逃げ上手の転生記 〜亀有の破天荒警官と〜   作:虹武者

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            劇場版
         逃げ上手の転生記 
        〜亀有の破天荒警官と〜
    日本SOS!?高度1万メートルの鬼ごっこ!


        OP [プランA]  DISH//


劇場版  逃げ上手の転生記 〜亀有の破天荒警官と〜  日本SOS!?高度1万メートルの鬼ごっこ!
スカイラグーン


 深夜、太平洋上を航行するタンカーがあった。中川財閥が所有するタンカーだ。静かな夜、その夜を壊さないように不審な人影がタンカーに静かに潜入する。人影は次々と船員達を気絶させていく。人影は操舵室に入ると船長達も気絶させた。月明かりが照らす。人影は鬼の仮面を着けていた。しばらくして鬼仮面の人影はタンカーからヘリで去って行く。その直後、タンカーが爆発した。

 

 それから、数日後。両津達は中川龍一郎の誘いで世界最大の飛行船の処女飛行する発着場にいた。両津が移動中、スマホで中川財閥所有のタンカーが爆発されたニュースを見ていた。

 

「大丈夫か中川?これのせいで中川財閥の株価が暴落してるぞ。」

「問題ありませんよ。僕が頑張って信頼を取り戻せば元に戻ります。」

「なら、今のうちに中川の株を買い占めよう。」

「止めてください先輩!」

 

 中川が両津を必死で止める。両津と中川の会話を聞いていた時行は気になったことがあるようで弧太郎達に聞いた。

 

「弧太郎、株ってなんですか?」

「カブって…ほら!この前給食で出た!カブのカレースープ!俺、あれ苦手なんすよね。」

「私も絵本で見たよ!大きなカブをうんとこしょ、どっこいしょで引き抜くやつ!」

「そのカブではありませんよ。」

 

 弧太郎の亜矢の回答を否定する雪長。そこにプラスが株について答えてくれた。

 

「株というのは簡単にいえばその会社の信頼の値です。多くの人が少ない金で儲かるために出し合う金のことです。その金が株券です。株券を発行し買ってもらう。そうすれば会社が大きくなるば株券の価値も上がり株券を買った人が儲かるという仕組みです。」

「全然分かんない…」

 

 プラスの説明に亜矢がギブアップする。プラスの説明はまだまだ続く。

 

「こういう株に投資する人を投資家と言います。現在はほとんどがネットで株を買う時代です。ちなみに、半分以上の株を所有している人がその会社の経営権を握ることが出来ます。」

「なんか凄いんだろうけど俺達には全然分かんないな。」

「確かに。」

 

 プラスの説明でも理解出来ず弧太郎と渚が頭をパンクさせてしまった。仕方ないとプラスは両津の発言を元に説明をした。

 

「この場合、両さんが信頼が無くなり安くなった中川さんの株を買い占め信頼が回復し株価が上がった時に売れば大儲け出来るということです。」

「なら、今のうちに中川さんの株を全部買えば私が中川財閥の社長…夢がある。」

「「「静!?」」」

「両津!貴様のせいで子供達が余計なものに興味を持ってしまったではないか!」

「わしのせいですか!?」

 

 両津達がそんな話をしていると発着場へのゲートが見えた。ゲートをくぐるとそこには巨大な飛行船があった。初めて飛行船を見る時行はもちろん見慣れているはずの両津達も感嘆していた。

 

「でけえ。」

「すごい!すごいデカいっすよ!」

「ここに来る途中も見えていたが近づいて見ると想像を軽く超えるな。」

 

 みんな飛行船を見上げる。そのまま進むと記者達が中川龍一郎に取材しているのが見えた。龍一郎はこちらを見ると腕時計を確認した。

 

「時間だ。取材はここまでだ。」

「そんな!中川社長!一言!」

「タンカー爆破に着いて何か!」

 

 龍一郎は記者な質問を無視して中川のところに来た。

 

「久しぶりだな圭一!」

「え、ええ。」

(まだ、1ヶ月も経ってませんけど。)

 

