派出所に両津が来る。
「よお!」
「お帰りなさい。」
「先輩、なんですかそれ?」
中川が両津が持っているカメラ付きサングラスを見て質問する。
「来週やるシャッターチャンスサバイバルゲームに使うやつだ。」
「シャッターチャンスサバイバルゲーム?」
「そうだ。」
両津はサングラスをかけると中川に持っていたリストバンドを着けるように指示した。中川は言われた通りにリストバンドを着ける。
「これはこいつに付いているカメラで撮ると…」
「痛あっ!」
両津がカメラ付きサングラスにあるボタンを押した。すると、リストバンドから電流が流れ中川が飛び跳ねた。
「そうやって電流が流れる。中川のは比較的軽いリストバンド型だがわしはさらに電流アップのチョッキ型を着けてるぞ。」
そう言って両津は制服を脱ぎチョッキを見せる。
「ルールは普通のサバゲーと同じだが使うのは銃じゃなくこのカメラだ。敵を撮影するとすぐにこの端末に送られアウト判定になれば撮られた奴に電流が流れるというものだ。」
普通のサバイバルゲームと違うところに椎名が興味を持つ。
「サバイバルゲームってライフルとかでバンバンやるイメージでしたけど。」
「昔はそうだった。だが、技術の進歩でサバイバルゲームの幅が広がった。」
両津はサングラスを点検しなから話す。
「これのいいところは誰でも出来るということだ。カメラで撮るだけなら小学生でも出来る。だから、老若男女気にすることなく参加が可能だ。それに必要なのはこのサングラスと電流流す装備と撮った奴を解析して電流を流すこいつだけだ。持ち運びが簡単だし場所を選ばないし自然を汚さない。いいこと尽くめよ。」
「なんかおもろしそうですね。」
「お前らも参加してみるか?」
「そうですね。1回体験してみるのもいいですね。」
「よし、決まり!来週わしが迎えに来るからな。」
両津の話に興味を持った椎名達が参加したいと言った。両津は快く受け入れる。そして、シャッターチャンスサバイバルゲーム当日。両津の他に中川、麗子、椎名、そして時行がいた。
「この前やったサバイバルゲームとは違いますね。」
「そうだ。このシャッターサングラスを着けるだけでOKだ。」
両津が時行達に説明そていると相手チームが来た。相手チームのリーダーと両津が握手する。
「今日はよろしく頼むよ。」
「OK!ルールはフェイス&ハーフ!顔と上半身が撮影されたら失格だ。」
「分かった!」
相手チームと別れ両津達は待機場所に集合した。
「今回は相手チームを全滅させたら勝ちだ。シャッターサングラスで相手の顔と上半身を撮影すれば撃破したことになる。」
「装備が少ない分、動きやすいですね。」
「それもこのサバイバルゲームの特徴だ。普通のサバゲーより自由な動きが出来る。」
「先輩無双が始まりそうですね。」
両津が作戦を伝える。開始のベルが鳴った。両津達は散開して相手チームを捜しに行く。その時、中川が叫んだ。両津はすぐに茂みに隠れる。
「既にいたか!」
「両津先輩!どうするんですか!?」
「慌てるな。こっちには秘密兵器がいる。」
「秘密兵器?」
両津達を捜す相手チーム。その時、相手チームの1人が叫んだ。すぐに隠れる。しかし、また1人が叫んで倒れた。
「なんだ!?どこから…」
周りをキョロキョロ見回す。すると、素早い動きで誰かが移動した。撮ろうとしてもすぐに消えてしまう。その時、後ろに気配がした。振り返ると時行がいた。時行は相手を視界に撮らえる。
「速い!小さい上にすばしっこくて撮れん!」
相手リーダーが狼狽える。その隙を狙って時行が相手リーダーの懐に入った。そのまま相手リーダーを撮る。相手リーダーは痺れ倒れた。
「…え?俺以外全滅…マジで!?」
それをスマホで知るラスト1人。茂みの中に隠れて獲物を待っていたところに悲報がくる。その時、両津が茂みを除けてラスト1人を見つけた。
「隠れている時に大声は悪手だぞ。」
「ガバババババ!」
「ん?…こいつで全員か。30分で終わったぞ。」
両津チームの勝利に終わった。その日、シャッターチャンスサバイバルゲームの成功を祝って焼肉に行った。
「さすがだぞ時行!」
「ありがとうございます。」
今日のMVPである時行を盛大に褒める。
「凄いですね時行様。」
「小さい体を活かしたコソコソ戦法か。」
「時行だからこそ出来る技だ。わしらじゃ無理だ。」
シャッターチャンスサバイバルゲームは大々的に雑誌に載った。銃を使わない誰でも出来る安全なサバイバルゲームとして一躍人気になった。そんな時、対戦依頼のメールがきた。両津が確認する。
「これ、プラスのところじゃねぇか。」
「早いですね。」
「面白い。受けて立とうじゃねぇか。」
