寒天の星に轟く銃声は   作:からまる#猫餅プロジェクト

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アドバイスを受けて個人的に色々考えて2話目です。アドバイスお待ちしております


2発 双銃と氷星

「あー…大丈夫か?そこの人…」

 

目の前に現れた、黒髪に青いメッシュの入った、フォンテーヌ風の服装に身を包む青年は問う。その目には少し仄暗い光を宿しながらもしっかりと少女を見据えていた。

 

「うぇ、えっと…だ、だいじょうぶ…?」

「なんで疑問形なんだ…?」

 

少女…レイラはまだ少し動揺した様子で質問に答える。無理もないだろう。さっきまで自分を囲んでいたヒルチャール達が全員、眉間に銃弾を打ち込まれて倒れているのだから。

 

「君は冒険者か何かか?まだ空に月が見える時間にシティから近いとはいえ、女の子が1人で外に出ちゃダメだろう…なんで外に出たんだ?」

「う、えっと……その…」

 

未だにあまり状況が把握出来ていないレイラ。それを見てエルテナは小さく、ため息をつき、未だ立てないレイラに手を差し伸べる。

 

 

「ほら、いつまでもこんな所にいちゃダメだろ?早くシティに戻って怪我の治療をしないと…」

「ま、まって…!あ、あなたは一体だれなの…?」

 

エルテナに手を貸してもらいようやく立ち上がったレイラは慌てながら問う。体の節々が地面に体を打ち付けたせいで痛むものの、目の前の青年が誰なのか、どうして見ず知らずの自分を助けてくれたのかが分からなかった。

 

 

「俺は…俺はただの何でも屋だ。そういう君はなんでこんなところに?名前は?」

 

一瞬、目線を下にそらして答える。

 

「わ、私はレイラ…教令院明論派の学生で…ここに来たのは、星空を見ようと思って…」

「あぁ、教令院の学生なのか…明論派で夜に外に出たってことは星図を書きに来たってことか…にしても1人でなんて…」

「か、神の目を持ってるから大丈夫だと思ってたの…!」

「…だいぶ危ないように見えたが?」

「うぅっ…」

 

 

もしこのままエルテナが戦闘音を無視してシティに帰っていた場合、彼女はかなり危険な状態になっていたことは間違いなく、彼女自身も自覚していたため何も言い返せず言葉が詰まる。確かに神の目は強力なものではあるが万能では決して無いからだ。

 

「…まぁ、ここで初対面の俺がする話でもないな、今日は早めにスメールシティに戻った方がいい。かなり限界が近いようだし…」

「…そう、だね…」(でも歩くのも少し大変…何でも屋の人が言う通り、かなり危なかったんだ…)

 

 

レイラは立ち上がってはいるが、他人がみても分かるほど体力が消耗しており、1人で返すには少し危険な状態だった。エルテナはふぅ、と息を吐き、彼女に言った。

 

「…もしレイラさんが望むなら、俺も一緒にシティまで付き添うけど…どうする?1人で帰るか?」

「(わ、渡りに船…!)ぜ、ぜひお願いします…!」

 

こうしてエルテナとレイラはシティに戻るため歩き始めるのだった。

 

 

「(…しまった、ヒルチャールの素材拾い忘れてた…)」

 

 

 

________________________

 

 

唐突に私の前に現れた彼は、わたしを囲んでいたヒルチャール10数体を一瞬で倒し、助けてくれた。なんとか名前を聞こうとしたけど、なぜか何でも屋としか言わなかったし、目線が逸れた時少し辛そうな顔をしてたから踏み込めなかった…けど、彼は私が消耗しきってるのをみて、見ず知らずの私に一緒に戻ろうか、なんて提案をしてくれた。何故ここまで良くしてくれるのか少し分からないけれど、このまま1人で帰ろうとした時、何があるか分からないし…何より腕のたつ彼なら安心して帰れそうだから、二つ返事で提案を受け入れちゃった…これまでの私なら少し考えてから返答してたのに、なんで彼に限って…?

 

…でも、不思議と嫌じゃないし…というか、少しいい気分…?

 

 

「ね、ねぇ…」

「ん?どうした?足が痛むのか?」

 

彼は私に合わせてゆっくり歩幅を合わせてくれている。

…気が利いて、優しい人なのだろう、少し身長差もあるのに目線を合わせてくれている。

 

「なんであなたは、見ず知らずの私を助けてくれたの…?」

 

帰り道、ずっと無言なのは気まずいから適当に、1番気になる質問を投げかけてみた。あんなたくさんのヒルチャールに囲まれている人がいる状況で、普通の人なら逃げるか、少なくとも目の前に割り込んで助けてくれる人はほとんど居ない。にもかかわらず…何故…?

 

「あー…まぁ、ただ単純に寝覚めが悪いから、助けただけかな…」

「そ、それだけであの量のヒルチャールに…!?一歩間違えたらあなたまで犠牲になってたかもしれないのに…!?本当に理由はそれだけなの…?」

「…そうだな、それだけだ、ただの気まぐれだ。」

 

私は、彼がなにかを隠していることが分かった。彼が私の質問に答えた時、どこか彼の顔が曇ったから…けれどそんなことまで聞く度胸は私にはない。

 

「話の流れを遮るようで悪いんだが、レイラさんは神の目を持ってるんだな…」

「あ、うん、一応…けどあんまり使わないんだ…」

 

彼は私の神の目のついて少し興味があるようで色々と聞いてきた。いつ手に入れたのか、とか、何元素なのか、とか…そんな他愛ない話を続けてたら、いつの間にかシティの入口に到着してた。

彼とはシティの入口付近で別れて、私は教令院にある自室に戻り机に座って、今日起きた出来事を思い返していた。

 

「…あの人の名前、知りたかったな…」

 

私の口からぽつりと漏れた一言は、静かな夜に溶けていった。

 




レイラって可愛いよね
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