逃げ上手の転生記 〜亀有の破天荒警官と〜   作:虹武者

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時行と渚の漫才修行

 派出所の休憩室で時行と両津がテレビを見ている。お笑いコンビがネタを披露する番組だ。そこに渚が遊びにきた。渚も一緒にテレビを見る。

 

「このコンビが面白いですよね!」

「はい!いつも笑って見ています!」

「凄いですよね。こんな才能があるなんて…」

 

 テレビを見ている2人の顔が羨ましそうに見えた両津はニヤリと笑った。

 

「だったらお前ら、漫才やってみないか?」

「え?」

「丁度いいコンビがいる。」

 

 両津は中川と麗子を呼ぶ。

 

「何を隠そう。この2人が夫婦漫才のプロだ!」

「えぇ〜!」

 

 渚が驚く。中川と麗子も突然のことに困惑していた。

 

「お前ら!漫才の手本見せたれ!」

「今ですか!?」

「ねぇ、あれでいいのかしら?」

 

 2人は仕方なく始める。

 

「どーもー!麗子でーす!」

「圭一でーす!コマネチ!コマネチ!アンドリアノフ!チチおばけ!」

「誰がチチおばけや〜〜〜〜!」

 

 麗子のハリセンツッコミが炸裂する。時行と渚は若干引いていた。そこからも漫才は続く。漫才が終わり両津が感想を聞く。

 

「その…お二人のイメージが…」

「全然違いましたね…え〜と、こういうのをキャップというのでしょうか?」

「ギャップだよ時行君。それだと帽子になっちゃう。」

「お前ら…イケるぞ。」

 

 素でボケとツッコミをした時行と渚に両津は光る原石を見つけた。両津はさらに2人を漫才への道へ連れて行くため中川も連れてSt.フェアリー女学園へと向かった。両津が校門の前で待つ。

 

「凄いですね。こんな学校があるんですね。」

「ここに来る度侵入者扱いされるからな。今回はちゃんとアポを取っている。」

「ここで何を?」

「時行は見たことあるだろ。日光、月光の漫才。」

「あれですか。」

 

 両津が時行と会話していると学園長の飛燕碧が来た。

 

「お久しぶりですね。」

「そうだな。時行をグラビアアイドルにした時以来か。」

「え?」

 

 渚が時行を見る。時行はそっぽを向く。飛燕が両津達を案内する。その先に日光と月光がいた。2人とも両津に駆け寄る。

 

「「お久しぶりです師匠!」」

「相変わらずのザ・ピーナッツだな。」

 

 息の合った双子に渚はポカンとしている。

 

「「そんで!今日は何しに来たん!?」」

「時行と渚に漫才を教えたくてな。お前達の漫才を見せてくれ。」

「ええで!やるで!」

「よっしゃ!」

 

 日光月光の漫才が始まる。

 

「日光!」

「月光!」

「「お笑いライブや!」」

「今年はアイスピックの年やったなぁ!」

「それを言うなら…オリンピックや!アイスピックの年ってなんやねん!」

 

 怒涛のどつき漫才に2人は見入っている。日光月光の漫才が終わり満足した2人は時行と渚に聞く。

 

「「どやった!?」」

「お、面白かったですよ。」

「は、はい。」

「「良かったぁ!」」

「飛燕、2人を借りてくぞ。」

「外出許可は出しましたのでどうぞ。」

 

 両津は日光と月光も加えて大阪へと走らせた。大阪に着くと両津はスマホを見ながらどこか探していた。見つけたと言って向かった先にはホールがあった。そこでお笑いライブをしているみたいだ。

 

「ここに鼻子がいる。」

「「鼻子?」」

「「うちらの師匠やねん。」」

 

 両津が電話で鼻子を呼ぶ。その途中、偶然春と会ってしまった。春はすぐに両津に駆け寄る。

 

「何しに来たんやトーキョーモン!」

「今電話中だ。黙ってろ。」

「ここは大阪や。用が…中川さーん!」

 

 変わり身の早さに渚が驚く。そこに両津に呼ばれた鼻子が出て来た。鼻子を見た人達が黄色い声援を送る。両津達が鼻子に連れられ入っていくのを見た春は信じられへんと言って後をついで行った。

 

「久しぶりやなぁ!」

「人気急上昇してるじゃねぇか。」

「今じゃ大阪テレビのレギュラー3つもあるねん。」

「なんでトーキョーモンがスチャラカ鼻子と仲良く喋ってんのや…」

 

