逃げ上手の転生記 〜亀有の破天荒警官と〜   作:虹武者

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大阪VS東京!? 犯人検挙勝負!

 ある日、両津が派出所にいるとヘリもモーター音が聞こえてきた。それはだんだんと大きくなっていく。なんだと派出所を出ようとした瞬間、突然、ヘリが派出所の前に着地した。

 

「あのヘリは!」

 

 両津がヘリを見て確信する。いかにも大阪な感じのヘリから出て来たのは御堂春率いる通天閣署のメンバー達だった。春はすぐに両津に駆け寄る。

 

「トーキョーモン!何もたもたしてんねん!」

「いきなりなんだ!?」

「関東、関西と荒らし回った窃盗団がまたこの東京に現れたと聞いて急いで来たんや。」

 

 後ろから通天閣署署長の浪花が説明してくれた。そこに大原部長も来る。

 

「そのことで警視庁から検挙率トップのエリート刑事が来ることになっている。」

 

 とりあえずヘリは邪魔だと両津が派出所の隣に移動させるように言う。春達が派出所に来る。

 

「おもろいやんけ!そのエリートとうちら、どっちが上か決めたるで!」

「せやせや!トーキョーモンなんかに負けんな!」

 

 既に勝負する気満々の春達。両津はやる気が出ないと欠伸している。

 

「トーキョーモンのエリートなんか大したことないやろ!全部うちが勝ったる!」

「それは面白いではないか。」

 

 そこに両津達には聞き慣れた声が聞こえた。春がその声がした方向を見る。

 

股間のモッコリ伊達じゃない!陸に事件が起きた時、海パン一つで全て解決…特殊刑事課三羽ガラスの一人、海パン刑事──ただ今参上ッ!

 

 海パン刑事だ。いつものネクタイと海パンオンリーの格好をした海パン刑事が春達の前に現れた。呆然とする春。両津は春の肩を手を置いた。

 

「ほらっ、全部に勝ってみろ。」

「アホかー!変態度で勝てるわけやいやろ!?」

「なんやのあの人…」

「お前らのとこの署長とあまり変わらんだろ。」

 

 不気味だと言いながら海パン刑事を見る春。

 

「そもそもお前はスカイラグーンの時に会ってただろ。」

「スカイ…ラグーン?」

「ダメだ。完全に記憶から消えている。」

 

 目を点にして首を傾げる春。そんな春に海パン刑事が話しかけた。

 

「なにやら私と勝負がしたいと言っていたな。」

「せ、せやな…春ちゃん。どないする?」

「や、やったるで!ここまで来たんや!大阪が東京より優れているとこを見せてやるで!」

「そのいきや春!」

 

 浪花署長達が応援する。海パン刑事は両津と時行に海パンを渡す。そのまま春にも海パンとネクタイを渡した。

 

「え?」

「私と勝負するのだろ。だったら公平に正装で勝負しようではないか。」

「アホやろ!?こんなんうちが着たら変態どころの騒ぎやないで!?」

「諦めろ春。」

 

 春が振り向くと既に海パンにネクタイや蝶ネクタイを着けた両津と時行がいた。

 

「あんたら順応早すぎひん!?トーキョーモンはこんな変態になるのに抵抗ないんか!?」

「もう…いいんです…」

 

 時行が空を見て遠い目をしている。それにツッコミ辛くなる春。

 

「そもそもうち女やで!こんなの着れるわけないやろ!」

「そうだった。済まなかった。」

 

 そう言って海パン刑事は蝶ネクタイと絆創膏を渡した。

 

「こっちの方が良かったのだな。」

「…なんでやねん!?そういう問題やないやろ!もっと根本的な問題があるやろ!?この絆創膏はなんや!?まさか貼れってか!?乳首に貼れってか!?これ完全にセクハラやで!?」

「そうだ。今回は私1人で来たわけではない。もう1人紹介しよう。」

「無視かい!」

 

