別れてスカイラグーン内を走る両津達。その隣に海パン刑事がいる。
「なんでわしらと同じ道走ってんだ!」
「この先に因縁の相手があると私の海パンが言っている。」
「どういうことですか?」
「考えるな。」
両津が呆れていると前に誰かいた。立ち止まって見る。白色の鬼仮面に白いブリーフを履いた男。変鬼だ。変鬼を見た時行は鳥肌が立ってしまう。
「待っていたぞ海パン刑事。ここで待っていればお前に会えると我のブリーフが言っていた。」
「時行、お前が言っていた変態はこいつか。」
「はい。」
両津達が警戒する。海パン刑事が両津達の前に立つ。
「久しぶりだなジェントルブリーフ。いや、今は変鬼か?」
「そうだ。覚えていてくれて嬉しいよ。」
どうやら2人は知り合いのようだ。似たシンパシーを感じる。時行は感じたくないと思っている。
「あれは忘れもしない4年前。お前に敗れ刑務所暮らしを余儀なくされた。我はただ…渋谷をブリーフ1丁で歩いてただけなのに!」
「それは逮捕されて当然だ。」
「私もそう思います。」
変鬼の発言に両津と時行が呆れる。
「我は変革する!老若男女全ての日本人がブリーフ1丁で出歩ける国にするのだ!」
「そんなバカな理由でテロ行為する奴初めて見た。」
「この時代もいろんな人がいるのですね。」
両津が若干引く。海パン刑事対変鬼の戦いが始まる…前に突然アラームがなった。何の音だと時行が思っていたら海パン刑事と変鬼が同時に股間を弄り始めた。時行は顔を真っ赤にさせる。すると、海パン刑事がバナナを取り出した。
「おやつタイムだ。」
「またかよ!」
「相変わらずだな海パン刑事。我は…パイナップルだ。」
ずっこけた両津がツッコんでいると変鬼がブリーフからパイナップルを取り出し食べ始めた。それを見た海パン刑事が震えている。
「あれ、どうやって入れてたのでしょうか?」
「知らん。」
「以前より…強くなっているな。」
「そうなんですか?」
「だからわしに聞くな!」
時行と本田が両津に聞くも両津は答えれない。片膝を着いた海パン刑事。変鬼はさらに、調子に乗って踊り始めた。
「いくぞ海パン刑事!これが我の《ブレイクブリーフダンス》だ!」
変鬼がブレイクダンスを踊る。最後に犬神家の一族みたいな感じの逆立ちをして決めた。それを見た海パン刑事は震える足を叩いて立ち上がった。
「どうだ海パン刑事?」
「まだだ。今度は私の番だ。見給え!《海パンマジック》!」
そう言って海パン刑事は海パンから万国旗を持った鳩を出した。それを見た変鬼が両膝を着いた。
「とうとうやりやがった。」
「バカな!まだ成長していたのか!」
「どうなったのです?」
「わしも理解出来ん。行くぞ。」
両津達は海パン刑事と変鬼を無視して進んだ。そこに1羽の鳩が両津の頭に乗った。
「お前…伝衛門か!?」
両津が伝衛門と呼ぶと答えるようにポッポーと鳴いた。この鳩は通称ハトポッポ刑事。立派な特殊刑事課の1人(羽)である。両津達に同行するハトポッポ刑事。しかし、途中で吐いた。
「さすがに海パン刑事の海パンの中はきつかったか。」
両津達は高級街エリアに到着する。両津達が車が並べられているところへ向かう。その時、後ろからエレベーターが動く音がした。急いで宝石店に隠れる。エレベーターから出てきたのは橙色の鬼仮面を着けたテロリスト炎鬼だった。
「ここまで来たか。」
