ここは家電ショップ
エスカレーターを昇っている時行は目をキラキラさせていた。エスカレーターを降りて炊飯器コーナーに行く。様々な種類の炊飯器に興奮していた。
「時行、今日はここじゃない。テレビは三階だ。」
両津が時行を呼び戻す。そこに両津と一緒に来ていた眼鏡の男性が声をかける。
「両さんが子供なんて想像したことなかったよ。」
「わしも想像したことなかったな。」
一緒にいるのは寺井洋一。両津と同じ派出所のメンバーで普通の人。一時期、改名したことがあるがまた運が悪くなったとかで元に戻したという。
両津が先頭を歩きテレビのコーナーに着く。時行は並べられたテレビを見ながらはしゃいでいる。
「寺井、予算は?」
「一応、5万円かな?それと、録画機能もほしい。」
「最近のテレビは皆録画機能付きだ。」
両津は歩きながらテレビを選んでいる。すると、時行が見ていた薄型テレビに目を着けた。録画機能付きで高画質、大きさも寺井の要望に合っていた。
「おっ。これならいいんじゃないか?」
「でも、このテレビ5万5千円するよ。」
「安心しろ。わしなら4万まで値引き出来る。」
両津は寺井にテレビの操作方法を教える。その間も時行はテレビでアニメを見ている。説明を終えた両津が近くにいた店員を呼ぶ。
「はいはいはいはい。いらっしゃいませ〜。私、香伝売蔵(かでん うるぞう)と申します〜。今日はどのような家電を?」
「あのテレビを買いたいんだが…」
両津は値引き交渉を始めた。少し長くなりそうだ。寺井は時行が気になり隣に座る。
「時行君はどうしてここに?」
「そ、それは…家族が亡くなりまして1人で彷徨っていたところを両さんに保護してもらったのです。」
「ご、ごめんね!辛いことを思い出させちゃったかな?」
「いえ、大丈夫です。」
「僕にも君ぐらいの息子達がいるんだ。だから、君を見ると心配で。」
「大丈夫です。今も凄い楽しいですから、」
2人が会話していると両津が戻ってきた。後ろにはニコニコの香伝がいる。
「寺井、4万にした。買うぞ。」
「うん!」
薄型テレビを買い寺井は帰って行った。時行はまだここに居たいらしく両津も時行に付き合うことにした。時行は一階降りて掃除機コーナーに向かう。
「両さん!これは!?」
「掃除機か。こいつはサイクロン式で吸引力も凄いが一番の特徴はここを伸ばして曲げることが出来る。だから、ソファの下など手の届きにくいところも掃除が可能だ。」
「そうなんですね!」
両津が時行に説明していると主婦が声をかけてきた。
「突然すみません。掃除機を買い換えようと思ったのですがどれにすればいいのか分からなくて。」
「掃除機は頻繁に使うのか?」
「ええ。子供達と猫がよく部屋を汚すので。」
「なら…こいつだな。毎回中を掃除しないといかんが容量が多いし長持ちする。それに音も小さいから掃除中も邪魔にならない。」
「ありがとうございます!」
両津がオススメした掃除機に決めたようだ。それを見た香伝が両津に近付いてきた。
「素晴らしいですね!まるで店員でしたよ!」
「この人店員じゃないのですか!?」
主婦が驚く。近くにいた店員や客も両津の博識なところを見て驚いていた。そこから両津は調子に乗り家電豆知識などを披露していく。
後日
「両津はどうした?」
「りょ、両さんなら…」
時行が大原部長達を家電ショップへと連れて行くと…
「この季節なら湿気に強いクーラーがいい。」
「ありがとうございます!」
「その冷蔵庫は…」
「ずっとここにいます。」
「何をしているんだあのバカは…」
香伝達と一緒に客に家電を売っている両津がいた。大原部長達は既に店員になっている両津を見て呆れているのであった。