「よっしゃあ!」
「あぁ~!」
ある日、両津と時行がスマホゲームしていた。そこに椎名が来る。
「何しているんですか?」
「椎名か。『メタルメカバトルシティ』というゲームだ。」
「なんですかそれ?」
「簡単に言えばバトルロワイヤル方式のTPSゲームだ。オンライン上で無作為に集められたプレイヤー100人が同時にひとつのステージに降下し、ステージ上に落ちている武器や乗り物などを利用しながら最後の1人になるまで戦うやつだ。」
両津が説明する。
「別名『機鋼乱闘都市』とも言う。これの面白いところはパイロットモードとメカモードに変わることが出来る。」
両津が練習モードで椎名に見せる。両津のパイロットは筋骨粒々の男性キャラクターみたいだ。すると、突然ごついメカが出てきて男性キャラクターが乗り込んだ。
「おぉ!」
「これがメカモードだ。好きな時にパイロットモードとメカモードを使い分けて最後の1人、ウィナーになるまで戦うゲームだ。」
両津が説明していると大原部長が来た。メタルメカバトルシティを見て眉をひそめる。
「なんだそのくだらないゲームは。」
「くだらないなんて失礼ですよ部長。これは今、大人気のTPS ゲームなんですよ!」
「そんなもの知らん!そんなゲームをする暇があるなら昇級試験の勉強でもしろ!」
両津の言葉など聞く耳持たない大原部長は叱るだけ叱って去って行った。
「凄い怒られましたね。」
「部長世代は新しい物に対して頑固だ。何言っても無駄だ。」
両津はため息をつくとメタルメカバトルシティを再開した。
「椎名もやってみるか?」
「え、ええ。」
椎名もメタルメカバトルシティをインストールして始める。
「これの面白いところはパイロットを自分好みにカスタマイズ出来ることだ。」
「ちなみに私はこんな感じにしてみました。」
時行が見せる。黒髪長髪のポニーテールの青年だった。椎名は感嘆していた。椎名も自分でパイロットをカスタマイズする。自分に似せた女性だ。椎名が実際にゲームを始めた。両津と時行と同じチームに入っている。
「すぐにはメカモードにはなれない。一定時間経過するとメカモードになれるようになる。」
「なれました。私は…この格闘メカにしてみます。」
両津は多数のキャノン砲が着いたメカ、時行は刀を持ったメカを選んだ。椎名は初めてのゲームに苦戦するも両津のおかげでウィナーになれた。
「思ったより面白いですね。」
「だろ。最近のスマホゲームは進化していってる。スマホそのものの高性能化もあるが人の想像力がここまでの進化を可能にしたのだ。」
「私が産まれた時代では考えられませんでしたね。」
椎名がゲームにハマっていた。そこに来た大原部長に怒られる。その夜、大原部長が帰宅すると孫の大介が来た。大原部長にメタルメカバトルシティを見せる。
「このゲーム、今流行ってるんだ。おじいちゃんもやってみて!」
大原部長は大介に言われた通りにメタルメカバトルシティをやってみた。すると、みるみるうちにハマってしまった。大原部長は大介と一緒にメタルメカバトルシティをすると自分の戦い方を見つけた。
「こうやっていけばいいのだな。」
「そうだよ!」
完全にメタルメカバトルシティの虜になる。鎧武者のようなメカを使い大介と一緒に遊ぶ。そこからはたまに大介と一緒にメタルメカバトルシティをするようになった。仕事の合間を見つけてはメタルメカバトルシティをする。そんな日が続いたある日、大原部長は伸び悩んでいた。今までの戦い方では勝てなくなったのだ。
「う〜ん。どうすれば…」
「大原君がメカバトとは珍しい。」
そこに屯田署長が来た。
「実は私も孫から一緒にやってほしいと言われてね。」
「署長もですか。」
屯田署長がスマホを見せる。
「ほう。さすが署長。かなりレベルが上がってますね。」
「大原君こそ。」
2人はメタルメカバトルシティの話で盛り上がっている。2人はチームを組んでゲームを始めた。同時刻、両津と時行もチームを組んでゲームをしていた。
「いつも通りお前は前衛、わしは後衛だ。お前の機動力で翻弄したところにわしが高火力で一網打尽。いいな?」
「分かりました。」
早速、ステージに入る。近未来的な架空の街がステージだ。学園に降下してアイテムを探す。敵チームがいたので時行を囮にして両津が敵を狩る。
「ナイスだ時行。」
「ありがとうございます。」
2人はどんどん敵チームを狩って行く。メカモードになれるため2人ともメカモードになった。時行が前に出る。空から戦闘機に変形するメカが現れた。時行は建物の陰に隠れる。
「両さん。空にメカがいます。」
「フォーストームか。そいつはわしに任せろ。ホットゴールドで打ち落としてやる。」
両津は空を飛ぶメカに腕から放つ火炎弾を当てて破壊した。そこに時行が追撃してパイロットを倒した。
