とある事務所の会議室
そこには…
御所河原組組長
御所河原金五郎之助佐ヱ門太郎とその部下の政
魔瑠貌組組長
魔瑠貌一とその部下の凸山
印手理組組長
一文字翔とその妻の京華
葛飾区亀有公園前派出所巡査長
両津勘吉と付き添いの時行
彼らがいた。
「では、極道会議を始める。」
「ちょっと待ってください。」
一文字が止める。
「なんだ?」
「なんだ?じゃないです!なんで極道会議なのに警察官がいるんですか!?しかも何故か仕切ってるし!」
一文字がツッコミする。彼らを呼んだのは両津のようだ。両津は気にせずに会議を進めた。
「では、議題は『ヤクザのイメージ改善』についてです。」
時行がホワイトボードに議題を書く。
「昨今、極道もといヤクザは暴力団対策法や暴力団排除条例などにより年々減少し続け去年は約1万人となりました。」
「警察や市民からしたらいいことでは?」
「そこでヤクザのイメージを回復させ暴力団といあイメージを払拭しヤクザを地域に溶け込ませるのが本題となります。」
「何故警察がそれに協力しているんだ?」
度々一文字がツッコミをする。
「確かに以前、両さんのおかげで一時期うちの組はイメージアップしましたけど。」
「してたんだ。」
政の発言に一文字が驚く。
「あの時は、移動事務所、良かったな。」
「さすがです組長!」
「それより野球がしたいんじゃ!」
魔瑠貌が頭を抱える。凸山が落ち着かせる。
「最近は全然野球出来ておらんのじゃ〜!もう一度セントラル・リーグとセ・パ交流戦をやり直して広島東洋カープを優勝させろぉ!」
「落ち着いてください組長!」
暴れる魔瑠貌を宥める凸山を放っといて話を進める。
「以前、御所河原組にやったのは見た目を変えゴミ処理や荷物運びなどの地域貢献をさせたことだ。」
「全員サラリーマンみたいな格好でキッチリ七三分けにされましたね。」
「そこはうちは問題ないですね。表向きは真っ当な金融会社なので。」
「お前はその辺の立ち回りが上手い。」
一文字の発言に両津が乗る。
「さすが親分!」
「まぁ、京華をうちに潜入させたのは間違いでもあるしある意味正解でもある。」
京華がそっぽを向く。
「よく考えたらこんだけヤクザと関わりを持つ警察官って他にいないんじゃ?」
京華の一言で全員が確かにと両津を見る。
「うちと野球したな。」
「組長と一緒にコスプレしてましたね。」
「私は言わずもがな。」
「両さん。」
「た、確かにな!」
両津が汗を流しながら笑う。
「まぁ、ヤクザの復権とはいかないでもイメージが良くなるのはいいですね。」
政が両津の議題に賛同する。両津が全員に聞く。
「そもそもお前ら普段は何してんだ?」
「コスプレ。」
「金融業。」
「野球。」
「お前ら本当にヤクザか?」
両津が呆れる。
「最近は、ヤクザイコール、罪ではない。」
「いや、罪だぞ。」
両津がツッコミをする。
「ヤクザというより暴力団が問題ですよね?しのぎとして恐喝や詐欺、麻薬、売春斡旋などを行うのが問題であってそれをしていない者達までヤクザと呼ばれるのは間違っています。」
「あの、まず私はそのヤクザというものがよく分からないのですが。」
時行が質問した。それに両津達が答える。
「ヤクザというのは組織を形成して暴力を背景に犯罪活動に従事し、収入を得ている奴らのことだ。」
「その通りです。犯罪で収入を得ているのが問題であって私達は真っ当な手段で収入を得ているのです。」
「本当だろうな京華?」
「ほ、本当よ。」
京華がまたそっぽを向く。
「確かにそうですね。うちも最近は大人しくなってますし。」
「それならこっちもそうですよ。」
「お前らのところは指名手配犯ばかりじゃねぇか。」
「ほとんどが時効になりましたよ。」
「くそ〜!あの時捕まえれたら!」
両津が悔しがる。
「ヤクザもとい暴力団は年々解散していってるからな。いずれ、暴対法がなくなるでしょう。」
「そこでだ。お前らに真っ当な仕事をわしが支援してやる。」
