2XXX年? 東京
高級リムジンが国会議事堂に向かっている。国会議事堂に近付く。その前には巨大な両津の黄金像があった。リムジンが止まる。そこから黄金像と同じ派手な軍服を着ている両津が現れた。
「「「おはようございます!両津内閣永久総統帝王閣下!」」」
軍服を着た人達が並んで両津を迎える。両津は手を振り国会議事堂に入る。会議場に着いて議員と問答を繰り返す。しかし、両津は適当に流している。
「両津内閣永久総統帝王閣下!国民は消費税増税に反対しています!今すぐ元に戻すべきです!」
「また、消費税の文句か。最低賃金を2000円にしたんだから20%ぐらい我慢しろ!」
「防衛費増額のためですか!また、戦争を繰り返そうとしていますよね!」
「あくまで防衛のためだ!周りの国が攻めることを諦めるぐらいに戦力は補強しなければならん!」
両津と議員達の問答が続く。すると、両津の腕時計からアラームが鳴った。
「今日はここまで!」
「そんなぁ!?両津内閣永久総統帝王閣下!」
両津は議員達の声を無視して会議場を去って行く。国会議事堂から出るとリムジンの乗り出発した。リムジンには時行がいる。
「両さん。こちらがこれからのスケジュールになります。」
「うむ。御苦労。」
両津は時行から渡された書類を読む。
「まったく。朝から面倒なことばかりだ。国連会議に会食に沖縄訪問…全部キャンセルだ!」
「えぇ!?それはまずいのでは…」
「問題ない。」
両津はニヤニヤしながら外を眺める。
「何せ、大日本両津帝国が世界の覇者になったのだ。経済、軍事、文化…全てがトップなのだよ。だから、好きにしてよい!」
「そんな無茶苦茶な…」
両津の傍若無人ぶりに時行は呆れている。両津は外を眺め遅いと思ったのか運転手に唆した。
「大原君。遅いよ。もっと速く走りなさい。」
「は、はい。」
運転手は大原部長だった。両津はチクチク嫌味を言っている。大原部長は顔をピクピク引きつらせながら返事をした。
「時行。今日の予定は各大臣や企業のトップと会議した後にパーティー、それから美女100人とお風呂だ。」
「は、はい!分かりました!」
両津は葉巻を加え笑っている。そのままムシャムシャ葉巻っぽいパンを食べた。
高級リムジンが両津の家に到着した。一言で言えば、絢爛豪華。外壁や門、噴水まで黄金でできていた。高級リムジンが車庫に入る。両津は時行を連れて歩く。黄金の床に写る自分を見てニヤニヤ笑っている。
「金を踏みしめながら歩く。これぞ贅沢。」
両津が扉を開ける。そこには両津が選んだ大臣達が待っていた。両津が入ると全員席を立ち上がった。
「よく来てくれた。経済大臣中川圭一。外務大臣秋本麗子。防衛大臣ボルボ西郷。スポーツ大臣左近寺竜之介。交通大臣本田速人。文化大臣磯鷲早矢。環境大臣椎名蘭。」
両津が席に座ると中川達も座った。
「君達。報告したまえ。」
「度重なる建設ラッシュにより必要経費を大幅に超える予算になってしまっています。このままですとマンションの高騰が止まらなくなります。」
「それと、沖縄の両津軍辺野古基地に新しくアメリカからオスプレイを10機配備するにもあなりの金が必要だ。」
「東京と大阪を繋げる高速道路も施工が遅れています。」
中川が始めに報告する。それに続いてボルボ達も報告する。両津はウンウン頷き時行はメモしている。
「金の問題は気にするな。わしにはあれがあるからな。」
「竹島のレアアースですか?佐渡金山の金脈ですか?それとも最近掘り当てた石油、天然ガスですか?」
「それらもあるが違う。まぁ、お前達が気にすることはない。それより会議を終わらせてパーティーだ!」
椎名の質問を両津ははぐらかした。両津は会議を早々に切り上げてパーティー会場に移動する。
「それでは第33回両津帝国パーティーを始める!」
「またですか。」
「毎月やってますよね。」
「本当は毎日したいぐらいだ。」
両津は豪華な食事と世界中から呼び寄せた芸人、アイドル、女優達で盛大なパーティーを始める。その様子を大原部長が外から覗いていた。
「ワハハハ!今日も楽しいパーティーだった!」
「両津内閣永久総統帝王閣下!」
「なんだ?」
両津は意気揚々と廊下を歩く。そのにボルボと左近寺が来た。両津は返事をして後ろを振り向く。ボルボの前には未成年らしき少年達がいる。
「なんだそいつらは?」
「不法侵入者だ。バールや結束バンドを所持していた。」
「なるほど。強盗か。」
両津は少年達に近付く。
「わしの家を狙うとは不届き者め。」
「おそらくだがこいつらは闇バイトで集まった連中だろう。」
「未成年なら刑は軽くなると思ったか。」
両津が少年達を睨む。
「もうお前らが知っている少年法はないぞ。今の少年法が守るのは初犯。それも、万引きや不法侵入などの比較的軽い罪を犯した未成年だけだ。強盗未遂のお前らは大人と同じ刑罰で処する。」
