コードギアス反逆のルルーシュ ロストカラーズ 補完編 作:アシッドレイン
こちらの蒼天の騎士シリーズもデータ紛失と破損で、初期の部分や所々抜けています。
データお持ちの方得られましたら、補完協力お願いします。
「ナナリー皇女殿下、お食事の時間でございます」
ドアが開かれ、食事が運び込まれる。
(またあの人だ。)
他の人とは同じようで違う…まるで人形のような感じを受ける人。
それがジェレミア・ゴッドバルトへのナナリーの第一印象だった。
しかし、それは間違いに気付く。
ここに連れて来られてからというもの、彼は親身になって私の世話をしてくれる。
その行動と言葉に打算や嘘はなく、やさしさと思いやりに溢れていた。
スザクさえ信用できず、ただ一人の孤独な彼女にとって、接した時間は短いものの彼は唯一の安心して話せる人物になっていた。
そして1日まったく彼が姿を見せなかった翌日、彼は私に希望という名の光を持ってきてくれた。
「ライ卿がまもなく迎えに来てくれるはずです」と…。
エリア11某所…
「こちらジノ、準備できたぜ」
「…終わった…」
ジノ、アーニャの部隊配置が終わったようだ。
地上部隊の配備も終了の連絡が来ている。
「各自聞いてくれ。作戦開始は、5分後の14:00。
ジャミング解除後は各自指示された作戦に従い行動。
最終作戦目的は、ナナリー皇女殿下の無事保護と枢木スザクの確保である。
各自の奮闘を期待する」
そこまで言い切り、しばしおいた後続ける。
「大っぴらに「危なくなったら逃げろ」なんて言えないけど、死んだらナナリー皇女殿下が悲しまれるからな。
各自、それだけは覚えておいてくれ」
そこまでいうと無線を切った。
(ナナリー、もう少しだ。後もう少しだけ待っていてくれ。必ず迎えに行くから)
同時刻、中華連邦某所…
「ゼロ、全部隊配置が終わった」
作戦画面に駒がきっちりそろった図が映し出される。
「よし、すべてそろったっ。これより5分後の14:00より作戦を開始する。
作戦目的は、敵施設の完全な破壊とデータの破棄、さらに敵組織員の完全な捕縛あるいは殲滅である。
特に首謀者と思われるV.Vに関しては必ずだ。生死は問わない。
きつい作戦かもしれんが、相手はどんな手を使ってくるかわからん。
各自気を引き締め、注意して実行して欲しい。以上だ」
言い終わると蜃気楼のシートに身体を預ける。
(のちの歴史が、この作戦を虐殺と非難しょうが記録しょうが関係ない。今を生きる我々にあの組織は邪魔なだけだ。
ナナリー…俺の手は血で汚れすぎたのかもしれないな…)
苦笑し、自分の手をじっと見る。
(ライ……ナナリーを頼んだぞ)
そしてモニターの時間が14:00を指す。
「よし作戦を開始せよ」
ゼロの合図で作戦が動き出した。
14時ジャスト…施設内に作られた簡易警戒網が、一斉に警告を鳴らし始める。
施設の周りにいくつもの識別不明機をセンサーが捉えたためだ。
「どう言う事だっ」
「わかりません。いきなり沸いたかのように一気に…」
(どうやら特殊なジャミングみたいだな。知ってる限りではここまで見事なジャミング出来る機体というのは、既存機ではなかったはずだが…。)
だが確認は後だ。
まずは、現状を打破しなくては…。
スザクはそう結論すると各自に指示を出していく。
「ナナリーがこちらの手の中にある限り、連中はここには手が出せないはずだ。
確実に彼女を守り通せ。後、ナイトメアを動かせるやつは僕に続け。連中を一気に蹴散らす」
出現した敵に比べ、数こそ少ないがV.Vより与えられた兵士は、かなりの腕を持つものばかり。
また、与えられたナイトメアフレームもガウェインの先行量産型ガルスである。
そして、ナイトオブセブンの自分が操るランスロット・ネメシス。
ジノやアーニャが出てきたとしても自分が二人を抑えれば、サザーランドやグロースター中心の他の機体はガルスがすべて叩き落す事になる。
後は二人を牽制しつつ、各自分散してV.Vのいる教団本部に向かえばいい。
そしてスザクの考えは、間違いなく現実になるはずだった。
たった一つ、ライの操る蒼天という予想外の戦力がなければ…。
迎撃に上がってくる敵ナイトメアフレームを確認しつつ、後方で全体指示をするライの乗る蒼天に視線を向けるジノ。
({スザクは一騎当千のパイロットだが、それ以上でもそれ以下でもない。ジノとアーニャがスザクを抑えてくれたら楽に勝てる戦いだよ」)
やつはそう言い切ったのだ。
「行くぜ、アーニャ。スザクを抑えるぜ」
「うん、わかった。…でも倒さなくていいの?」
「ああ、抑えるだけでいいってさ。…ライのお手並み拝見といこうかねぇ…」
そう言うと先陣を切って迎撃に上がってくるランスロットを確認し、戦闘に入っていった。
(やはりいたか…ジノ、アーニャ…。だが、予想通り。これなら勝てる……ん?)