 龍一郎と握手する。そこを報道しているレポーター達を時行は見た。

 

「以上、日売テレビでした!」

「…はい、カットー!いいよ香純ちゃん!ナイス!」

「ありがとうございます!」

 

 レポーターに一言言った男性は龍一郎のところへと駆け寄った。

 

「初めまして中川社長!私、日売テレビの水沢透と言います!今回はスカイラグーンへの取材許可をいただきありがとうございます!」

 

 水沢は龍一郎達に名刺を配る。後ろにはレポーターの千条院香純とカメラマンの石井勝平がいる。2人とも龍一郎達に自己紹介をした。

 

「本来ならもっと来る予定でしたが…」

「タンカー爆破の方にほとんど行っちゃいましたからね。」

 

 石井が喋る。

 

「幸い死傷者は出てないみたいだけどこのせいで中川財閥の信頼が凄く落ちましたし…」

「ちょっと香純ちゃん、余計なことは言わないの。」

「す、すみません!」

 

 香純が謝る。龍一郎は気にしてないようだった。そこに無精髭で両腕に傷がある男性が出て来て龍一郎に名刺を渡した。

 

「初めまして。俺はジャーナリストの藤村って言います。この後、独占取材なんて出来ますかね?」

「13時50分から5分だけなら時間を作ろう。」

「いや〜、ありがたい!」

「みんな、あの人に媚売ってるね。」

「偉いからな。」

 

 両津が亜矢の言葉に答える。その間も時行達は飛行船を見上げていた。首が痛くなるレベルまで見上げ下を向く。そこに中川が来て説明してくれた。

 

「これなんて言うんだっけ?」

「これは中川財閥が総力を上げて開発した一大プロジェクト街複合型飛行船“スカイラグーン”だよ。飛行船としては世界最大かつ最高高度の飛行が可能なんだ。」

「すげー。すげーとしか言えねぇ。」

「圭一、そろそろ乗るぞ。」

「はい!じゃあ、続きは案内しながら説明するよ。」

 

 龍一郎を先頭にスカイラグーンに入る。入るとスカイラグーンの関係者達が待っていた。全員、龍一郎に頭を下げる。1番前にいた初老の男性が頭を上げて自己紹介を始めた。

 

「初めまして。私が皆様のお世話を担当します。スカイラグーン内ホテル『アスピドケロン』支配人、鷹柳正兵衛と申します。」

「同じく皆様のお世話をします。スカイラグーンチーフパーサーの南雲宗邦です。よろしくお願いします!」

「メイド長を務めます。泉聡子です。何かありましたら私達にお申し付けください。」

 

 眼鏡を掛けた女性、泉聡子が自己紹介を終わらせると隣にいた外国人の男性が自己紹介する。しかし、早口の英語で聞き取れない。それを聡子が翻訳してくれた。

 

「スカイラグーンの機長を務めるアレクサンドラ•パーカーです。よろしくお願いしますと申しています。」

「おお〜!英語分かるんですね!」

「12歳から28歳までアメリカにいましたので。」

 

 聡子が眼鏡をクイッと上げる。後ろにいるメイド達や船員達もお辞儀する。彼らも加わりスカイラグーンの中を案内し始めた。そんな中、纏がソワソワしていた。それに気付いた早矢が聞く。

 

「纏さん、どうかされました?」

「いや、なんか場違い感が…」

「大丈夫ですわ。纏さんもちゃんと招待されてます。堂々としてください。」

「う、うん。」

 

 まず案内されたのは大きなエントランスホールだった。天井から輝く大きなシャンデリアが吊り下げられている。そのまま廊下進む。すると、左右に洋風のドアと障子があった。

 

「なんで右と左で違うんだ?」

「それは…」

 

 聡子がドアを開けると広々としたパーティー会場があった。丸いテーブルやステージがあり煌びやかだった。時行達ごパーティー会場を走り回っていると今度は南雲が障子を開けた。そこは100畳は超える宴会会場だった。

 

