ある日、時行が派出所に行くと両津達が難しい顔していた。
「どうかされたのですか?」
「この前、日暮が起きてな。」
「え!?日暮さんが!?」
「まぁ、さすがに暴れることはなかったが変な超能力を発動させてな。」
時行が首を傾げる。
「変な超能力?」
「日暮は今まで火星に行ったり過去に行ったりしてたんだが今回は別の世界に行ってしまったんだ。」
「別の世界?」
「俺達の世界だ!」
突然後ろから声が聞こえた。時行が振り向くと知らない警察官達がいた。
「え〜と、あなたは?」
「俺は超条巡!『超巡!超条先輩』の主人公で珍宿西交番に勤務する超能力巡査長だ!」
決めポーズしながら自己紹介する男。その後ろでは付き添いと思われる婦警とロボットが冷たい視線を送っていた。
「あ。私は一本木直です。」
「本官はローボと申します。」
婦警とロボットも自己紹介する。
「お前らどうやってここに来た!?」
「日暮の真似してみたらなんか出来た。」
「次元超えは超能力者の基本能力なのか?」
両津が驚きながらも呆れる。一本木が時行を見つけた。
「あら?可愛い!」
「え、あ、ありがとうございます。」
「うちの漫画にはいないタイプよね。」
一本木が巡を見る。すると、巡はとんでもない者を見た顔をしていた。
「どうしたの?」
「こ、こいつは!」
巡がジャンプを見せる。一本木とローボが見る。そして、時行を信じられない目で見た。
「「ま、まさか…」」
「そのまさかだ。こいつ、『逃げ上手の若君』の主人公だ!」
「え、え〜と…」
「時行、この回はパラレルワールドだ。特別編だ。お前もわしらも次には普通の日常に戻ってるから深く考えるな。」
「なんとメタい。」
時行に言い聞かせる両津。
「さすが歴代ジャンプキャラとコラボした大先輩は違いますね。」
「特にドラゴンボールや斉木楠雄の災難とコラボしたのは有名ですね。」
「そう言えば、斉木楠雄も超能力者じゃねぇか…」
項垂れる巡。一応、時行も巡達に自己紹介する。
「私は両津勘吉さんのところで厄介になっています。北条時行と申します。」
「凄い。うちの漫画のキャラ全てを合わせても勝てないぐらい品がある。」
一本木が慄く。巡が起き上がる。
「よし、決めた。両津勘吉!北条時行をかけて俺達と勝負しろ!」
「いきなりな展開だな!?」
突然宣戦布告する巡。
「そもそもなんで時行を賭けにするんだ!?」
「決まってるだろ。今、アニメ2期まで決まっている大人気漫画の主人公と俺が組めばワンピースを抜く人気作品になれる。」
「思い上がりが酷すぎます先輩。」
「鏡を見てください。坂本太郎にすら勝てませんよ。」
辛辣な言葉を浴びせる一本木とローボ。両津はもちろんそんな勝負はしないと断る。すると、巡が煽り始めた。
「もしかして俺達に負けるのが怖いんですかぁ〜!40年連載しているくせに〜!200巻発売しているくせに〜!」
「サイテー先輩。」
「人として軽蔑します。」
巡の挑発にイラッとした両津が売り言葉に買い言葉で勝負を受けた。
「やってやろうじゃねぇか!わしらがてめぇらより上だと教えてやる!」
「これに勝って次からは逃げ上手の転生記 〜珍宿の超絶有能超能力警官と〜に変えてやる!」
「なんで星
「先輩。自惚れるのも大概にしてください。」
「珍宿の最低超能力警官ですね。」
巡が一本木とローボの辛辣な発言に刺されて倒れる。こうして両津勘吉対超条巡の北条時行を賭けたバトルが突如始まった。
「ルールは簡単。5対5のバトルで先に3勝したチームの勝ちだ。」
「その前にわしらが勝った場合何がある?時行を守るだけか?」
「いえ。その場合は私がこち亀の世界に行きます。」
その時、巡達の後ろから中学生ぐらいの男が現れた。後ろにはサラリーマンっぽい男や女子高生もいる。
「私の名前は伴平助。超巡の弟子です。」
「だから弟子にした覚えねぇよ。」
「いらない。」
両津の一言で平助が倒れる。だろうなと言いながら見る巡達。
「何故!?」
「まず必要ない。」
「そもそもあんた、麗子さんのおっぱい触りたいだけでしょ。」
一本木の発言に麗子の背筋がゾッとした。
「だって…だって!こち亀と言えば秋本•カトリーヌ•麗子さんや麻里愛さん!磯鷲早矢さんに擬宝珠纏さんにジョディー・爆竜・カレンさんに貌丹邑ヤークト・パンテルさんと魅力的な人達が多いじゃないですか!」
「見事に全員爆乳だ。」
「さすがね。」
項垂れながら語る理由に両津達は呆れる。その両津に女子高生が近寄る。
「マジ感激!あの有名人に会えるとか一生の思い出じゃん!」
「お、おう。」
「私、尖里リリ!ゲーセンの格闘ゲームが大好きです!」
