ヤンキー婦警椎名蘭登場!
両津達が新葛飾署に入る。すると、そこにはものすごい数の婦警達がいた。よく見ると知らない婦警ばかりだ。みんな、新人だった。
「なんだこれは?また、早矢効果か?」
「いえ。時行君効果ですわ。」
「私ですか?」
両津の後ろから早矢が答えてくれた。それに反応する時行。その声を聞いた婦警達が時行を見つけた瞬間、両津を押し退け時行に集まった。
「本物だ!」
「可愛い!」
「凄く綺麗!」
「え、え、え!?」
倒れている両津が起き上がる。そこに纏が来た。
「大丈夫かカンキチ?」
「何があった?」
「この前のスカイラグーン占拠事件でテロの首謀者を時行が倒したところが全国に生放送された結果、時行のファンが凄い増えたってところかな。」
「まさか、全員婦警か?」
「一応、男性署員の数人採用はしてるみたいだぞ。」
「少な過ぎだろ!ハーレム物のラノベじゃねぇんだぞ!もっとバランス良く採用しろ!」
両津が文句を言うも誰も聞いていない。そこに屯田署長がやってきた。
「時行君のおかげで我が署も大人気だからな。両津君も少しは大目に見たまえ。」
「早矢の時に増え、時行の時に増え、もうここの9割が婦警になってますよ。」
「実際それぐらいの比率だ。」
冗談で言ったのに本当だと知った両津がずっこける。屯田署長が新人婦警達を入署式をすると言って新葛飾署の前に集合させた。屯田署長が新人達の前で述べるもそのほとんどは両津の隣にいる時行に目が行っていた。両津が時行を連れてどこかへ行こうとすると睨んでくる。入署式が終わる。それと同時にまた時行に直行する。また両津が押し退けられた。
「こいつら…」
両津もさすがにイライラしてきたのか時行を引っ張って怒鳴る。
「お前ら、時行目当てで警察官とか不純だろうが!」
「いいじゃん!」
「それの何が悪いのよ!」
「退いてゴリラ!」
「誰だゴリラって呼んだの!?わしは先輩だぞ!」
両津が新人婦警達と口論する。そこに小町が来る。
「あんたは時行君のおまけでしょ!食玩のおもちゃに付いてるガムじゃん!」
小町の言葉に新人婦警達がプププと笑う。両津は消火器を投げつけ怒る。
「言わせておけばぁ!」
「落ち着いてください先輩!」
中川が両津を抑える。その中川にまた黄色い声が轟く。今度は中川に集まってくる。両津が頭を抑えながら起き上がる。すると、時行をジーと見る新人婦警を見つけた。眼鏡をかけ肩までかかりそうなミドルヘアーのスラリとしたモデル体型の婦警だ。
「え、えっと…」
「お前も時行目当てか。」
婦警は顔を反らす。恥ずかしいのか顔を赤くして立ち上がり頭を掻く。
「あ〜、どうも。今日新葛飾署に配属されました。椎名蘭って言います。よろしくお願いします先輩。」
「全然よろしくって感じがしねぇ。」
欠伸する椎名に両津は良い印象を持たない。そこに中川が新人婦警達を侍らせた状態で来た。
「先輩、彼女達が時行君の弓矢を見たいと。」
「見せるか。行くぞ時行。」
「良いじゃないですか先輩。別に減るもんじゃないですし。」
椎名の言葉に賛同し見せろと言ってくる新人婦警達。時行も大丈夫と言ったので仕方なく見せることにした。時行は弓矢を構え深呼吸する。そして、矢を放った。矢は的のど真ん中に命中する。それを見て新人婦警達は拍手する。
「生放送と同じだ!」
「憧れます!」
「こっちの時代でも時行のカリスマは留まるところを知らないな。」
「さすが足利尊氏と対立し南北朝を生きた武将ですね。」
時行の周りに集まる新人婦警達を見て両津は彼女達をエサに群がる鳩だと例える。新人婦警達が弓道部に入りたいと懇願し始める。さすがに全員を入部させるにはいろいろと足りない。早矢が対応していると両津が弓矢を持って構えた。
「弓道部に入りたければわしを超えてからにしろ!」
