逃げ上手の転生記 〜亀有の破天荒警官と〜   作:虹武者

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星逃田のハードボイルドストーリー2

 久しぶりだな。俺の名前は星逃田。決しておでんでも禿田でもにげたでもない。

 そう。帰ってきたのだ。星逃田と相棒北条時行が繰り広げるハードボイルドストーリー“逃げ上手の転生記〜ハードボイルド刑事星逃田〜”が。

 

「一体なんですかこれ?」

 

 彼が相棒の北条時行だ。子供だが刑事顔負けの活躍をするハードボイルドな少年だ。今日も相棒と共に東京を駆け抜ける。いつの時代も犯罪が消えることはない。それは俺がここにいるのに充分な理由だ。

 

「今日も犯罪を1つても減らすために俺は行く。」

「今回は車検というものは大丈夫なのですか?」

「大丈夫だ。問題ない。」

 

 煙草の煙が東京へと消える。いつの時代も最高のご褒美は仕事が終わった後の一服だ。

 

「まだ何もしてませんよね?」

「これからだ。」

 

 仕事を始める前の一服とはまた違った味がするのさ。

 

「私には分かりません。」

 

 いずれお前もタバコが似合う男になるさ。

 

「この前も言いましたね。」

 

 相棒が俺の顔を見ている。フッ。そんなに俺のダンディーな顔が気になるか。それもそうだろう。俺のような男は世界探してもいないのだから。

 

(頭がパカパカしてる。)

 

 今日も平和の裏では犯罪が横行している。俺達はそんな犯罪から人々を守るために走り続けるのだ。分かるか相棒?

 

「分かります。」

 

 さすがだ。お前も俺の相棒ハードボイルド真っ裸刑事になってきたな。

 

「その呼び方は止めてください。」

 

 何故、俺の頭の中読めた?相棒がこっちにジト目で見ている。

 

「そうか。」

 

 ん?あれは…コンビニの前に不審な車。

 

「普通じゃないですか?」

 

 いや、俺の勘が言っている。あの車は怪しいと…やはり!拳銃を持った覆面の2人組。あれはコンビニ強盗だ。あの手際の良さ。相当シミュレーションしてきたのだろう。だが残念だ。俺を想定していなかったことがお前達の敗因だ。

 

「さっさと追いましょう。」

「まだだ。」

「なんで?」

 

 俺がかっこよく決まってない。

 

「早く追いましょうよ!」

 

 この構図がいい。よし。追うぞ。

 

「もう見えなくなりましたよ。」

 

 安心しろ相棒。この辺りの道は全て覚えている。だから…ほぅら、すぐ後ろに着けた。

 

「これは凄いですね。」

 

 もっと褒めていいんだぜ。コンビニ強盗は高速道路に入ったか。ここからが本番だ。俺の華麗なカーチェイスを披露しよう。

 

「荒い運転だけは止めてください!」

 

 

 相棒が口を抑える。乗り物酔いしやすい体質か?大丈夫だ。俺の運転は…ここでいい曲を頼む。

 

『プランA』

 

 なんか違う。全然ハードボイルドじゃない。

 

「あれ?今凄い侮辱された気が…」

 

 次だ次。

 

『葛飾ラプソディー』

 

 これも違う。

 

『ブウェーのビヤビヤ』

 

 全然違う!次だ!

 

『淑女の夢は万華鏡』

 

 乙女チック過ぎる!全然ハードボイルドじゃない!もっとハードボイルドな曲を出せ!

 

『夏が来た!』

 

 今、冬だぞ!

 

『スマイル』

 

 違ーう!こち亀にはハードボイルドな曲は無いのか!?

 

『鎌倉STYLE』

 

 ここ東京だぞ!それに、全然ハードボイルドじゃない!

 

「そろそろ怒られてください。」

 

 いいのを出せ!

 

『EverybodyCanDo!』

 

 …ん〜。これが一番マシか?とりあえず次聞かせろ。

 

『気持ちだよ』

 

 泣けてくる。いい曲だ。けどカーチェイスには合わない。

 

『語れ! 涙!』

 

 これがいいかもしれん。俺にピッタリの曲だ。これとさっきのEverybodyCanDo!を流せ。これで行こう。俺の運転は…神速を超える。

 

 語れ! 涙!とEverybodyCanDo!をバックに流し首都高速を爆走して追いかける。コンビニ強盗の車も他の車を避けながら逃走する。それを見失わないように星逃田は愛車を爆走させる。星逃田が劇画チックになる。時行も劇画チックになっている。

 

「俺から逃げようなど…不可能だと教えてやろう。」

 

 相手の運転もなかなかやるが俺には敵わない。徐々に追い詰めて行く。そして、逃げ切れなかったコンビニ強盗は運転を誤り分離帯に激突した。

 