 春が海パンと蝶ネクタイを投げつける。それを避けた海パン刑事が手を挙げると道路の向こうからムスタングが来た。はずなのだが本来戦闘機として飛んでいるはずのムスタングが吊るされた特殊車両に乗った男が現れた。

 

「私が!特殊刑事会員番号3番!ムスタング刑事である!」

「どっからツッコんでいいのか分からへん!なんでムスタング!?なんで飛ばへんの!?それで来る意味あんの!?いろいろと特殊過ぎるやろ!」

「春もそう思うか。」

 

 春の怒涛のツッコミに同意する両津。

 

「では、今から例の窃盗団を検挙に行くとしよう。」

「もう無理や。ツッコミ疲れた。」

「待て春!お前がツッコミ放棄したらあの変態を誰がツッコむんだ!?」

 

 両津が必死に春を励ますも春はやる気が出なくなっていた。

 

「春ちゃん…」

「レイ、もううちに帰って串カツ食べへん?」

「ダメだよ!今から犯人捕まえに行くんやから!負けられへんで!」

「トーキョーモンのボケについてこれんわ。」

「わしも無理だ。」

「私もです。」

 

 仕方なく海パン刑事とムスタング刑事の後ろでパトロールをすることにする両津達。凄い目立つため2人から離れる両津達。その両津達からさらに離れる春達。

 

「あんなのが検挙率1位なん?ホンマ、どうなってんねん東京。」

「さすがに大阪でもあんな人はおらへんかったよ。」

「今回はあんな格好させられるトーキョーモンに同情するで。」

「時行君も可哀想。」

 

 春は海パン刑事達をあまり接点を作らないように周りを見る。公園にいる子供達に手を振る。海パン刑事も手を振っている。

 

「なんかうち、あの変態と同じ扱いになってへんか?」

「考えんとこ。」

 

 春が前を見ると両津と時行がいつの間にか元の服に戻っていた。

 

「やっぱ嫌やったんやなぁ。」

「分かるで。」

 

 閑静な住宅街を歩く。ムスタングが凄い邪魔。パトロールしていると両津がある家を見て足を止めた。時行が気になって両津を見る。春とレイも両津を見る。

 

「両さん?」

「あの家怪しいな。」

「どこがですか?」

 

 両津は角にある家の前に立つ。一見、どこもおかしいところはないようだ。すると、両津は玄関の前に行くと突然ドアを叩き叫び始めた。

 

「奥さーん!警察でーす!パトロールに来ましたー!」

「何やってるんやろ?」

「…レイ。ここにいるで。」

「え?」

 

 春の雰囲気が変わる。その瞬間、家の中が騒がしくなり3人組の男達が家の中から逃げるように出て来た。3人は塀を乗り越え隣の家の敷地に侵入する。

 

「そっちからか!」

 

 両津達が回り込む。そこには既に海パン刑事がいた。3人はすぐに別の家に逃げる。

 

「海パン刑事!」

「奴らだ!奴らが最近荒らし回っている窃盗団だ!」

「見つけたで!検挙するのはうちや!」

 

 春が不法侵入上等で庭に入る。両津は時行に春の後を追うように指示して先回りする。

 

「あの…何故中にいると分かったのですか?」

「あの家、表札見る限り女性の1人暮らしや。そんで車が無い。ってことは留守のはずや。なのに、電気も点けずカーテンを閉め切った状態の部屋から気配がした。」

 

「…だからカマをかけてみた。ビンゴしたようだ。」

 

 両津が春と同じ説明をレイにする。先回りすると窃盗団はそれぞれ3つに別れて逃げ始めた。その後に時行と春が出て来る。

 

「別れて追うぞ!」

「分かった!」

「よし!」

 

 そう言って全員同じ道を走り出す。それにずっこける両津と春。

 

「アホか!別れた意味ねぇだろうが!」

「コントやってる暇ないで!」

 

 仕切り直して別れる。時行はムスタング刑事と、両津は春と、レイは海パン刑事と一緒に追うことになってしまった。レイが目を丸くして海パン刑事を見る。

 

