ある日の超神田寿司、纏がいつものように卵を焼いている。そこに板前が来た。
「纏さん。両津さんが家族連れで来店しましたよ。」
「はぁ?」
纏が驚く。両津は今寿司の出前に行っているはずだ。なのに家族連れで食べに来るなんてと思い覗く。確かに両津だ。しかし、眼鏡を掛けて知的そうに見える。隣には美人と幼い子供がいる。
「確かにカンキチだけど…」
纏はコソコソ覗いていても仕方ないと出る。
「カンキチ!」
急に呼ばれてびっくりする両津。
「出前はどうしたんだ!?」
「うーっす!」
そこに帰ってきた両津。纏は目を丸くさせる。似た顔が2人いる。両津は纏を見た後座っている客を見た。客も両津を見て驚いている。
「兄さん!」
「金次郎か。」
「え?え!?」
しばらく経って
「こいつは金次郎。わしの弟だ。」
「初めまして。弁護士をしています。両津金次郎です。」
お辞儀した金次郎が纏に名刺を渡す。纏はまだ信じられないという顔をしている。そこに夏春都が来た。両津と金次郎を見て一瞬驚く。
「あんた、勘吉の弟かい?」
「はい!両津金次郎と申します!」
「そうか。お前ら初めて会うか。」
両津が納得したのか頷いていた。
「金次郎。こっちは擬宝珠纏。わしらの又従姉妹だぞ。」
「ええ!?」
「そして、こちらが擬宝珠夏春都。勘兵衛の妹だ。」
「ええ!!?」
金次郎が驚く。
「無理もないよ。私も勘吉に弟がいたことを初めて知ったからね。」
夏春都は金次郎を観察する。すると、微笑んだ。
「両津家の男にしては真面目そうでいいじゃないか。」
「悪かったな不真面目で。」
「両津家の男はテキトーな奴だらけだからね。」
「実感しています。」
カラ笑いしながら話す金次郎に両津は気不味そうになる。
「気に入ったよ。お代は勘吉の給料から引くから好きなもん頼みな。」
「おい!」
「あんたも弟に奢るぐらいしたらどうだい?」
両津は何も言えなくなる。両津が了承したことで金次郎は両津の奢りを受け取ることにした。両津が板長として立つ。
「兄さんが寿司屋で働いているなんて驚きだよ。」
「ほとんど手伝いみたいなもんだ。」
両津は京子を見る。食べれる寿司がないようだ。
「よし!京子ちゃんにはいなり寿司なんてどうだ?」
「いいんですか?お願いします。」
両津はいなり寿司で熊を作って京子に出してあげた。それを見て喜ぶ京子。
「兄さん凄いね。」
「カンキチは見た目に依らず器用で優しいんだよ。」
「見た目は余計だろ。」
「本当だね。」
「おい!」
寿司を食べ終えた金次郎達。すると、夏春都が出ようとした金次郎を止めた。
「折角だからうちに泊まっていかないかい?もちろん、好きにしていいよ。」
金次郎と景子が顔を見合わせ頷いた。
「では、お言葉に甘えていただきます。」
夏春都が快く受け入れ案内する。広い部屋に入ると時行が蜜柑を背中に乗せてお馬さんごっこしていた。金次郎に気付いた時行が挨拶する。
「金次郎さん、お久しぶりです!」
「久しぶりですね。」
京子も混ざりみんなで遊ぶ。そこに檸檬が来た。初めて見る金次郎に目を丸くする。
「カンキチが…2人?」
「檸檬、こいつはわしの弟の金次郎だ。」
「初めまして。両津金次郎です。よろしくお願いします。」
「ぎ、擬宝珠檸檬じゃ。」
檸檬は景子と京子にも挨拶する。京子も背中に乗せお馬さんごっこの続きをする。他の板前達が両津の弟ということで金次郎に興味を持っている。
「あの人が両さんの弟?」
「全然違う。板長と全然違うよ。」
「品があるよ。両津さんの顔なのに。」
「聞こえとるぞ!」
無茶苦茶言われる両津。板前達を追い払い戻る。
「カンキチが兄って大変じゃないか?」
「大変でしたよ。兄さんと違うことをしたら弁護士になれました。」
「あ〜。」
「当に反面教師だね。」
両津は何も言えなくなる。時行がカラ笑いしている。
「折角だし聞きたいね。金次郎さんと勘吉の昔話。勘兵衛も勘吉も何も言わないから。」
「そうですね…」
金次郎は中学に入試試験に行く時の話をした。難関校に受かると信じてくれたこと。川に落ちた受験票を取ってくれたこと。そして、合格祈願の御守りをくれたこと。
それを聞いた纏が信じられない顔をして両津を見ている。時行はまだ聞いてなかった昔話に目をキラキラさせていた。
「カンキチにもちゃんとしたところがあるんだな。」
「悪かったな。普段ちゃんとしてなくて。」
「本当に悪いよ。」
その後に遊んでばっかりで勉強の邪魔になったことを話す。みんな納得する。両津は頬をピクピクさせる。次に金次郎は迷子になった時に両津が捜しに来てくれたことを話してくれた。
「あの時は嬉しかったよ。」
「お前は方向音痴だからわしがいないとすぐ迷う。」
