら、安堵の為か、あるいは恐怖の為だろうか、彼女はしっかりと僕にしがみ付いていたのだから。
僕の胸の中に顔を埋めてるニーナ。
その華奢で小さな身体。
清潔そうな石鹸の臭いとハーブだろうか感じのいい匂い、それに微かに漂う彼女の体臭にくらくらしそうになる。
そして、まるで誘われるかのように僕は彼女を優しく抱きしめていた。
心臓がバクバクと破裂するかのように激しく躍動しているのがわかる。
多分、顔は真っ赤になっているだろう。
女性に抱きつかれるという行為がこれほど興奮するとは思わなかった。
ああ…やばいよ…これ…。
なんとか理性を総動員して、欲望を押さえ込む。
ある意味、蛇の生殺し的な苦痛を感じながら幸せを感じてしまう瞬間ではなかろうか。
そしてどれくらい時間がたったのだろう。
とても長いようで短かったようなその時間は、授業の予鈴のチャイムで破られた。
ニーナは、チャイムと同時に僕からゆっくりと離れる。
「ご、ごめんなさい…。それと…あ、ありがとう」
うつむいたまま彼女はそう言った。
多分、恥ずかしいんだろう。
僕はそう解釈する。
些細なことでも真っ赤になり恥ずかしがる彼女のことだ。
勢いとはいえ、男に抱きついてしまったという行為は、彼女の中ではとてつもなく恥ずかしい事ではないだろうか。
でも、そういうところがかわいいと思ってしまう。
初々しいっていうのかな。
でも、このままだときっと落ち込んだりするかもしれない。
だから、やさしく声をかけた。
「ああ、気にしないで。今度は気をつけてね」
そして、無意識のうちにニーナの頭を撫でていた。
そう、まるでそうすることが自然だというかのように。
もしかしたら、僕の忘れた記憶に関係あるのかもしれない。
また、彼女も恥ずかしそうではあるが、目を細めてうっとりと行為を受け止めている。
普段はすごく地味で、他の生徒会の女性に比べて目立たないものの、ニーナの時折見せる表情はとても可愛いと思う。
それにおしゃれをすればもっと綺麗に可愛くなるのではないだろうか。
今の彼女を見てそう思ってしまう。
これはこれで役得かな…。
だがずっと撫で続けておくわけにはいかない。
ちょっと残念とは思うものの、手を止めると笑顔で別れを告げた。
「あ…そういや授業行かないとね。じゃあ、またね」
だって、ニーナを僕の為にサボらせるわけにはいかないしね。
だから、僕は笑顔でその場を離れたのだった。
そして、二人は気付いていなかったが、その二人の事を影から見つめていた人影があった。
その人影は一部始終を見た後、その場を立ち去っていった。
その後姿からは、まるでどうしていいのかわからないかのように無言のまま感情を押し殺しているように見えた。