両津の睨みに少年達は震えている。
「ボルボ。黒幕を吐かせた後に監獄に入れろ。」
「了解!」
ボルボは敬礼すると少年達を連れて行った。両津は気を取り直して風呂場に向かう。そこには麗子やマリア、早矢を含めた美女100人が水着姿で待っていた。風呂場には大量の札束が入っており正に札束の湯となっていた。
「待たせたねみんな~!」
両津は服を脱いで札束風呂に飛び込んだ。近くにいた椎名と纏を寄せ麗子達を呼ぶ。
「これこそ贅沢の象徴。札束風呂だ!」
両津が豪快に笑う。その後ろからジョディーとマリリンも寄ってきた。
「ジョディー、マリリン。アメリカと中国はどうだ?」
「日本に戦車500両、軍用ヘリ200台、戦闘機150機、戦艦、駆逐艦合わせて25隻全て納入できたわよ。」
「中国も鉱山の40%を両津に売る契約を終わらせたわよ。」
「よろしい!」
両津は美女と札束のプールで一晩中遊び尽くしていた。両津は満足したのかウッキウキで寝室に向かっている。その隣では時行が不思議そうに両津を見ていた。
「両さん。どうやってあれほどのお金を?」
「いいだろう。時行だけに見せてやる。」
両津は寝室に入ると自画像を動かし裏にあった指紋認証に手をかざした。その瞬間、本棚が動き地下へ通ずる階段が現れた。その先を進む。
「ここは…」
「驚くぞ。」
両津が虹彩認証に両目をかざす。厳重な鉄の扉が開く。そこには大量の機械と札束があった。時行が機械を見ると紙幣が製造されていた。
「ここが秘密の造幣局だ。本来、紙幣は決められた枚数した造れないがここならその決まりもない。こうすれば、無限にお金を作ることができる!」
両津はワーハッハッハと高らかに笑っている。時行は増産される紙幣をただ見つめていた。その様子を麗子がジーと監視していた。
翌日
両津が鼾をかきながら寝ていると突然爆発が起きた。「何事だ!」と叫び外を見る。すると、大量の戦車や武装した民衆がクーデターを起こしていた。
「何が起きた!?」
両津は慌てて着替え寝室を出る。そこに時行とボルボが報告に来た。
「大変です!ほとんどの企業が両さんに対して反逆しました!」
「軍部からも離反が相次いで出ている!」
「何をー!」
両津は直ぐ様反乱分子を抑えるべく仲間を集めた。
「中川や麗子も離反してたのか…」
「おそらく主導したのは中川だな。」
「何故だ!我が国は軍事も経済も外交も全て理想的なはず!」
両津が机をダンッと叩く。それとほぼ同時に爆発が起きる。屋敷内からだ。両津が驚いていると椎名が慌てて入ってきた。
「両津先輩の寝室に反乱軍が突入しました!」
「まさか!」
両津が寝室に戻る。そこには麗子達がいた。
「麗子!何の真似だ!」
「両ちゃん。あなた、違法に紙幣を製造していたでしょ。」
「法務大臣はわしが兼任しているのだ!わしが合法と言えば合法だ!」
両津はスマホを取り出しジョディーにかける。
「ジョディー!今すぐ戦車100両持ってこい!」
『それだけど既に中川さんが全て買い取ったのよ。』
「だったら買い戻せ!」
『それだと1両100億円かかるわよ。』
「は…」
両津は目を点にする。
「なんでそんなにかかる!?この前は1両3億だっただろうが!」
『両さんが秘密裏に大量に紙幣を発行していたことが分かった瞬間、日本円の価値が下落したのよ。』
「はい?」
両津がまた目を点にする。そこに時行達が来て報告した。
「両さん!日本円が100円が0.47ドルになっています!」
「は…?」
両津は震えていた。夢の札束が最早ほとんど価値を示さなくなったのだ。麗子の後ろに反乱軍が集まる。造幣局は既に中川達が抑えている。両津は逃げ出した。屋敷を出て車に乗ろうとする。そこに大原部長に似た巨大ロボが現れた。
「両~津~!」
「ぶ、部長~!」
部長ロボがロケットパンチを放つ。パンチは車に命中し爆発、両津を吹き飛ばした。
「りょ、両さん!」
時行が慌てて駆け寄る。
「両さん、しっかりしてください!」
「時行…わしはもうダメだ…」
「両さん…両さん!」
「両さん!起きてください!」
「時行…後は任せた…」
「ほぅ。勤務を小学生に放り投げて自分は爆睡か両津?」
両津は大原部長の声に驚き飛び上がった。周りを見る。みつもの休憩室、いつもの服装、いつもの時行、そしていつもの大原部長。
「なんだ両津?クーデターを起こされた独裁者みたいな顔をしおって。」
両津はから笑いをする。どうやら、さっきまで夢を見ていたようだ。
「起きたのならさっさと勤務に戻れ。」
「は、はい~!」
「どうされたのでしょうか?」
「いつものことだ。気にする必要はない。」
時行と大原部長が見ている中、両津は慌て勤務に戻っていった。