ある日、麗子が自宅でお風呂に入っていた。風呂から出るとバスタオル1枚巻いて部屋に戻った。ベッドに座り寛いでいると突然、背中に小型ジェットを着けた男が現れた。
「きゃあ!」
麗子が驚いていると男は窓を熱で溶かして切ると麗子の前に飛び出した。
「久しぶり!パパの
彼は秋本飛飛丸。秋本貿易の社長で麗子の父親だ。
「急に何!?」
「実は麗子のためにお見合いパーティーを開いたんだ!」
「いらないわよ!」
麗子は風呂場に戻り服を着る。
「これも麗子のためなんだよ~!」
「余計なお世話よ!」
「とにかく!パパが選んだ4人と来週お見合いパーティーするから気に入った男性がいたら言ってね~!」
そう言って飛飛丸は窓からジャンプして去って行った。
翌日
「お見合いパーティーだぁ!?」
「そうなのよ。パパが勝手に開いちゃったの。」
派出所で麗子が両津達に話す。
「そこでお願いがあるの。両ちゃんも同席してくれないかしら?」
「なんでわしが?」
「両ちゃんってこういう時の断り方上手じゃない。」
「確かに先輩は断り上手ですね。」
「なんだその嫌な上手は。」
両津が眉をひそめる。
「お願いしますよ先輩。」
「なんで中川もお願いするんだ?」
「実はその4人のお見合い相手に僕も選ばれまして。」
両津がずっこける。
「なんでお前までいるんだよ!?」
「お父さんと麗子のお父さんが仲良くなったみたいで是非と。」
「圭ちゃんもなのね。」
麗子も呆れていた。
「分かった。わしがなんとかしよう。」
「ありがとう両ちゃん!」
「ただし、報酬は半分前払い…」
「やっぱりこうなるんですね。」
中川が前途多難だと心配した。
お見合いパーティー当日。飛飛丸が用意したホテル会場に麗子が来た。そこに飛飛丸と既にいた両津が迎えに来た。
「麗子~!やっぱり麗子が一番輝いているよ!」
「ありがとう。」
麗子は飛飛丸が背中を向けると両津とアイコンタクトをとる。
(本当に大丈夫なの?)
(問題無い。時行や椎名にも協力してもらっている。)
両津が案内した会場に入る。そこには中川と…
「麗子さ~ん!今日こそ僕とハネムーンに行こう!」
白鳥がいた。麗子は両津と再びアイコンタクトをとる。
(どういうこと両ちゃん?)
(わしだってさっき知ったばっかりだ。)
会場にはメイドとして来た椎名と時行がいた。
「何故私もメイドに?」
「似合ってます時行様。」
「あ、ありがとうございます。」
中川と白鳥がいる。お見合い相手はあと2人来るはずだ。両津達が誰だと待っていると爆竜大佐と麻里晩が現れた。2人を見た両津達がずっこける。
「マジか!?麗子のお見合い相手はお前らか!?ってかお前ら両方妻がいだろうが!」
「私がお見合い相手なわけないだろうが!」
「部下のジョン曹長が秋本麗子のお見合い相手に選ばれたのだ。」
「私も門下生の石田がお見合い相手に選ばれたのだよ!」
爆竜大佐と麻里晩の後ろから2人の男が来る。金髪がジョンで黒髪が石田だ。2人は麗子にお辞儀する。起き上がった両津に時行が駆け寄る。
「大丈夫ですか?」
「くそ~。こいつらかよ。早速不安しかないぞ。」
「本当に大丈夫、両ちゃん?」
「作戦を大幅に変える必要が出た。」
両津がどうするか考える。お見合いパーティーが始まる。それぞれ麗子に自己紹介するがもうほとんど知り合いなのでそんなに盛り上がらない。
「飛飛丸。何故あの面子なんだ?」
「麗子が知っている人の方が緊張しないだろう。それに、この前の婚約者を決めるレースであの2人がいいとこの息子だと分かったからね。」
「あれをレースと言うか。」
麗子と一緒に食事する中川達。白鳥達がスープを口に入れた瞬間、顔が真っ赤になり火を吹いた。そのまま水を求めながら転げ周り悶絶する。
「か、辛~!なんだこれぇ!?」
「おかしいですね。隠し味にタバスコ1瓶入れただけですが?」
「絶対それが原因だろぉ!」
椎名が何故か持っていら空になったタバスコの瓶を見ながら不思議そうに発言した。それに対し白鳥がツッコミをした。麻里晩達も辛さでのたうち回る中、爆竜大佐は平然とスープを飲んでいた。
「か、辛くないのか?」
「辛さは痛みだ。あらゆる痛みに耐性はある。」
「さすが軍人。」
両津は次の作戦を実行する。
「皆さん!ここで1曲どうですか!?」
両津がカラオケセットを出す。まずは自分と飛飛丸のデュエットで歌う。盛り上がっている。歌い終えると両津はマイクを石井とジョンに渡した。
「どうぞ!どうぞ!麗子にアピールするチャンスですよ!」
2人は両津に誘われステージで歌い始める。2人ともなかなか歌うのが上手い。
「凄いな。」
「我が軍では気分転換にカラオケをしている。」
「うちも月1でカラオケ大会をしているぞ。中でも彼が1番上手い。」
両津は意外だと言う。時行をチラッと見る。時行は頷くとスマホを操作した。その時、2人が痺れるように倒れた。実はマイクに電流が流れるように細工していたのだ。
(よし!ナイスタイミング!)
