こちら葛飾区亀有公園前派出所
そこに走って来る人達がいる。
「まさか、自転車の両輪が同時にパンクするとは…」
「まさか、フェラーリがエンストするとは…」
「ポルシェのバッテリーが上がっちゃうなんて…」
「電車が遅延するとは…」
「野犬に追われてしまいました…」
派出所の前に息を切らした両津勘吉、中川圭一、秋本麗子、大原大次郎、そして北条時行か揃った。全員、深呼吸して息を整える。
「では、第1回!逃げ上手の転生記人気投票を始めま~す!」
両津がクラッカーを鳴らす。それに合わせる中川達。時行が気になり両津に聞く。
「人気投票ですか?」
「そうだ。アンケートをとったのが昨年の1月16日。そこからほぼ1年経過している。ちなみに、その間に投稿された小説は僅か15本だ。」
「生々しいです先輩。」
中川が両津を止める。両津は改めて人気投票の結果を発表することにした。
「ではまず第1位から!」
「待て両津。」
「なんですか部長。」
「普通は3位からだろ。何故いきなり1位なんだ?」
大原部長の質問に両津はため息つきながら説明した。
「結果発表と言いましたがもう結果は分かり切っているんですよ。それを態々3位から言わなくていいじゃないですか。」
両津が仕切り直す。
「では、第1位は…北条時行~!」
「私ですか!?」
両津がクラッカーを鳴らし中川が紙吹雪をまく。
「投票数104票と2位に倍以上の圧倒的な差をつけての1位だ。」
「大差だな。」
「納得ですね。」
「時行君だもの。」
大原部長達も認めている。
「まぁ。この小説を始めるきっかけになったからな。じゃあ、第2位!」
「待て両津!」
次に行こうとする両津を大原部長が止めた。
「もう次に行くのか。」
「そうですよ先輩。」
「時行君からコメントぐらいもらったら?」
「別にないですよ。1位になったからと言ってこれからが変わるわけじゃないですし。」
両津が愚痴る。それを大原部長が咎め時行にコメントを促した。
「コメント…抱負のようなものでしょうか?」
「それでいいと思いますよ。」
「では…今年も楽しく鬼ごっこが出来ればいいと思っています!」
「時行君らしいわね!」
全員、両津を無視して時行を祝っている。そこに両津が強引に割り込み進行を続けた。
「では、第2位!第2位は…わし!両津勘吉で~す!」
「「「・・・」」」
両津が1人で盛り上がるも時行が拍手するだけだった。木枯らしが吹き静けさだけが残る。それを破るように両津が叫んだ。
「なんで時行は祝ってわしは祝わんのだ!」
「お前など祝う気にもならん。」
「わしは49票も入ったんですよ!」
両津が嘆きながら大原部長の肩を掴む。しかし、無情にも大原部長は無視して両津の代わりに進行を始めた。
「中川。次にいけ。」
「はい。次は…7票で擬宝珠檸檬さんと潮田渚君ですね。」
「ほらっ!わしは3位と7倍も差があるんですよ!」
「うるさい!」
大原部長は両津を押し退ける。中川が3位となった檸檬と渚を呼んだ。2人はいつの間にか建てられている人気投票ゲートを恥ずかしながら潜る。
「檸檬が3位じゃと。」
「なんか、恥ずかしいですね。」
「おめでとう。檸檬ちゃん。渚君。」
「7倍ですよ7倍!」
「両津は黙っていろ!」
なんとしても目立ちたい両津を他所に進行される。
「2人とも時行君とよくペアになっていますからこの人気も妥当ですねね。」
「うむ。」
「2人も今年の抱負をお願いね。」
麗子に抱負を聞かれ悩む2人。
「檸檬はいつも通りでよい。何事もなく皆が無事に1年過ごせればよれでよい。」
「さすが檸檬ちゃんね。」
渚がさらに悩む。檸檬のような大人びた抱負が思い浮かばず大量の汗が流れている。そこに中川がフォローする。
「別にそんなに無理しなくても大丈夫ですよ。今年1年をどんな年にしたいのかでもいいですし、渚君が今年中にしたいことを抱負にしてもいぃですよ。」
「わ、分かりました。」
渚は少し考えると一呼吸した。
「今年もみんなの時間が過ごせればいいです。」
「確か今年は暗殺教室の劇場版が公開されるな。」
「今年は凄い年になりそうですね。」
