逃げ上手の転生記 〜亀有の破天荒警官と〜   作:虹武者

121 / 229
葛飾GO!

 ある日、両津は町内会の会議に出席していた。

 

「ん~~…葛飾区に来る人の数が年々減少している。これをなんとか打破したい…ちょっと両さん?聞いてる?」

 

 後ろの方で寝ていた両津を起こす会長。両津は欠伸しながら起きる。

 

「要するにここに人を集めたいだろ。」

「そ、そうだ。」

「なら、いい方法がある。」

「なんだそれは?」

 

 会長が聞く。

 

「お前ら、ポケモンGOを知っているか?」

「ああ、孫がやっていたよ。」

「名前なら聞いたことあるけど。」

 

 出席した人達の反応を見るにあまり詳しくないみたいだ。両津が説明する。

 

「こういう奴だ。」

「あっ!ここに何かいる!」

「これは専用アプリのカメラで背景を映すとそこにポケモンが出てくるというものだ。」

「どうやってるんだ?」

「位置情報を活用している。これのおかげで現実世界そのものが舞台になる。」

 

 会長達が唸る。

 

「これを使って亀有にわしら新葛飾署の署員を見つける葛飾GOをアプリとして売り出す!」

 

 両津が意気込む。

 

「まず、署員を見つける。すると、選択肢が出るから適切な選択肢を選ぶ。正解すれば好感度が上がりMAXになると仲間になる。仲間になれば他の署員を仲間にする時に手伝ってくれるしアイテムを運んでくれる。アイテムには現金や本の他にゲーム内で使える葛飾ペイがある。この葛飾ペイはなんとゲーム内だけではなく葛飾区限定の地域通貨としても使えるのだ!」

「なにぃ〜!」

 

 会長達が驚愕する。以前、ボランティアに参加した人達に地域通貨をあげたことがある。今度はそれをアプリでしようというのだ。

 

「葛飾ペイはゲーム内でアイテムを買うだけにすると途中で飽きられることがあるからな。現実で使えるお金として売り出せば絶対に葛飾区に来る。お金がネットになる時代。そういう時こそ時代に合わせた地域活性化プロジェクトが必要だ。」

「でも、こんなのどうやって…」

「資金は中川財閥から援助してもらう。わしに任せろ。」

 

 数日後、両津は早速試作品を時行達に使わせた。

 

「本当ですね。私の目の前に中川さんが2人います。」

「その中川はレア度1だ。1回褒めれば簡単に仲間になる。」

「先輩、それはさすがに僕を下に見てませんか?」

「レア度1は全員そうだ。わしのレア度1なんか一万円札を見せればすぐ仲間になるぞ。」

「両ちゃんの場合、全てのレア度がそうじゃないの?」

 

 試しにいろいろやってみる。時行がレア度1の中川を仲間にした。すると、中川が宝箱を持ってきた。中には100葛飾ペイが入っていた。

 

「1葛飾ペイは1円だ。これを現実でも使えるようにする。」

「どうやってですか?」

「わしに任せろ。時行、手伝ってくれ。」

 

 そう言って両津は時行に弓矢を装備させた。

 

「両津さん、今から何しに行くのですか?」

「交渉だ。」

「交渉に弓矢必要なのですか?」

「必要だ。」

 

 両津は時行を連れて強引な交渉を進めていく。時行の弓矢を見て全員が葛飾ペイの導入に賛成してくれた。その結果、全区域で葛飾ペイが使えるようになった。時行はこれは脅迫ではと思っているが口に出さなかった。

 

「これで葛飾区中に人が溢れることになるぞ。」

 

 葛飾GOがリリースされた瞬間、多くの人達が葛飾区に集まってきた。レア度の高い署員を見つけるとすぐに集まってくる。その様子を両津が見て笑っていた。

 

「残念だな。スマホによって出るところや時間帯が違うから攻略サイトなんて意味をなさん。特に最高レア度の5は出現率が少ない。見つけれたらラッキーなんてもんじゃないぞ。」

 

 両津の狙い通りレア度5の署員達はランダム出現のため攻略サイトが当てにならない事態となっている。葛飾GOの効果に会長達は驚いている。

 

「本当にいっぱい来たよ。」

「こんな話を知っているか?ある自殺の名所と呼ばれた崖に幻のポケモンが出ると噂された瞬間、ポケモンGO片手に多くの人がやってきた。その結果、その場所での自殺が減少したという話だ。」

「そんなこともあるのか。」

「ゲームは時に人間を操ることが出来る。わしはそれを利用したまで。」

 

 両津がニヤニヤしながら話す。そこに小町がやってきた。

 

「ちょっと原始人!全然最高レアの中川さんが出ないんだけど!」

「文句言うな!ゲームのガチャと同じだ!低い確率を当てるなら数をこなせ!葛飾中走り回って探せ!」

 

 両津が小町を追い払う。

 

「本当に最高レアって出難いんだな。SNSでもなかなか出ないって嘆いているぞ。」

「だろうな。特に時行は最高レア度の5しかいない。しかも、見つかった瞬間にものすごい速さで逃げるから捕まえることすら困難。時行を仲間に出来たら一生自慢していいレベルだぞ。」

「そんなに私ってレア度が高いのですか?」

 

 時行が両津に聞く。そのにスマホを持った数人の男性が時行を指差した。

 

「いた!最高レアしかいない時行君!」

「ええ!?」

 

 集まってくる男性達。時行は両津の後ろに隠れる。男性達が時行を撮影するも選択肢が出ないことに気付いた。

 

「あれ?本物か。」

「去って行きましたね。」

「本物よりゲームか。」

 