 春に中川が説明する。それでも信じられへんと両津を見ながら言う。両津は時行と渚に大阪の漫才を見せてほしいと言った。そこに春が食いつく。

 

「アホ!大阪の漫才やったらうちがやったる!」

 

 春が鼻子と組んで即席漫才を始めた。

 

「なぁ鼻子。大阪と言ったらやっぱりたこ焼きやな!」

「せやせや!こう…ホールインワンしたら気持ちええねん。」

「それはゴルフや!大きさと形ぐらいしか合ってへんで!」

「大阪って凄いのですね。」

 

 2人の息の合った漫才に時行が見惚れている。それに負けじと両津が中川を巻き込んだ。

 

「中川!わしらも東京漫才やるぞ!」

「は、はい!」

 

 両津と中川も春と鼻子の隣で漫才を始める。

 

「山田君、新幹線に乗るから切符を買ってくれ。」

「分かりました社長。…どうぞ。捻挫の時にはこれを貼ってください。」

「それは湿布だ!切符だ切符!」

「唇が乾くといけません。」

「それはリップ!」

「社長、これを…」

「それはチップ!日本じゃやらねぇだろ!」

 

 東西即席漫才に他の楽屋からいろんな人が見に来る。日光と月光も笑っていると自分達も参加しようと乗り出した。結果、3組による即席お笑いライブは大盛況に終わった。

 

「それで?こいつらにお笑い教えろと?」

「ええで。」

「よし!」

 

 ついでにうちも漫才教えたると春が参加し大阪漫才修行が始まる。

 

「これが本場の笑いやで!」

「え、え〜と…」

「漫才はリズムや!ズレるとつまらん!」

 

 鼻子達による修行が始まる。特に春が力を入れて通天閣署のみんなと共に2人に漫才を教える。なんでやねんとでんがなの嵐に2人は飲み込まれる。そして、修行の末…

 

 深夜番組『一芸キッズ大集合』にて

 

「「2人でリフティングを続けます!」」

「あの…的戸ディレクター?的戸ディレクター!」

「あぁ!お前が声かけたせいでショットミスったじゃねぇか!」

「す、すみません!あの…見なくていいんですか?」

 

 ADが聞くも的戸ディレクターは気にしてなかった。

 

「いいよテキトーで。どうせ子供が出れば視聴率はそこそこ稼げるんだから。」

「確認は…」

「テキトーでいい。深夜番組だからな。」

 

 再びスマホゲームをする。そこに時行と渚が来た。

 

「時行です!」

「渚です!」

「「トキナギです!」」

「あの2人なかなか美形ですよ。」

 

 ADの言葉に反応した的戸ディレクターが2人を見る。

 

「「漫才します!」」

「早速だけどツッキー。」

「僕は渚です。」

「私は将来なりたい職業があるんだ。」

「無視するんだ。」

「その職業はカッコよくて…」

「うんうん。」

「正義の味方で…」

「うんうん。」

「弱い人を助け…」

「もしかして警察官かな?」

「悪い人を刀でぶった斬る!」

「そんな物騒な職業ないよ!」

「そんな武士に私はなりたい!」

「武士は職業じゃないよ!」

 

 2人の掛け合いに的戸ディレクターがプッと笑う。そこに両津が来た。

 

「どうだ?」

「両津か。あの2人は?」

「時行と渚。2人ともわしの指導で漫才をやらせてみた。」

「可愛い上に面白いぞ。」

「だろ。」

 

 周りの人達も笑っている。2人の漫才は急に関西弁ドツキ漫才に変わる。

 

「変わった漫才だな。」

「東西漫才を組み合わせた。今までにない漫才を作る。」

「そういや、両親はこのこと知ってるのか?」

「問題ない。時行の保護者はわしだし渚の母親もわしなら大丈夫と了承してくれた。」

「よし。」

 

 両津はトキナギを売り込む。美形で可愛い上に新たな東西合体漫才が面白いと大好評だった。

 

「矢筒に矢を入れて…」

「その吹くじゃないよ!僕はリコーダーが吹きたいんだよ!」

「いい鈍器になりそうですね。」

「それは打つ!吹くだよ!吹く!」

 

 2人の漫才の人気が上昇していく。両津はトキナギチャンネルでも2人の漫才を流す。至る所からオファーの電話が止まらない。両津はマネージャーとして全ての依頼を引き受け2人を連れ回す。

 

「あの…両さん…キツいです。」

「休ませてください。」

「まだだ。漫才の流行り廃りは激しい。売れる時に一気に売り込む。」

 

 ヘトヘトになっている2人。両津はさらに依頼を受けるのであった。

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