両津が笑う。金次郎は他にも景子との結婚式を盛大に祝ってくれたことを話してくれた。その時に景子が中川の遠縁だと知った。
「じゃあ、カンキチは中川さんと親戚ってこと?」
「そうなる。」
「中川さん、大変だな。」
纏が中川に同情する。両津も中川と親戚ということを利用していろいろとやっていたため強く言えない。それから金次郎は娘の京子が産まれた時も盛大に祝ってくれたと話した。
「勘吉は見た目に依らず子煩悩だし子供に対しては優しいね。」
「うむ。カンキチは見た目に依らず子供に優しいぞ。」
「確かに両さんは見た目に依らず優しいですね。」
「お前ら、見た目に依らずを入れんとわしを説明出来んのか…」
両津が嫌な顔をする。今度は纏が両津との思い出を話す番だ。初めて会った時にベーゴマ対決して両津をビンタしたことを話す。金次郎はえぇ…という感じで両津を見ている。両津はそっぽを向いている。
「兄さん、昔から負けず嫌いだったからね。」
「さすがにあれはひどかったよ。」
続いて纏は両津と結婚しそうになった話をした。それを聞いた金次郎は驚き時行は拍手していた。
「ここで初めて夏春都が勘兵衛の妹だと知ったな。」
「私も驚いた。」
両津と纏が目を反らす。結局、結婚は破談となった。そこからも纏が警察官を目指したきっかけが実は両津だったり祭りでいろんなハプニングがあったりと様々な出来事を話した。
「大人になってもハチャメチャだね兄さん。」
「人生は普通一度っきりだからな。存分に楽しまんと損だ。」
「その結果がこれだよ。」
夏春都ご両津の頭を何度も叩く。時行の背中に乗っている蜜柑も叩く。いつの間にか蜜柑と京子が仲良くなっていた。蜜柑と京子をそれぞれ桔梗と景子が抱きかかえる。時行は両津の隣で胡座をかく。そこに檸檬も来る。
「レモンの知らぬカンキチが聞けて良かったぞ。」
「僕も知らない兄さんのことをいろいろと知れて良かったです。」
「これからは何かあったら金次郎さんに相談するのがいいね。」
みんなで笑い合う。そこにお酒が提供される。みんなで飲もうということだ。時行達はオレンジジュースで乾杯する。両津が注ぐ酒を金次郎が飲む。
「飲め飲め!今日は無礼講だ!」
「あんたは自制しな。酒飲むと暴れるんだから。」
夏春都が厳しく言うも両津は今日だけは見逃してほしいと懇願する。夏春都は呆れるも今日だけだと認める。蜜柑と京子が寝てしまうと桔梗と景子が別の部屋に行き寝かせる。その間もみんなで飲んでいた。
「へぇ~、アマチュア無線の免許なんてあるんだ。」
「わしが取ってない数少ない免許の1つだ。金次郎もわしと同じ凝り性だからな。」
「そこは両津家と同じなんだね。」
「ええ。これだけは兄さんに負ける気はしないよ。」
金次郎が笑う。
「兄さんも時行君を養子にしたと知った時は驚いたよ。」
「全然似てないよな!」
「うるさい!」
両津がガブガブ飲む。さすがに飲み過ぎだろうと纏が酒を取り上げる。
「おい纏!」
「カンキチ〜、さすがに飲み過ぎだよ。」
「確かに!」
他の板前達も纏に賛同する。纏は両津から酒を遠ざける。
「可愛いかったのぉ。」
「はい!私も妹がいたらこんな感じになっていたのでしょうか?」
その酒を檸檬と会話していた時行が飲んでしまった。両津が気付くも時すでに遅し。
「纏…」
「え?…あ…」
「?」
纏も両津に言われて気付く。時行は既に酔っていた。
「時行、大丈夫が?」
「へやぁ〜。」
「大丈夫じゃないのぉ。」
「檸檬、それじゃあ済まねえ。」
両津と纏が逃げようとする。すると、時行がフラフラしながら2人に近付いた。
「どこ行くんですかぁ〜?」
「い、いや…わしらは飲み過ぎたから夜風に当たろうかなと…なぁ纏!?」
「そ、そうだぞ時行!」
「まだまだ夜は長いですよ〜。」
時行が両津の前でくるりと回る。その瞬間、両津にヒップアタックを炸裂させた。吹き飛ぶ両津。纏は逃げようとするも先回りされて胸にヒップアタックされた。
「時行!?」
「どんな酔い方してんだい?」
板前達が時行を落ち着かせようとするも時行は避けながら板前達にヒップアタックする。それを金次郎は離れながら見ている。
「あの酔い方は兄さん似だ。」
「酒癖の悪さが移ったのか?」
(大昔の人はこんな酔い方してたのかい?)
避難した金次郎達は両津や板前達にヒップアタックする時行を見て慄いていた。
逃げ上手の転生記 〜亀有の破天荒警官と〜が150回を突入した記念としてアンケートします!逃げ上手の転生記の新シリーズの候補として銀魂とルパン三世のどちらかに時行を行かせたいと思います。どちらの逃げ上手の転生記が見たいですか?
-
銀魂
-
ルパン三世
-
その他