新葛飾署署員寮
そこの1室に両津達がいる。片付けをしている時行の後ろでボルボと左近寺が筋トレしている。それを暑苦しいと思いながら両津がスマホをいじっている。
「何してんだ両津?」
「スケジュール調整だ。」
「スケジュール?」
ボルボと左近寺が筋トレを止め両津の後ろに回る。
「両津がスケジュール管理なんて珍しい。」
「明日は槍でも降るか?」
「やかましい!両津体力株式会社のスケジュールだ!」
2人は?を浮かべている。それを見た両津が簡潔に説明をした。
「つまり、わしの体力を売っているわけだ。」
「要するに体力を使った何でも屋か。」
「そういうことだ。」
ボルボの言葉に両津が頷く。すると、良いこと考えたとニヤリと笑った。
「お前らもやってみるか?」
「まぁ、新しい筋トレ器具が買いたいしな。」
「丁度いいかもしれんな。」
「ちなみに、10日ほどで30万は稼げたぞ。」
両津の言葉にボルボと左近寺が驚く。どんなものか見ると朝の5時から深夜の3時までピンチヒッターや引っ越しの手伝いなどがびっしりと記載されていた。
「最早、こっちが本業じゃねぇか。」
「警察官の仕事はどうした?」
「ちゃんとやってる!」
両津はボルボと左近寺も巻き込んだ。
翌日 午前5時
早速、両津はボルボ達を引き連れ野球のピンチヒッターに来た。
「どりゃあ!」
「相変わらずの強肩だ。」
両津の剛速球が相手バッターを三振に終わらせる。バッターに回ればホームランを打ち点を取る。そのまま無失点で最初のピンチヒッターを終わらせた。
「時行!次はどこだ!?」
「午前7時から柔道のピンチヒッターです!」
「よし!左近寺、ついて来い!」
次は町会の柔道大会のピンチヒッターだ。両津は左近寺を連れて会場に入る。
「ここは左近寺が頼んだ!」
「おう!任せろ!」
「次は!?」
「午前8時半から社会人硬式野球部のピンチヒッターです!」
両津は走りながらユニフォームを着替える。その隣で時行が着替えを渡したりパンや牛乳を飲食させた。もちろん、走りながら。
「時行がマネージャーみたいになってるぞ。」
ボルボが後ろで呟く。両津達がピッチに到着する。ユニフォームに着替え終わっていた両津がホームに立つ。
「いくぞ!」
両津が威勢を張る。しかし、相手チームが強くすぐには終わらせれなかった。両津が苦戦していると時行が水を渡した。
「両さん。この後、9時半から水泳大会のピンチヒッターですよ。」
「まずい。予定より時間が混んでいる。ボルボ!水泳大会にはお前が行け!」
「分かった!」
両津がボルボに指示を出す。時行が場所を教えるとボルボはすぐに向かった。
水泳大会会場に到着する。そこには両津を待っている人達がいる。ボルボを見て目を丸くさせている。
「お待たせしました!」
「あれ?両さんは?」
「両津は立て込んでいるから代わりに俺がいく。」
ボルボは水着に着替えジャンプ台に立つ。無事に間に合ったことを確認した時行が両津のところへと戻る。さすがの時行も早朝から忙しく走り回っていると疲れてきた。ヘトヘトになって両津のところに着くと両津もヘトヘトになっていた。
「大丈夫ですか両さん?」
「まずい。相手チームが予想外に強かった。」
両津と時行は一旦、派出所に向かう。カロリーメイトを食べながら午後の予定を確認する。
「午後からは剣道、ラグビー、引っ越し2件、野球ナイターが3件…さすがに入れすぎたか。」
「大丈夫ですか両津先輩?」
椎名が両津と時行にお茶を出してくれた。お礼を言ってお茶を飲む。すると、両津は椎名を見てニヤリと笑った。その顔を見て椎名は1歩引いた。
「椎名。お前も手伝え。」
「はい?」
「行くぞ!」
「両津先輩!?」
両津は一休みすると椎名も巻き込み再開させた。そこに左近寺とボルボも合流する。両津達が剣道大会の会場に到着する。両津が防具を纏い先鋒として出る。1人で5人抜きして勝った。
