「え〜、今日からみんなのお友達になる北条時行君です。みんな、仲良くね。」
「「「は〜い!」」」
7月に入りだんだん暑くなる今日この頃。
神田姉ヶ丘小学校2年2組に時行が編入してきた。
「北条時行です。みなさん、よろしくお願いします。」
礼儀正しくお辞儀する時行にみんな喜んで応える。その日の休み時間は時行のことで話題になった。みんな時行に近付いて質問攻めする。
「どこから来たの!?」
「か、鎌倉です。」
「好きな食べ物とかある!?」
「鯛が好きです。あと、おにぎり。」
「好きなゲームとかあるのか!?」
「鬼ごっこが好きです!」
質問攻めする子供達。時行はあたふたしながらも答える。凄い美形の転校生にみんな興味津々だった。
「ねぇ、北条時行って教科書に載っている名前と同じだよね?」
その質問に時行は固まる。どうやって答えようか考えていると誰かが助け舟を出してくれた。
「名字が同じなんてよくあることですよ。織田や武田なんていっぱいいますし一時期坂本龍馬の同姓同名が大量に出たことだってあります。」
「あっ、高野君!」
高野という名前に反応する。眼鏡をかけた知的そうな少年が時行の前に来た。
「はじめまして。高野雪長。このクラスの委員長をしています。」
爽やかな顔で握手を求める雪長。時行も握手で応える。それに続き他の子供達も自己紹介を始めた。
「俺、米津弧太郎!野球とか好きだぜ!」
「私!私は亜矢!月乃瀬亜也だよ!」
「三神静です。」
ツンツン頭の弧太郎、ストレートヘアーの亜也、おっとりとした静が先に自己紹介する。そこから次々と自己紹介していく子供達。あっという間に休み時間も終わり授業に戻る。
時行にとって令和初の授業は国語だった。今更、国語程度なら問題ないと当てられた問題を次々と正解する。
そこからまた人気が加速する。午前中の授業が終わり昼休みになり給食をいただく。初めての給食に目を輝かせている時行は美味しそうに食べ始めた。
「あそこまで美味しそうに食べてくれるなんてね。」
その食べっぷりは担任の先生も驚いている。給食も終わりみんな校庭に出る。何して遊ぶと聞かれた時行は迷わず鬼ごっこと答えた。みんなも賛成して鬼ごっこを始めるが時行のあまりの逃げ足の速さに呆然とした。
「時行君、速い…」
「あれ、小学生が出せるスピードじゃねぇぞ。」
またあっという間に時間が過ぎ昼休みが終わる。午後の授業が始まる。ここからが問題だった。給食を食べ昼休みに元気に鬼ごっこしていた時行は少し眠くなってしまった。しかも、授業が時行の苦手な算数なのも重なり時行は寝てしまった。
「じゃ〜、これを…時行君、分かるかな?」
「す、すみません。分かりません。」
先生が振り向いた瞬間起きる。そこから先生が目を離すと寝て見ると起きるというだるまさんが転んだ状態になって午後の授業は終わった。
放課後になり初めての学校生活を楽しんだ時行は弧太郎達と一緒に帰ろうとする。すると、前の席にいた少年が目に写った。肩にかかるどうかというぐらいのミドルヘアーをしている少年が気になっていた。
「あの子が気になる?」
「は、はい。」
「あの子は潮田渚。なんかいつも悲しい感じがするんだよねぇ。」
水色の髪の少年潮田渚。時行は何故か彼が気になり近付く。そういえば、休み時間もずっと1人で外を眺めているだけだった。
「あの…」
「なに?」
「い、一緒に帰りませんか!?」
時行が手を出すも渚は冷たい感じで時行を無視し荷物を持って帰って行った。
「あ、あれ?」
「気にしなくていいよ!あいつ、ずっとあんな感じなんだよ。」
目を点にしている時行を弧太郎が慰める。みんなで帰り道いろんな話をした。初めての学校生活は楽しかった。時行はルンルン気分で超神田寿司に帰る。丁度檸檬も帰って来ていた。
「おかえりなさいです!」
「そんなに賢まる必要はないぞ。学校では先輩になるのじゃ。しっかりしないと疲れるだけじゃ。」
檸檬が仕事のため部屋に戻る。時行はペコリとお辞儀してから靴を脱いで檸檬の後を追う。檸檬からまだ知らない調味料や寿司ネタを学び味覚の質を上げる。出された宿題(算数)を檸檬に見てもらいながら終わらせ就寝する。しかし、渚のことが頭から離れずなかなか寝れない。
「明日は友達になれるかな?」
そう思いながら時行は眠りに就いた。