「殺られたっす!」
どうやら、時行が倒したパイロットは孤太郎のようだ。パイロットを倒した両津は時行を褒める。
「さすがマサムネ。追撃はお得意だな。」
両津と時行は日本風の城に向かう。そこにもパイロットがいる。隠れながら様子を探る。すると、誰かに似ているパイロットを見つけた。
「両さん。」
「あれは…まさか部長!?いやまさか、あんだけわしにくだらないと言いながら自分もやっていたのか。」
両津はイラッとしたのか狙撃でパイロットにダメージを当てる。
「うおっと!」
正解だ。両津が当てたのは大原部長のパイロットだ。大原部長はいきなりのダメージに驚いている。城の中に隠れて屯田署長と合流した。
「大丈夫かね大原君?」
「はい。多分どこかにわしを狙っている者がいます。」
大原部長と屯田署長は城から離れる。すぐにメカに乗った。重装備の鎧武者のようなメカだ。屯田署長はガトリングガンを装備したメカに乗る。それを両津と時行が見ていた。
「やっぱり。もう1人は署長だ。」
「この警察署って凄い自由ですよね?」
「…聞くな。」
心当たりのある両津は目を反らした。すると、何か悪巧みを考えたのかニヤニヤし始めた。
「時行。わしはここで退場する。今から1人で頑張ってくれ。」
「両さんは?」
「わしは大原部長のところに行ってくる。本当にそれが大原部長ならちょっとやり返したい。」
両津はわざと他のパイロットに殺られて退場した。時行はここから1人で頑張らないといけない。両津はすぐ新葛飾署に向かう。時行は両津の指示通りに大原部長に攻撃を仕掛けた。
「来た!」
大原部長と屯田署長は時行を攻撃する。しかし、高い機動力に翻弄されていた。
「速いぞ!」
「ぜ、全然当たらん。」
新葛飾署に到着した2人はおそらく署長室だろうとふみ電柱を登り署長室を見る。案の定、時行に翻弄された2人がいた。スマホ画面を見ると予想通りと笑った。
「部長め。散々わしにくだらないだと罵倒してくれたな。」
両津はニヤリと笑い写真に撮る。まだ2人とも気付いていない。その2人は時行を追いかけていた。しかし、スピードの差は歴然。時行はあっという間に逃げ切った。
「素早い…」
「仕方ない。ここは…」
屯田署長が退こうとした瞬間、時行が刀で屯田署長のメカを真っ二つに斬った。メカは爆発しパイロットが吹き飛ばされた。
「なにぃ!」
屯田署長は逃げるも他のパイロットに狙撃され退場した。時行はそのパイロットの狙撃を避けると接近した。パイロットは戦車に変形するメカに乗り込み応戦する。そこに拳で攻撃するメカも来た。戦車に変形するメカと同じチームのようだ。部長のメカも参戦して大乱闘になる。部長のメカが拳で攻撃するメカを、時行が戦車に変形するメカを斬る。
「「あぁ~!」」
左近寺とボルボが叫んだ。どうやら、この2人のようだ。これで時行は大原部長と一騎打ちになった。他のパイロットも居ない。この戦いに勝利した方がウィナーとなる。
「よし…行きます!」
「来た!」
「大原君!頑張りたまえ!」
メカによる激しいバトルが始まる。見た目は侍と鎧武者だ。戦国時代っぽい感じになっている。しかし、だんだんと時行が優勢になっていく。まだ始めたばかりの大原部長と両津と共に成長した時行じゃ動きに差が出るのは当然。時行は大原部長のメカを破壊するとそのままパイロットを追撃して倒した。
「や、やりました。最後の1人になりましたよ両さん。」
時行が喜び仰向けになる。両津はいい写真が撮れたと笑っていた。
「部長と署長が仕事を忘れてゲームなんて。本当にゲームは恐ろしい。」
両津は時行のところに戻る。時行が両津にSNSでウィナーになったことを報告する。両津も時行に返信する。すると、そこに猫が出て来て両津に飛び乗った。両津は慌てて追い払う。
「まったく。エサなんて持ってねぇぞ。」
両津はもう一度SNSを見る。何故かさっき撮った大原部長と屯田署長がゲームしている写真が投稿されていた。両津は思い出す。おそらくさっき猫を追い払った時に偶然投稿してしまったのだろう。両津は冷や汗を掻く。
「まずい。わしはもう知らん!」
両津は投稿を消して逃げる。しかし、もう遅い。両津が投稿してしまった写真は既に拡散されていた。
後日
『大人気ゲーム“メタルメカバトルシティ”を仕事中にしていたとして新葛飾署の署長と署員に厳重注意が…』
「両津はどこだぁ!?」
「両津の大馬鹿者はどこにいるぅ!?」
「両さんなら自分でゲームを作りたいとゲーム会社に行きました!」
派出所の休憩室でニュースを見ているとメタルメカバトルシティのメカと同じ格好をした大原部長と屯田署長が怒り狂って突撃して来た。その2人に両津の居場所を喋る時行であった。