「両津先輩強い…」
「今の体力で防具は重い…」
両津は汗だくになりながら移動する。次はラグビー会場だ。両津と左近寺がユニフォームに着替える。
「こっちだ!」
「悪い!遅れた!」
なんとか間に合った両津と左近寺がコートに出る。
「こっちに投げろ!」
「よし!」
両津がボールを受け取るとタックルで数人吹き飛ばし引き摺りながらトライした。
「両さん強いですね。」
「是非、うちのチームに来てほしいもんだ。」
チームメイトが両津を褒める。両津が水を飲んでいるところに時行が来る。
「あと30分で山田さんの引っ越し時間になります。」
「少し待て…よし!左近寺、ここは任せた!」
「俺はラグビーなんて知らんぞ。」
「ボールを受け取ったら突撃してあそこにボールを置け!」
両津はラグビー会場を左近寺に任せ次の場所に向かう。椎名達がダンボール1つ分持って行く間に両津は家具を重ねて持って来た。
「早くしろ!あと1時間で全部終わらせるぞ!」
「無理ですよ!?」
「さすが両さんだね。」
両津は全身の血管を浮き上がらせ引っ越し作業を孟スピードで進める。
「両さん。次は坂本さん家の引っ越しです。」
「よし!ついて来い!」
両津は休む間もなく次の家に向かう。次の引っ越しでも両津は大量の家具を重ねて持って行った。
「か、かなり…キツい…」
「両津先輩…もう…」
フラフラしている両津達。もう夕方が過ぎ辺りが暗くなる。
「両さん。このままでは次の野球のピンチヒッターに間に合わなくなります。」
「まずい!引っ越しはボルボと椎名に任せる!わしと時行はすぐピンチヒッターに向かうぞ!」
「はい!」
両津がさっさと終わらせようと荷物を持ち上げた瞬間、グギッという嫌な音が腰から聞こえた。そのまま倒れる両津。心配した時行達が駆け寄る。
「両さん!」
「両津先輩!」
「両津、これはぎっくり腰だ。」
ボルボが両津の腰を触って診断する。それでも両津は諦めない。
「次の野球はどのチームも弱小だから…わしが行かんと負けてしまう。…負けたら半額だが行かなかったら全額パァだ。」
「無理はよくないですよ両さん。」
時行が心配するも両津は構わず行く。
「両津、このスケジュールを1人でやるつもりだったのか?」
「いくら両津先輩でも無理ですよね。」
「椎名。お前も行ってやれ。」
「はい。分かりました。」
呆れながらも心配したボルボが椎名を向かわせた。引っ越しはボルボとラグビー大会が終わった左近寺の2人でなんとか済ませれた。
それから、夜通しでナイターを3件なんとか勝たせたが両津も椎名もヘトヘトでぶっ倒れた。その疲れは派出所でも取れず2人は机に倒れていた。そこに大原部長が来る。
「どうしたんだね?」
「実は...」
時行が大原部長に事情を話す。大原部長は呆れてしまい両津を哀れむ。
「そんな無計画だから後悔するんだ。身体だけじゃなく頭も使いたまえ。まぁ、脳ミソまで筋肉にになっていたらそれもできんだろうがな。」
頭をペシペシ叩きながら煽る大原部長。それに両津は内心怒りの頂点に達していた。
その夜
両津は大原部長の自宅に忍び寄った。
「見てろよ部長。」
翌日
大原部長が起きようとするが身体が動かない。
「なんだ!?」
なんとか首を上げて見ると身体中が重りで固定されていた。動かそうとしても重くて動かせない。状況を判断しようとすると天井に張り紙があった。
『ぜひ、頭を使って脱出してください(笑)』
「こんなことをするのは…」
派出所
「両津はどこだ!!?あの大バカ野郎はどこにいる!?」
「両さんならトライアスロンに出場しに行くと言ってアメリカに向かいました!」
甲冑を身に纏い大きな薙刀を振り回しながら突撃する大原部長に対して時行が答えるのであった。