コードギアス反逆のルルーシュ ロストカラーズ 補完編 作:アシッドレイン
ジャンル ラブコメ魔女っ子バトルストーリー(予)
注意
パラレルワールドの為、キャラクターの設定等がオリジナルとは違っています。
ご注意ください。
・アーニャ・ 平凡な家庭で育てられたあくまで普通の中学生。
マリアンヌに寄生されてからは気苦労が耐えない日々を送っている。
最近、親身なってくれるライが気になる様子。恋に恋するお年頃のようです。
・マリアンヌ・ ブリタニアから"異形のもの"を封印する為にこの世界に来た魔法使い。
だが、単身ではこの世界に実体化出来ず、契約を交わしたものの身体を借りている。(寄生しているとも言う)
現在、契約したばかりという事もあり、力を出し切れていないようだ。また、回復者がいないという事も彼女の力を引き出せない原因になっている。
・ライ・ ふとしたことからアーニャやマリアンヌと関わるようになった普通の高校生。
しかし、記憶喪失の為、3年以上前のことは覚えていない。マリアンヌの美しさに惹かれている。
・ルルーシュ・ ライの親友でナナリーの兄。
・ナナリー・ ライの妹でアーニャの友達。最近、アーニャの行動がおかしい事に疑問を抱いており、何も相談してくれない事に寂しさを感じている
「ブリタニアの魔女よ、お初にお目にかかる」
黒尽くめの服装、それにマントにマスクをつけた男が私に恭しく頭を下げる。
だが、その丁寧な仕草は、私をカチンとさせるのに十分だった。
「誰よ、あんたっ」
どうしても語尾が怒りに震えてしまう。
そんな私にわざと少し怯えてみせる男。
「おおーっ、怖い、怖いっ…。さすがは閃光のマリアンヌと呼ばれるだけはありますな」
その仕草にますますイライラする私を楽しそうに見ていやがる。
えーいっ、腹立つなぁっ。
異形のものを始末した後で消耗してなかったら、すぐに呪文や術式の一つくらいはぶち当ててやっていたかもしれない。
それほど私は怒りに支配されていた。
だが、私は我慢する。
どうやら、異形のものについて何かしらの情報を知ってそうだ。
そういう確信に似たものがあったからである。
だが、そんな私をいいことに、やつは実に楽しそうに言い切った。
「くっくっくっ……。下手な駆け引きなんて貴方は似合いませんよ。いつもどおりにやったらどうです?」
その言葉に、ついに私はぶち切れた。
「わかったわよ、聞きたいことは、力ずくで聞かせてもらうわ」
そう言い切ると準備しておいた術式を発動させた。
やつの周りに魔方陣が浮かび上がり、いくつもの魔法の鎖がやつを捕らえていく。
ふんっ。これで捕獲したわよ。
その怪しい仮面をひっぺがして、知っていること洗いざらい喋ってもらうから。
そう思った時だった。
ひゅんっ……。
一筋の紅い線が走ったと思うと、すべての魔法の鎖が切り裂かれ、魔方陣が崩壊した。
「な、何っ……。今のっ……」
驚く私が再び術式を走らせようとした時だ。
私の首筋に紅く鋭利な爪が突きつけられた。
「動かないで下さい……」
爪とその言葉に私は用意しかけていた新たな術式の発動を止め、後ろを振り向いた。
そこには、赤毛でサングラスをかけた黒ずくめの女が立っおり、その女の右手にはめられた手袋から伸びる爪が私の首に当てられていたのだ。
「くっ……」
私に察知されないで後ろをとるなんて、なんて奴なの……。
私はそいつを睨みつけたが、そいつは涼しい顔のまま私の視線を無視した。
静寂がその場を支配する。
そして、その均衡を破ったのは、マスクをかぶった野郎だった。
「紹介しておこう。私の右腕の『紅蓮』だ」
ぬけぬけとそう言ってマントを翻して去ろうとする。
「こらっ…待ちなさいよっ……」
そう言いかけたが、私の首筋に当てられた爪が皮膚に食い込み、黙るしかない。
だが、それで思い出したかのように仮面の野郎は振り返った。
「そうそう、言い忘れていたね。我が名はゼロ。覚えておきたまえ……。ふっははははははは」
憎たらしいほどの高笑い。
その笑い声が段々と小さくなっていく。
それにあわせるかのようにぼんやりと薄くなっていく奴の姿。
そして、声が消えたのと同時に掻き消すように奴の姿も消え、同時に私の後ろに立っていたものの気配も消える。
そこに残されたのは、私と静寂だけ。
くそっ…。くそぉーーーっ……。
私は、自分の不甲斐なさと怒りでどうにかなりそうだった。
こんな屈辱っ……。
ギリギリとかみ締めた歯が軋み、握り締めた拳が震える。
「マリアンヌ……」
心配そうなアーニャの声が遠慮がちに聞こえた。
だけど、今の私にはそれに答えてあげられる余裕はなかった。
「ふむー、さすがは閃光のマリアンヌだな。契約したばかりだというのに、あんな術式を使ってくるとは……」
暗がりの部屋の中で、ゼロはさっきの術式で縛られた部分を手でさすりながら呟いた。
かなりきつかったのだろう。
言葉の節々には驚きが含まれているように聞こえる。
「ゼロ、お戯れは程々にしていただかないと困ります」
さっきまでの無表情とはうって変わって、心配そうな表情で駆け寄ろうとする紅蓮。
それを大丈夫だと手で制するゼロ。
「すまんな…。これも性分だと思ってくれ」
そう言って、苦笑を漏らす。
そして、紅蓮の顎に指を添えて囁いた。
「すまない、カレン。迷惑をかけて……」
