黒い翼と赤き罪   作:月狼ミツキ

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本編にも関わるんで、本筋の方楽しんでくれてる人、耐えてください。
許してください。俺はただ、ほのぼの回を書いてみたら、楽しくなっちゃっただけなんです。


日常2

シュウを部屋にあげる。

こんな時のためにカップラーメンは2つ、3つ、4つ…とにかくたくさん買ってある。

椅子に座らせて、沸かしたお湯をカップヌードルに注ごうとする。そのとき

 

「待ってください先輩、この一週間インスタント食品、シーフード味のを3食ずっと食べてましたよね。」

 

驚いた。まさにその通りで、仕事で忙しかったし、料理ができないためにずっとインスタント食品を食べていた。

ただ、シーフードという味まで当てるとは。俺に対する理解が深い。ありがたいことだ。

ん?いやいや、理解度が高いとしても、全部しっかり当てて、あんな堂々と言える。おかしくないか?そんな確証を持てるわけ

 

「ふふ、私、言いましたよね。盗聴器仕込んだって。まさか、部屋だけだとでも思っていたんですか?」

 

…あとで全部壊さないと。

 

「ということで、私がご飯作りますので。先輩はシャワー浴びてきてください」

 

どうしたものか、任せて良いのだろうか。

いや、信用は、してる、はずだ。

ああ、ダメだ。さっきの話が気になりすぎる。盗聴器なんていつ着けたんだ。

てか、なんで付けたんだよ。なんて、本人には聞けない。

こういう状況は、恋愛小説とか、漫画で読んだことがある。

こういうのをやんでれ?とかいうらしい。

重い愛、らしい。うーん、やっぱわからんな、愛って。

そもそもこれがそれとは限らないし。

おっと、違う違う、今は料理をさせるかどうかを、

 

「先輩?どうしたんですか?もしかして、私のご飯食べたくないですか。先輩、今私のこと信用できてないの?ごめんなさい。私があんなに重いから。でも、私ずっと会えなくて寂しかったんだよ?さっきも言ったよね。ずっと心配だった。料理作ってあげられないから。もし、他の女に胃袋奪われてたらって。ねえ、さっきはああ言ったけど、一回だけ、他の女の手料理食べてたよね。弁当までもらっちゃってさ。ゲヘナなんて危ないとこ行って。あ!わかったよ!ゲヘナだもん。襲われて、脅されたんだよね。じゃあ、その胃袋、私が満たしてあげるね!」

 

ひぇ、少し考えてるだけでこれか。

てか、いま思考読まれて、まずい。

 

「ねえ、何がまずいの?言って、直すからさ。」

 

すみません。

思考読んでるなこれ。これからは気をつけないと。

料理か、確かによく作ってくれてたけど、胃袋奪われるって、別に彼女のものというわけじゃないし。

手料理食べた、ああ、フウカさんのことか。いつもの恩返しにってくれたんだっけ。思い出すと、ほんとに美味しかった。また食べたい。

というか、絶対良いお嫁さんになるよな。料理できて、買い物上手だし。あとゲヘナの常識人だし。あと可愛いボソ。

 

「あ゛?その女が、どうかしたの?やっばり、あのオンナァ!」

 

「違うから!脅されてなんかないし、あの人は常識人だ!脅すなんて絶対しない!」

 

「関係ない。先輩を意識するだけじゃ飽き足らず、ご飯まで作った。これは重罪。許さない。」

 

意識ってそんな訳あるかい!あれは勘違いしたら悲惨だ。あの笑顔で否定されたら立ち直れる気がしない。小説じゃ、勘違いした主人公がひどいことになってた。

やはり、恋愛とは怖いな。

 

「はあ、このクソボケ、いや、愛を知らないだけでしたっけ。ならしょうがないですね。私も、そうでしたから。はあ、私じゃ足りないんでしょうか。やっぱり、無理矢理襲ってでもわからせるしか、」

 

怖!

何言ってんの!まじで何言ってんの?

わからぬ。もっと勉強しないとか?

いやいや。襲うとか、明らかに良くない単語が出てきてる。

ここは話題をそらそう。

 

「な、なあ?そろそろ腹減ってきたからさ。ご飯作ってくれない?」

 

「、うん!わかりました!作っておきますね。それじゃ待っててください。」

 

よかった。とりあえず、大切な物を守れた。俺、やったよ。

食べたらすぐにトリニティに行こう。うん。

ここにいるのは危険だと本能が言ってる。

良い感じに光があたり、とても明るく、清々しい朝が、重々しい修羅場みたいになってしまった。

 

「できましたよ。こちら、貝の味噌汁、炊き込みご飯、ベーコンです」

 

少し恐怖していた料理は俺の好物が出てきていた。

朝は米と味噌汁、ベーコンが簡単でうまい。別に、自分で作れるとは言ってない。

だが、油断は禁物だ。前は睡眠薬が入っていて、起きたらベッドに裸、とは言わないが、シュウが隣で、抱きついて寝ていたことがあった。

しっかりリナに叱られた。

怖くて仕方ないが、頼んだ以上、食べるしかない。

 

「い、いただきまーす」

パク

うまい!普通の味だ。

うまい、とは言ったが、実際は変な味がしないことへの安堵が勝っていた。

だが、前に、寝起きで牛丼を食わせようとしてきた誰かさんとは違う。

量もちょうどいい。

 

「美味しいですか。よかったですね。

ふふ、よく考えたらこれ、もう夫婦のそれですね。というか、もう付き合っているので、そう遠くない未来ですが。」

 

そんな未来は来ない。と言ってやりたいが、そんな勇気はなかった。

絶対ピンチになる。

ここで言葉を控えた俺の行動は、きっと最高のものだ。

これで長文を回避できる!

 

「それじゃあ。

…あの女と、私。どっちの料理が美味しいですか?」

 

…まずいまずいまずいまずいまずいまずい!!

これを忘れていた俺の姿はお笑いだった。

どうしよう。いやまあ普通に考えてシュウを選べばいいのだが、そうはいかない。

まず、そう答えたら婚姻届を突きつけられるだろう。

褒めすぎるとそうなるし、距離を置きすぎると襲われる。

そんなめんど、これから先は言わない。

うーむ、こうなれば仕方ない。

必殺を使う時が来た。

 

「シュウ」

 

そう言って壁ドンのような体勢になる。

そして耳元に顔を近づけ、

愛してる、と囁く。

 

「あ、」

 

そうするとバタンと倒れる。

愛してる、なんてわからないが、これを言えばすぐに気絶してくれる。

俺はその隙にスクールバッグを背負いながら、扉を開ける。

明るい日差し。これで清々しい朝を迎えられた。そう実感した。

 

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