「両さんの誕生日ですか!」
派出所ではもうすぐ3月3日になるため両津の誕生日をしようという話になっていた。
「ええ。3月3日。雛祭りと同じ日が先輩の誕生日なんです。」
「雛祭り?」
「雛祭りは桃の節句とも呼ばれ女の子の健やかな成長と幸福を祈り雛人形を飾って菱餅を食べたり白酒を飲んで楽しむ行事なんだ。」
「それと両さんのお誕生日が重なるなんて素敵ですね!」
「そ、そうね。」
時行がキラキラした目で喋るも麗子の歯切れが悪い。
「どうかされたのですか?」
「毎年両ちゃんの誕生日をしてるのだけど…」
「先輩は祭り好きでハチャメチャだから普通の誕生日じゃ満足しないんですよ。」
麗子と中川がから笑いする。時行はう~んと考える。自分の誕生日の時は1日鎌倉市長というプレゼントをもらった。その恩返しがしたいと思った。
「でしたら私が計画しましょうか?」
「時行君が?」
「はい。私も両さんに祝ってもらいましたので是非そのお返しがしたいのです。」
中川と麗子が考える。
「いいかもしれませんね。」
「そうね。新鮮かも。」
「でしたら費用などはこちらで工面するので好きにしてみましょう。」
「ありがとうございます!」
時行は中川と麗子にお辞儀してお礼を言った。
「まずは先輩が好きな物を考えてみるといいですね。」
「両ちゃん、食べることが好きなのよ。」
「確かにそうですね。」
時行は以前、両津が寿司と焼肉とケーキをたらふく食いたいと言っていたことを思い出した。そこに椎名が来た。時行達が両津の誕生日のことを話すと喜んで協力してくれた。
「両津先輩派手な催しが好きと言ってましたね。例えば三社祭とか。」
「確かに先輩は祭り好きですね。」
「それでしたら雛祭りと合わせてみるのはどうでしょうか?」
時行達は次々とアイデアを出し合い両津の誕生日の計画を進めていた。両津が好きだという派手なパーティーのためにホテルを貸し切り寿司や焼き肉、さらには中華やフレンチまでも用意することにした。
「さすがにこれだけやれば喜ぶでしょう。」
「弧太郎達にも招待状は送りました。」
「あとは両ちゃんね。」
「そうでした!贈り物はどうしましょうか?」
「両津なら100%金だろうな。」
そこに大原部長が来た。
「確かに先輩は絶対金を要求しますね。」
「私達があげたプレゼントも全て換金したことがあったわね。」
時行が若干引く。
「だから、今回は換金出来ないプレゼントを用意するべきだな。」
「例えば先輩の名前入り有名人のサイン色紙とかですね。」
「商店街の半額券とかも良いわね。」
「あとは手作りでしょうか?」
「それもいいですね。」
こうして、場所もプレゼントも決まった時行達は早速準備を始めるのであった。
3月1日
時行は両津に誕生日のことを教えた。
「…ということでこちらに来てください!皆さんで両さんをおもてなしします!」
「そうか!サンキュー時行!」
両津は嬉しそうだった。時行が去って行った。すると、両津のスマホが鳴った。両津の友人からの電話のようだ。
「わしだ。」
『両津。明日、北海道で大食い大会があるんだが一緒に出ねぇか?優勝賞金は500万だぞ。』
「明日だと!いきなりすぎるだろ!」
(いや、待てよ。北海道なら1日あれば往復は可能。さっと行ってさっと終わらせてさっと帰れば間に合うか。)
「よし!行くぞ!」
そして、誕生日当日
貸し切りにしたほてには時行や中川達派出所のメンバー、左近寺やボルボ達に弧太郎達が集まっていた。ステージには雛壇があり時行達は雛人形と同じ格好をしていた。もうすぐ両津が来るはず。しかし、なかなか来ない。
「おかしいですね。」
「ちゃんと伝えたはずが…」
廊下に出た中川が両津に電話する。
「先輩?」
『すまん中川…』
「今、どこにいるんですか?」
『北海道だ。』
「北海道!?」
中川が驚く。
『大食い大会に行ってたんだが急に吹雪と嵐で飛行機が運航中止になってな。今、自転車でそっちに向かってる。』
「どうするんですか!?みんな、先輩を待っているんですよ!」
『迎えに来てくれ。場所は…』
そこで通話は途切れてしまった。中川は仕方ないと慌てて会場に戻る。
「どうだ中川?」
「どうやら先輩、道に迷ってしまったらしくて…」
「両津が?あのバカ。」
大原部長が呆れる。
「すぐに迎えに行きます!」
中川は麗子を連れて急いでホテルの屋上にヘリを着地させ乗った。
「両ちゃん。」
事情を聞いた麗子も呆れていた。ヘリはすぐに飛び出した。
一方、両津は猛吹雪の中を自転車で駆けていた。しかし、季節外れの吹雪が視界を奪い積雪が自転車の動きを鈍くさせる。
「なんでよりにもよってこんな時に吹雪なんだ!」
両津はなんとか走らすもまだ北海道から出れない。
中川と麗子はプライベートジェットに乗り換え両津がいる北海道へと向かう。
「何考えてんだあの角刈り!」
「落ち着いて圭ちゃん!」
暴れる中川。止める麗子。
ホテルでは時行が意気消沈していた。
「時行~。」
「時行君。」
弧太郎と渚がつついたり揺すったりするも反応がない。
「時行君にミスは無いと思いますよ。」
「そうですよ時行様。」
雪長と椎名がフォローする。折角の料理も冷めてしまった。プレゼントも用意したのに渡すタイミングがない。
「両さ~ん。」
「まったくあのバカは。」
「もう俺達で始めましょう。」
痺れを切らした左近寺が料理に手を着ける。それを皮切りに弧太郎達も料理を食べ始めた。そして遂に時行も我慢出来なくなり料理を食べ始めた。
「すげー。時行ってあんなに食うんだ。」
「いつも上品だったのに。」
「ストレスは人を変える。」
三人官女の格好をしている亜矢と静が涙を流しながら暴食する時行を心配して見ていた。
一方、両津はまだ北海道にいた。やっと海が見えたが凄い荒れている。
「中川も来ないしスマホの充電も0になるし…えぇ~い!こうなったらヤケだ!」
両津は海に飛び込み青森県へと泳いで行った。そうとは知らず中川達は北海道に向かっている。結局、中川達は両津を見つけることが出来ず誕生日パーティーもお開きとなった。
数日後
「ごめ~ん時行君。また、やってくれるかな?」
「誕生日は1年に一回です。」
「毎年、両津の誕生日はこうなるからな。もうしなくていいんじゃないか。」
汗だらだらで謝罪する両津。知らんぷりする時行と中川。それを見て呆れる大原部長達であった。
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北条 時行
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両津 勘吉
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中川 圭一
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秋本 麗子
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大原 大次郎
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擬宝珠 檸檬
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擬宝珠 纏
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磯鷲 早矢
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椎名 蘭
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潮田 渚
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諏訪 頼重
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海パン刑事
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星 逃田
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佐々木 洋子
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