両津達がプラス達のところへ行く。そこには全員小学生のチームがいた。
「まさか、全員小学生で組むとは。」
「これも作戦ですよ。」
新しく入ったボルボの発言にプラスが反応する。
「ルールはオール。つまり、全身撮影じゃなあとヒット判定にならないということでよろしいですね?」
「それでOKだ!」
両チーム別れて試合が始まる。両津はボルボと椎名を連れて森の中を匍匐前進している。
「全身撮影って小さくて隠れやすい子供が凄く有利ですよね。」
「そうだ。雑誌で時行が無双したって載ってたから子供が有利と思うのは当たり前だ。しかし、子供だから勝ったんじゃない。時行だから勝ったんだ。それを教えてやる。」
両津はニヤリと笑った。一方、両津と別れて隠れている中川と麗子がいた。周りに気配はない。その時、麗子の足元で何かが蠢いた。麗子が見下ろすと蛇がいた。
「キャア!」
麗子が飛び出す。その瞬間、電流が走り麗子が痺れた。中川が慌ててその場から離れるもすぐ電流が走り痺れた。それをプラスがモニターから見ていた。
麗子が見た蛇はプラスが製作した蛇型ロボットだったのだ。プラスは他にも蛇型ロボットをいくつか森の中に放っていた。それを使い次々と見つけてはそ~とスネークで驚かし出て来たところを撮影していく。
「このそ~とスネークは赤外線探知及びサーモグラフィー付きだからどれだけ上手く隠れていてもすぐ見つけ出せる。」
プラスがそ~とスネークで捜索する。すると、時行を見つけた。木の上で辺りを見回している。プラスは時行を驚かそうとそ~とスネークを近付ける。その瞬間、時行がそ~とスネークを捕まえた。
「な!?」
『蛇ですか。後で皆さんと一緒に食べましょう。』
「蛇を食べるの!?」
「北条君って意外とワイルドなんだ。」
プラスの隣にいた男子が引く。プラスはすぐに近くにいる仲間に連絡した。時行の近くにいた2人がプラスの指示通りに時行に接近する。時行がそれに気付いた。すぐに隠れる。
「サーモグラフィーON。」
男子が時行を捜す。茂みに隠れている時行を見つけた。そこに近付く。その瞬間、時行が茂みから飛び出し2人の周りをグルグル隠れながら移動した。
「え!?」
「これ、すばしっこいとかいうレベルじゃないよ!まるで忍者だよ!」
男子は女子と背中合わせになって時行を撮らえようとするも撮らえるどころか視界にすら入らない。時行は慌てふためく2人を同時に撮影した。2人は電流で痺れ倒れる。
「本当に小学生か?」
そ~とスネークから見ていたプラス達が唖然とする。プラスは別のそ~とスネークで両津達を見つける。近くにいる。プラス達は両津達に気付かれないように移動する。両津達は茂みの陰からプラス達を捜す。
「ここにもいないか。プラスの奴、どこ行った?」
「両津先輩、そろそろこれキツくなったんですが。」
「我慢しろ。」
椎名がため息をつく。その時、隣にそ~とスネークが現れた。それにびっくりして大声をあげながら飛び退いた。その時にサングラスと一緒に眼鏡も外れてしまう。
「いました。」
「椎名!」
「ビビらせんな!」
椎名がそ~とスネークを蹴り飛ばす。バラバラになるそ~とスネークを見てロボットだと気付く。
「偽物の蛇じゃねぇか!ふざけるな!ビビビッ!」
プラスが椎名を撮影して倒す。両津は近くにいると判断し隠れる。
「蛇型ロボットか。プラスの奴、面倒なものを持って来やがって。」
両津とボルボが隠れる。そこに爆竹が投げ込まれた。突然の爆竹にボルボは慌てふためき拳銃を取り出す。それを両津が止めた。
「馬鹿野郎!拳銃なんて持ってくるな!」
プラスはゆっくり近付き2人を撮影した。
「や、やっぱりプラスがいやがった…」
「これで残りは北条君だけですか。」
プラスは勝負は決まったとほくそ笑む。しかし、それは次きた連絡で消えた。
『こちら太田!ほ、北条君に追われ…ぎゃあ!』
『清水です!助けてください!北条…ぐわぁ!』
『怖い!怖い!エイリアンよりこわ…いやぁ!』
スマホから聞こえる阿鼻叫喚。プラスはだんだん顔を青くさせる。両津はフッフッフッと笑う。
「プラス、お前は時行を甘く見ていたな。時行は小さい頃から森を駆け回って生きてきたから森は庭みたいなもんだ。お前らのように家に籠もってるだけじゃあ時行には追いつかんぞ。」
「そ、そうみたいですね…」
プラスが震えている。そこに時行が木から逆さまにぶら下がりプラスともう1人を撮影した。そこで決着した。なんと、時行1人でプラス達を全滅させたのだ。
試合が終わり今度は超神田寿司でパーティーをする。両津が時行に奢りで様々な寿司を出す。
「凄かったぞ。相手チームを追い詰める動きが完全に殺し屋だった。」
