ある日、両津は新葛飾署で友人達からお願いされていた。
「お見合い?」
「そう!田宮から聞いたんだが両さんがセッティングしたお見合いで超絶美人と結婚出来たって。」
「しかも、その美人もミリタリーが趣味なんだって。」
「そうだよ。2人とも戦車が好きだから趣味があったんだよ。」
両津が缶コーヒーを飲みながら話す。
「他にも潜水艦、攻撃機、空母といろいろセッティングしたな。」
「それだよそれ!それをしてほしい!」
「あれはお互いの趣味が一致したから成功したんだ。お前らの趣味はなんだ?」
両津に聞かれ悩む友人達。
「コ、コスプレイヤー撮影。」
「格ゲー。」
「ど、読書かな?…漫画だけど。」
「俺、バンドが好きだ!」
「ダメだな。」
両津が頭を抱える。
「そもそも田宮は軍事ライターというちゃんとした仕事があるから結婚してもやっていけるんだ。お前らの仕事ってアルバイトとかだろ。」
「それでも結婚したい!」
「バンドが仕事だ!」
両津は考える。友人達は婦警達を見てうっとりしていた。
「新葛飾署って9割が女性だしそのほとんどが美人じゃん。いいよなぁ。ハーレムじゃん。」
「いいもんじゃないぞ。そのハーレムになれるのは中川や風波、時行ぐらいであとは話しかけることすら無理だ。」
「両様~!」
「両津さん。」
両津はマリアと早矢に呼ばれて席を離れる。そこに纏と麗子も来てみんなで談笑していた。
「両さんもハーレムしてるよな。」
「あれでモテるから世の中分からん。」
両津が戻ってきた。
「両さん。出来れば麗子さんや早矢さんを紹介してほしい。」
「諦めろ。お前らじゃ不釣り合いだ。」
両津がざっくり断言する。友人達が項垂れていると両津が仕方ないとため息をつきながら提案した。
「麗子や早矢は無理だが署内の美人婦警を紹介してやる。」
「マジで!?」
「ああ、お前らの趣味に合う婦警と見合いさせてやるよ。」
「ありがとう両さん!」
「さすが!」
友人達は大喜びしていた。それから数日後、両津は友人達を貸切にしたレストランに呼び出す。友人達はタキシードやスーツで身を包んでいた。
「そんな決めなくても普通の格好でいい。」
「普通って。」
「私服でこい。」
「無理だ!俺の私服は痛車ならぬ痛シャツだぞ!たきなちゃんを着てここに来る勇気はない!」
友人達がギャーギャー文句を言っている。両津は友人達を宥め席に着かせる。友人達がキョロキョロ見回すが女性達は誰1人いない。
「両さん。ホントに来るの?」
「もちろん呼んでいる。」
両津がそう言った時、照明が消えた。別の場所で待機していた時行が消したのだ。友人達が困惑する中、両津はマイクを持った。
「では、うちの署が誇る美人婦警をご紹介いたします!エントリーNo.1!春野百日!」
「よ、よろしくお願いします。」
最初の婦警に友人達は大盛り上がりだ。
「続いてエントリーNo.2!鳳麟寺沙羅!」
おしとやかな婦警の登場に友人達は興奮する。
「どんどん行きますよ!エントリーNo.3!雛野姫香!」
「よろしく!」
友人達はガッツポーズしている。
「エントリーNo.4!保可炉衣土!」
「よろしくお願いします。」
「「「おぉ~!!」」」
保可炉のアニメ声に友人達が歓声をあげた。
「これで最後になります。エントリーNo.5!椎名蘭!」
「よ、よろしく…」
椎名は顔が引きつっていた。これで全員が揃った。これからお見合いパーティーが始まる。けど、友人の1人が隣にいる時行が気になり両津に聞いた。
「両さん、この子って…」
「わしが育てている。」
「北条時行です!よろしくお願いします!」
「よ、よろしく。」
「では、男性陣の自己紹介からお願いします。」
両津が友人達にふる。友人達はあたふたしながら自己紹介を始めた。
「ゲームセンターで働いています。巣鳥居通ファイタです。」
「しょ、小説を書いてる雨恋内名朗と言います。」
「坂東響太!ブラックシャウトというバンドやってます!」
「小巣府令撮太郎。カ、カメラマンをしています。」
それぞれ自己紹介を済ませる。椎名達も改めて軽く自己紹介した。
「それでは、お互い好きな物や趣味を語り合っていただきます!」
「そ、そう言われても…」
「私は逃げるのが好きです!」
巣鳥居通が後込みしていると時行が最初に言い出した。それに続いて椎名が話し始めた。
「ま、漫画とかは好きですよ。」
「ヤンキー漫画だな。」
「違います!そ、その…不良が主人公の漫画です。」
「ヤンキー漫画じゃねぇか。」
椎名の話に雨恋内が乗った。
「僕も漫画好きです!」
「漫画でしたら私も描きますよ。」
漫画の話に姫香が入った。
「本当ですか!?」
「はい。」
姫香が渡した漫画を読む。
「凄い。戦車の造形も素晴らしい。」
「戦車はわしが描いた。」
