逃げ上手の転生記 〜亀有の破天荒警官と〜   作:虹武者

136 / 228
音声録画の時代!

 ある日、超神田寿司で両津がテレビに何か設定をしていた。そこに蜜柑を背中に乗せてお馬さんごっこしていた時行がやってくる。

 

「何しているのですか両さん?」

「スマホとテレビを連動させている。」

 

 時行が気になって見る。

 

「これで…よし、出来た。見てろよ時行。…ビュームズ、起動して。」

 

 両津がスマホに話す。すると、テレビが点いた。時行は驚く。

 

「音声機能だ。ビュームズというアプリとテレビを連動させればスマホに話しかけるだけでテレビを操作することが可能だ。」

「凄い機能ですね。」

「今まではテレビ自体に話しかけるだけだったがこれならば離れたところから操作することが出来る。」

 

 両津はスマホにインストールしたビュームズというアプリを見せる。

 

「これの凄いところは何台でもテレビを繋げることが出来る。今は1台しか繋げてないが例えば離れたところにあるわしの部屋のテレビとも繋げるとこのテレビで録画した番組をわしの部屋のテレビで見ることだって出来る。」

「なんかよく分かりませんが凄いってところだけは分かりました。」

「それと…ビュームズ、落語の録画予約して。」

 

 両津がスマホに話しかける。すると、テレビの番組表が出てさらに落語に関する番組がいくつかピックアップされた。スマホにも同じ番組がピックアップされている。

 

「こうやって見たい番組の録画予約が出来る。タイトルが思い出せない場合でも説明欄をタップしてキーワードを言えば該当する番組をピックアップしてくれる。」

 

 両津が使い方を教える。時行はだんだん興味が湧いてきた。

 

「両さん、私も…」

「うーま!うーま!」

「わ、分かりました!」

 

 時行が両津に話しかけようとした時、蜜柑が時行の髪を引っ張り指示した。時行は慌ててお馬さんごっこを再開する。

 

「そーと、そーと!」

「えっ?このまま外に出るのですか?」

「時行もお兄ちゃんになってきたな。」

 

 両津は夏春都に言われた落語の番組を録画予約した。

 

 後日、両津の部屋で時行がビュームズを使って番組表を開いていた。

 

「何か録画したいものでもあるのか?」

「私がこの世界のテレビでどんな風に見られているのかが気になりまして。」

 

 時行はビュームズに北条時行と話しかけた。しかし、『すみません。該当する番組が見つかりませんでした。』とだけ出た。時行は無表情になる。

 

「まだだ。説明欄のところで出ているかもしれん。歴史上の偉人というタイトルで織田信長が出るようにな。」

「そ、そうですね。試してみます。」

 

 時行は説明欄をタップして再び北条時行と話しかけた。すると、1つだけヒットした。それが『足利尊氏の偉業〜南北朝の英雄〜』という足利尊氏の紹介番組だけだった。

 

「あの…私は…」

「説明欄を見てみるか。」

 

 番組の説明欄を見る。よく探すと『中先代の乱で北条時行を破り〜』とだけ出ていた。それを見た時行は愕然とする。

 

「私の人生…たった1行。」

「これからだ。」

 

 両津が励ます。そこに誰か来た。両津の知り合いみたいだ。

 

「両さん、本当に音声録画アプリを入れたの?」

「おお!藤田か!待っていたぞ!」

 

 眼鏡を掛けた男藤田を両津は招く。

 

「すまん時行。2人で話したいことがあるから少し席を外してくれ。」

「は、はい。」

 

 かなりショックを受けたのか時行はトボトボしながら部屋を出て行った。

 

「あの子は?」

「わしの養子だ。」

「両さんが養子?ガラじゃないでしょ。」

「それはわしが1番よく分かってる。」

 

 両津はビュームズの設定を弄くる。

 

「よし!これでオゲレツ番組を録画予約出来るぞ!」

「やったね!」

 

 2人は喜び早速録画予約する。

 

「ビュームズ!エロいの頼むぞ!」

『かしこまりました。』

 

 2人は期待して待っているが出てきたのは『セロリの魅力』という番組だった。2人はずっこける。

 

「なんでエロいとセロリを間違える!?セロリじゃなくてエロいだ!エロだエロ!」

 

 両津が叫ぶ。次に出たのは『9.11は何故起きたのか』という番組だった。

 

「それはテロ!エロだ!」

「両さん。他の方法を試そう。」

「そうだな。ビュームズ!女の裸を録画予約しろ!」

 

 両津が違うキーワードで探す。出てきたのは『女子競泳』だった。

 

「違う!全裸だ!女の全裸!」

 

 次は競馬番組が出た。

 

「そうじゃない!人間の女の全裸だ!」

 

 次は『ミロのヴィーナスの軌跡』という番組だった。

 

「生きてる人間の女の全裸だ!」

 

 両津が喉が枯れるぐらい叫ぶ。すると、全裸のおばちゃんがダンスする謎の番組が出てきた。それを見た2人は吐いてしまう。

 

「両さん…ちょっと休憩しよう。」

「そうだな…おかしいなぁ。ちゃんと成人設定はしたぞ。チャンネルも入ってる。故障か?」

 

 それから2人はエロい番組を録画するため悪戦苦闘していた。

 翌日、派出所でもビュームズを使ってエロい番組の録画予約を試していた。そこに大原部長が来る。両津は慌ててスマホを隠す。

 

「両津、何を隠した。」

「いやだなぁ〜。ただのスマホですよ。」

 

