そして、私は路線変更をすることにしました。
原作を追うのではなく、オリジナルストーリーや、日常?ネタっぽいのを気ままに書くことにしました。
原作のストーリーを楽しみにしてくださった方には申し訳ありません。原作のほうは、自分がストーリーを読んで、理解でき次第、すこーしずつ更新するかもしれません。
関係ありませんが、ブルアカってストーリー難解ですね。何言ってんのかわからないこともあります。
許して…
あなたのために
俺は校長室にやってきていた。
理由は依頼を受けるため。
依頼ももう数少ない。
最近は殺しが多い。何故か。それは各校の問題が解決し、こちらへの影響を考える必要がないからだ。
いままでは依頼で助けに行ったり、自分から行ってみたり、偵察に行ったりしたが、全て、先生の力で解決した。
いや、先生だけじゃない。生徒みんなの力で、だ。
全てが解決された今、俺が他の学校にいく理由は、依頼だ。
殺しが増えた結果、現在キヴォトスで大きな問題といえばこれくらいだ。最近じゃニュースで大々的に報道されている。
だが、それもあと2回だ。あと2回で、100の殺しは完遂される。
償いができる。
「レン。この依頼はこれまでより過酷なものになる。」
そう言われた。が、もうこの道しかないので、どんなに過酷であっても受けるしかない。
「そうか、君も変わったね。いや、私もか。」
「最後の依頼だ。君にならきっとできると信じているよ。」
最後、か。思えば長かった。いまじゃ殺しも慣れてきたものだ。
今更、引き返すつもりもない。
今日、この日のために、みんなとは縁を切った。直接挨拶したわけじゃない。少しずつフェードアウトしていったのだ。
先生や、事件の影響もあってか、あまり難しいことでもなかった。
少しだけ、みんなが恋しいと感じることもあるのだが。
そんなことを考えていると、校長から、一つの、このキヴォトスにおいて、最も難しく、最も最悪な言葉が発せられる。
「先生を、殺せ。」
と。
俺はその後自室に戻る。
もうあたりは暗くなっていた。
晩ご飯を食べる気にはならなかった。
辺りを見回す。コンセント、シャツの襟などを確認する。
「何を今更、馬鹿馬鹿しい。」
何を期待しているのだ、と自分に叱責する。
あるはずないのだ。そんなもの。
俺は布団に篭り、事実から顔を背けようとする。
「先生を、殺せ。」
その言葉が頭から離れない。
色々な事件を解決し、少しばかり、ほんの少しの手伝いをしてきた俺にとって、先生は尊敬に値する人物だ。
だが、同時に嫉妬してしまう。人に好かれる善人に。事件を解決し、みんなの悩みを聴ける先生に。
我ながら最低だ。別に取られたわけじゃない。元々そこまでの関係がある生徒はいない。なのにこんなにもドス黒い感情が出てきてしまう。
「明後日だ。明後日までに受けるか決めてくれ。」
そう言われた。明後日まで、そんな短い時間でこれを決断しろというのだ。
もう、寝よう。考えたくない。
「ん、ぅう。」
俺は朝、何の灯りもない部屋で1人目覚める。
起こしにくる友達はいない。
ピンポーン
そんな音が聞こえた気がするが、誰もいない。
幻聴だろう。
ふと、スマホのモモトークを開き、メッセージがないか確認するが、あるのは公式アカウントからの通知のみ。
無駄だ。こんなことをしてる暇があるなら、飯を食おう。
そう思い、台所に向かう。
前までと違い、少し汚れた台所。
俺は冷蔵庫から肉と玉ねぎを取り出し、しょうゆなどの調味料を用意する。それを自分で切り、炒める。
それを炊いた米に乗せる。
牛丼だ。最近、胃袋が大きくなったのか、牛丼でも食べられるようになった。
何故だろう。同じレシピのはずなのに、同じ時間帯のはずなのに、食べられる量が増えたはずなのに、何故こんなにも味が違うのだろう。
その丼をからにして、洗い、食洗機に投入し、俺は外に出る。
少しランニングをして、家に戻る。
俺は家の隣の小屋に向かう。
そこには、スナイパーライフルと、大量の弾丸、そして、ヘイローを破壊する弾丸が数個。
俺はそれらの手入れを簡単に済ませ、一番奥の、とある銃を手に取る。それはいまだに新品のような美しさを持っている。
そりゃそうだ、一度も使っていないのだから。
その愛銃、リーベを手に取り、少し時間をかけて丁寧に手入れをする。
彼女らとの思い出を思い出すように。ゆっくりと。
ゴリラなんて言って煽っていたあの時間を思い出す。
盗聴、盗撮をされていたあの頃を。
小さい胃袋に牛丼をねじ込まれたあの朝を。
借金を返そうと頑張る彼女らとの会議の様子を。
仕事の手伝いをして徹夜をした挙句に酒に付き合わされたあの時間を。
それを会計に叱られたあの頃を。
その全ての時間を思い出す。
目が熱く、視界がボヤける。
リーベが濡れてしまう。拭いても、拭いても雫が落ちてくる。
雨漏りしているのかもしれない。
そして、決断の日。
俺は校長室に向かう。
「レン。答えを聞こうか。」
「校長。いや、いまは、先生。俺が100人を殺す意味。最期に聞かせてください。」
「意味、か。そうだね。それは、話せば長い。だから、詳細な原理は省く。君の翼は、とある人が持っていたものと同じで、殺した数だけ翼は赤く染まる。その翼が赤く染まった時。全ては壊れる。」
「は?何を言ってる。じゃあ、償いってのは、全部殺すことなのか!」
俺は先生の襟首を掴む。
「話を最後まで聞け。その翼は破壊の翼。その性質を使ったのが、あのヘイローを破壊する弾。」
俺は思わず、襟から手を離す。あの殺人道具さえも、俺が作ったもの。ということか。俺が、俺が全部。
「だが、その翼は破壊するだけじゃない。その赤い血と、黒い罪にほんの少しの愛を与えることで、それは全てを再生する力を持つ。」
「再生。つまり、死者の蘇生だよ。」
「蘇生、だと?そんなもの、存在するわけがない!ありえない!」
「あり得るんだよ。そんなファンタジー、フィクションが。」
「だから、100を殺させるんだ。」
そうか、そんなことが。でも
「でも、だったら、お前の目的はなんだ!その100人を蘇生して、お前に何の徳がある!」
「君の前に、その翼を持つ友人がいた。彼女の翼を私は解析した。そして、その力を知った。だが、その友人は誰も殺さなかった。自分以外は。彼女は自分だけを殺した。」
「その翼が蘇生できるのは、その翼が殺した人間だけ。」
「まさか、お前の目的は、」
その友人を蘇生すること。
「その通りだ。君にこれをやらせたのは、この為だ。」
そんな、死者を蘇らせる。可能かすらわからない。そんな可能性のために、100人が死んだというのか。
「最期に聞かせてくれ。俺に愛を教えられたと思うか?」
「ああ。きっとね。」
「そうか。」
やはり、こいつは。
ガチャ
100人殺せば良い。
先生を殺せば良い。
こんなやつなら。
死んでも良い。
「そうか、それが、答えか。ふふっ。」
パァーン
乾いた銃声が鳴り響いた。