ある日の派出所
そこに自転車に乗った警官がやってきた。
「お久しぶりです!両津勘吉巡査長!ただいま戻りました!」
「お帰りなさいです!」
「両津先輩、お帰りなさい。」
派出所には時行と椎名しか居なかった。その2人もあっけらかんとした挨拶だけで終わらした。
「ね、ねぇ。両さんが久しぶりに帰って来たんだよ。」
「久しぶりにって両津先輩一週間有給とって休んでいただけじゃないですか。」
「両さんならいつでも会えますしね。」
両津は目を点にした。2人の対応に納得いってない様子だ。
「この小説が久しぶりに投稿されたんだぞ!もっと喜ぶべきだろ!」
「実感わきません。」
「そうですね。」
「この小説は前話までほぼ毎日投稿していたんだぞ!それが一週間以上空いたんだ!戻って来たら大喜びでお帰りなさいと言うところだろうが!」
「知りませんよ!」
両津が熱弁するも時行も椎名も解ってなかった。両津は周りをキョロキョロ見回す。
「そもそも中川と麗子はどこ行った?」
「中川さんと麗子さんなら両さんが休みに入った後、すぐに海外へ旅行に行かれましたよ。」
両津の質問に答える時行。すると、両津はメラメラと怒り出した。
「わしが出たのにあいつらはまだ休んでいるのかぁ!」
両津が中川と麗子に電話するも繋がらない。逃がさん!と叫びながら様々な方法で中川と麗子を捕まえようとする。そこに道を尋ねに来たおじさんが現れた。
「あの~、ちっくらおたずねすっけど…」
「喧しい!今それどころじゃねぇ!」
「両津先輩!?」
おじさんを追い払う両津。時行と椎名が慌てて止めた。結局、中川も麗子も捕まえることが出来なかった。両津は椅子に座ると項垂れた。
「くそ~。叫ぶと腹へった。」
「私も昼食べ損ねましたね。」
「よし!出前でもとるか!」
「いいですね!」
両津の提案に乗る椎名。
「何にしますか?」
「そうだなぁ。天野屋の天丼にしよう!代金はツケてくれ。」
「そのツケ、いつ返ってきますか?」
「い、いつかな。」
椎名が天丼を3つ注文した。出前が来るまで他愛もない会話をする。
「そういや、お前の家ってどんな感じだ?」
「私の家ですか?父親は塾長で母親は高校の教師ですよ。」
「お前の両親、先生かよ。」
両津が嫌な顔をする。
「なので厳しい家でしたよ。下校してから30分以内に帰宅しないと家に入れないし休日は一日中父親の塾で勉強。友達作るのも禁止されてましたよ。」
「そりゃあ、グレてヤンキーになるよ。」
両津は想像したくないと頭を抱える。
「早く逃げたくてしょうがなかったですよ。一人っ子でしたので寂しかったですし。」
椎名が時行に抱き着き頬をスリスリしている。
「時行様のような弟が欲しかったです。」
「姉ですか…私には兄はいましたが姉はいませんでしたね。」
「これからは私をお姉ちゃんと呼んでください時行様!」
椎名のスキンシップが激しくなる。そこに出前が来た。椎名が支払いしてみんなで天丼を食べる。
「美味しいですね。」
「ここの天丼は美味いぞ。」
天丼を食べ終えた両津達。両津が椎名の報告書類を見る。
「駐車違反が2件に空き巣に道案内に銀行強盗に迷子の案内か…昔と比べて面倒事が増えた。嫌な世の中になってしまったもんだよ。」
報告書類を見た両津が呆れる。時間を見る。まだ13時過ぎだ。
「交替まで2時間か。暇だなぁ。」
「それでしたら…」
時行がトランプを取り出した。
「これで遊びませんか?」
「いいね!折角だから何か賭けよう!」
「賭け事はまずいのでは!?」
「分かったよ。確か…あった。わしが買ってたどら焼きを賭けようじゃないか。」
「まぁ、それぐらいでしたら。」
両津と時行と椎名は休憩室でポーカーを始めた。
「よし!フルハウスだ!」
「両津先輩強すぎます!」
両津の圧勝だ。両津は笑いながらどら焼きを食べようとする。そこに慌てて誰か入ってきた。
「大変ですお巡りさん!」
「はい?」
「お前はお巡りじゃないだろ。」
返事した時行の頭を叩き両津が出る。
「なんだね?」
「酔っぱらい同士の喧嘩です!」
「昼間っから酔っぱらいかよ。」
両津は通報のあった場所まで行く。既に野次馬が出来ており騒いでいた。
「お巡りさん!大変です!」
「だから、こうして来たんだ。それで喧嘩してるのはどいつとどいつだ?」
野次馬を抜けると2人の男が取っ組み合いの喧嘩をしていた。
「なんだとー!?」
「なんだとはなんだ!?」
「典型的な酔っぱらいだな。」
両津が仲裁に入る。
「ここで暴れるな。話なら派出所で聞いてやる。」
「うるせぇゴリラ!」
「醜男に用はねぇ!」
「さっさとこい!」
両津が2人を投げ飛ばし派出所に連行した。
「待ってましたよ両津先輩。」
