逃げ上手の転生記 〜亀有の破天荒警官と〜   作:虹武者

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逃げ上手と暗殺上手VS通天閣署のサバゲー対決!

 ある日、両津は派出所で新聞を読みながら愚痴っていた。

 

「最近は不景気だのパンダがいなくなっただのマイナスなニュースばかりだ。」

 

 両津は欠伸している。

 

「どいつもこいつも簡単に死にたいなんか言いやがって。」

「でも気持ちは分かりますよ。最近は不景気で倒産する会社が年々増加傾向にありますので。」

 

 中川の発言に嫌味を感じた両津が嫌な顔をする。

 

「違うだろ。簡単に死にたいだなんて言ってる場合か。こういう時こそ生きたいだろ。今の日本人は"こうだから死にたい"じゃなく"こうだけど生きたい"に変えるべきだ。」

「でも、両ちゃん。それが難しいから問題になっているのよ。」

 

 両津の持論に麗子が参加する。

 

「思うだけなら時間も金も必要ない。ホームレスは家が無いけど元気に生きているだろ。」

「しかし…」

「時行を見ろ。どんな時でも選択肢の最初は生きたいだぞ。」

「説得力が違い過ぎる。」

 

 両津が時行を指差す。自慢気にどや顔する時行を見て中川も麗子も何も言えなくなった。そこに渚が遊びに来た。2人は亀有公園に行く。

 

「とにかく!人間、どんな時も生きることを優先しろ!これだから…」

 

 両津の持論が続く。そこに電話が鳴った。両津は持論を切り上げて出る。2人が両津を見ていると「なに!?」や「上等だ!」と叫んだ。

 

「どうしたんですか先輩?」

「ハルからサバゲーの対戦依頼だ。中川、お前も来い。」

 

 両津は対春対策に中川を徴兵する。すると、亀有公園で遊んでいる時行と渚を見て両津はニヤリと笑った。

 

 サバゲー当日

 両津は中川、ボルボ、椎名の他に時行と渚を追加したサバゲーチームを連れて春が指定した場所に向かう。

 

「サバゲーですか。僕は初めてですね。」

「楽しいですよ。命をかけているけど誰も死なないところやどこから襲ってくるか分からない高揚感がたまらないです。」

「そ、そうなんだね。」

「渚。時行の楽しみ方は特殊だから気にするな。」

 

 頬を染めうっとりしている時行にどう声をかけていいか分からない渚に両津がフォローする。指定された場所に到着する。そこには既に春達通天閣署チームが待っていた。

 

「遅いでトーキョーモン!何しとったん!」

「指定された時間には間に合ってるだろ。」

「じゃわかしい!これだからトーキョーモンは…」

「すみません。」

 

 春が中川を見つける。その瞬間、両津を投げ飛ばし中川に駆け寄る。

 

「中川さん来てはったんですか!」

「う、うん。」

「それなら早く言ってください!こんな格好じゃ恥ずかしくて会えへん!」

「その格好でも似合ってるよ。」

「ホンマですか!やっぱり中川さん、分かってるわぁ~!」

 

 テンションが全然違う春に時行と渚はジト目で見ていた。両津は「いつものことだ。」と言って本題に入った。

 

「春。ルールは?」

「今回はBB弾やなくペイント弾を使うで。」

「ペイントゲームか。」

 

 春が両津達にペイント弾を渡す。

 

「うちらは緑、両津チームは赤のペイントや。当たったら血のようになるで。」

「わしらはエイリアンか。」

「ルールはフラッグ戦。相手を全滅させるか中央の建物のてっぺんにあるフラッグを取れば勝ちや。ドローンでフラッグ取るなんて卑怯なことはすんなよ。」

「それはこっちの台詞だ。」

 

 春からルールを聞いた両津は1時間後のスタートに向けて自陣で準備する。両津は渚に初めての射撃を見る。時行よりは上手だ。それを見た両津はニヤリと笑い作戦会議を始めた。

 

「いいか。春のことだ。ドローンでこっちの動きを捉えてくる。」

「それに使うのはアリなんですね。」

「そうだ。こっちもドローンを使う。」

 

 両津は地図を広げ攻め方を決める。

 

「まずわしと中川チームは右、ボルボと椎名チームは左から攻める。そして、時行と渚は正面からだ。」

「「2人で!?」」

 

 時行と渚が同時に驚く。

 

「そうだ。時行はともかく渚は春も知らん。奇襲するには一番だろ。」

 

 両津が細かく作戦内容を伝える。しかし、時行と渚には「好きにしろ。」とだけ伝えた。

 1時間が経過しペイントゲームが始まった。作戦通り両津と中川チームは右、ボルボと椎名チームは左から中央の建物へと進行した。

 

「気を付けろ。いつ春のドローンが来るか分からん。」

 

