逃げ上手の転生記 〜亀有の破天荒警官と〜   作:虹武者

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完全勝利

 時行が決着をする前

 両津は完全に気絶した正木をグルグルに縛っていた。

 

「ハトポッポ刑事!そいつの見張り頼むぞ!」

「ポッポー!」

 

 両津は正木をハトポッポ刑事に任せ操縦室へ向かう。急いで走るも遠い。両津はショートカットするために鉄橋から飛び降りた。そのまま猛ダッシュして操縦室に入った。

 

「てめえは両津勘吉!」

 

 両津に気付いた興鬼が拳銃を向ける。そこに両津がサンダルを飛ばして拳銃と顔面に命中させる。向かってくる両津を興鬼が蹴る。それを避けた両津は思いっきり興鬼の股間を蹴り上げた。

 

「のおぉぉぉぉ!」

 

 涙を流し股間を抑える興鬼。両津は興鬼の尻を蹴る。壁に顔面をぶつけ鬼仮面が割れる。興鬼はズボンが下がりパンツが見えた状態で気絶した。

 

 それとほぼ同事故、月光とハインケルがスカイラグーンに接近していた。大原部長達を拘束したテロリスト達が窓を見る。すると、美少女刑事と春が左右から突撃してきた。

 

「行くわよぉ〜!」

「行くで!」

 

 豪快にパーティー会場の窓ガラスを割った美少女刑事が近くにいたテロリストを蹴り飛ばす。その隙にジョディーもテロリストを蹴り飛ばした。

 

「変態だぁ!」

「失礼ね!」

 

 美少女刑事がまだ意識があるテロリストを蹴りで気絶させる。残ったテロリストが拳銃を向けるもラジコン戦車の猛攻に怯んだ隙に美少女刑事とジョディーの蹴りをもろに受けて気絶した。

 宴会会場でも春が拳銃を乱射して窓ガラスを割ると突入してテロリストを殴った。他のテロリストが拳銃を向けるもワイヤーを飛ばして絡ませ拳銃を取り上げた。そこに麻里晩が足の指でテロリストの耳を掴み引っ張り回す。

 

「翻堕羅拳《耳ひっぱり》!」

「イテテテ!」

 

 残ったテロリストが拳銃を向けるより早く春が撃ち落とした。そこにマリアが蹴りを側頭部に命中させて気絶させた。春はキョロキョロ周りを見回す。

 

「中川さん!助けに来ましたで!」

「済まない。中川君なら連れ去られた。」

「え…」

『春!中川さんおったで!スカイラグーン屋上ヘリポートや!』

「ここちゃうんかい…」

 

 中川がここに居ないと分かった春はガックシした。その瞬間、スカイラグーンが大きく揺れた。両津がスカイラグーンを操縦して止めたのだ。なんとか止まり一安心する両津。

 

「あとはテロリスト主犯だけか。」

『両津。』

「なんだ爆竜?」

『たった今、北条時行がテロリストの主犯を倒した。もう撃墜の必要はない。』

「マジか…凄いな時行。」

『両津君、こちらで中川龍一郎を保護した。殴られたみたいだが軽傷だ。』

『左近寺と本田も軽傷だ。』

『防弾チョッキ着てなかったら危なかった。』

 

 爆竜大佐に続いて海パン刑事達からも嬉しい報せが届く。これで事件は解決した。それを知った両津は大喜びした。

 スカイラグーンは無事に大阪にある中川ビルに到着した。突撃した機動隊によって南雲含むテロリスト全員が逮捕される。両津は時行の傷を手当てしていた。

 

「これぐらいなら数日で治る。」

「ありがとうございます!」

「よくやった時行!わしらの完全勝利だ!」

 

 手当てが終わると両津は時行の背中を思いっきり叩いた。みんなも時行を褒め労う。そこに春達通天閣署の人達が来る。春は中川を見つけるとすぐさま近付いた。

 

「中川さ〜ん!心配してたんですよ〜!」

「あ、ありがとう。」

「時行君、本当に凄いね。」

「せやな。生中継で見てたが拳銃や刀持ったテロリスト相手に勝つやもんな。」

 

 時行が嬉しそうに体を揺らしている。そこに今度は龍一郎が来た。

 

「予定よりかなり遅れたが今からパーティーを開く。参加してくれ。」

「よっしゃあ!」

 

 両津が1番に乗った。それを大原部長が諌める。

 