 両津は画面を元に戻して見せる。すると、大原部長が興味を持ったのか頷いていた。

 

「それはなんだ?」

「ビュームズという遠隔でも録画予約が出来るアプリです。」

「そうか…そうだ両津。それで全国警察24時を録画予約してくれんか?」

「なんですかそれ?」

 

 大原部長が両津の質問に呆れる。

 

「お前も警察官なんだからそれぐらいは知っておけ。全国警察24時はその名の通り全国にある警察署の仕事を24時間密着取材する番組だ。今度、そこがうちの署を取り上げるということでそれを警視庁の皆さんに見せたいのだ。」

「イメージアップですか?」

「そうだ。お前のせいで評判は地下の底…いや、地獄の底だからな。」

「両津先輩。そこまで言われるって相当ですよ。」

 

 両津はから笑いする。

 

「それで出来るのか?」

「出来ますよ。部長の家のテレビが連動可能なら部長のテレビで録画することも出来ますよ。」

「そうか!それなら是非わしの家でやってくれんか!」

 

 両津はその日、大原部長の家に行きビュームズとテレビを接続させた。

 

「良かったですね。連動可能なテレビなのでこれでいつでも録画予約が出来ますよ。」

「良かった!」

「なんなら、ダビングしてと言えばDVDに移すことも出来ます。」

「そうか!これで少しは楽になるのかね?」

「ええ。最近はAIが発達していますからね。Siriのように頼むだけで自分で考え買い物するぐらい優秀なので。もし、リモコンを無くしてもこれさえあれば問題ない時代が来ますよ。」

 

 両津が使い方を教える。大原部長のスマホにもビュームズを入れる。大原部長は慣れないスマホで頑張るもなかなか上手くいかない。

 

「まぁ、何かあったらわしに言ってください。」

「そうしよう。頼むぞ両津。」

「分かりました!」

 

 後日、両津は自室で大原部長に頼まれた番組を探す。一緒に時行もいる。

 

「この時代劇何度見ても面白いですよね!」

「これ録画したいか?」

「はい!」

「丁度部長の番組と被っている。これはいい。」

 

 両津は時行に2つ同時に録画予約するところを見せた。

 

「昔は1つしか録画出来なかったから片方録画してもう片方はリアタイで見るが主流だった。最近は2つ同時に録画出来るテレビが増えたがそれでも限界があった。だが、このビュームズは全チャンネルを同時に録画することが出来る。」

「わ、私には理解出来ない世界になってます。」

 

 両津が試しにと全てのチャンネルで録画予約した。大原部長が頼んでいた『全国警察24時』、時行が楽しみにしている時代劇、ニュース、バラエティ番組と並んでいる。すると、両津は録画予約していた番組の中にオゲレツ番組があるのを見つけた。心の中でよっしゃあと叫ぶ。

 

「どうだ時行。凄いだろ?」

「凄いです。」

 

 時行に褒められ満足気な両津。そのまま全てのチャンネルの番組を録画予約した。

 後日、両津はダビングしたDVDを大原部長に渡す。

 

「すまんな両津。」

「いえ!ビュームズさえあれば時間、場所問わず全てのチャンネルを同時に録画することが可能なんで便利ですよ。」

「そうか。」

 

 大原部長はDVDを持って警視庁へと向かった。

 

「昔は録画するだけでもDVDレコーダーとかいろいろ必要でしたね。」

「その分、接続がめんどくさかったりタコ足配線の原因になった。今はテレビだけでも様々な機能がある。今の時代は電化製品1つであらゆる機能が着く時代だ。これからは電化製品が自分で考える時代が来る。学習すれば自分で洗剤とか入れる洗濯機、設定しなくても自分で汚れを見つけ掃除する掃除機、食材を入れるだけで適切な温ため時間にしてくれる電子レンジ…」

「わ、分かりました両津先輩!」

 

 椎名が話を切り上げる。そこに電話がきた。藤田からだ。両津は電話に出る。

 

「なんだ?」

『両さん。またとれてないよ。』

「そんなはずはない。ちゃんと確認したぞ。」

『でも、DVD入れて見たら全国警察密着24時だったよ。』

「え…」

 

 両津の汗が凄いことになる。あの日、全国警察密着24時と時代劇とオゲレツ番組をダビングした後どうやら藤田に渡すDVDを間違えてしまったらしい。ってことはオゲレツ番組のDVDを持っているのは…

 

「部長…」

 

 両津は声だけ笑っているが顔は硬直していた。大原部長はもう警視庁に行っている。今から行っても間に合わない。両津はその場を離れようとする。

 

「両さん?」

「と、時行か…わしはちょっと行きたいところが出来た。」

「?」

 

 一方、警視庁で新葛飾署が取り上げられた全国警察密着24時を見せようと屯田署長と大原部長が警視総監達の前で準備していた。

 

「え〜。これから我が署の働きを人気テレビ番組で紹介したいと思います。」

 

 大原部長がDVDを入れて再生した。その瞬間、オゲレツ番組がスクリーンに映し出された。警視総監達はびっくりしている。屯田署長も顔が青ざめ大原部長を見る。

 

「大原君、これは…」

「い、いえ…その…」

 

 後日

 

「両津はどこだぁ!変態くそ野郎の両津はどこにいるぅ!」

「家電の未来が見たいと言って燕三条というところに行きました!」

 

 バズーカにショットガンに剣を装備した大原部長が派出所に突撃する。その大原部長に両津の行き先を教える時行であった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。