「嫌な予感しかしないが…」
政と凸山が両津を見る。
「以前、御所河原組にやった地域貢献は途中までは成功していた。問題は他のヤクザと抗争してしまったところだ。」
時行がホワイトボードに書き込む。
「そこで君達がヤクザ同盟を結んでもらう。」
「ヤクザ同盟?」
「そうだ。東京都でも力を持つ君達が同盟を結ぶことで互いの抗争を抑えつつ他の極道に圧をかけることができる。」
時行がホワイトボードに『コスプレ』『野球』『京華さん』と書く。
「待ってくれ時行君。その書き方はおかしい。」
一文字が止める。
「ちゃんと組の名前を書いてくれ!」
「分かりやすいだろ。」
「それだと全然ヤクザ感がない!」
一文字が出て来てちゃんと御所河原組、魔瑠貌組、印手理組と書く。
「それで同盟を結んでどうするつもりだ?他の暴力団に圧をかけると言っても他の暴力団同士で組まれたらさらに抗争がデカくなるだけだ。」
「広島東洋カープに嫉妬して手ぇ結ぶ中日と阪神みたいなもんか。」
「どういう例え?」
両津の提案に疑問を持つヤクザ達。それを想定そていたのか両津は冷静に話し始めた。
「だからお前達を選んだ。わしが知ってるお前達なら何かあればすぐわしに報告出来るだろ。京華を通せば簡単だ。他が同盟組む前にわしらで摘発出来る。」
「確かに両さんはいくつもの暴力団を壊滅させた実績があったわね。」
京華が纏や中川から聞いた話をする。現に小夜子がいた暴力団などを壊滅させていた。
「お前達の極道ネットワークを作れ。もし、何かあったらすぐわしに報告出来るようなシステムを作るんだ。」
「警察の後ろ盾は嬉しいが…」
「後ろ盾、両津の場合、藁の盾。」
「やかましい!」
川柳でディスる御所河原に叫ぶ両津。それにプププと笑うのを我慢する一文字。
「この同盟はお前達自体をお互いに監視させる目的もある。特にお前だ魔瑠貌組。」
「何故わしだ!?」
「指名手配犯ばかりの凶悪暴力団だろうがぁ!」
今、逮捕しないのをありがたく思えと追加する。
「まぁ、同盟自体は賛成しましょう。今までと然程変わらないでしょうから。」
「こちらも賛成だ。」
印手理組と御所河原組が同盟に賛成する。両津が魔瑠貌を睨む。ここで敵対するわけにもいかないので魔瑠貌組も同盟に賛成した。
「よし!ここに両津同盟の締結を…」
「「「ちょっと待ったぁ!」」」
それぞれの組長が異議申し立てる。
「なんだ!?お前ら、同盟に賛成しただろ!」
「名前に問題がある!何故両津同盟なんだ!?」
「わしが仲介役になったからだ!薩長同盟と同じだ!」
「全然違うだろ!」
両津同盟に文句を言う。
「ここは広島東洋カープ同盟にするべきじゃ。」
「なんであなたの好きな野球チームの名前にするんですか!?どちらかといえば私は横浜ベイスターズのファンです!」
「なんじゃとぉ!」
「ここはミッシェル同盟にすべき。」
「それはこの前見た魔法少女アニメの敵組織の名前だろ。」
組長達が同盟の名前で言い争う。
「では、間をとって逃若党にしましょう。」
「どこの間をとった!?」
全然決まらない。
「御所魔瑠印同盟は?」
「ダサい!」
「御所河原、魔瑠貌印手理、同盟は?」
「川柳にしないでいいですから!」
一文字がだんだん疲れてくる。
「やっぱり広島東洋カープ同盟じゃろ!」
「コスプレ同盟。」
「片倉原太同盟にしましょう!」
「京華!?」
最早、自分が好きな物を言い始める始末。政も凸山も疲れていた。
「普通に極道同盟にしましょう!」
「「「それはつまらん。」」」
「別にいいでしょう!」
一文字がホワイトボードに極道同盟と書いて決めた。もうめんどくさくなったのか御所河原は次のコスプレを考え、魔瑠貌はバットで素振りを始めた。
「仕事より疲れる。」
「頑張れ。」
「親分…」
一文字を労う両津と京華。こうして、御所河原組、魔瑠貌組、印手理組による極道同盟が締結されたが不安しか感じない時行であった。