「どうするんです先輩?」
「とりあえずやり過ごす。」
炎鬼が近付く。すると、リモコンを取り出してスイッチを押した。その瞬間、車が次々と爆発した。それに驚き声をあげる時行。その声に反応した炎鬼がライフルを乱射する。
「そこか!見つけた!」
いち早く気付いたハトポッポ刑事が両津達に報せる。両津達は奥に逃げ込むが炎鬼が宝石店の扉を破壊した。
「俺は炎鬼!やっぱり戦争は爆発がないとつまらん派だ!」
「なんですかその派閥!?」
「爆弾仕掛けたのあいつか。」
派手に暴れる炎鬼。このままだとジリ貧だ。両津は周りに何かないか探す。しかし、武器はもちろん、宝石すら無かった。両津はそれに違和感を覚える。炎鬼が近付く。すると、時行が飛び出した。炎鬼は狙いを時行に変える。時行は弾丸を避けながら炎鬼に接近する。炎鬼はライフルがダメと判断するとライフルを捨て火炎放射器を取り出した。そのまま火炎放射で時行を攻撃する。
「!?」
時行は間一髪下がって避ける。その隙に両津は本田を連れてバイクのところに行く。1番馬力のあるバイクを確認する。
「よし。鍵もある。燃料も十分。本田、乗れ。」
「無理です先輩!いくらなんでもこの中で乗るなんて…」
「いいから乗れ!」
「無理ですって…オラァ!テロリストが怖くて警察出来るかぁ!」
次々と爆発する車の間を本田がバイクで爆走し駆け抜ける。炎鬼が火炎放射するも本田に追いつけない。本田の前にある車が爆発する。炎鬼は仮面の下で笑う。その時、爆炎の中から本田が現れた。炎鬼が火炎放射器を向けるとそれより早く本田がバイクの後輪で炎鬼を殴り飛ばした。鬼仮面が砕け吹き飛ぶ炎鬼。歯も折れ完全に気絶している。
「よし。気絶してる。本田!お前はこのまま爆走してテロリストを倒せ!」
「任せろ両津の旦那!」
本田は親指を立ててグッとするとバイクを爆走させ高級街エリアを出て行った。時行も後を追おうとするも両津は動かない。スプリンクラーが作動し消火活動が行われる。
「両さん?」
「時行、おかしいと思わないか?」
「え?」
「お前、2時間で100兆円なんて用意出来ると思うか?」
「無理ですね。」
時行が即答する。
「ってことはあいつら、最初からスカイラグーンをあべのハルカスにぶつけて自爆する気だろ。」
「ええ。」
「なら、何故宝石が無くなっている。」
両津は宝石店を見回ったが宝石が1つもない。腕時計店も見たが高級腕時計が1つも無かった。
「それは、あの人達が盗んだから…ですか?」
「何故盗んだ?」
「え〜と…お金にするため?」
「自爆特攻する奴らがそんなことする必要があるか?」
両津に言われて時行がハッとする。死ぬつもりの奴らが今更盗みなんてする必要が見つからない。
「確かに…死ぬつもりならお金なんて必要ありませんよね?」
「ってことはあいつらは死ぬつもりがない。ここから逃げるつもりだ。」
両津が考察しているとスマホが鳴った。ハインケル刑事からだ。両津は電話に出る。
「なんだ?」
『海パン刑事やないんか?トーキョーモンやんけ!』
『なんや?トーキョーモンいんの?ちょっと変わってえな。…おいこらトーキョーモン!何中川さん危険に晒しとんのじゃ!』
電話先から春が怒鳴ってくる。両津は切ろうとした。
『待てや!切ろうとすんな!』
「なんで分かるんだよ!」
『こっちは大変なんやぞ!テロリストがスカイラグーンをあべのハルカスにぶつける言うたから大阪中が大パニックや!』