「うひょー!かわいー!」
酔っぱらいの1人が椎名に近寄る。
「え?何?」
「丁度いい。椎名。お前がそいつの調書とれ。」
「えぇ~。」
仕方なく椎名が酔っぱらいから話を聞く。
「あっちから突然けしかけてきたんですよ~!私はなんにも悪くありませ~ん!」
「それよりどれだけ飲んだんですか?」
椎名が鼻を摘まむ。相当酒臭いのだ。
「たった焼酎5瓶とビール10杯ですよ~!」
「昼間から飲み過ぎでしょ!」
「車運転してないから犯罪じゃありませ~ん。」
「喧嘩はしてるんですよね?」
椎名は苦戦していた。同様に両津も酔っぱらいから調書を取っているが苦戦していた。
「あっちが先にぶつかってきたんだバカヤロー!謝りもせずに逃げようとしたんだぞバカヤロー!」
「落ち着け。お前も相当飲んでるようだが?」
「日本酒とウイスキーがっぽりだバカヤロー!」
呂律が回らず悪態つくだけの酔っぱらいに両津は頭を抱える。そこに時行が水を持って来た。両津と椎名は酔っぱらいに水を飲ませようとする。
「ほらっ。水だ。」
「これ飲んで落ち着いてください。」
「そんなもん飲んだら酔いが覚めるだろバカヤロー!」
「覚ませるために飲ませるんだバカヤロー!」
「姉ちゃ~ん。手錠見せて。そしたら飲んで~あげる~。」
「はぁ?」
全然飲む気配がない。両津は言い合いになり椎名は話を進めるために手錠を見せた。
「これで満足したら飲んで…」
ガチャリ。その音を聞いた椎名が自分の両手を見る。手錠を掛けられた。
「婦警ちゃん捕まえた~!」
笑う酔っぱらい。頭に筋が入りイライラする椎名。両津とだんだん言い合いが罵り合いになる。
「さっさと飲めバカヤロー!」
「バカヤローって言った方がバカなんだぞ!」
「だったらお前、ものすごいバカじゃねぇか!」
「両さん!落ち着きましょう!」
時行が宥めるも両津も筋を立ててイライラしていた。そこに酔っぱらいが近くにあった書類を投げつけた。
「ガキも邪魔だバカヤロー!」
「もう頭にきた!」
ついに堪忍袋の緒が切れた両津は酔っぱらいを投げ飛ばした。椎名も手錠の鍵を取り出し外そうとした時、酔っぱらいが椎名のお尻を触った。
「ひゃぁん!」
「可愛い声だすねぇ婦警さ~ん。そんなダサい眼鏡なんか取りましょうや。」
鍵を落として拾おうとした椎名の眼鏡を取る酔っぱらい。顔を見ようと覗き込んだ。
「婦警さんの顔はどんなかな~?」
「おい。さっきから大人しくしてりゃあ調子に乗りやがって。」
「あれ?」
「くたばれぇ!」
「椎名さ~ん!?」
椎名が酔っぱらいを蹴り飛ばす。そのまま蹴りで手錠を破壊する。時行がなんとか2人を止めようとするももう止まらない。両津は投げ飛ばし殴り飛ばし、椎名は蹴り飛ばす。派出所内はまうめちゃくちゃだ。時行は巻き込まれないように逃げた。
「警察官が何もしないと思ったら大間違いだぞ!」
「そうか両津。」
両津と椎名の動きが止まる。おそるおそる振り向くと大原部長がいた。
「休暇明け早々派手にやってるじゃないか。」
「そ、それは…」
「い、言い訳だけでもお願いできませんか?」
両津と椎名は冷や汗が止まらなくなる。
「両津、椎名君。どうやら君達にはこの派出所は向かないようだ。わしがいいところを紹介してやる。」
そして…
「両津先輩。ここ、気持ちいいですよ。」
「そうだな。」
「空気も美味しいし静かです。」
「そうだな。」
「交替なしで食事と寝床付きで通う必要もなく犯罪も問題も起きないなんていい派出所じゃないですか。」
「国後島が見えてなければな。」
両津と椎名は納沙布岬派出所に左遷されていた。
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大原 大次郎
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擬宝珠 檸檬
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擬宝珠 纏
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椎名 蘭
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潮田 渚
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諏訪 頼重
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星 逃田
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