 複雑な表情をする時行。そこからも挑戦する人が増えだんだんレア度5の署員達が仲間ななっていく。特に中川や風波などのイケメンや麗子やマリア、早矢などの美人婦警が人気だ。

 両津は商店街を見回り葛飾ペイで買物する人達を見て笑っていた。凄く賑わっていることに満足する。そこに大原部長がやってきた。

 

「両津。」

「なんですか部長?」

「会長が呼んでいる。」

 

 両津が会長のところへと向かう。

 

「両さん。葛飾GOが人気なのはいいけど…みんなながらスマホして危なくなったんだ。」

「そうか。ポケモンGOもながらスマホが問題になっていた。」

 

 両津が頭を抱える。葛飾GOに夢中になるあまりぶつかったり事故になりかけた事例が多発した。両津はどうにかして減らそうとアプリに一定時間起動しているとながらスマホを注意喚起する設定を組み込んだ。

 

「これで減ればいいが…」

「あの…」

 

 両津に誰か声をかけてきた。

 

「なんだ?」

「すみません。もしかして葛飾GOの製作者ですか?」

「そうだ。」

「相談があります!」

 

 両津は人気のないところに行って話を聞く。

 

「その…最高レアの麗子さんの出現場所を教えてくれませんか?」

「無理だ。最高レアはランダム出現。わしにもどこにいるか分からん。」

「でしたらここに出してください!」

「はぁ?」

 

 男性の発言にしかめっ面をする。

 

「製作者さんならそういう設定にしたり出来ますよね?」

「出来たとしてもやらん。」

「10万出します!」

 

 両津の足が止まる。

 

「ほ、ほう…10万か。」

「はい!それと…過激な衣装とかも追加してくれると嬉しいのですが…」

「いくら出せる。」

「20万…いや30万出します!」

 

 両津は悩んだ挙句男性の要求を飲んだ。すぐに最高レアの麗子を今いる場所に出す。それに加えて新しいアイテムとしていろんな衣装を実装した。

 

「これでどうだね?」

「ありがとうございます!それと他の最高レアの婦警にもお願い出来ませんか?」

「ダメダメ。ただで出来るほど簡単じゃ…」

「知り合いの金持ちに頼みますので!」

 

 金持ち…その単語を聞いた両津が揺れ動く。両津はさらに葛飾ペイを稼ぐために裏ルートから入手出来るアイテムとしてエロい衣装を大量に実装した。さらに、麗子やマリアなどの人気のある婦警は好感度MAXにすると全裸になる仕様まで入れてしまった。

 そんなこと知らない時行は最高レアの早矢を仲間にして好感度を上げていた。そして、好感度MAXまでにした。すると、早矢が新しい選択肢を出した。

 

『私の全てが見たい?』

 

 気になった時行は“はい”を選択する。その瞬間、早矢が脱ぎ始めた。時行は顔を真っ赤にして叫ぶ。そこに檸檬と纏が時行の叫びを聞きつけやってきた。

 

「時行、どうした?」

「ど、どうもしません!」

 

 時行は画面を隠すためスマホを投げ飛ばした。突然の奇行に檸檬と纏は目を丸くする。こんな現象が葛飾中に広まった。裏攻略サイトとして最高レアの麗子達のヌード姿や両替出来る機能などが載り始める。しかし、行き過ぎた実装はいつかバレる。

 攻略サイトを見た一部の人から葛飾区に苦情がきた。早速調べてみる。後ろでは両津が冷や汗を掻きまくっていた。

 

「おいおい。こんなもの実装した覚えはないぞ。」

「いかがわしすぎる。誰がこんなことを…」

「たまにいるんですよ!外部から侵入してやりたい放題する奴が!」

 

 両津が慌てて話を区切る。

 

「わしに任せてください!犯人をビシッと見つけてあげましょう!」

 

 両津は急いで逃げる。その行動に大原部長や会長は怪しんでいた。両津は自室に戻りパソコンで実装する予定のヌードを削除する。

 

「まずいまずい。さすがにやりすぎたか。」

「両さん。」

 

 時行が入ってくる。両津は慌ててパソコンを閉じて対応する。

 

「どうした時行!?」

「あの…早矢さんと纏さんの衣装を買いたいのですが…」

 

 時行はそう言って裏ルートの衣装を見せた。

 

「これは10万葛飾ペイ必要だ。大丈夫だ。最高レア度の早矢と纏がいればすぐ…」

「やっぱりお前か。」

 

 大原部長が入ってくる。両津は冷や汗を掻いて大原部長を見る。中川がすぐにパソコンを調べると葛飾GOに様々なエロ要素を組み込んだ証拠が次々と見つかった。会長達が呆れた顔で両津を見る。

 

「間違いありませんね。」

「両さん。」

「両津〜!」

「酷い!時行をおとり捜査に使うなんて!」

「酷いのはお前だ!」

「すみませ〜ん!葛飾ペイをもっと増やそうと〜!」

 

 製作者本人が…と呟く会長。大原部長が両津をボコボコにする。この結果、不要な実装は全て取り消され葛飾GOは普通のアプリへと戻っていった。そして…

 

「葛飾区不名誉区民第一号のお前は葛飾区にいらん。葛飾からGOしろ。」

「部長!これだとこの世からGOしてしまいます!」

 

 大原部長や会長達が睨む中、発射寸前のロケットに縛り付けられた両津が今にも吹き飛びそうだった。

俺だ!星逃田だ!お前達にアンケートするために来たぞ!この俺と北条時行とのコンビが描くハードボイルドストーリー“逃げ上手の転生記〜ハードボイルド刑事星逃田〜”が見たいだろ!見たい!か期待している!で答えてくれ!みんなの投票とコメント、待っているぞ!

  • 見たい!
  • 期待している!
  • 別に見なくてもいい。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。