食事を終え温泉に入る。財宝探しで疲れた体を癒やす両津達。
「いい湯だ!」
「気持ちいい〜!」
隣では纏達も湯船に浸かっているようだ。
「とりあえず明日、朝早く起きて財宝探しを再開せんとな。」
「両津、闇雲に探しても見つかるはずないだろ。」
「もちろん資料はちゃんとある。なんせ、千万石以上の財宝だ。見つかったら絶対ニュースになる。」
両津が笑っている。
「そう言えば夏春都が言ってた用事ってなんだ?」
「超雅の支店を福岡や愛知などに出すかどうかの意見を私に聞きに来てました。」
両津が憂鬱に聞く。その時、ボルボがまた警戒しながら立ち上がった。なんだと両津も立ち上がるとブクブク泡が立ち始めた。そこから筋骨隆々のおっさんが現れる。
「聞かせてもらったぞ足利の財宝。」
「お前も足利四傑衆か!」
「左様。穴山コロ介なり。」
「その名前でなりとか言うな。」
穴山が指を鳴らす。その瞬間、両津達の周りに忍者軍団が現れた。ボルボはすぐに桶に隠していた拳銃を取り出し構える。
「お前らの持つ足利の財宝の情報、全て教えてもらおうか。」
「なんも分かっとらん!それに分かったところでお前らなんかに言うか!」
「なら、言いたくなるようにするだけだ。」
穴山が手を前に出す。それを合図に忍者軍団が一斉に襲いかかる。両津達も対抗する。腐っても警察官。素手での戦闘ももちろんいける。投げ飛ばしたり蹴り飛ばしたり大立ち回りだ。
「うるさいよ勘吉!」
「今それどころじゃねぇ!」
夏春都が叫ぶ。忍者の数が多い。本田のところに来た忍者を憂鬱が殴り飛ばす。
「ナイスだ!」
「剣術ならもっといけるのですが…」
「充分だ。」
このままではジリ貧だ。すると、両津は酒瓶を持ち出し時行に飲ませた。
「両津!?」
「時行、あの悪い奴らにお仕置きしてこい。」
「悪い奴に…お仕置きら〜!」
後ろにいた忍者をヒップアタックで吹き飛ばす。そのまま周りにいた忍者軍団をケツで吹き飛ばしていく。その1人が敷居を破り女湯まで吹き飛ぶ。纏がなんだと見ると忍者軍団を時行がケツでシバいていた。
「何があったカンキチ!?」
「昨日の忍者軍団だ!」
纏達はすぐに逃げる。穴山は冷静に状況を把握する。そこに左近寺が掴みかかるもヌルッとして掴めない。
「なんだこれは!?」
「これが我が忍術。ヌルヌルの術だ。」
「だせえ。」
「くらえ!ヌルヌル忍法!」
そう言って穴山はスタンガンを起動させたまま湯船に放り投げた。両津達が慌てて逃げる。
「ビリビリドボンの術だ。」
「どこが忍術だぁ!」
両津が叫ぶ。周りを忍者軍団に囲まれる。その時、どこからか声が聞こえてきた。
「この声は…」
「股間のモッコリ伊達じゃない陸に事件が起きた時、海パン一つで全て解決…特殊刑事課三羽ガラスの一人、海パン刑事──ただ今参上ッ!」
上を見る。屋根の上に海パン刑事がいた。海パン刑事はジャンプして飛び降りると瞬く間に忍者軍団を蹴散らした。
「ヌルヌル忍法…ヌメリ玉!」
穴山が投げたボールを避けキックする。穴山は両腕で防御して下がる。
「面倒な奴が来たか。…撤退する!」
穴山が消える。そこから次々と忍者軍団が消えた。危機は去った。しかし、安心出来ない。両津達は着替え大広間に入った。
「なんでお前が来てるんだ?」
両津が海パン刑事に聞く。その後ろでは時行が海パン刑事に警戒しながら威嚇する。
「先日、戦国歴史資料館に何者かが侵入し保管されていた仏像が盗まれた。」
「仏像?」
「高師直が足利尊氏を神格化させるために作った仏像だ。」
「それってこれですか?」
憂鬱が海パン刑事に仏像を渡す。
「正しくこれだ。」
「憂鬱、これどこにあった?」
「湯船に浮かんでました。」
「盗んだのはあいつか。」
海パン刑事が仏像を海パンにしまおうとしたところを両津が止める。
「待て海パン刑事。そんな大事な物を海パンに入れるな。それに、あいつらが盗んだ理由が分からないとまた取り返しに来るかもしれん。ここはわしらが責任持って預かるから海パン刑事はあいつらを追ってくれ。」
(絶対財宝絡みだ。)