ジノとアーニャの後方に蒼い見慣れぬナイトメアフレームが戦いを静観しているのがスザクの目に入る。
しかし、それを疑問に思う暇なくジノとアーニャの攻撃が始まる。
二人との戦闘に集中するスザク。
しかし、3分後自分の予想の甘さと状況確認の甘さを後悔する事になる。
「アーウェン、ルパード、二人はA10を左右から追い込め。クリスは、援護を…」
蒼天のコックピット中に映し出される戦略図を確認し、一機一機に指示を出す。
経験の浅い騎士が多いものの、常に2機以上で1機に当たるという戦法と作戦空域の敵の無線と情報リンクの遮断、そしてライの指示によって戦局は始終味方有利で進んだ。
そして時間が経てば経つほど味方の有利さは増加していく。
状況把握や味方との連携を封じ込まれてしまえば、少々のパイロットの腕や機体の性能の差ぐらいでは覆すのは難しい。
ましてや、的確に情報を整理し、的確な対応をされてしまえばなす術もない。
それこそ、スザク並みの戦闘能力を持ってすれば。別だろうが…。
その結果、戦闘開始時の敵味方の比率は、味方2.5対敵1だったが、1分後には5対1になり、2分後には8対1…そして3分後…戦場の敵機はスザクだけになっていた。
戦闘が始まり、スザクはすぐに戦場の違和感に気が付いた。
味方からの通信がまったくないのだ。
それだけでなく、敵味方識別のセンサーの不調かジャミングの為なのか、広範囲の味方や敵の動向がまったくつかめない。
またよりスザクの孤立感を高め不安を煽っているのは、ジノ、アーニャのあまりにも積極性のない攻撃や動きであった。
「どうなっている?」
あまりの違和感にまさに戦場で孤立している…そんな感じさえしてしまう。
そして3分後…いきなりセンサーは今までの不調が嘘のように正常作動に戻り、通信が回復する。
その結果…センサーには味方は自分以外現っておらず、無線からはライの降伏勧告が入ってくるという現実が突きつけられた。
「枢木スザク、君以外の者は、撃墜されるか投稿した。また、地上施設も制圧が終わっている。素直に降伏くれ…」
まるで狐に摘まれているかのような現状が信じられなかった。
今までとはまったく勝手の違う戦いに戸惑う事しか出来ない。
だが、目の前に近づいてきた蒼きナイトメアフレームがライのものだと言う事だけがわかる。
「お前さえ、倒せばっ…」
ギアスを使い、一気に近づき切りつけようとする。
しかし、動けないはずの蒼いナイトメアフレームは、スラッシュハーケンを放ちランスロット・ネメシスの動きを牽制する。
普段のスザクなら気が付いたかもしれない機体の頭部に光る微かな光…簡易ギアスキャンセラーの存在。
しかし、戸惑いと恐怖に支配されつつあるスザクが気がつくはずもない。
「な・なぜだっ…なぜ、動けるっ…」
「さてね、それは自分で考えたらいい…」
一気に加速し、ランスロット・ネメシスに迫る蒼天。
ランスロット・ネメシスからスラッシュ・ハーケンが放たれるが、あまりにも単調な動きに牽制にもなっていない。
恐怖に駆られ、ギアスを何度も発動させるものの、蒼天の動きは変わらない。
「ギアスに頼り、本当の自分の戦い方をしなくなった…スザク、君の負けだ。」
その声と共に一撃がランスロットを襲う。
辛くもそれを避けるが蒼天の刀状のMVSが再び次の一手を繰り出してくる。
加速し距離を開けようとするが、重武装のランスロット・ネメシスの加速性では青天を引き離す事さえ出来ない。
そして、蒼天の一撃がついに逃げに回るランスロット・ネメシスのフロートシステムに当たる。
バランスを失い墜落していく。
なんとか地上激突は避けたものの、転がるように不時着するのがやっとだ。
不時着の際、手足が吹っ飛び機能を失っていく。
そして完全に止まった時、そこには鉄屑と化したランスロット・ネメシスがあった。
動かなくなったランスロット・ネメシスから、なんとか這い出るように出たスザクをライはすでに到着し待っていた。
「ライ…っ…」
