先生とやらと遭遇した。
どうやら外の世界から来たらしく、生徒会長の選んだ人材らしい。
その証拠に、シャーレという大きな権力を持つ部活を託されている。
それと、数日見張った結果、わかったことがある。
それは、先生は生徒にとても優しい、ということ。
相談されたら全力で対応する。困っている生徒は放っておけない。
そんな人。
俺がまた会うことは避けたいと思う。
いままで56人を殺した、その中には勿論生徒もいる。
バレたら"面倒"だ
俺は生徒だが、これだけの罪を背負っていれば、助けようとしない筈だ。噂じゃ結構な人数の生徒がシャーレに入部しているらしい。
あまり敵対したくないものだ。
学校に戻り、先生に報告をする。
先生と先生、呼び方が面倒なので、"先生"と研究者の方を校長、と呼ぶことにした。事実、校長だからな、あの人。
「ふむ、これはまた、思っていた以上に被害は大きいな。幸い、まだうちには、被害がない、というか生徒数が少ないから影響はないか。」
「それにしても"先生"に、シャーレ、これには敵対したくないな」
「意外ですね。校長なら、ヘイロー破壊の弾丸で殺せ、とか依頼してきそうなものですけど。」
「君は私をなんだと思っている?」
「狂人です」
「そうか、それは良いことだ」
どこが良いんだか、と思う
「まあ、あの弾丸を使えない事情がある。それに、先生が死んでしまうことは避けたいね。それじゃキヴォトスが滅んで、私の目標は達成されない」
そういえば、この人の目標について、あまり詳しくは知らなかった。
なので、質問してみると
「まだ、知るべきじゃない。」
とだけ返されてしまう。何故隠すのか。
おそらく、俺に知られるとまずいことなのだろう。
「そうだ!それとは別に依頼があるんだった」
依頼、久しぶりだった。あまり気は進まない。
「今回はこの組織を潰して欲しい」
「組織?暗殺じゃないんですか」
「ああ、今回は組織だ、ついでに、この薬を試してほしい。"いつもの"
と、翼を活性化させる薬だ」
「翼の活性化?それって、いつものやつに含まれてません?」
「違う、今回のはいままでのと違ってそれを持続させることができる筈だ。それにより、集団を相手にできるはずだ」
活性化、維持するとなると、かなりの体力を使うだろう。
短期決戦だな。
ガヤガヤ、ガヤガヤ
「さて、この騒がしいのを皆殺し、か」
指定された場所に行くと、そこにいたのは楽しそうに会話をしたり、遊んだりしている人達だった。あんなにも楽しそうに笑みを浮かべて、はしゃいでいる。
どうして、彼女らのあの笑顔を奪わなければいけないのか、と今更思ってしまう。
だが、やることはやる。
俺はポケットに手を突っ込んで、先ほどもらった薬を取り出す。
この薬を貰ったときに、これはいつものより強力だから気をつけろ、といわれていたのを思い出す。
使え、と言っておいて気をつけろとは矛盾していると思う。
そうして、俺はその薬を飲むと、いつものような頭の痛みを感じる、がその痛みはひどく、身体に力が入らなくなる。
「がっ、あ!」
痛みは強くなり、俺は意識を手放す。
私達は、そこで皆んなと楽しく過ごしていた。みんなに共通するのは、親がいない、ということ。
親がいなくて、寂しい思いをしていたところ、1人の女の子が現れて、私をこの集まりに加えてくれた。その子は随分前に、1人の女の大人とどこかに行ってしまったけど、今でもこの集まりは楽しくやっている。
私は、初めての出血、そして、恐らく死ぬ。そんな状況で、過去を思い出していた。
嫌だ、嫌だ、いやだ。まだ、死にたくない。また、あの子と会いたい。お礼をしたい。話したい。楽しくやってるって、ありがとうって。
私を、その男は見下ろしていた。
青い髪と、私の血のような、真っ赤な翼。怖かった。こわかった。
ああ、いやだよ。会いたいよ。あの時みたいに暖かく、してよ。身体、冷たいよ。
リナちゃん。