「いや〜。」
時行の活躍に驚く面々。寿司を食べながら照れる時行。そこにまた対戦依頼のメールが来た。もちろん、両津は対戦を受け入れる。
後日、会場に着いた両津達。そこにはパソコンだけがあった。人は居ないのかと捜しているとパソコンが起動し爺さんがモニターに映った。
『わしらは既に配置済だから好きなタイミングで来ていいぞ。ルールはハーフ。体の半分以上撮影じゃ。』
「子供の次は爺さんかよ。」
「上等だ!やってやる!」
意気揚々と両津が飛び出す。それに続き時行達も突入した。舞台は廃工場。今は使われていない機械がズラリと並べられている。その間を隠れながら進む。
「どこにも居ねえじゃねぇか。」
両津が誰も見つからないと愚痴る。その下で両津チームの1人が倒れている人を見つけた。一応、撮影するが反応はない。なんだと思い動かすとマネキンだった。
「しまった!罠だ!」
気付いてももう遅い。どこからか撮影され痺れてしまった。それを両津が上から見ていた。
「あんな見え見えの罠にかかりやがって。」
「お化け屋敷より怖いですね。」
「じじい共は動きが少ないし待つのが得意だからな。そう簡単には見つからんぞ。」
姿勢を低くして進む両津達。その時、椎名が痺れた。両津はすぐに隠れる。
「どこからだ!?」
両津がキョロキョロ見回すも誰もいない。シャッターサングラスの撮影距離は約10m。その範囲に誰も居ないのだ。両津が警戒しなから外を見る。すると、かなり離れた場所にある工場の窓が光った。両津はすぐに近くにいたボルボと一緒に向かう。静かに素早く進み光った場所に着いた。そこにはシャッターサングラスにスコープを付けたじいさんがいた。両津はすぐにじいさんを撮影して倒す。近付きじいさんの装備を調べる。
「スコープにレーザーサイトにインカムにサーモグラフィー…ハイテクアイテムのオンパレードだな。」
ボルボが驚く。両津はまだ何かあると読み隠れる。すると、工場内にドローンが数機入ってきた。
「まずい。こっちの場所がバレる。」
両津は時行と中川を見つけこっちに来るように指示した。合流して隠れながらドローンをやり過ごす。しかし、ドローンはこちらにカメラを向けて止まっている。
「バレたか?」
「かもしれん。ドローンにもサーモグラフィーを付けている可能性がある。」
「プラス君よりハイテクですね。」
「逃げるぞ。ここに留まっても何も出来ん。」
中川が先頭に立って出る。その瞬間、痺れて倒れた。
「バカな!?まさか、あのカメラにもシャッター機能が!」
「両津!それは反則だろ!」
「見つけてとっちめてやる!」
両津達はドローンに撮られないようにジグザグに走る。
「時行!お前の身軽さでリーダー捜して仕留めろ!」
「分かりました!」
時行が飛び出す。それと同時に1人見つけた。じいさんは両手を挙げている。
「待ってくれ!電気は嫌だ!」
時行の動きが止まる。それを見たじいさんはニヤリと笑いシャッターサングラスに手をかける。それより早く時行は撮影してじいさんを倒した。
「時行、敵には容赦ないな。」
「頼もしいぜ。」
時行は駆け回りながら捜す。すると、会ったことあるじいさんを見つけた。勘兵衛だ。離れたところから勘兵衛を見る。時行はすぐに両津に報せた。
「両さんのおじいさんがいますよ。」
「勘兵衛か!通りでハイテクなもんばかり使うわけだ。」
「勘兵衛さんの前にいろんな景色が映ってますよ。…あ、今麗子さんがやられました。」
「そうか。ドローンで撮影しながらモニター越しに撮影していたのか。」
「両津、それアリなのか?」
「その辺の規定はまだ曖昧だからな。」
両津が勘兵衛を仕留めるように時行に指示した。時行は頷き勘兵衛に近付く。勘兵衛の全体像が見えたところで撮影した。しかし、反応しない。おかしいと思い近付くとモニターに映った勘兵衛だった。しかも、勘兵衛の体格ではなかった。なんと勘兵衛の顔と別のじいさんの体の合成映像だった。
「なんですかこれ!?」
『残念だったのう勘吉の子供!』
勘兵衛の声がした。時行が振り向くと壁の一部をスライドさせて勘兵衛が現れた。すぐに撮るも顔しか出てないので意味なかった。時行はすぐ逃げようとするもそれより早く勘兵衛が時行を撮った。
「ぐうっ!…こ、この感覚…なんか…新しくて…癖に…なりそう…です。」
「勘吉の奴、どんな育て方したんじゃ?」
電流に快感を覚えてしまい興奮する時行を勘兵衛が心配する。試合はそのまま勘兵衛チームの勝利に終わった。
後日
「勘兵衛さんの方が技術的に上でしたね。」
「両津先輩、それは本末転倒なのでは?」
「勘兵衛〜!」
派出所でバズーカやライフルを装備した両津が暴れていた。