「はしたないぞ両津。」

「いいじゃないですか!こんな大事件を解決したんですから!」

「そうですね。部長、ここは…」

「う、うむ。今回だけだぞ。」

「よし!時行、行くぞ!」

「はい!」

 

 両津達が賑やかにパーティーを始める。カラオケしたり春達が漫才したり特殊刑事達が一発芸したり麻里晩が両津に詰め寄ったり時行達が楽しく飲んでいた。

 

(あの声は…頼重殿の声でした。)

 

 そんな中、時行はあの時聞こえた声を思い出す。幻聴だったのだろうか?それは今となっては分からない。けど、見守ってくれているようで嬉しかった。そんな時行に弧太郎が絡む。

 

「時行!こんなしょんぼりするなよ!今日の主役は時行っすよ!」

「ええ。君のおかげでここにいる人達が助かったと言っても過言ではありません。」

「すっごくかっこよかったよ!」

「さすがですね。」

「これは、惚れる。」

 

 弧太郎に続き雪長達も褒めた。

 

「でも、いろんなところが壊れてしまいましたけど…」

「構いません。命があるだけ良かったでございます。」

 

 鷹柳が時行に心配ないと伝える。龍一郎も大丈夫だと頷き時行の肩に手をかけた。

 

「ありがとう。助かった。」

「い、いえ。」

 

 時行が恥ずかしそうに頬を掻くと海パン刑事が来た。何故か海パンを持っている。時行は真顔になる。チラッと後ろを見ると特殊刑事課が集合していた。

 

「見事だったぞ真っ裸刑事!本格的に我ら特殊刑事課に入らないか?」

「お断りします!」

「ならば、翻堕羅拳を習得してみないか!?」

「それも嫌です!」

 

 時行は特殊刑事課と麻里晩から逃げる。そんなこと気にせず両津がステージに立ちマイクを持った。

 

「次はわしが一曲歌ってやる!」

「止めろ両津!お前の下手な歌で雰囲気を壊す気か!」

「ひどい!わしだって普通に歌えますよ!」

「あかん!トーキョーモンの歌など聞いてられんわ!ここはうちが歌う!」

 

 両津のマイクを大原部長と春が取り合う。両津も逃げる。時行も逃げる。酔った中川達が笑って盛り上げる。逃げている時、コードを引っ掛け抜いてしまう。そこから漏電した挙句お酒を零してしまい発火した。

 

「あれ?なんか臭くなってないっすか?」

「そうねぇ…火事よ!」

 

 聡子が叫ぶ。それに気付いた両津達が驚き急いで消火活動に入る。しかし、酔った状態の人が多くなかなか進まない。さらに、水沢がアルコール度数の高い酒を水と間違えてかけてしまい被害が広がる。

 

「馬鹿野郎!」

「すみません!」

「こんなんすぐ消せるやろ!」

 

 春が鍋の中身をぶっかける。それは串カツを揚げるために使った油が入っているからさらに被害が広がった。春も相当酔っているみたいだ。

 

「お前もバカか!」

「しまった!もう串カツ作れへんやん!」

「そこじゃねぇ!」

「これですよね!」

 

 時行が消火器を持って来た。両津がそれだと叫ぶと時行は消火器を投げた。

 

「なんで投げた!?」

「あれ?」

「時行君、消火器はそうやって使う物じゃないよ。」

 

 渚がツッコむも手遅れだ。もう火事は止まらない。両津はもうダメだと真っ先に逃げた。時行も一緒に逃げる。大原部長が追いかける。

 

「待てぇ両津!貴様のせいだぞ!」

「わしのせいですか!?」

「これでまた株が…」

「圭ちゃん落ち着いて!」

 

 折角のスカイラグーンが火の海に変わり愕然とする中川。励ます麗子。既に酔って手が付けられない早矢達。そんな早矢達を介抱しながら逃げる左近寺達。一緒に逃げる弧太郎達。両津を追いかける大原部長。先頭を走り逃げる両津。その隣で一緒に逃げる時行。

 

(頼重殿…みんな…私はここで楽しんでいます。なので、もう少しだけ見守ってください。)

 

 時行は両津の顔を見て笑う。それに気付いた両津も時行を見て笑った。

 

「楽しいか時行?」

「はい!」

「これがわしらの日常よ!」

 

 時行と両津はお互い笑いながら逃げる。この楽しい日常が続くことを祈って…いや、楽しい日常を自分の手でダッと、ガッと掴みに行った。





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            〜完〜
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