「おお!そうか!」
いつの間にか意気投合している両津とリリ。
「あの?勝負は?」
「そうだった。5人ってことはわしらからは中川と麗子の他にあと2人必要なのか?」
「それは次来るこち亀のキャラクターにする。」
「わしらだけ運要素が多過ぎだろ!」
巡はニヤニヤしている。クジが入った箱を2つ出す。片方は両津チーム、もう片方は超条チームのクジが入っているようだ。ここから引いた人同士で勝負が始まるらしい。
「さぁて、まず第1戦!こっちからは…ホッさん!頼んだぜ!」
巡がサラリーマン風の男を前に出す。酒を飲んで出来上がっている男はフッフッフッと不敵な笑いをする。
「保坂千尋。ピー歳。全力で行かせてもらうぜ。さぁ、相手は誰だ!?」
「あっ、中川だ。」
「「「参りました!」」」
両津が中川のクジを引いた瞬間、ホッさん以外の超条チームが土下座した。
「そもそもあの中にホッさんが勝てる相手いないでしょ?」
「ランダムクジ引いてバイクに乗ってない本田辺りなら勝てるとふんだんだ。」
「おい。そう言えば勝負すら内容は聞いてないぞ。」
「それは時行がクジで引く。」
巡は時行にもクジが入った箱を渡していた。それを見てみんなでコソコソ話し合う。
「もしかしたらホッさんでも中川に勝てる勝負がくるかもしれんぞ。」
「確かに。ビール一気飲みやカラオケ、体脂肪率勝負なら勝てるかも。」
「え?そんなのじゃないと勝てないの?」
「あっ。チェスってクジを引きました!」
「負けを認めろ!絶対勝てねぇ!」
巡達が頭を抱える。第1戦は巡達が土下座して降参したため中川の不戦勝となった。気を取り直して第2戦のクジを引く。巡達からはローボだ。
「頼んだぞローボ!」
「本官にお任せください!」
対する両津チームはランダムが出た。
「それを引いたら次来たキャラクターがあんたの駒だ!」
「くそ!ボルボや左近寺がくれば…」
「どうされたんです神様?」
来たのは丸出ダメ太郎だった。両津はずっこけてしまう。ダメ太郎を見て笑う巡達。
「イケる!これはイケるぞローボくん!」
「はい!どっちが高性能ロボットか証明してあげましょう!」
「次の勝負は…重量上げです。」
「高性能関係ねぇー!」
膝を着く巡達。一応、100kgのバーベルを用意する。ローボは持ち上げるもダメ太郎は上げたがすぐに両手が落ちてしまった。何の面白味もなくローボが勝った。
「よ、良かったぜローボ。」
「カッコよかったよ。」
「いらない慰めは止めてください。」
勝っても全然嬉しくない。両津はダメ太郎に言い寄っている。
「これで1対1!次は…尖里リリ!お前だ!」
「よし!」
「わしからは…麗子!お前が行け!」
「参りました!」
「待てぇ!」
土下座する巡をリリが蹴る。
「まだ負けたと決まってないだろ!」
「よく見ろ!学歴!経済!おっぱい!全部負けてるだろうが!」
「確かにルックスで勝てるところが何1つありませんね。」
「うるさい!」
リリが巡と平助を蹴り飛ばす。両津は勝ったと断言する。
「まだ分からないよ!」
「次は…対戦ゲームと出ました。」
リリ達がクジを見る。巡達がガッツポーズした。格闘ゲームの対戦を始める。普通にリリが圧勝した。ハイタッチする巡達。
「これでリーチ!そして次は…一本木!」
「分かりました!」
「わしからは…またランダム!?」
「さぁ!次は誰が来るかな!?」
「あらぁ?何をしているのかしら?」
来たのは美少女刑事だった。それを見た一本木は真顔になる。時行がクジを引く。『ダンス』だった。バレリーナのように踊る美少女刑事。引き過ぎて踊ることが出来ない一本木。両津の後ろに隠れる時行。この勝負は一本木が完全敗北した。
「こち亀怖い…」
「さすがに40年も連載してたらあんなのも出てくるのか。」
「柔道なら勝てた。」
一本木がまだ負けを認めていないが巡達は無視している。最後の勝負となった。もちろん、最後は両津対巡だ。
「この時が来たか。」
「出来れば来てほしくなかったが。」
「では…最後の勝負は…私のクイズ?」
時行が『時行クイズ』と書かれたクジを引いた。
「それはどれだけ北条時行を知っているかというクイズだ。多く答えれた方の勝ちだ。」
「はっ!それでわしとやろうってか!」
両津は勝ったと自信満々だ。しかし、巡は笑っている。
(残念だったな。この勝負、俺の勝ちだ。何故なら俺には超能力で時行の思考が読めるからだ。)
「じゃあ、出題者は時行だ!」
「は、はい!では第1問!私が好きなことはなんでしょう!」
「いきなりザックリ!」
一本木がツッコミする。
(さぁて、時行は何を考えているのかなぁ?)