「このように洋風、和風のパーティーが出来るようになっております。」

「壁には防音対策も施されておりどんなに騒いでも廊下には聞こえないようになっています。」

「凄いな。」

「両様!結婚式はここで…」

「凄い費用がかかりそうだ。」

 

 両津達もパーティー会場と宴会会場を行き来して見学する。前にあるエレベーターに乗り上に上がる。すると、街が広がっていた。両津達が驚く。

 

「スカイラグーンは北欧神話に伝わる背中が島になるほどの巨大なクジラ“アスピドケロン”をモチーフにして造られました。そのため全長500メートル、幅300メートルの内部にはホテル、病院、学校、飲食店などがあります。」

「ここで人生を全うする人が出てきそうだな。」

「さらに、スカイラグーンは最高高度1万メートルの飛行が可能です。これにより雲より上を航行するため雷雨や地震、津波はもちろん、台風の影響すらありません。これにより災害時の緊急避難場所としても活用することが出来ます。」

「根画手部が聞いたら喜びそうだな。」

 

 エレベーターから降りて街を散策する。小さいが立派な街だ。天井はモニターになっていて外の様子がリアルタイムで映し出されている。もちろんだがまだどこも運営はしていないようだ。両津達は別のエレベーターでさらに上へと上がる。

 

「雲の上を航行するので太陽光発電も天気を気にすることなく出来ます。それに加えて風力発電もあるので昼は太陽光発電、夜は風力発電を利用し半永久的に航行が可能となります。」

 

 エレベーターが上がるとスカイラグーンの内部が見えた。上には大量の巨大なガス袋がある。移動用の鉄橋や梯子、発電設備も見える。さっきの街とは違って無機質だ。そんな光景でも時行はワクワクしている。時行がマジマジた見ているとエレベーターが止まった。

 

「ここからは高級街エリアとなっております。ここはホテルや宝石店、腕時計店など高級な物を販売する店がほとんどです。」

 

 南雲が案内した先には高級車やバイクなどが展示されていた。それに両津が驚く。

 

「車もあるのか!?」

「ええ。1番安いのでも5000万はしますね。」

「5000万!?」

 

 中川か話した値段に両津達が驚く。高級車を見ながら腕時計店に行く。既に大量の腕時計が並べられている。

 

「ここも1番安いのでも150万はしますね。」

「こんなのにそんな値段が…」

 

 弧太郎が腕時計を見て目を丸くする。両津は普通はそんな反応するよなと大して気にしてない麗子や中川を見る。次に向かったのは宝石店だ。1番の目玉にしたいのか天井はガラス張りになっていた。まだ、1万メートルには到達していないようで雲が見える。

 

「こんなに宝石があるのか。」

「ここにある宝石だけでも総額20億円はしますね。」

「20億〜!」

「まだまだ入荷するのでこの数倍は展示されますよ。」

 

 普段聞くことない数字に両津達はムンクの叫びみたいな顔になる。そこからまた移動すると今度は剣道場があった。さらに、弓道場、合気道、薙刀と様々な武道のための施設がある。

 

「ここは天空磯鷲武道館ですわ。ここには磯鷲流武道のための設備がたくさんあります。」

「こんなところにまであるのか…」

 

 道場を見て両津達が驚く。両津が竹刀を見つけ素振りする。それを見た大原部長が両津の構えを直す。

 

「お前は適当過ぎる。もっと腰を引かんか。」

「それと振る時に腕だけでなくもっと全体で振るといいでしょう。」

「おや?鷹柳さんも剣道を?」

「はい。これでも剣道8段でございます。」

 

 有段者と知り大原部長と鷹柳は仲良くなっていた。

 

「凄いんだなあの人。みんなも剣道とかやってるんすか?」

「いえ。私はずっとアメリカにいたので。」

「私も剣道は嗜んだことはありませんね。」

「私もありませんね!」

「俺は高校の頃剣道部だったがそれ以来やってねぇな。」

 

 弧太郎の質問に聡子、南雲、水沢、藤村が答える。鷹柳と剣道談義している大原部長を見ている両津に早矢が話しかけた。

 