何が起きたのか分からず慌てふためく2人。両津は次はお前だと白鳥に渡す。
「さぁ、歌え。」
「あれ見て歌えるかぁ!」
「白鳥さんの歌声聞きたいわ。」
「マイク貸せぇ!」
麗子の一言で手のひらを返した白鳥がマイクを取りステージに上がる。白鳥が歌おうとした瞬間、時行がマイクに電流を流した。
「ぎゃあ!」
それを見て笑う両津達。
「両津君、これは?」
「ただの余興ですよ!」
飛飛丸が怪しむも両津は上手く誤魔化した。念の為と酒を飲ませる。
「こちら、71年物のロマネコンティでございます。」
「それ、かなり希少じゃないですか!」
中川が驚く。この日のために飛飛丸が取り寄せた物だ。両津がロマネコンティを中川達に入れる。
「両津先輩。ワインって素人が入れて大丈夫なんですか?」
「わしはソムリエの資格も持ってる。」
「本当に多才だ。」
両津が入れたワインを飲む。そこに時行がおつまみにとみんなのところに持ってきた。みんなが見る。その瞬間、白鳥達の顔が青褪めた。
「な、何これ?」
「これはイナゴとチーズという物を混ぜたオツマミという物です。」
「イナゴ…」
唖然とする白鳥達。しかし、爆竜大佐達は普通に食べている。
「ほう。なかなかイケるな。」
「お前は大丈夫なのか?」
「虫や蛇など食う機会などいくらでもある。バッタは貴重なタンパク源だ。」
「さすがに爆竜は強いな。」
イナゴを見て気絶しそうになる椎名を支える中川の隣で麗子はイナゴを見て唖然としている。麗子も食べ辛いのだ。時行も普通にイナゴを食べている。
「初めて会った時からそうだがなかなか逞しいな北条。」
「昔からやんちゃみたいだからな。」
「やんちゃで済むのか?」
麻里晩が時行を見て引く。
「大きくなったら我が軍に迎え入れたいぐらいだ。」
「時行なら意外と行けそうと思ってしまう。」
「翻堕羅拳に入れたい。」
「それは絶対断るだろ。」
両津が時行を見る。間違ってなのか興味があったのか分からないが時行がワインを飲んでいた。
「時行!それは子供が飲む物じゃない!」
両津がワイングラスを時行から取るも遅かった。時行は既に酔っていた。両津達は逃げる。
「どうした?一体…」
両津に聞こうとした白鳥に時行がヒップアタックした。そのまま暴れる時行。翻堕羅拳の門下生達や米軍兵士達を次々とヒップアタックで弾き飛ばす。
「両津先輩!なんですかあれ!?」
「あれが時行の酔い方だ。」
「どんな酔い方!?」
逃げる両津達。酔う時行とバトルする麻里晩と爆竜大佐。既に時行のヒップアタックで弾き飛ばされた飛飛丸。お見合いパーティーはこうして終わった。
後日
「あれ、結局麗子が最後に断れば良かっただろ。」
「そうよね。でも、折角来てくださった人達に断り辛くて。」
「そう言えば先輩は最初どんな風にする予定だったんですか?」
「相手の無様なところを見せて麗子に呆れてもらう計画だった。まさか、爆竜や翻堕羅親父が来るとは思ってなかった。」
両津が話しているとヘリのモーター音がした。派出所の外に出ると飛飛丸が降りてきた。
「何の用だ?」
「いやぁ〜、この前は失敗したからね。今度は100人のお見合い相手を捜すよ!」
「え?」
麗子の頬が引き攣る。
「ということで時行君も麗子の婚約者候補として迎えるよ!」
「何故ですか!?」
「おい。とうとう見境無くなったぞ。」
逃げる時行を追いかける飛飛丸。そんな父親を見て呆れる麗子だった。