俺は生まれた時から不幸だった。
両親は金遣いが荒く、小さい頃から働かされていた。
グレーな仕事も、命が危ない仕事も、どんな仕事もさせられた。
それでも、俺の金にはならなかった。
俺には兄がいる。兄は妬ましいくらいに優秀で、両親に金を送っても金が余るほど稼いでいた。
そんな才能は俺にはなかった。
俺が働かされていた理由は、両親が救いようのないクズで、兄のような才能がなかったからなのだろう。
とある日、両親が死んだ。自殺だときいた。
なんでも、兄が死に、俺の稼ぎじゃ足りなくなったらしい。
金の使い方を考えろ、と思ったが、奴らには死んでもできないだろう。
その日から俺は1人だった。いや、少し賑やかだが。
両親は借金をしていたらしく、その額なんと100億円。
1人の子供に払える訳もなく、俺は逃げるしかなかった。
俺には、大きい翼がある、自分でも見惚れてしまうほどに綺麗な黒だが、逃げるには邪魔でしかなかった。それに、一時期、羽をちぎられ、売られたこともあった。まあ、大した額ではなかったが。
だが、最近、この翼の使い方がわかった。この羽は自在に操ることができると、頭が痛くなるデメリットもあるが、逃げるためには、手段は選べない、痛みなんて耐えればいい。
ある日、とある女にであった。なんでも、とある高校の校長らしい。そんなふうには思えないが。それに、研究者もやっているらしく、この翼について調べたいらしい。当然断った。借金取りの仲間かもしれない。
だが、その女は、俺を保護し、衣食住、そして学校にも通える、という条件を提示してきた。この逃亡生活から脱却できる、それだけでも価値のある提案なのは明らかだ。だが、この女を信用することはできない、まだ、疑いがある。これが嘘かもしれない、と。
俺が悩んでいると、その女は言った。
「あなたに愛を教えられる」
と。そんな、信用できない、側から見れば、騙そうとしている、そんな胡散臭い台詞で、俺は提案をのんだ。
俺は、あの女に拾われた。俺は、愛されたことがない、だから愛に飢えていた、家族愛でも、恋人的なものでも、友人としてでも、愛されてみたかった。それだけ。
女の名前は白部アユミというらしい。先生と呼べと言われている。
先生の言ったことは本当なようで、衣食住を与えられたし、授業だって受けられた。
そして、実験をした。結局、翼についてはよくわからないらしい。ただ、先生はかなり喜んでいて、狂気ともとれるような笑顔を浮かべていた。
それから数ヶ月、このリベルという学校で過ごしていた。
ある日、先生に呼び出された。
「あなたに、依頼があるの。」
と。何の依頼か、と聞く。すると
「とあるもの使って最近完成したこの弾丸、これを試してほしいの」
という。見たことのない弾丸で、羽がついていて、矢のような感じだった。
「今回の依頼は……
とある人間の殺害よ」
この先生は、みんなの知る先生とは別人です。
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