「両津さん、本当はお父様も両津さんに会えると楽しみにしてらしたのですが生憎今は香港にいます。」

「そ、そうなんですか〜!それは残念でしたね〜!」

 

 両津が冷や汗掻きながら早矢に話す。何があったのか聞きたいが両津は答えてくれそうもない。両津は話を反らすために弓矢を時行に渡した。

 

「時行!お前の腕をここで見せてみろ!」

「今ですか!?」

 

 時行は仕方なく弓矢を構えた。50ヤードぐらいの距離がある的を狙う。そして、矢を放つとど真ん中に命中した。それを見て弧太郎達は拍手する。それにドヤ顔する時行。すると、早矢が時行の矢に自分の矢を当て継ぎ矢した。

 

「凄い!」

「早矢さん!?」

「私もしたくなりましたので。」

 

 早矢が妖艶に笑う。時行も負けじと早矢の矢に自分の矢を当て継ぎ矢した。それに両津達がまた驚く。

 

「さらに継ぎ矢したぞ!」

「こりゃあ凄い。いい記事が描けそうだ。」

「石井君!今の撮れたか!?」

「バッチリです!」

「これはいい画になるぞ!」

 

 藤村や水沢が興奮している。藤村がタバコを吸おうとする。それを南雲が止めた。

 

「すみません藤村様。ここは禁煙となっております。喫煙室があちらの階段を降りてすぐのところにありますので。」

「そうかい。じゃあ俺は食事の時間までゆっくり自由タイムしてくるんで。」

 

 藤村はタバコを咥えたまま道場を後にした。それに続いて龍一郎がスマホで電話しながら出て行った。弧太郎達が並んでいる刀や薙刀を見て興奮している。

 

「気を付けてください。そちらにあるのは全て本物ですので。」

「マジで!?」

「はい。ここでは居合いもしますので。」

 

 弧太郎が触ろうとした刀から離れる。しばらく見学した両津達は一階のレストランに向かい食事をとった。初めてだらけに時行達は興奮している。

 

「凄かったよな!」

「はい!私もドキドキが止まりません!」

「滅多に出来ない経験。」

「こう…ばーっと…」

 

 弧太郎が興奮して手を拡げる。すると、ジュースが溢れ南雲にかかってしまった。慌てる時行達。

 

「すみません!」

「大丈夫ですよ。」

 

 南雲が手袋を取って拭く。すると、左手の親指の付け根に傷があるのを亜矢が見つけた。

 

「どうしたのその傷?」

「ん?ああ、これかい?昔やんちゃしたのでね。君達は怪我はないかい?」

「はい!大丈夫っす!」

「それは良かった。」

 

 両津がマリアと一緒に食事しながら外を見る。すると、派出所が見えた。

 

「おっ。ここから派出所が見えるぞ。」

 

 両津は備え付けの双眼鏡で派出所を見る。派出所におじさんがやってきた。

 

「あの〜、道をお尋ねしたいんですけど…」

「はい。なんでしょうか?」

 

 根画手部が対応する。しかし、怖い顔におじさんは去って行った。

 

「ひ〜!お巡りさ〜ん!」

「お巡りさんならここにいますが。」

「何故逃げたのでしょう?」

「多分、顔が怖いからですよ。」

「そうなのですか?」

「うん。」

 

 逃げるおじさんの後ろ姿を残念と一緒に見る。根画手部が振り返り聞く。雑と丸井が頷いていた。

 

「ちゃんとわしらの代わりをしてくれているようだ。」

「お前と違って真面目だからな。」

「おっ!ここから女湯覗けるぞ!」

「バカモン!そんなもんにスカイラグーンを使うな!」

 

 大原部長が怒鳴る。それに驚いた両津がバランスを崩し窓に顔をぶつける。

 

「そのまま落ちてしまえばいい。」

「酷いですよ部長。冗談ですよ冗談。」

 

 両津が笑う。食事が終わりそろそろ取材しようと水沢達が準備する。もうすぐで高度1万メートルに突入する。その時、見慣れない軍用ヘリがスカイラグーンに接近した。

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