「嘘やろ?あたしと一緒なの春やなくてこの人やの?」

「行くぞ!海パンダッシュ!」

「なんやそれ!?」

 

 海パン刑事はものすごいスピードで走り逃げる犯人を追う。レイも追いかけるがだんだん離されて行く。犯人が角を曲がる。海パン刑事も曲がると犯人が塀を乗り越えてレイに向かって走って来た。

 

「邪魔だ!どけ!」

「無理や!」

 

 レイが両手を広げる。そこに海パン刑事がジャンプして犯人に蹴りを食らわした。それを見たレイは両手で目を覆う。何故か海パンを脱いで全裸になっていた。

 

「まずは1人。」

「待って!?なんで全裸やねん!?」

「おっと失礼…ネクタイが曲がっていた。」

「ちゃう!ツッコミたいのそこやない!」

 

 チラチラ指の隙間から海パン刑事を見ながらツッコミするレイだった。

 一方、時行は何故かムスタングのキャノピーの後ろに乗っていた。

 

「行くぞ真っ裸刑事。…GO!」

「え?」

「そこは了解(ラジャー)!と言うところだ!」

「は、はい!すみません!」

「じゃあ…GO!」

「ラジャー!」

 

 ムスタングが走り出す。犯人はそれを見て驚いている。時行は揺れまくるムスタングに吐き気を催す。犯人は狭い通路をすり抜けて行く。ムスタングはお構い無しに突撃する。

 

「ダメですよ!被害が大き過ぎます!」

「些細なことだ!」

「全然些細じゃありません!」

「なんだあれ!?」

 

 犯人が大通りに逃げる。ムスタングが追う。いろいろと被害が大きくなっている。犯人がタクシーを奪って逃走しようとしている。

 

「逃さん!」

 

 そこにムスタング刑事が機銃でタクシーを攻撃する。時行が驚く。犯人がタクシーから逃げる。

 

「大丈夫ですかあれ!?」

「大丈夫だ!」

「不安しかありませんよ!」

 

 ムスタングが追う。しかし、吊るしていたワイヤーが切れムスタングだけが吹っ飛んでしまう。

 

「「あぁ〜!」」

 

 叫ぶ2人。そのまま逃げる犯人に激突する。犯人逮捕は出来た。しかし、それ以上に被害がデカすぎた。時行はよろよろと路地裏に行くと吐いた。

 そして、両津と春は残った最後の1人を追いかけていた。犯人は家から家へ逃げている。それを追う2人。

 

「このままじゃ埒が明かんで!」

 

 春は拳銃を取り出し撃つ。

 

「くそ!負けてたまるか!」

 

 両津も春に続いて拳銃を取り出して乱射する。

 

「嘘だろおい!」

 

 犯人は避けながら逃げる。塀やガードレールが穴だらけになる。春がワイヤーで屋根に登り上から撃ちまくる。両津も撃ちまくる。さすがにこれはヤバいと判断した犯人が自首しようと警察署に行く。

 

「行かさへん!検挙して勝つんはうちや!」

「わしだってちび太に負けてたまるか!」

「ちびって言うなぁ!」

 

 2人の乱射が車や店のショーケースを破壊して行く。それでも犯人が捕まらない。とうとう新葛飾署が見えてきた。犯人が自首する前に捕まえたい2人はさらに撃ちまくる。しかし、弾丸は犯人じゃなくその近くにあったタンクローリーに命中する。その結果、大爆発が起きタンクローリーも新葛飾署も吹き飛んだ。

 

「両津、例の窃盗団検挙に貢献したのは素晴らしいが、その結果発生した被害額13億8000万が請求されたからな。」

「ちくしょー!ここまで頑張ったのに〜!」

「災難やなぁトーキョーモン。」

「春ちゃんも原因やで。」

「凄い額ですね。」

 

 大原部長に多額の請求書を見せられ泣く両津。結果、両津、春、ムスタング刑事の3人で払うことになったようだ。

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