 両津はドローンを飛ばしフラッグを目指す。そこに違うドローンがいた。

 

「まずい!先を越された!」

 

 春のドローンが両津のドローンを攻撃する。

 

「見つけたで春。」

「両津も同じこと考えよったな。」

 

 両津も春もドローンでフラッグを撮影することで状況把握しようとしていた。通天閣署の刑事がドローンを操作して両津のドローンを攻撃する。その隙に春は両津チームのところへと突撃した。

 

「もろうたで!」

 

 春が両津達を捉え撃ちまくる。両津は避けながら中川を春の前に出した。

 

「中川さ~ん♡」

 

 春が分かりやすく照れる。

 

「あんたら!中川さんに当てたら承知せぇへんで!」

「今のうちに進むぞ。」

 

 春が味方に向かって乱射する。両津達は春を中川に任せて移動する。

 一方、通天閣署チームのメンバーが建物内に入る。飛ばしたドローンから両津チームもボルボチームも交戦してているのを確認する。

 

「春達が引き付けてるうちに行くで。」

「分かっとるがな。」

 

 階段を見つけて上がろうとする。その瞬間、物音がした。振り向くと時行がいた。銃すら持たず堂々と立っている。なんか興奮している。

 

「いたぞ。春から逃げ切った坊主や。」

「やったれ。やったれ。」

 

 先頭にいたメンバーが時行を撃つ。それを時行は紙一重で避けた。積み上げられた段ボールや廃材を使い華麗に避ける。そのまま満面の笑みで煽り始めた。

 

「鬼さんこちらっ。手の鳴る方へ~。」

「舐めとるでぇあいつ!」

「通天閣署の力見せたれ!」

 

 時行は手拍子しながら通天閣署チームの周りを逃げる。通天閣署チームも時行に向かって撃つが全く当たらない。その瞬間、物陰から人影が現れた。渚だ。渚は物音立てず通天閣署チームに近付くと両手に持っている銃で通天閣署チームを血祭りにあげた。

 

「初めてでしたけど上手くいきましたね。」

「凄かったですよ渚!」

 

 ハイタッチする時行と渚。その様子をなんとか建物に入り合流出来た両津とボルボが見ていた。

 

「凄いぞ両津。」

「あぁ。あれは完全に暗殺者の動きだぞ。」

 

 時行が相手の気を引き付け死角から渚が強襲する。言葉にすれば簡単だがそれを小学生がやってのけたのだから驚く。

 

「時行はあの見た目で避けるのが上手いから囮に最適だ。回避タンクの最高峰だろ。」

「渚も無駄の無い動きで近付き的確にやるのはもう才能があるだろ。」

「逃げ上手と暗殺上手か。」

 

 両津とボルボが上に行こうとする。そこに春が飛び込んで来た。春ひ時行を見つけるとすかさず狙い撃つ。それも時行は紙一重で避けた。

 

「リベンジやで!」

「はい!」

 

 春は軽快に建物内を駆け回り時行を撃つ。それに対し時行は楽しそうに避けている。そこに渚が近付く。それに気付いた春が渚を撃つ。渚は物陰に隠れて避けた。

 

「見えとるがな!」

 

 春ひ続けて階段を上がろうとする両津とボルボにも撃った。

 

「そっちもや!」

「くそっ!時行!渚!春を足止めしろ!」

「「はい!」」

 

 時行が煽るように接近する。渚も気を引き付けるため撃つ。そこに中川や椎名、他の通天閣署のメンバーも集まり大乱戦となった。

 

「あんたら!中川さんに当てたらあかんで!」

 

 春ひ中川以外に向けて撃ちまくる。その1発が椎名に命中する。ボルボも反撃し通天閣署チームを倒していく。渚は隠れ時行は避ける。

 

「これじゃあ上に行けんぞ。」

「ここで全滅させた方が早いぞ両津。」

 

 ボルボの提案に乗り両津も参戦する。大乱戦はしばらく続いたが突然の大雨でペイントが落ちるためサバイバルゲームは両者引き分けで中止となった。

 

 数日後

 

「楽しかったですね!」

「はい!初めて参加しましたけどドキドキしました!」

 

 楽しそうにこの前のサバイバルゲームの感想を言い合う時行と渚。

 

「渚は暗殺者の才能があるが…まぁ、日常生活で使うことはないだろう。」

「それより両津。これを見てみろ。」

 

 ボルボが両津に新聞を渡す。そこには両津達がサバイバルゲームに使っていた場所が植物で覆われたという内容の記事が載っていた。

 

「いくらなんでも成長早すぎませんか?」

「春のヤツ。ペイント弾に何か細工していたな。」

 

 新聞を見て春に呆れる両津であった。

 

 

「どや?水溶性液体肥料の効果?」

「上手くいったで春。」

「このまま緑化させていけるがな。」

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