両津が笑って話す。雨恋内は意気消沈していた。
「他にもコスプレとかもしますよ。」
「マジで!?」
今度は撮太郎が反応した。
「自分、コスプレイヤーとかも撮影します!」
「とかじゃなくだけだろ。」
撮太郎が撮ったコスプレイヤー達の写真を見せる。それを見て姫香は感動していた。
「凄い!こんなに綺麗に撮れるのですね!」
「そ、その…こういうのは得意なんです。」
2人で盛り上がっている。それに負けじと巣鳥居通も話し出す。
「ゲームとかは得意です!ゲーセンで働いていますので格闘ゲームなどが得意です!」
「私も好きです格闘ゲーム!」
百日がその話に乗った。こっちも盛り上がった。
「百日はわしとよく格ゲーする仲だ。腕は保証するぞ。」
両津に褒められご満悦の百日。一方の姫香と撮太郎も盛り上がっている。お互いコスプレ衣裳や写真などを見せ合っていた。それを見ていた時行が両津のところに行く。
「これで良かったのですね。」
「ああ、あいつら奥手だからな。誰か切り出す役が必要だった。お前が一番の適任者だったよ。」
両津が時行を褒める。
「これとかどうですか!?」
「いいですね!それなら…」
「「時行君に合う!」」
話は時行に飛び火した。姫香と撮太郎が見せたのはメイド服やチャイナ服だった。2人は時行にコスプレしてほしいという目をしていた。
「絶対似合う!」
「君ならなんでも似合う。」
「そ、そういうのはちょっと…」
時行はなんとか話題を反らそうと保可炉を見る。雨恋内と会話しているも無表情だった。
「保可炉さん!以前新葛飾署コンサートの時の歌声、素晴らしかったです!」
「ありがとうございます。」
「保可炉はカラオケのボカロ曲で100点を何度も出したこともあるぞ。」
「凄い!」
「姫香さんと一緒にボーカロイドも作ったこともあります。」
雨恋内と坂東が反応した。
「やってるんですか!?」
「え、ええ。作詞作曲や演奏も得意なので。」
「俺も昔は作詞作曲やってたんですよ!今じゃマイケル・ジャクソンやメタリカのコピーバンドですけど。」
「マイケル・ジャクソン、私好きですよ。」
そこに沙羅が加わる。
「本当ですか!?」
「はい。」
「時行。」
両津は時行にマイケル・ジャクソンの曲を流させる。すると、沙羅が歌に合わせて踊り始めた。その再現の高さに坂東達は目を奪われていた。
「沙羅は両親がヘヴィメタルバンドをやっていて学生の頃はバンドしていたそうだ。」
両津の話に坂東が感動している。周りもみんな見入っていた。曲が終わり沙羅の踊りも終わった。全員拍手している。しかし、沙羅はキョトンとしていた。
「凄かったよ!」
「え、え~と…」
「ちなみに、踊ってる間の記憶は無い。」
「えぇ~…」
全員唖然としている。そこからもお見合いパーティーは問題無く進行している。百日と巣鳥居通が格ゲーの物真似をしている。すると、巣鳥居通の手がコップに当たり椎名にかかってしまった。
「すみません!」
「大丈夫です。」
椎名が服を拭こうとした時、眼鏡が落ちてしまった。それを雨恋内が拾って渡す。両津と時行はまずいと思い急いで離そうとした。
「落ちましたよ。」
「あ、ありがとう。」
意外と普通。それにホッとしていたが雨恋内が震えていた。時行が何があったのか回り込んで見ると椎名が雨恋内を睨んでいた。
「え、な、なんで?」
「椎名は眼鏡を外すとヤンキーになるぞ。だから、眼鏡が外れると近寄らずゆっくりと後ろに下がるようにしろ。」
「私は熊かぁ!」
椎名が両津を蹴り飛ばした。その威力に時行以外の全員が固まっていた。眼鏡を掛けた椎名が倒れている両津を見て冷や汗を掻いていた。こうして、お見合いパーティーは終わった。
数日後
「やってしまった...」
「まだ引っ張っているんですか?」
頭を抱える椎名に中川が声をかけていた。両津は気にしていない様子だ。
「あれからどうなりました?」
「それぞれメアドを交換してデートをしているみたいだぞ。」
「良かったじゃないですか。」
両津に送られてきた写真を見る。ゲームセンターで格ゲーをする百日と巣鳥居通、コスプレイベントに参加している姫香と撮太郎、坂東のバンドに参加している沙羅、保可炉と一緒にカラオケに行っている雨恋内がいた。
「まだ結婚には遠いが1歩前進ってところだな。」
「私は何も前進していませんけど。」
唯一誰ともメアド交換していない椎名が不貞腐れていた。両津は時行に耳打ちする。時行は椎名のところに行ってスマホを出す。
「椎名さん、メアド交換しましょう!」
「本当ですか!?」
椎名はウッキウキだった。
「椎名は時行がいれば彼氏なんていらんだろ。」
「時行君一筋ですからね。」
時行とメアド交換が出来て嬉しそうな椎名を見る両津と中川だった。