纏が確信する。
「分かった。それとその仏像が盗まれた時間と同時刻に鎌倉市の博物館から壺が盗まれた。」
「壺?」
「足利尊氏が使っていた壺と言われている。何に使ったかはまだ分かっていないが中には唾液が大量に入っていたという。」
海パン刑事の話に両津達は吐きそうになる。時行は心当たりがありすぎて頭を抱える。両津は時行を見て何かあると確信しまた2人っきりになる。
「時行、唾液と尊氏で思い当たることはないか?」
「尊氏は佐々木道誉の娘魅魔に自身の唾液を飲ませ神力を増幅させてました。」
「何?尊氏の唾液ってそんな効果があるのか?」
「はい。尊氏は自身の唾液を通して相手に神力を与えていたみたいです。」
両津が絶句する。大広間に戻る。それと同時に小幸も来た。
「すみません!巻物の解読に夢中で…何かあったんですか?刑事さんまで来て。」
「実はさっき忍者軍団に襲われまして。」
桔梗の言葉に小幸が驚く。そこに蜜柑を連れて檸檬が来た。
「カンキチ。これ以上は危険ではないか?」
「確かに危険だ。しかし、ここで逃げる両津勘吉じゃあないぞ。必ず足利尊氏の財宝を手に入れてやる!」
(そもそも尊氏に財宝なんてありましたっけ?)
時行は考えている。海パン刑事は引き続き穴山達を追うため分かれた。両津達は場所を変え早矢の家に向かった。相変わらずの豪華絢爛かつ荘厳華麗だった。本田達は応接間へ、両津達は剣之介がいる大広間へ入る。
「いつ来ても心臓が保たん。」
両津達が気圧されてしまう中、夏春都だけは冷静だった。
「この度は超神田寿司支店を磯鷲武道館に入れていただき感謝しています。」
「うむ。こちらこそ寿司店として名高い超神田寿司が来てくれたこと、真に誇りに思う。」
息が詰まるような雰囲気に両津達は参る。大広間から出ると激しい運動をしていないのにクタクタになった。
「情けないね。シャキッとしな。」
「ばあちゃん、あれはキツいよ。」
「無理だ。あの威圧はもう体験したくない。」
「やっぱり凄い方ですね。」
「そうだ。勘吉、あんた超神田寿司磯鷲武道館支店の店長やりな。」
「嫌だ!」
両津達が応接間に入る。そこには巻物解読に勤しみ小幸達がいた。
「先輩、ここの威圧感が凄すぎて息が詰まりそうです!」
「まぁ、トップレベルの武闘家達の総本山みたいなところだ。さすがの忍者軍団もここに襲撃しようなんて考えはしないだろ。」
両津の言う通りこの日はこれ以上忍者軍団による襲撃はなかった。しかし、磯鷲家を遠くから見ている虚無僧はいた。
翌日、足利尊氏の縁の場所を探しながら財宝の手掛かりを探す。夏春都や憂鬱は剣之介のところで支店の話をするための残った。
両津は時行に足利ゆかりの地を聞くも中先代の乱の舞台となった女影原、小手指原、府中、 武蔵井出の沢といった京都以外の場所ばかりだった。
「時行が死んだ後の足取りを追った方がいいか。」
「そうですね。」
「なぁ、足利尊氏と後醍醐天皇で何か思い当たるところはないか?」
「あるわ!今から行く天龍寺がそうよ!」
小幸の案内で天龍寺に向かう。その後ろを虚無僧が覗いている。すると、両津達がコソコソ話をしたと思ったらバラバラに動き始めた。虚無僧は両津を追いかけようとする。そこに時行が飛び降りてきた。
「あなたは誰ですか!?」
虚無僧は下がったがその先に両津が伸し掛かった。
「捕まえた!」
「ま、待て!」
聞いたことある声。両津が天蓋を外すと小金丸だった。囲んでいたボルボ達が驚く。
「小金丸!?なんでお前がここに!?」
「どうしても北条君を忍者にしたくてな。覗いてみたら足利尊氏の財宝と聞こえたから後を着けたんじゃ。」
「じゃあ、一昨日纏さんの家で感じた視線は…」
「わしじゃな。」
「あの時いたのかよ!」
両津がツッコむ。
「じゃあ、なんであの時加勢に来なかった!?」
「あの時は忍びの格好していたから紛らわしいと思ったのじゃ。」
「だからって虚無僧はないだろ!」
「新幹線に乗った時も目立たないように虚無僧でつけてたぞ。」
「余計目立つわ!」