その手を両手で包み込み、微笑みながら答える紅蓮、いやこの場合はカレンの方がいいだろうか…。
「迷惑なんて思った事は一度もないよ……」
だが、そんな恋人同士の語らいのような甘い雰囲気を壊したのはいきなり入ってきた1つの映像連絡だった。
部屋にある大きなディスプレに映し出される女性の姿。
そして、ゼロに寄り添うようなカレンの姿を目に留めて、ニタリと笑う。
「あのさ~、立て込んでるとは思うんだけどさ~、いい?」
慌てて、ゼロから離れるカレン。
咳払いして、映像の方を向くゼロ。
「なんだ、ラクシャータ」
「あのさ……、本当に、アレぶつけるの?」
ラクシャータと呼ばれた女性は、細長い愛用のタバコパイプで自分の後ろにある培養液に満たされた巨大な筒を指した。
そこには、まるでこの世のものとは思えないグチャグチャとした異物が生かされている。
「ああ、そのつもりだ」
「でもさ、アレって…ランクSS相当だよ。いいの?」
そのラクシャータの言葉にゼロは笑いを漏らして答える。
「ふふふ……。魔女の力がどの程度かを見極めないと計算できないからな」
そして、暫く間をあけて言葉を続けた。
「それに……ギアス能力者が傍にいるとなるとそれぐらいは必要だろうしな」
だが、その言葉はまるで呟くような感じだった。
「あのさ、どうしたんだい?」
心配そうにライさんが顔を覗き込んでくる。
「う、ううんっ…なんでもないよっ」
わざと陽気に否定する。
だが、ライさんの寂しそうな表情が胸に痛い。
ライさんにあんな顔させたくない。
でも話せない。
マリアンヌの気持ちを考えるとどうしても口が重くなる。
あんな悔しそうなマリアンヌ……初めてだった。
どうしたらいいの……。
そんな私を気遣ってか、ライさんは私の手を握って励ましてくれる。
「わかったよ。今は話せないかもしれない。でも、どうしても苦しい時は、頼って欲しいんだ、アーニャ」
その言葉と手の温もりが私の心に響く。
マリアンヌ、貴方も感じているよね、ライさんのやさしい気持ち。
ああ…、感じているよ、アーニャ。
私は答えなかったが、心の中でそう返答していた。
だが、そんな優しい雰囲気は、突然の乱入者によって壊された。
そう、異形のものの襲撃によって。
しかし、こんな近くに近づくまで判らないなんてどういう事?
そんな疑問が最初に湧いたが、今は考えている暇などない。
こいつを倒さないと……。
そう考えて、素早く戦いに向けてへの思考に切り替えるとアーニャから身体の支配権を受け取った。
変身し、ライくんを巻き込まないように敵を別の場所へと誘導する。
妖気からしてそれほどランクは高くないようだ。
せいぜいランクBぐらいか……。
なら、だらだらやるよりも一気に決める方が効率がいいだろう。
「アーニャ、一気に決めるわよ。いいっ?」
「うんっ。わかった」
敵の攻撃をかわしつつ、詠唱する。
「我、マリアンヌ・ヴィ・ブリタニアが命ずる。我の心と共に歩むものの力を我が剣に宿らせ、光の輪廻へと切り捨てよ。ファン・ルーファー・イズシス」
そして、光の剣が完成すると一気に決着をつけるべく相手を切り捨てた。
「斬っ!!!」
光の一撃を受け、光に包まれていく異形のもの。
ふう。
たいした事なかったわね……やっぱり。
そう思った瞬間だった。
「あぶないっ……」
そのライくんの叫びに反応して無意識のうちに魔法防御壁を展開する。
すると完成と同時にびりびりという衝撃が防御壁を振るわせた。
間一髪……。
だが、それよりも私は目に映る光景に唖然としてしまう。
そこには、倒したはずの異形のものの姿があり、そして……私の必殺の一撃は、まったくと言っていいほどダメージを与えていなかったのだ。
「う、嘘っ……」
言葉に詰まる。
確かに、今の私の力は、条件が悪い為に通常の半分程度だ。
だが、リミッターを外し、契約者の力をも借りたあの攻撃はランクAでさえ一撃で倒す。
それなのに……。
嘘だ……。
そんな馬鹿な……。
こんなランクBにも満たないやつに……。
そう思った瞬間だった。
今まで抑えていた妖気を開放する異形のもの。
みるみる高濃度の妖気が回りに広がっていく。
そして私を包み込む妖気。
その妖気でわかった。
こいつ、ランクSSだ。
駄目だ……。
駄目だよ……。
今の私じゃ……勝てない。
私の膝から力が抜け、がくりと姿勢が崩れる。
そして、私は呆然とした表情でその場に力なく座り込んでしまっていた。
「ふむ……。あの程度では呆けてもらっても困るのだがな」
少し離れた場所で戦いを見守るゼロ。
そして、その傍には紅蓮がいた。
「いかがなさいますか、ゼロ」
その自信に満ちた言葉からは、命令とあらば、すぐにでもあの異形のものを始末しますというニュアンスが含まれていた。
「いや、待て……。あのギアス能力者がどう出るか……。それを見極めたい。だからそれまでは手出しするな」
その言葉に、紅蓮は頷くと視線を戦いへと戻した。
彼女の目から見れば、敗北濃厚な戦いに……。
第参話 終了
次回予告
襲い掛かるランクSSの異形のもの。
その圧倒的な力の前にマリアンヌの傷ついた心が諦めへと染まっていく。
そして、何も出来ない自分に絶望するライ。
絶望が…諦めが…その場を支配した時、それはおこった。
次回 「閃光の魔法少女マリアンヌ」 第4話 ライが命じる… にご期待ください