両津が放つ矢が的に当たる。新人婦警達が試しにとやってみるも当たるどころか届くことすらなかった。見ていた以上の難しさに新人婦警達は挫折すると同時に時行の凄さを改めて感じた。
「大丈夫です。私達で指導しますので。」
そんな彼女達に早矢が優しくアドバイスをする。その隙に両津は時行を連れて弓道場を出る。その後を椎名がついて行く。
「お前はアヒルの雛か!」
「い、いえ!その…先輩と時行君がどこに行くのか気になりまして。」
なんかオドオドしている。そこに時行を追いかけて新人婦警達が駆け寄ってきた。
「ずるいです!時行君の独り占めはダメですよ!」
「時行君はみんなのものだよ!」
「お前ら勝手過ぎるだろうが!」
両津が時行を離して文句を言う。それでも新人婦警達が詰め寄るので両津は道場に向かった。剣道の格好をして竹刀を持つ。
「わしに勝った奴だけが時行と交流出来る!」
「「「え〜!!」」」
「喧しい!お前ら下心しかねぇぞ!わしがここで新葛飾署の厳しさ教えてやる!」
両津が竹刀を振り回す。仕方なく竹刀を持つも新人婦警達では両津に敵うわけなかった。それを見た小町が文句を言う。
「卑怯でしょ原始人!」
「みんな!一斉にかかりなさい!」
小町と奈緒子も参戦して全員で一斉に両津にかかる。それでも両津には敵わない。後から来た纏が婦警達を薙ぎ払う両津を見て引いている。
「なあ、さすがにやりすぎじゃないか?」
「剣を持って戦いに挑めば男女平等です。」
「時行、お前意外とシビアだな。」
時行に驚く。纏が見るに見かねて参加した。でも、両津の猛攻は止まらない。そこに今度は屯田署長がやってきた。
「これはどういうことかね?」
「えっと…先輩が時行君に熱を上げすぎな新人に指導と言って暴れているところですね。」
中川が説明する。だんだん人が集まってくる。来た人達は両津の乱暴振りに引いていた。
「両さん、やりすぎじゃね?」
「さすがに引くわ。」
(両さんなら足利の大軍に囲まれても生き残りそうですね。)
両津が小町と奈緒子を蹴散らし纏と勝負する。そこに新人婦警達が囲んで両津を叩こうとする。しかし、それが纏にとって邪魔になってしまった。一対一なら纏でも両津に勝てるが周りを気にしながらだと纏も分が悪かった。対する両津は全員敵だからやりたい放題だ。
「時行は渡さんぞぉ!」
「両さん。」
「あれってただ時行を商売の道具として渡さんだろ。」
「両さん…」
署員の言葉に時行が呆れる。纏を力押しで倒した両津は椎名に目を着けた。
「次はお前だ椎名!」
「私か!?」
両津の一撃をなんとか受け止める。しかし、力では両津の方が上だ。周りも疲弊したり両津を怖がって近づいて来ない。そろそろ止めた方がいいんじゃないかと見物していた署員達が口々に言う。時行もさすがに止めた方がいいと思い立ち上がる。
「その程度か!」
「わ、私は…剣道とかしたことないので…」
「両さん、そろそろ…」
両津が一気に押す。その時、椎名の眼鏡が外れて落ちた。
「な、何しとんじゃあ!」
その瞬間、椎名が豹変し両津を蹴り飛ばした。両津は窓を突き破り駐車場まで吹き飛んだ。目の前に落ちた両津を見て大原部長が驚く。時行達は椎名に驚く。椎名はハッとすると慌てて眼鏡を掛けた。
「え〜と、椎名君…」
「あ…その…私、元ヤンという者でして…眼鏡を掛けていないと落ち着かないと言いますか…ヤンキーが出てくると言いますか…と、とにかく眼鏡がないと昔に戻ってしまうのです。」
「本田さんみたいですね。」
「と、とんでもない人が来ましたね。」
アハハ…と笑う椎名。静まりかえる道場。その数時間後、新葛飾署の新聞に『新人ヤンキー婦警、両津を蹴り飛ばす!』という見出しが出た。
「また、ヤバい婦警が来たぞ。」
「これで婦警がますます強くなっていくな。」
「纏の再来だぞ。」
「うるさいカンキチ!」
ちなみに、椎名は不本意だとしても両津を蹴り飛ばしたことで新葛飾署配属初日に始末書を書くはめになってしまった。