(命を賭けた鬼ごっこ。やっぱりこれが1番好きですね。興奮します。)
巡がドン引きしている。仕方なくフリップに書く。2人同時に出す。2人とも『命を賭けた鬼ごっこ』と書いている。もちろん正解だ。中川達はやっぱりと思っているが一本木達はドン引きしていた。
「確かに逃げ若にはそう書いてたけど…」
「実際見ると引くわぁ。」
ドン引きしている一本木達を無視して第2問にいく。
「私が初めて師父と呼んだのは誰でしょう?」
「「しふ?」」
「ダメだこれ。」
巡は時行の思考を読もうとするが時行は興奮していて思考が読めない。仕方なく勘で答える。巡は両津勘吉。両津は諏訪と答えた。
「あ、あの…答えは小笠原貞宗殿です。」
「「違ったかぁ〜!」」
「先輩は当てましょう!」
「さっきジャンプ読んだでしょ。」
そこからも問題が続くが時行の変態思考に苦戦した巡は全然答えることが出来ない。対する両津も時行の変則的な問題に苦戦していた。そして、両者正解数が同じ状態で最後の問題に入った。
(こうなったら催眠術で俺に有利な問題を…)
「時行、ここに来てから体験したことを問題にしてみろ。」
「分かりました。」
巡は!?を出しながら両津を見た。両津はゲスな顔で笑っている。
「卑怯だぞ!」
「念力でベーゴマを回すお前には言われたくない。」
「「確かに。」」
「お前ら!?」
頷いている一本木とローボを見る。時行はこの問題にしようと決めた。
「では…私がここに来て最初に食べた物はなんでしょうか?」
「あ、あれ?」
両津の顔がみるみるうたにゲス顔から弱々しくなっていく。
「わ、忘れた。」
「両さん!?」
「よっしゃあ!」
巡がガッツポーズする。
「策士策に溺れるとはこのことだぁ!」
「それで先輩は分かるんですか?」
「…時行。問題の答えを思い浮かべろ。」
「読心術使おうとしてる!」
「卑怯!」
周りから卑猥と言われても全然気にしてないどころか嘲笑っている巡は時行の思考を読んだ。すると、時行の人生が巡の頭に流れてきた。少年誌ではなかなか載せれない激動の南北朝が巡を蝕む。
「ぐわぁ!」
「先輩!?」
「こ、これが…南北朝。た、耐えられない。」
「ズルはダメですよ。」
「さすが時行。」
読心術を逆手にとり逃げ上手の若君を見せる時行。巡は泡を吹いて倒れている。これでは答えることが出来ない。一応、両津がおにぎりと回答した。
「正解は鮭のおにぎりでした!」
「おぉ~!」
両津は思い出せたと一安心していた。結果、両津チームが勝利した。一本木達が巡を起こす。
「負けましたよ先輩。」
「俺は両津勘吉に負けたのではない。北条時行に負けたのだ。」
「見苦しい言い訳は終わりましたか?帰りますよ。」
巡を引き摺る一本木。そこに両津が来た。
「いい勝負だった。時行はやれんが遊びに来るぐらいならいつでも歓迎するぞ。」
「両さん…」
両津と巡が握手する。最後はいい話で終わってよかったと思っている一本木達。そこに泣いている男の子が来た。どうやら、帰り道が分からなくなっているようだ。そこに時行が話を聞き巡が超能力で男の子の家を割り出し両津が土地勘で場所を特定した。
「凄い。あの3人がいるとなんでもあっという間に解決しますね。」
みんな、驚く。男の子を無事家に送り届けた両津達。すると、両津がニヤリと笑った。
「おい。いいビジネスが浮かんだ。わしらで占い師をやるんだ。お前の超能力と時行のカリスマとわしの商才があれば一躍人気者になり億万長者だ。時行を占い師にして客を集めお前の読心術などの超能力で実績を作りわしがマスコミに売る。どうだ?」
「いいねぇ~。」
「本当に迷子から違法ビジネスに繋げた。」
両津と巡の悪巧みに麗子や一本木達は呆れていた。
「じゃあ早速…」
「両津。」
両津がビクッとして後ろを振り返ると大原部長がいた。
「何を企んでいる?」
「な、なにも。なぁ…」
「帰ろうか一本木!」
「やっぱり最低です先輩。」
そそくさと逃げる巡。それを追いかける両津。その両津を追いかける大原部長。それを中川達と一緒に見る時行。ハチャメチャなコラボはこうして終わった。