ある日、時行達が街を歩いていると突然、暴走族が爆音をあげながら走って来た。時行達は耳を抑え暴走族を見る。周りの人達も迷惑そうに見ていた。
「なんすかあれ?」
「暴走族というものでしょう。」
「周りの人のこと考えてよ!」
弧太郎達が叫ぶも聞こえるはずがない。そこにサイレンが鳴り響く。時行達がサイレンが聞こえる方を見ると本田が白バイに乗って暴走族を追いかけていた。
「兄貴!白バイっすよ!」
「黙らせてやれぇ!」
暴走族は本田を妨害するも華麗なテクニックで避け暴走族のリーダーの前まで来た。
「くそっ!ここまで来るたぁどんな…」
リーダーが本田を見る。すると、青褪めた。本田が止めろと叫ぶとリーダーは止まった。それに続いて暴走族達も止まる。
「どうしたんすか兄貴!?」
「さっさとしめて走りやしょう!」
「馬鹿野郎!この方はあのレジェンド!本田速人様だぞ!」
リーダーが暴走族達をしめる。
「本田…速人って…あの!?」
「そうだ!1人で3000人の暴走族を壊滅させ相手のバイクを全て燃やした本田速人様だ!」
「本田さん、そんなことしていたのですか?」
リーダーの発言に近くに来た時行達が驚く。
「てめぇら。走るのはいいが場所選べ。次見つけたら全部没収だ。」
「「「すみませんでしたぁ!!」」」
暴走族達は本田に謝りそそくさと去って行った。その時の話を時行は派出所にいた両津にする。
「本田は元暴走族だ。」
「初めて知りました。」
両津が本田の過去を教えているとスマホが鳴った。相手はその本田のようだ。両津がスマホを切る。
「時行、丁度本田の妹が実家に来たみたいだから行ってみるか?」
「いいのですか!?」
「構わん!本田の家族に会わせてやる!」
両津は時行を連れて本田の家に向かった。
「バイク屋?」
「そうだ。本田の実家はバイク屋を経営している。」
両津が説明していると男性が出て来た。
「やぁ、両さんじゃないか。」
「本田に呼ばれてきた。」
「そうか!まぁ、ゆっくりしていってくれ。」
男性は快く両津を迎え入れる。
「あの人が本田の親父の本田改造だ。」
「優しそうな人ですね。」
「だろ。」
両津がニコニコに言うも時行には懸念点があった。
「まさか、あの人もバイクに乗ると人格が変わるのでしょうか?」
「いや、別にバイクに乗っても変わらんぞ。」
「そうでしたか。」
時行がホッとしている。それを見た両津はニヤニヤしていた。両津と一緒に部屋に入る。そこには本田と一緒に寝ている男女がいた。そのうちの1人が両津に気付く。
「両さん!」
「久しぶりだな門樹。」
「来てくれたんですね。」
「伊歩も瀬刃も元気そうじゃねぇか。」
両津に気付いた2人も声をかけた。最初に声をかけたのが本田速人の弟、門樹。次に声をかけた女性が妹の川崎伊歩、もう1人の男性が伊歩の夫瀬刃だ。最後に本田が声をかけた。
「来てくれたんですね先輩!」
「おう!時行も連れて来たぞ!」
「あら!可愛い!」
両津の後ろからお辞儀する時行に伊歩が反応する。
「さっきお兄ちゃんから聞いてたのよ!両さんのところに可愛い子供がいるって!」
時行が照れくさそうにしている。
「今日は久しぶりに伊歩ちゃんが帰ってきたから時行君を紹介しようかなって。」
「そうなのですね。」
改めて両津が紹介する。
「わしが預かることになった北条時行だ。」
「よろしくお願いします。」
「よろしく。」
みんな、時行に挨拶する。
「そうだ。親父さんに時行のことを話すのを忘れていた。」
両津は時行を連れて改造のところに行く。すると、改造が若い男と言い合いをしていた。ツナギを着た改造は最初に会った時と別人のようになっていた。
「てめえらのような奴にバイクは売らん!」
「あ、あの両さん…」
「分かっただろ。本田一家はあんなのばっかりだ。」
改造が追い払う。今度は門樹が自転車に乗った。
「どこ行く門樹!?」
「うるせぇ!どこ行こうが俺の勝手だろ!」
「その前に俺の手伝いをしろ!」
「バイク屋なんて継ぐ気ねえから嫌だ!」
「なんだとぉ!」
自転車に乗った門樹も性格が変わっていた。レンチを持った改造と自転車に乗った門樹がぶつかり合う。時行はそれを見て呆然としていた。
「えぇ…」
「みんな、あんなのですよ~。」
「も、もしかして…」
時行が伊歩を見る。彼女は時行を見るとニッコリ笑った。