春が通天閣署から外を見る。逃げ回る人々で混乱していた。
『今どこにいるんや!?』
「そのスカイラグーンだ。」
『なら今すぐテロリスト全員捕まえろや!』
「そのつもりだ。」
両津はギャーギャー騒ぐ春を無視して電話を切る。
「時行、わしらは道場に行くぞ。そこで武器の調達だ。」
「分かりました。」
両津達も出て行こうとすると炎鬼のスマホが鳴った。両津が出る。
『応答しろ炎鬼。』
「炎鬼ってのは腫れた顔して伸びてる奴か?」
『…両津勘吉。もう戻って来たのか。』
『カンキチ!』
檸檬が叫ぶ。暗鬼はクスクス笑う。
「行動が早いじゃないか。」
『みんなは無事だろうな!』
「安心しろ。傷1つない。まぁ、この後どうなるのかは分からんがな。」
『傷1つ着けてみろ!わしと時行でお前をボコボコにするからな!』
「じゃあ、こいつらに傷を着けるのはあんたらの死体を確認してからにしよう。」
暗鬼は切ると仲間に連絡した。
「動ける者は両津勘吉と北条時行を見つけ次第殺せ。死体は俺が確認するから首だけは残せ。」
『呪鬼、了解。』
『鎧鬼、了解。』
『噴鬼、了解!』
『興鬼、了解。』
「蛮鬼、張鬼はここで待機。こいつらを見張ってろ。」
「「了解。」」
暗鬼は指示を出すと宴会会場を出て行った。両津はスマホを投げ捨てる。時行と顔を合わせて頷くと高級街エリアを出て道場に向かった。長い鉄橋を走る。すると、別のエレベーターから呪鬼が現れライフルを乱射した。
「見つけたぁ!」
両津達は呪鬼のライフルから逃げる。呪鬼は時行を狙う。時行は欄干や鉄橋を上手く使い逃げる。エレベーターが下に降り狙えなくなった。呪鬼は舌打ちをする。その銃声を下で噴鬼が聞いていた。噴鬼は仮面の下でニヤリと笑うと駆け上がった。
両津と時行は呪鬼から逃げ切ると道場に入った。すぐに両津は竹刀を、時行は子供用竹刀と弓矢を装備した。その時、時行は刀が1振無くなっていることに気付いた。
「準備出来たか?」
「はい。」
「ポッポー!」
両津が聞くと時行は答えた。両津達は確認を終えると道場から出た。両津達はテロリストを捜している。すると、来たことのない場所に出た。広い農場のような場所でいくつかの檻に別れている。ゲートには牛や豚のシルエットがある。畜産業エリアのようだ。
「こんなところもあったのか。」
両津が操作盤を見る。そこにハトポッポ刑事が鳴いて報せる。両津達が隠れて見ると噴鬼が現れた。こちらに近付いている。それを見た両津は笑った。時行にコソコソ指示を出す。時行は頷くと噴鬼の前で出た。ライフルを構える噴鬼に時行は深呼吸した。
「お〜にさ〜ん、こ〜ち〜ら〜、手〜の鳴〜るほ〜うへ〜。」
「クソガキがぁ!舐め腐りやがってぇ!」
噴鬼がライフルを乱射する。時行は華麗に避けると農場へ逃げた。噴鬼も追いかけて農場へ向かう。時行が檻の中へ入る。噴鬼も檻の中へ入りライフルを乱射する。
「逃げ場がもうねぇぜ!このまま手足もぎ取ってズタズタにしてやる!」
時行を狙い撃つ噴鬼。そこにハトポッポ刑事が来て顔を突いた。噴鬼はうざいと振り払う。その隙に時行は檻の外へと出た。弓矢を構えるとライフルを撃ち抜いた。
「はぁ!?」
噴鬼が驚く。両津が檻の扉を閉め鍵をかける。噴鬼はナイフを取り出して向かってくる。両津は操作盤でゲートを開けた。噴鬼が振り向くと熱り立った牛の群れがいた。
