俺は、夢をみていた。
目の前には、両親がいた。が、その手にあるのは空の酒瓶。
父親がそれを振り上げ、俺の頭に叩きつける。
血が出る。痛い。でも、抵抗したり、反応したりはしない。
無駄だ。これを回避するには、金を稼がなければいけない。
すると、場面は切り替わり、そこには死んだ兄。
兄は、たまにしかうちに来なかった。
でも、俺を外に連れていって、少しだけ、夢を見せてくれた。
まあ、バレたら俺が殴られるが。
それでも、兄には感謝している。
こんな世界で、唯一の救いだった。
兄が死んだ。それを聞いたとき、俺は人生で一番のショックを受けた。
それは今でも変わらない。
兄弟愛。それを失った。
次の場面では、両親が死んでいた。
悲しい、などとは思わない。
もともと、親子愛など無かった。
さらに場面は切り替わる。そろそろ疲れてきた。
が、今までの夢とは違った。過去ではなかった。
そこにはヘイローが壊れ、腹を撃たれたリナがいた。
「信じてた、のに」
そんな声が聞こえ、倒れてしまう。
夢だというのに、妙な現実味がある。まるで未来のようだ。
自分の手を見る。そこには、自分の愛銃、リーベが。
ガラス片を見る。そこには、血塗れで、片腕、片翼を失った俺がいた。
次の瞬間、場面は目まぐるしく変化する。
倒れる空崎さん、小鳥遊さん。生徒のみんなが倒れる。
最後に映るのは、先生の遺体。
そこで目が覚める。
先程の夢を思い出す。
吐き気がする。状況的に俺が殺したのだろう。
思わず、吐いてしまう。
何故殺しているんだ?
殺しちゃいけないだろ。
あれはなんだ?夢?未来?
何故先生が出てくる。それまでの生徒は皆、俺と関わりがあった。
だが、先生との関わりなど、あの時の一瞬くらい。
なんなのだ。
人を殺す、というのは、慣れない。いや、慣れない方がいいが、俺はさっさと慣れてしまいたい。
次に目に入るのは、羽。その20の羽は舞い、その死人へと落ちる。
ああ、また殺したのだ、と現実を突きつけられる。
そこに、青い薔薇を供える。
ふと、目に入るのは一枚の写真だった。少し汚れていたが、見れないことはなかった。
その写真を見てみると、ここの一部の人間と顔が一致していた。
集合写真かなにかだろう。
これを見てると心が締め付けられる。早いとこ逃げないと。
その写真には、赤い髪の少女と、白い髪の少女がいた。
2人とも幸せそうに笑っている。
その写真の中の人物は皆、同じ指輪をつけていた。
俺は、その場から逃げ出した。
奇跡が起きて、全部綺麗になればいいのに、と。
何度願ったかわからないことを、今日も願う。