「伊歩はバイクに乗っても自転車に乗ってもツナギを着ても性格は変わらんぞ。」
「それは良かったです。」
時行は安心した。しばらくしてツナギが脱げた改造と自転車から降りた門樹が汗だくで倒れる。そこを何事もなく通る伊歩と瀬刃。
「では、私達はここで。」
「おう!またな!」
「わしらも帰るか。」
「ですね!」
伊歩達に続き両津達も帰る。それを陰から見ている男がいた。さっき改造に追い出された男達だ。男達は本田に挨拶している伊歩を見て笑っていた。
翌日、いつものように両津が始末書を書き時行がそれを見ている。そこに本田が慌てて駆け付けて来た。
「大変です先輩!伊歩が…伊歩が拐われました!」
「なにぃ!?」
両津は慌てて派出所を出る。時行もその後を追う。
「どういうことだ!?」
「中部山男隊という暴走族が僕に挑戦状を突き付けて来たんです。」
「中部山男隊?」
「確か、北関東から長野にかけて活動している暴走族だったな。」
両津と本田がバイクに乗る。時行は両津の後ろに乗った。
「おらぁ!伊歩を誘拐とはやってくれるじゃねぇかぁ!」
本田が走る。両津もその後ろをついて行った。その中部山男隊は葛飾区内の道路を爆走していた。その後ろを小町と奈緒子が追いかける。
「そこのバイク集団止まりなさ~い!」
「止まらないと逮捕よ!」
2人が何度を警告するが全然止まる気配が無い。そこに両津と本田が来た。
「待てぇ!」
「頭!レジェンドが来ました!」
「よっしゃあ!レジェンドを超えれば俺達中部山男隊が次のレジェンドだぁ!」
頭と呼ばれた毛むくじゃらの男の後ろには縛られた伊歩がいた。本田が前に行こうとするも中部山男隊が邪魔をして行けない。そこに風波が応援に来た。
「風波!」
「ここは任せてください。」
「任せた!」
風波は華麗なテクニックで中部山男隊を翻弄した。その一瞬をつき本田は一気に頭のところまで飛ばす。とうとう頭の隣まで来れた。
「お兄ちゃん!」
「来たなレジェンド!ここでお前を倒して俺達がレジェンドになる!」
「そのためだけに伊歩を誘拐したのか!」
「そうだ!こうでもしないと本気になってくれんだろうからなぁ!」
激しいレースを繰り広げる両者。そこに妨害してくる中部山男隊。そこに両津が来た。後ろには弓矢を装備した時行がいる。
「時行!怪我させない程度に足止めだ!」
「分かりました!」
時行が矢で妨害してくる相手のタイヤをパンクさせる。次々と当てて倒していく。それをミニパトから小町と奈緒子が見ていた。
「やっぱり凄いね時行君…」
「うん。」
頭以外は倒した。後ろは風波達に任せて両津は本田と頭を追う。2人はまだバトルを繰り広げている。
「諦めて投降しろ!」
「断る!」
頭が本田にぶつける。高速に入っても続いている。
「両さん!本田さんを助けましょう!」
「いや、ここは本田の戦いだ。」
両津は手出し無用と時行に言う。しかし、激しいぶつかり合いに伊歩が耐えれなくなっている。本田もそれが分かっていて迂闊に止めれない。
「本田!伊歩は任せろ!お前は決着を付けてこい!」
「…任せた両津の旦那!」
両津が頭に近付く。時行が両津に掴まりながら手を伸ばす。頭は両津達を気にせず本田にぶつかる。
「人質がいなきゃ本田に勝てねぇんだろ!」
「なんだとぉ!だったらこいつはもういらねえ!」
頭は両津にぶつかると伊歩を投げ捨てた。場所は橋の上。下は道路。両津が手を伸ばす。しかし、届かない。そこに時行がジャンプした。
「ふっ。元より本田を焚き付けるためだけだからな。」
「それが仇になった。」
伊歩がいなくなったことで本気になった本田が頭を吹き飛ばす。
「これが…レジェンドの力…」
「お前の敗因は1つだ。俺を怒らせたことだ。」
本田は急いで両津のところに行く。
「先輩!伊歩は!?」
「だ、大丈夫だが…」
両津が下を見る。下にはサーカスのパレードとして歩いていた像の上に乗っていた。
「た、助かりました~!」
「時行!早く降りろ!」
「え?」
時行が上を向く。伊歩が震えていた。すると、縛っていた縄を引きちぎり性格が変わった。
「はっはー!暴走族がなんだ!」
「ええ!?」
「時行!伊歩は像に乗ると性格が変わるぞ!」
「やっぱり伊歩さんも本田さんの家族なのですね。」
像に乗って暴れる伊歩に振り回される時行であった。