両津が天蓋を叩きつける。小金丸をパーティーに加えて天龍寺に向かう。天龍寺に到着するとすぐに怪しいところを探す。時行も中に入り怪しいところを探す。
「足利尊氏が後醍醐天皇の冥福を祈るために創建した天龍寺…尊氏なら…」
時行は考える。何度も延焼したという天龍寺。何かあったとしてももう燃えているだろう。だったら怪しいのは下、地下だ。時行は外に出て下を向きながら探す。すると、小さな祠を見つけた。パンフレットには載っていない祠。時行は祠を見て直感した。すぐに両津を呼ぶ。
「確かにいかにもな祠だ。」
両津が祠を調べる。石で出来たかなり古い祠だ。しかし、祠の中には何もない。両津が掃除すると何かをはめる窪みがあった。もしやと思い持っていた仏像をはめる。丁度だ。両津は仏像を回してみる。その瞬間、ドドド…という音が聞こえた。
「どこだ!?どこから聞こえた!?」
「下ですよ!」
時行が叫ぶ。すると、祠の下が開いた。中にはアタッシュケースぐらいの大きさの木箱があった。
「これが千万石の価値がある財宝?」
両津は木箱を取り出す。その瞬間、鎖分銅が飛んできた。2人が避けると長髪の青年が鎖分銅の付いた大鎌を持っていた。
「お前も足利四傑衆か!」
「その通り。由利緒鎌之助。よろしく。」
「オカマの…スケ?」
「緒鎌之助!」
緒鎌之助は鎖分銅を操り2人を攻撃する。2人は避けそのまま逃げる。その先にボルボ達がいた。こちらに気付く。後ろの緒鎌之助にも気付く。
「両津!あいつは誰だ!?」
「昨日の忍者の仲間だ!とにかく逃げるぞ!」
突如現れた緒鎌之助に観光客達はパニックになって逃げる。途中、合流した纏達も両津と一緒に逃げ出した。
「カンキチ!なんなんだあいつ!?」
「これ狙ってきた忍者だ!」
「あんな派手な忍者いるか!?」
「ここにおるぞ。」
「お前が戦え!」
いつの間にかいた小金丸を両津は緒鎌之助の前に蹴り飛ばす。緒鎌之助は鎖分銅を投げる。小金丸はそれを避けると背中の巨大手裏剣で応戦した。その隙に両津は木箱を開けようとするも蓋どころか取っ手すらなかった。あるのは掠れた文字と何かを入れる穴だけだった。
「なんだこれ?どうやって入れるんだ?」
「神の力、ここに注がれん。そう書いてありますね。」
小幸が掠れた文字を読んでくれた。
「神の力?なんだそれ?そんなもんどうやって入れるんだ?」
「入れるじゃなくて注ぐってことは水か何かだろ?」
みんなで考える。神の力を宿した水…液体…足利尊氏…そして1つの答えに辿り着いた。
「…足利尊氏の唾液。」
「最悪だ…」
鎌倉の博物館から盗まれた壺に入っているという足利尊氏の唾液。それが開けるのに必要だと結論着いてしまった。その時、どこからか声が聞こえた。
「その通りや!よくそれを見つけてくれた!」
両津達の前に現れた男。がっしりとした体型のチャラそうな男だった。
「お前が最後の足利四傑衆か。」
「正解や。俺の名は筧勘十蔵。」
「家系…かんじゅうぞ?」
「勘十蔵や!」
勘十蔵が構える。
「さっさとそれ寄越しや。痛い目見とうないやろ。」
「断る!」
両津は逃げる。代わりにボルボと左近寺が前に出た。2対1だが勘十蔵は凌いでいた。
「こいつ、やるぞ。」
「あかんなぁ。時間がもったいない。じゃあ…忍法!…」
勘十蔵が茂みに消える。すると、地響きと共に戦車が出現した。
「クルセイダー!」
「どこが忍法だ!ただの戦車じゃねぇか!」
クルセイダーに乗り込んだ勘十蔵が砲撃する。ボルボ達は戦車に対する武器を持ってないため両津達のところへと逃げる。両津もクルセイダーに気付く。
「待て!なんで忍者がクルセイダーなんかに乗ってるんだ!?」
砲撃が両津達を襲う。その時、根津が現れ小幸を捕まえた。
「小幸さん!」
「この女の命が欲しければそれを持って来い。」
そう言って去って行く。
「くそ!」
「両さん!」
迫るクルセイダー。京都中がパニックになる。両津は選択を迫られた。
一方、アジト
そこに氏々と男がいる。
「予定通りに進んでいます。」
「そうみたいだね。頼んだよ師珍。」
「畏まりました。」