渚の抱負も終わり人気投票結果発表を再開する。
「ここからダイジェストでいきますよ。投票数5票!秋本麗子!」
「あらっ!私!?」
麗子が驚く。両津は麗子をゲートの下に連れていく。
「本編でも麗子は人気があるからな。」
「確かにそうですね。」
中川達が頷く。
「続いて…」
「麗子さんはこれで終わりなのですか?」
「麗子の抱負なんて聞いても面白くないぞ。」
両津の発言に麗子がしかめっ面する。
「それにここからはダイジェストでいく。もうほとんど変わらんからな。」
両津は麗子を無視して進行を続けた。
「4票、擬宝珠纏。同率3票、磯鷲早矢、椎名蘭、海パン刑事。」
「紹介がテキトー過ぎるぞカンキチ。」
「嬉しいですわね。」
「何故、私が…?」
「久しぶりだね真っ裸刑事。」
両津に呼ばれ続々とゲートに来る面々。時行は海パン刑事から逃げるように両津の後ろに隠れる。
「続いて…」
「私達はこれだけかカンキチ!」
「何か言うことあるか?」
「…特に無いけど…」
すぐに抱負など思い浮かばず下を向く纏。
「2票、星逃田。同率1票、諏訪頼重、佐々木洋子。」
「ワハハハ!遂に私の出番が来た!」
「お久しぶりです時行殿~!」
「投票ありがとうございます。」
派手に登場する星逃田。時行に頬擦りする頼重。笑顔で手を振る洋子。洋子に笑顔で駆け寄る両津。
「いやぁ~!来てくれて嬉しいよ洋子ちゃん!」
「露骨に態度が変わってる!」
「俺は無視か!」
洋子にデレデレの両津に文句を言う纏と逃田。
「洋子ちゃん。何か一言!」
「これからも応援してください。」
「はい!これで人気投票結果発表終了!」
「「「「「待てぇ!」」」」」
大原部長達が待ったをかける。
「先輩。いくらなんでもテキトー過ぎますよ。」
「わしらはどうなった!?」
「聞きたいですか?」
両津が可哀想な目で大原部長達を見る。
「今、呼ばれなかった人達は全員0票です。」
両津の言葉に大原部長達は黙ってしまった。
「麗子や纏に負けるなら未だしも海パン刑事や星逃田、諏訪頼重にこの作品オリジナルキャラの椎名にまで人気で負けているんですよ。」
大原部長達はまた黙ってしまう。
「でしたら私が未来を見てさしあげましょうか?」
そこにまだ時行の頬を擦っている頼重が提案してきた。
「出来るのか?」
「なぁに。鎌倉時代から令和を未来視した私にかかれば。」
頼重が後光をOnにする。時行が詐欺師を見る目を向ける。すると、頼重はそっぽを向いてぶつぶつ言い始めた。
「大原さんは…ゴニョゴニョ...ああしたら人気が上がる…かも。中川さんは…こうしたらいいかも…。あっ、やっぱりあの時ああしたら良かったかも。でも…」
「小さい!」
「何言ってるか全然分からん。」
頼重に冷たい視線を向ける両津達。
「やっぱり未来は自分の手で切り開くのが一番ですよ。」
「この時間なんだったの!?」
「まぁ。今年の逃げ上手の若君のアニメ2期にこち亀の新作アニメに秋本先生のMr.クリスのアニメが出来ますのでそれを楽しみに待っていましょう。」
「メタい方の未来を読みやがった。」
頼重が汗ダラダラで話を反らす。両津は改めて人気投票結果発表を終わらせる。
「ではでは!今年はこち亀にとっても逃げ若にとっても大変大事な年になります!なので!今年の逃げ亀もわしが主役としてガンガン稼いでガンガン儲けていきますのでよろしくお願いします~!」
「両津先輩。まさか、それが言いたいだけでは?」
「それが両さんの抱負なのですね。」
1人で浮かれている両津。
「なので人気0の大原部長達の出番は激減させます!」
「ふざけるな!」
両津に詰め寄る大原部長達。
「一番の問題児は貴様だ!貴様こそこの作品から出ていけ!」
「俺に出番をよこせ!」
「逃げ若のみんなも出番が欲しいと言ってますよ!」
大原部長達に押される両津。そのまま作品外へ追い出されてしまう。
「ここは…どこなんだぁ!?」
「勝っちゃん。なんか、あの人凄い叫んでいるよ。」
「無視しろデク!」
今年も逃げ上手の転生記シリーズや異世界100カノをよろしくお願いいたします。