「フッ。これで解決。」

「早く捕まえましょう。」

 

 応援を呼びコンビニ強盗を逮捕した。パトカーに乗せられるコンビニ強盗を煙草を吹かしながら見る。すると、また通報がきた。

 

『亀有銀行で強盗犯が立て籠もっている模様。至急応援を要請する!繰り返す!…』

「まったく。この街は退屈しないな。」

「平和な退屈を私は望みます。」

「俺もだ。」

 

 亀有銀行へ向かおう。俺の愛車ならすぐさ。ほらな。すぐ着いた。

 

「いつの間に!?さっきまで首都高というところにいましたよね!?」

 

 気にするな。早速、現場に向かうぞ。既に警官隊が到着しているか。俺達も…

 

「ちょっと待ったぁ!」

 

 両津に蹴られ吹き飛ぶ星逃田。

 

「何をする!?」

「危ねえ!今回は2000字以内に出れたぞ!」

 

 両津がはぁはぁ息を荒くする。

 

「毎度毎度面倒くさい登場しやがって。」

「俺が主役なんだ!今回お前は脇役だ!」

「うるさい!主役はわしと時行だ!」

「いや!俺と相棒だ!次からは…」

 

         逃げ上手の転生記

   〜ハードボイルド刑事星逃田〜

 

「ちょっとアレンジしてんじゃねぇ!」

「次回からはタイトルをこれにする!」

「ふざけるな!」

 

 2人が睨み合う。疲れた時行は中川のところに行く。

 

「あぁ…安心します。」

「相当大変な目にあったようですね。」

「勝負だ!勝った方が主役だ!」

「望むところだ!」

 

 両津と星逃田が睨み合う。

 

「勝負内容は銀行強盗を逮捕した方が勝利だ!」

「よし!」

 

 2人が銀行へ突撃しようとする。それを大原部長が止めた。

 

「バカモン!今、こちらで対策会議をしているのだ!軽率な行動で乱すんじゃない!」

「麗子先輩。あの凄く濃い人誰ですか?」

「さぁ?」

 

 椎名の質問に麗子が笑いながら誤魔化す。

 

「確認出来た強盗犯は3人。全員、拳銃を所持している。顔は目出し帽で分からないが言動から全員男性と判明。」

 

 対策会議では警官隊を率いる隊長が情報を整理していた。

 

「人質は10人。要求はまだです。銀行の裏手に不審な車を発見しました。おそらく逃走車両でしょう。」

「ここは交渉から…」

「わし「俺に任せろ!!」」

 

 突然、両津と星逃田が会議に参加する。

 

「なんだお前達!?」

「突入ならわしが得意です!」

「いや、俺だ!」

「まず突入しないけど!?」

 

 隊長が狼狽える。そこ大原部長が来て2人の頭を殴った。

 

「お前ら邪魔だ!出ていけ!」

「くそっ。このままだと話が進まん。ならば…」

 

 星逃田が指を鳴らした。その瞬間、大原部長が2頭身になってしまった。文句を言う大原部長を蹴り飛ばす。

 

「大原さーん!」

 

 時行がどこかへ行ってしまった大原部長を心配して叫ぶ。邪魔者が居なくなったと星逃田は両津より先に突入しようとした。時行を連れて行く。

 

「行くぞ相棒!」

「私もですか!?」

「ずるいぞ!」

「作戦がめちゃくちゃだ。」

 

 嘆く隊長。両津は中川達を連れて銀行に突入した。

 

「警察だ!全員手を挙げろ!」

 

 両津が拳銃を向ける。強盗犯は人質を取ろうとするも星逃田が強盗犯の拳銃に弾丸を当てて弾き飛ばした。強盗犯達は受付に隠れ応戦する。

 

「行け相棒!」

「ちょっと待ってください!」

 

 星逃田が時行を投げ飛ばす。時行は強盗犯達からの発砲を避け逃げる。その隙に中川達が人質を救出し両津と星逃田が強盗犯に接近した。

 

「「そこまでだ!」」

 

 2人同時に拳銃を向ける。しかし、強盗犯も両津も動かない。全員、星逃田の頭を見ていた。

 

「おい、禿田。」

「星逃田だ!なんだ!?」

「頭、本当に禿てる。」

「え?」

 

 星逃田が自分の頭を触る。チラッと床を見る。カツラが落ちていた。それを見た両津も強盗犯達を爆笑した

「全然かっこよくねぇ〜! 

「うるさい!」

 

 両津も強盗犯達も腹を抱えて笑う。星逃田は急いでカラを拾う。その隙に時行が強盗犯を全員捕まえた。それを見た両津と星逃田は呆然とした。

 

「主役は時行君で決定ですね。」

「「そんな〜!」」

 

 事件は解決したが結局勝負は引き分けになってしまい両津と星逃田が悔しがるのであった。

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