ライの姿を確認し、掴みかかろうとするスザク。
しかし、墜落際に受けたダメージの為、身体中に痛みが走り思うように動かない。
その普段のスザクからは考えられないようなとろい攻撃を難なく避けるライ。
「お前さえ…お前さえ…いなければ…お前さえ…」
当たる筈のない攻撃を繰り返すスザク。
そして攻撃を避けるライの目は憐れみと悲しみの色に染まっている。
何度かの攻撃を避けた後、ライは決意したように拳を握る。
「やり方を間違ったら、結果を出ても意味がないんじゃないのかっ…スザクっ…」
ライは、吼えるようにそう言うと鳩尾に強力な一撃を入れる。
それでスザクの意識は堕ちた。
その二人の様子を見ているジノとアーニャ。
「すみません、ジノ、アーニャ、スザクの連行とランスロットの回収お願いします」
「ああ、わかっているよ。さっさとお姫様のところに行ってきな」
「そうそう…」
二人は、そう返事をするとテキパキと部隊に指示を出していく。
それを確認しナナリーを向かいに行くため、僕は地上施設に入っていった。
いくつか角を曲がり、施設の最深部にたどり着く。
そしてその1つの部屋のドアの前にいくつかの死体と門番のように立っているジェレミアの姿があった。
彼は、僕に気が付くと恭しく敬礼した。
「お待ちしておりました、ライ卿。ナナリー様が中でお待ちです」
「ああ、ありがとう…」
逸る心を何とか押さえ、ドアを開ける。
そして、その部屋の奥にあるベッドの上に座り込んでいる彼女を見つけた。
「ライ…さん?」
僕は、気が付くと駆け出し、ナナリーを抱きしめていた。
「ごめん、ナナリー…遅くなったっ…」
まるで力を弱めると消えてしまうのを恐れるかのように強く強く抱きしめる。
華奢な身体と甘い香がよりナナリーの存在感を感じさせてくれる。
「痛いです…ライさん…」
そう抗議の声を上げるもののうれしそうに微笑むナナリー。
そして、しっかりと僕を抱きしめ返してくる。
気が付くと二人は互いの唇を重ね合わせていた。
それはカレンとするようなディープキスではなく、ただ唇を軽く合わせただけのソフトキス。
それでも互いの思いが確認でき十分だった。
そして、我に返りお互いに顔を真っ赤にしながらも名残惜しそうに離れる。
「さあ、帰ろう…ナナリー」
「はい。ライさん」
二人は互いに微笑みあい、ライがナナリーを抱きかかえる。
ナナリーの顔がますます赤くなる。
しかし、彼女はその行為を拒絶することなく、ライの首に手を回す。
その姿は、伝説の中のまさにとらわれの姫を救い出した勇者のように見えた。
なお、開かれたドアの向こうでは、若い二人の再会を見て見ぬ振りをしているジェレミアがいたが、二人はまったく気にしていなかった。
●ランスロット・ネメシスLancelot nemesis
ランスロットが教団の手によって改修されたもの。
かなり手を入れられており、KMFとしては最強クラスの出力と戦闘能力を誇る。
しかし、本来バランスよく設計されていたランスロットの利点が失われているのとスザクの人格改造により、性能を使いきれていない部分が大きく作用しており、今回の戦闘ではいいところなし。
カラーリングは、黒と赤をベースにしており、かっての白騎士というイメージはなくなっている。
●蒼天 blue sky
ライ専用に開発されたKMF。月下の流れを汲んでおり、暁とは兄弟機となる。
また、特区日本で開発されたため、純日本製の流れとブリタニアの流れをブレンドされて作られた。
輻射波動は、機能を限定し小型化。(あくまで接近戦での使用と盾としての使用限定)その為、左手でも武器を持ち運用する事が可能となっている。
基本スペックの底上げも行われているが、おもに機動力を重点にパワーアップされている。
武器の選択によってあらゆる局面に対応できるが、特に秀でている部分はない。
他の機体との最大の違いは、電子戦装備の充実だろう。
情報という戦場での最も重要な要素を支配し、操る事がこの機体の最大の武器である。