「え…え!?待って!」
噴鬼がナイフを向けるも牛の群れは噴鬼に突進した。そのまま牛の群れに弾き飛ばされ仮面が砕けめちゃくちゃにされる。その隙にハトポッポ刑事が檻の隙間から脱出した。
「時行を蹴った罰だ。」
「あれ、絶対痛いですよね…」
悲鳴をあげる噴鬼を無視してその場から離れる。廊下に出て外の様子を探る。もう夕日が見えていた。あべのハルカス激突まで時間がない。その時、ヘリのローター音がした。まさかと思い音がした方向を見ると鎧鬼が操縦する攻撃ヘリが現れた。
「まずい!」
「見つけた。」
鎧鬼は攻撃ヘリの機関銃を掃射して両津達を攻撃する。両津達は逃げながら隠れた。弾丸の雨が両津達を通過する。下手に出ると蜂の巣にされる。
「くそ!ヘリは卑怯だろ!」
「両さん、私が行きます。」
「時行!」
時行が柱から飛び出す。鎧鬼の狙いが時行に絞られる。時行は機関銃掃射を避けながら走る。
「嘘だろおい!?」
これにはさすがの鎧鬼も驚く。時行は壁際に隠れる。機関銃掃射しながらヘリが通過する。それを確認した時行は弓矢を構えた。鎧鬼が時行を見つける。機関銃が時行に向く。その瞬間、時行が矢を放った。矢は機関銃のコードに命中し機関銃は動かなくなった。
「え…動かねぇ!あいつ、矢で機関銃撃ち抜きやがった!」
鎧鬼はミサイルを撃とうとする。そこに爆竜大佐のヘリが来た。鎧鬼は回避行動をとるが爆竜大佐は機関銃でヘリのエンジンを撃ち抜き撃墜させた。爆煙をあげて堕ちていくヘリ。鎧鬼はヘリから脱出して海に逃げる。ヘリが海に墜落する。
「くそ…こうなったらこのまま逃げ…」
「ラ〜ラ〜!ドルフィン刑事、只今参上!」
「え?」
泳いで逃げる鎧鬼の前に潜水艦が現れドルフィン刑事が出て来る。鎧鬼はナイフを取り出す。ドルフィン刑事は笛を鳴らした。すると、イルカ達が出て来てボールを鎧鬼の顔面に当てた。仮面が砕ける。そのままイルカ達のボールラッシュが鎧鬼を襲う。
「ちょ…待っ…ぎゃあぁぁぁぁぁ!」
「私の出番、これだけか…」
爆竜大佐が鎧鬼を捕まえるドルフィン刑事を確認する。そのまま上昇し弓矢を構えている時行を見る。両津とハトポッポ刑事が時行に駆け寄る。
「見事だ北条時行。」
「え、あ、はい。ありがとうございます。」
爆竜大佐は時行に敬礼するとスカイラグーンから離れて行った。
両津達が去った後、変鬼が立ち上がり構えた。海パン刑事も構える。
「海パン刑事よ。最後はあの時と同じ拳で決着といこうではないか。」
「望むところだ。」
2人の変態がバトルを始めた。お互い一歩も引かない激しいバトルだ。一進一退の攻防が続く。激しい激突の末、両者は疲弊していた。長くは続かない。そう直感した両者は次の一撃で決めると構えた。
「これで最後だ海パン刑事。」
「私もこれで決着を着ける。」
「《ブリーフハイキック》!」
「《海パンスラッシャー》!」
2人の一撃が交差する。着地すると海パン刑事が膝を着いた。それと同時に変鬼の仮面が割れ白髪、白髭のダンディな素顔が露わになった。
「…教えてくれ海パン刑事。我とお前の違いはなんだ?我には何が足りなかった?」
「…モッコリだ。」
「そうか…見事だ…海パン刑事…」
「お前も強敵(とも)だった。ジェントルブリーフよ。」
変鬼が倒れる。立ち上がった海パン刑事は変鬼に称賛を送り去って行った。